山毛欅ヶ平山(佐渡島の越後百山)
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- GPS
- --:--
- 距離
- 12.4km
- 登り
- 472m
- 下り
- 460m
コースタイム
- 山行
- 3:40
- 休憩
- 0:45
- 合計
- 4:25
・山毛欅ヶ平山は情報が少ないので事前に最新の情報を確認してから入山したほうがベター。
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2008年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
両津港からスタート地点の峠までは航送してきたバイクで移動。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
現在、新潟大学演習林管理道路は徒歩でも入山規制されているようです。管理道路を通らない「新潟 花の山旅」(2000年版)に掲載のルートで行くほかないようです。ただし訪れる登山者が少ないため登山道が荒廃して薮化しているおそれがあります。今回は未確認です。 |
写真
感想
12年ぶりに佐渡の越後百山、山毛欅ヶ平山に登る。コースは「越後百山」に掲載の歌見川沿いのコースが不明のため黒姫越から徒歩で演習林管理道路を通って山頂を目指したした。山毛欅ヶ平山の登山口は管理道路に面してため管理道路を通らなければ登頂することは出来ない。今回の山行は佐渡の原生林と巨大杉を巡るトレッキングツアーが始まる以前の残雪期に計画したものである。
新潟港始発の佐渡汽船カーフェリー「おけさ丸」で佐渡へ渡る。花のトレッキングシーズンを前に乗船客は少なめである。スクーターで内海府海岸を北上し歌見集落から歌見川沿いの林道を進む。登山口のあるはずの堰堤を発見できなくしばらく彷徨う。時間が限られているので、こちらからのルートは諦め、海岸線をさらに北上し黒姫集落へ向かい黒姫川沿いに道路を上った。簡易舗装の道路は次第に小石や小枝の散らばる悪路となり慎重に運転する。道路脇にはスミレやニリンソウ、カタクリなど春の花が咲き始め、目を楽しませてくれる。途中で山菜採りをしている地元の方がいた。さらに荒れてくる道路を上るとまもなく黒姫越(峠)に到着する。
かつて黒姫越は内海府の歌見と外海府の関方面を結ぶ要衝であったが今はその面影はない。黒姫越の左手に先に新潟大学演習林管理道が分岐している。ここにバイクを駐車しゲートを越え未舗装の管理道を徒歩で進む。しばらく路面には積雪は見られなかったが標高600mを超えると残雪がちらほら現れてくる。もう一つのゲートを通過すると勾配が出てきて、月貫山近くになると道路は大佐渡山脈の西側斜面に出て外海府方面の展望が開ける。周囲の山肌は立ち枯れの木が目立つようになり、ガレた斜面からの落石が路面に転がるようになる。冬季は厳しい季節風がまともに吹き付ける場所のようである。月貫山(862m)は杉林に覆われた黒々とした円錐形の山である。月貫山の麓に差し掛かると欝蒼とした杉林が広がり日陰となった道路には積雪が10〜20センチほど残っている。
歌見越手前の道路左手に「千手杉」と記された標柱のある杉巨木が現れる。まさに天野尚氏の写真集で見た樹齢千年といわれる千手杉のようだ。厳しい季節風の影響で大きく変形した枝ぶりの老木だ。標識もない歌見峠を過ぎるとなだらかな笹原が広がる石名小屋山西斜面を通過する。昔、天然杉を切り出した場所である。「新潟 花の山旅」に掲載の管理道路に出ないルートは井坪山の先から薮こぎのようである。なお「新潟100名山」には「山毛欅ヶ平山」の掲載は外されている。管理道は石名小屋山西側斜面を縫うように延び井坪山西側で杉林帯へ入る。所々杉の大木も見られる。山毛欅ヶ平山の南西側まで来ると山毛欅ヶ平山への登山口の標識が現れる。登山道は山頂まで杉林の中にはっきりと付いている。なだらかな笹原が広がってくると山頂に到着である。山頂には誰もおらず静寂に包まれていた。日当たりの良い山頂広場は積雪はなく中央に一等三角点がある。さずがに一等三角点の山であり展望は良好で幾重にも重なる山並みの先に東西両方の海岸線まで見渡せた。
下山はショートカットで山頂から北上し井坪山を経由して道路に降りることにした。なだらかで杉の点在する井坪山周辺は積雪に覆われていた。積雪の融けた場所では薮の中に踏み跡が付いていた。時々ピンクの測量用テープが結ばれており真下には「行政区界」の杭が打ってある。井坪山からの下りになると展望が開け月貫山など大佐渡北部を一望できた。さらに稜線を北東へ進み石名小屋山の手前から沢沿いに林道へ下った。あとは道路で黒姫越へ下るだけだが季節外れの暑さで約5kmの行程は長く疲労度アップの歩きとなった。
黒姫越から再びバイクに乗り、フェリー出航まで時間があったのでドンデン高原をツーリングしてから両津港へ戻った。新潟港行きの19:30発のフェリーに乗船し、甲板に上がり涼しい海風に吹かれながら、闇に溶け込む大佐渡山脈のシルエットを眺め山行の余韻に浸った。
(参考文献)
「越後百山」佐藤れい子 著
「新潟 花の山旅」新潟日報事業社
「佐渡 - 海底から原始の森へ」故 天野 尚 写真集
「自然と人情ふれあいの山々」カモシカ永井氏ホームページ
〜山毛欅ガ平山 2009年6月27日〜
http://www.kamoshikanagai.jp/
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