【春花作戦】弥勒寺〜和尚台〜迦葉山〜白樺湿原【丁32.0】
- GPS
- --:--
- 距離
- 17.9km
- 登り
- 894m
- 下り
- 1,110m
コースタイム
天候 | 晴れ 薄曇 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
復路:岡谷バス停〜沼田駅 410円 |
コース状況/ 危険箇所等 |
白樺湿原から先残雪多く、道不明瞭。踏み跡も無し。また、雪解け水があちこちで溢れ歩行に困難を伴う。 和尚台は本文にて詳述するが、かなりスリリング。 |
その他周辺情報 | 山の麓の茶店等飲食店は軒並み閉まっている。季節営業なのか廃業しているのかも不明。 |
写真
感想
ずっと天気がイマイチな週末が続いていたが、遂に晴れの週末を迎える。
今回は、南関東の桜も散り気味になったことから、これから盛りの桜を求めて北関東へ。前から気になっていた迦葉山を歩くこととした。
迦葉山といえば天狗と連合赤軍。特に天狗様には山を歩く際にはいつもお世話になっているので、一度ご挨拶をと考えていた。昨年はちょうど10年に1度の大開帳の時期だったが、長野善光寺の御開帳を優先したため、1年ずれての訪問となった。
バス停の名は「迦葉山」でもその場所は山の麓。暫くは車道を上っていく。途中から参道に入り、門を潜り、橋を渡り、堰堤を越えて行く。その詰めた先が駐車場で、そこから展望が開ける。
門前の観音様にご挨拶して、弥勒寺に参詣。日本三大天狗のうち、二つに詣でたので、あとは鞍馬寺か。京都北山には静かな名山があるというので是非とも歩いてみたい。
弥勒寺の裏から迦葉山へ。これから本格的な山の道。久し振りの急傾斜に体が熱くなる。それも十数分で和尚台に到着。この和尚台は、弥勒寺と山頂の中間に凛と屹立し、山頂よりも展望が良い大岩である。この岩の狭間から胎内潜岩ということで中を潜って、その裏側に出たところから岩の上に上ることができる。
胎内巡りに相応しく産道の入口は狭く、手足を動かしづらい。そこをクリアできれば岩の中に入っていけるのだが、逆に言えば、ここでてこずるようであれば、この先は覚束ないだろう。
岩の裏側から鎖を頼りにしつつ、高度感ある岩を上っていく。が、露岩なので、なかなかの高度感。下を見ないように慎重に。傾斜がきつくて足がかりが浅い箇所は集中。
上りきった和尚台の上からは360度、武尊、赤城、榛名と迦葉山山頂を見渡すことができる。
和尚台を過ぎると落葉の急勾配。歩く人はあまり多くないようだ。静かな山頂からは南側を望むことができる。
さて、山頂直前から残雪が目に付くようになってきたが、この後どうしようか。いつもの調子であれば、さらに北上して尼ヶ禿山経由玉原高原行きといったところ、今はまだ残雪期。慎重に判断しなければならぬ。ということで、とりあえず、中間の白樺湿原まで歩を進めることとした。
北側の斜面を降りていくと、先へ進むにつれて高度は下がっていくが雪の量は増えていく。笹の擦れ合う山の端に至り、漆黒の土の上に流れる沢を渡ると、白樺の森の中に雪の園が広がり、その根底では雪解け水が此処彼処から溢れ出し、私の行く手を阻んでいた。
ここが白樺湿原かと思いつつ、さらに先へ行けないかと模索を続ける。
だだっ広い草原は残雪に大部を覆われてはいたものの、昼の陽射しと夜の月明かりに融解と凍結を繰り返し、何時の間にか先行する踏み跡は消え去っていた。雪の園に独り取り残された私は、その立ちはだかる現実にうろたえながら、なおも先へ進もうと試みた。もともと沢なのか、道だった所が沢になったのか、よくわからない大きな水溜りのために、ついつい足元に落としがちな視線を何度も上げて彼方此方を見渡す。目の前に広がるのは、ただただ森であった。冬の厳しさに木々は倒れ本来の道を隠し、残雪は下草を隠して幻の道を作り出していた。
暫くの彷徨の後、私は天頂に達して間もない太陽を見上げて嘆息した。そして、再び歩き始めた時、家族であろうか、大小5頭の猪達が脱兎のごとく水辺を駆け去るのを目の当たりにした。俄かに森が騒がしくなった。私は、ここにいてはいけないような気持ちに襲われ、これ以上先へ進むことをやめた。
山行の最中、今回の迦葉山という選択について考えていたが、迦葉山は山の奥深さを教えてくれていた。水の残り少なくなった水筒を眺めながら、私は迦葉山と私の山行に満足していた。
〜おしまい〜
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