二子山 中央稜 ヨーデルが聞こえる快晴のマルチピッチ
- GPS
- 07:01
- 距離
- 3.8km
- 登り
- 700m
- 下り
- 703m
コースタイム
- 山行
- 6:17
- 休憩
- 0:27
- 合計
- 6:44
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
黒海土の信号を過ぎ志賀坂トンネル方面へ向かい、民宿登人の先を右へ入って直ぐに南側の坂本登山口が有ります。ここは一般登山で使われる登山口で、バイオトイレがあります。坂本登山口からさらに先へ進み、トンネルを通って暫く行った所に北側の倉尾登山口があります。 倉尾登山口の駐車スペースは登山口の先に10台程度。登山口から股峠までは5分程、股峠から中央稜取り付きまでは10分ちょっとで到着します。 GPSログでは股峠から先で取り付きへの分岐を見逃して行き過ぎてしまい、戻った軌跡も含まれています。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
クライミング中もさることながら、抜けた後に西岳山頂へ向かう際は小さい浮石を踏んでのスリップに注意。下山は一般コースから下山しましたが、粘土質の地面と磨かれた岩で意外と滑ります。ロープでお互いに確保されているクライミング中よりも危ないかもしれません。 |
写真
感想
今まで一般登山道では何回か登っている二子山。山頂から岩壁を登るクライマーを見て、別世界の事だと思いつつも憧れていました。あれから数年、ついに自分にもマルチピッチで登るチャンスが巡って来ました。
人気のルートで混雑するという事で平日にしましたが、偶然一緒になったパーティが愉快な方々で、登山史に残る程の大ベテランにもかかわらず気さくに接して頂き、楽しいクライミングとなりました。自分らと行きつけのジムも同じと言う事もあり、素晴らしい出会いに恵まれました。3pテラスで披露して頂いたヨーデルは岩峰の景色と相まってアルプスの春を想わせる爽やかな響きでした。
股峠〜取り付き
祠エリアを過ぎ、話しながら歩いていたら取り付きへの分岐を見逃してしまい行き過ぎました。意外と分岐の踏み跡を見逃し易いです。取り付きには赤いドラム缶が有ります。
1p 掘銑+(フォロー)
凹状フェースから右上してテラスへ。最初の方に見た事の無い極厚ピトンが有ります。スタート直後で身体が温まっていないこともあり、凹状フェースから右上し始める辺りが若干ムムッと言う感触でした。ピナクルテラスが1p終了点で、登りきって手を見たら血だらけなので確認すると右手中指先の腹が切れて穴が空いています。鋭利な石灰岩で早速手を傷つけてしまいました。絆創膏で応急処置。
2p -(リード)
カンテ右側の凹角状がオリジナルのルートらしいのですが、現在はカンテの方がルートとなっていて支点が整備されています。カンテを左上してから直上すると、左側にピトンが有りますが、カンテにボルトが有るので上部では右カンテへ。
ピトンの所から右のカンテに乗る時に、空中に身体を振り出す所がファイト一発な感じですが、手はガバなのでそれを信じてエイやと乗ります。その先、被った岩の下を左に行くと2p終了点が有ります。ロープの掛かったハンガー2点と、さらに左にもう2点ハンガーが有ります。2p終了点は高度感のあるバンドで、セルフを信じて体重を預けないと疲れちゃうので注意です。
3p + (5.7)(フォロー)
クラックから逆Y字クラックへ。5.7とガイドブックに有りますが、クラックに慣れていない自分にとっては10bにも感じました。短い間隔でペツルボルトが2点ある辺りが核心です。大きめのカムを用意するとより安心できると思います。3p終了点はテントが張れるほどの大テラスです。
クラックなのでレイバックなのかと思いますが、抜けた後で上から後続パーティーのリードを観察した所、ステミングを上手く使っていました。
風が強くリードとの意思疎通が上手くいかず見切り発車してしまいました。ロープが引かれないので大声で呼んでみたらビレイ体勢に入っていない様子だったりで消耗、さらに指の絆創膏が取れて中指使用不能になったりで限界となり、ハンガーに足を掛けてA0しちゃいましたが、全てひっくるめて自分の実力です。要再チャレンジですね。
自分らは3p大テラス奥のペツルでセカンド確保としていたのですが、風が強い時などはテラスに遮られて声が届かない事があるようです。後続パーティのセカンド確保を見ましたが、立ち木に支点を取ってテラス末端に立ち、セカンドが見えるくらいの位置でビレイしていました。なるほど、アレなら声が通って意思疎通がやり易いと勉強になりました。
4p +(リード)
大きな丸岩の右からスタートし、左上して左のピナクルの辺りから抜けます。岩に登れそうな所を教えられるままに登れば良い感じです。終了点はテラスになっていますが浮石が多く、落石に注意です。
5p -(フォロー)
スタートしてすぐ、左へちょっとトラバースしてから上へ。登れそうな所を繋いで行く感じで登ると本来のラインとはちょっと外れて右側に寄ったみたいです。リードが5pと6pをつなげて登ったので、このピッチの上部は本来の6pで掘銑犬糧Δ任垢、最後の岩の右バンド状を抜ける所が難しめで掘銑鍵幣緲りました。
どうも6pは上部で左右に分かれているらしく左が本来のルートで容易らしいです。後続パーティが自分らよりも左側を登り、正しく5p、6pを登って来るのを見て、自分らは右側を登った事に気付きました。
6p(リード)
前ピッチの終了点は狭いテラスで、新しいめのリングボルト2点がありました。そこから左の凹角状を一段登るとペツルが2点有る本来の6p終了点に出ました。ここから先は本来の7p となりロープは不要です。階段状を歩いて上に抜け、西岳山頂に向かいました。
自分のレベルでは難しいピッチも出てきて緊張の連続だった事も有り、最高に充実したクライミングでした。一方で今後の課題も見えて未だ道半ばと言う所ですが、とりあえず新しい一歩を踏み出せたと思います。山に、そしてチャンスをくれた友に感謝!
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