僧ヶ岳BC -別俣谷・成谷山ルート-


- GPS
- 14:41
- 距離
- 19.5km
- 登り
- 1,742m
- 下り
- 1,732m
コースタイム
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
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写真
感想
冬の僧ヶ岳へは、宇奈月からはスキーで2回、初冬だがスノーシューで1回登ったが、魚津側からは挑戦するも成功してなかった。先日Sanchan33と、今回と同じ別又谷・成谷山西尾根からの入山を目指したが、取り付き薮で敗退した。Sanchanはその後宇奈月から登ってしまったので、今度は一人で、少雪の今シーズン、どこからどう取付くか考えて今回の挑戦となった。
西尾根への取り付き方として、一つは標高700mの尾根上まで別又谷林道通しで行ってしまうことで、距離は5km余りになる。もう一つは、建設を終えたばかりの、今年発電を開始した水力発電の導水路設備に絡んで登ることだった。現地に行って見て、後者を選択することになった。
林道上をシールで歩き出すが、雪面はクラストしていてスキーでは殆ど沈まない。歩き出して500m位、302mの標高点近くから右に分岐する道がある。その先には発電所設備がありそこから上へ、尾根上に導水管が敷かれている。分岐した道を行くと今度は左に道が分岐し、発電設備への通路だ。二つの道の間の、尾根の末端に取り付き登って行くと、導水管の横に出た。導水管沿いは木も薮もなく、導水管を離れると薮がちの急斜面で厳しい。ところがその導水管沿いの斜面も、上に行くほど幅が狭くなり、導水管は尾根の背を溝状に掘って付けられているので、人工的なナイフリッジになってスキーでは登りがたくなってしまった。しばらくもがいた後に、奥の手を実行することにした。すなわち、導水管脇に付けられた階段を利用するのである。スキーを背負い、ツボ足で階段に乗って登るが、しばらくは膝ラッセルで、踏み込めばステップに足が乗る状態で登って行けた。次第に階段上も雪が深くなり、腰ラッセルに喘ぐようになった。ともかくもうここを行くしかないと必死で頑張り、導水管の傾斜が緩くなったところで階段を脱出して、斜面をスキーで登って導水管最上部の施設に到達した。ここまで取付きから標高差400mほどを3時間かかった。林道通しだったらどうだろう、時速2〜2.5km位で2時間から2時間半位で来れただろうか。
施設から立派な林道を辿ってから、成谷山へと続く尾根に乗る。1019mの標高点までは単調に登って行けるが、そこから1261mの標高点の先の窪地までは緩やかだがやや複雑な地形で小ピークが多く、地図で見る限り水平に巻いて行けると思うと、実際そうは行かなくて結構アップダウンでトレースをつけてしまった。
窪地の先は1600mの成谷山まで単調に登るが、下半分はかなり急斜面、雪も柔らかく辛抱でラッセルするところ。上の方は斜面的には登り易くなるが、いいかげん足が疲れて来ていてペースが上がらない。それでも成谷山頂に近づくと木が減って見通しが効き嬉しくなる。ただ山の天気はあいにくの曇りでやや暗い。時々雪も舞っていた。週末天気が崩れる予報なので平日良い天気の日を狙おうと、当初昨日の木曜日で計画したが、仕事の都合で金曜日の今日になった。平地の天気予報は両日とも晴れだったのだが、山では違った。昨日は富山市内から素晴らしく綺麗に立山連峰が見えていたので、昨日だったら本当に良かった。今日の今は眼下に富山平野、富山湾は見え、そちらには確かに日は当たっている。まぁ深いガスにはならなかったことで幸いだったと思うことにしよう。
成谷山に達すると、漸く目標の僧ヶ岳が見え、その右には駒ヶ岳も見えている。あと標高差で250m、距離は直線で2km近くある。途中幾つかのピークを越えて行く。雪面状態はフカフカ、クシャクシャ、カリカリ、ガリガリと目まぐるしく変わる。山頂一つ手前のピークでクトーをつけた。最後の登りで、左手には前僧ヶ岳が見えてくる。Sanchanはそっちから来たんだな。クトーを効かせてガシガシと、遂に山頂に到達、長かった。毛勝山は? 残念足下しか見えない。気温は零度をちょっと下回る程度と思うが、風が強くて寒い。もう2時をとうに回っている。帰りはどけだけかかるだろうか。
成谷山まではクラスト、氷化面が多いので安全を旨に滑走。成谷山から標高1260mまで、ここが本日唯一愉悦のパウダー滑降斜面だった。1019mまでがちょこまか登り返しとの戦い、その下標高700mの林道に出るまでは、雪は重いが結構走った。林道部分は歩く所と立ったまま滑って進めるところが半々くらい。さて導水管上部にやって来た。施設脇をすり抜けて、斜面に乗ってみる。緩い所を僅か滑って進めたが、急で狭い所になると、ブッシュは刈られているのだが、根もとが残っていて杭打ち状態、横滑りも出来ず一歩一歩避けながら下りて行くしかない。そこで導水管溝の内側の斜面に逃げると、傾斜が緩い所は横滑りで快調に下りられたが、急傾斜部分に乗ると、モルタルの上の雪が全部剥がれて全層雪崩で通過危険となる。ここでも奥の手、最後の標高差150mほどは階段に逃げた。どうにか下の発電所まではヘッ電なして下りて来れた。林道一歩きで全行動終了。
未踏ルート開拓、おめでとうございました。
てっきり林道で700mまでアプローチしたものかと思っていましたが、まさかの発電所ルートでしたか。
レコ見る限りちょっと厳しい感じでしたね。
展望は残念でしたが達成感は最高潮!そんな感じではないでしょうか。
僧ヶ岳はすっかりお気に入りの山になったのでまた別ルートでトライしましょう!
冬の僧ヶ岳行けるといっぱしのBCスキーヤーになれた気がしますよね。
達成感だけは、と言うのはその通りで、また天気のいい日に出来たら一緒に行きたいね。
今度は三ッ倉山ルートか、柏尾谷からの成谷山ルートかな。
感想を読むだけでも相当厳しい状況が伝わってきましたが実際はさらに厳しいでしょうね。行動時間が物語っています・・ルート開拓されただけに達成感は一入でしょうね!
僕も順を追って富山の山を登って行きたいです!
冬の僧ヶ岳でも、みなさん10時間かそこらで往復してますよね。先日のさんちゃんもそう。僕が遅いだけなんですよ。でも今回は、雪の状態によっては手こずる急斜面が多かったと思いますね。ピークの巻きが上手く行かなくて帰りの登り返しが多かったのは、トラバースのテクニック、ルート読みの下手さのせいだけど、積雪の少ない今年の事情としてはトラバース斜面にブッシュが多くて水平に進みづらかったと思います。
どれだけ疲れたかを示す一例として、下山後トイレで踏ん張ったら腹筋が攣りました。
14時間の山行とはハードですが、それに耐えうるタフさに脱帽です。
雪不足で地元低山はだめなので危険のないところを選んで遠征しようかと考えています。
ニシデンさん、お見事!
15時間弱、戦いましたね。
レポートはかなり控えめに書かれていますが、
大変なものだったと思います。
加えて、初登ルートによる僧ヶ岳登頂であり、
おめでとうございます、に加えて、
そのモチベーションに頭が下がります。
また、各場面に現れる冷静な判断を、
自分も見習いたいと思います。
クマ
積雪少なめの今シーズンにどこから取付くかだけのルート取りなので、初登ルートとまで言うのはおこがましいですよ。疲れたけど足は持ちましたね。下りてから腹筋だの手の指だのが攣りましたが。
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