記録ID: 941598
全員に公開
沢登り
日高山脈
コイカク左股右沢 〜 名無沢三の沢 〜 1839峰 〜 夏尾根
2016年08月12日(金) ~
2016年08月14日(日)


- GPS
- 56:00
- 距離
- 26.3km
- 登り
- 2,759m
- 下り
- 2,755m
コースタイム
1日目
- 山行
- 12:20
- 休憩
- 0:10
- 合計
- 12:30
2日目
- 山行
- 9:45
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 9:45
5:00
60分
C1
6:00
405分
三の沢出合
12:45
120分
・897二股
14:45
Co1200付近=C2
3日目
- 山行
- 10:05
- 休憩
- 0:40
- 合計
- 10:45
4:45
160分
C2
7:25
8:05
155分
1839峰
10:40
110分
ヤオロマップ岳
15:30
札内ヒュッテ
コイカクシュサツナイ川左股右沢遡行 〜 下降沢 〜 名無沢三の沢遡行 〜 1839峰 〜 夏尾根下山
1日目:快晴、上部ガス
札内ヒュッテ(4:50)上二股(6:10-6:20)夏尾根頭(13:20)下降点(14:45)名無沢出合=C1(17:20)
・コイカク左股右沢
上二股までは広い河原を歩く。コイカク川左股に入る。Co680の二股で右股に入る。滝となって出合う。函状の中の滝をいくつか越えていくとCo770付近に20mのハングした滝。右岸から高捲く。立ったルンゼ状から立木までFトップで行き、後続にはザイルを垂らして確保。その後ブッシュ伝いに高捲いていき滝の落ち口へ出る。その後も連瀑帯となっており概ね直登していく。やや難しめの滝が多い。20-30mの滝を2つ程高捲いたような。Co1140に樋状の滝があり、奥には分厚い雪渓がある。この樋状の滝は泳いで取り付き、突っ張って登る。雪渓から流れる冷水で絶叫。雪渓には左岸末端から乗り、しばらく上を歩くが滝が現れる手前で雪渓が切れる。高さがあり下りられないため、少し戻ってジャンプで左岸の側壁テラス状に移る。左岸側壁をトラバースしていく。その後も滝が延々と続く。全体的に傾斜は強く、逆層。やや緊張する登りが多い。1か所後続にザイル垂らす。適当に詰めていくと徐々に沢型は小さくなり、藪漕ぎとなる。夏尾根頭直下の夏尾根上に出る。
・名無沢下降沢
稜上はガスっている。踏み跡を辿っていき、下降沢へ伸びる尾根への分岐で踏み跡を外れる。ハイマツを漕いで下降点まで。下降沢は上部ブッシュが濃い。徐々に沢型となり小滝が現れ始めるが容易にcdできる。その後も概ねcdできるが1つだけabした滝があった。名無沢には滝となって出合うが左岸を歩いて下りられる。名無沢出合いの河原でC1とする。増水不可。夜は快晴、星がギラギラ1日目。
2日目:快晴
C1(5:00)三の沢出合(6:00)・897二股(12:45)Co1200付近=C2(14:45)
・三の沢出合いまで
三の沢出合いまでは函がいくつかある。泳いだ所もあった。
・三の沢
三の沢に入ると函状となる。三の沢は大きく分けて3つのゴルジュ帯があるようだ。下部の1つ目は比較的小ぶりな函滝、ゴルジュが途切れ途切れに現れ、・720付近まで。これらを過ぎるとCo750屈曲付近から両岸が高くせりあがった2つ目のゴルジュ帯となりCo820の屈曲点、左岸から支流が20m程の滝となって合流するところで一旦開ける。すぐに3つ目のゴルジュ帯が始まり・897二股手前まで続く。
・1つ目のゴルジュ帯
出合いから少し歩くと15m程の滝が現れるが右岸を直登する。その後もゴルジュ状の中に小滝などが現れる。泳いでシャワークライムもする。Co680付近で窯をもった2m程の函滝。K氏、泳いで取り付き突破を試みるがツルツルに磨かれており諦める。F、左岸のバンド状をトラバースしてルンゼ状となったところを数歩cd。その後左岸を登り左岸の棚上へ。K氏は下から左岸ルンゼ状を登り合流する。その後も数mの小滝を持ったゴルジュが続く。概ね中を行ったが、1つ右岸の棚状を使って小さく捲く。棚に上がるところでK氏にお助け垂らす。Co710付近で2m程の斜滝が入口に持つゴルジュが現れる。右岸テラスから先を除くと奥にはもう1つ窯持ちのツルツルの斜滝があり、これは通過不能に見える。右岸のテラスから2つまとめて捲く。その後小ぶりな函滝が2つ3つ続く。容易に捲けるものもあるが水流突破などしてみる。右岸の岩盤状を捲いた滝もあったがちょっと気持ち悪い。
・2つ目のゴルジュ帯
Co750屈曲点付近から両岸が一気に高くせりあがり、いかにも険悪なゴルジュの様相となる。流木など越えていくと、出だしはCSが挟まった2m程の段差。泳いで取り付きのっこす。やや難。その奥で右に屈曲するのが見える。どんづまりには2段(3m+10mくらい)窯持ち、両岸の壁に囲まれた見た目ヤバそうな滝が現れる。これは無理かと思ったが、比較的容易に越えられた。1段目、Fは左岸、K氏は右岸をワンポイント、ザックを下ろして登る。1段目上は窯があり、左岸の壁は水流でえぐられて見事にハングしている。2段目は左岸のカンテ状を登る。その後泳ぎ、突っ張り等で越える比較的容易なゴルジュを2,3越えると、奥で再び沢は右に屈曲し、すごい勢いで水が流れるウォータースライダーのような滝が現れる。途中まで流木がかかっているとはいえ、水流で完全にツルツルに磨かれ、突っ張りができる幅でもなく、水流突破は厳しそうに見える。下の窯は洗濯機の様、滑ったらヤバそうだ。左岸のカンテ状側壁を2pで登ることにする。1p目、5mくらい。F、空身でザイル引っ張っていく。ここもツルツルでホールド皆無。わずかなリスにマイクロハーケンを叩きこむが先端が1cmも入らない。だましだましA0し、1歩上がるが次の一手が核心だった。両手2本指カチ、左足スメアで右足ハイステップの際どいムーブで、吼えた。テラスで一旦ピッチを切り、ザックつり上げ、ザイルを垂らして後続はゴボウで登る。2p目はバンドを伝って3m程斜上、テラスまで。比較的容易だがザックつり上げ、後続は確保。このテラスからab3m3弱で滝の落口に出る。すぐにCo820二股でようやく日が差し込みしばし休む。
・3つ目のゴルジュ帯
すぐにまたゴルジュ帯となる。入口には狭いゴルジュの中にかかる2m程の滝。K氏、泳いで取り付き全身シャワー突っ張りの水流突破を試みる。左岸にアングルを打ち込みA0するも突破ならず。F、アングルでA0、アブミをかけて体を上げ、突っ張りで抜ける。後続にはお助けを垂らし突破。これを超えるとすぐにまた両岸高くせりあがり険悪なゴルジュの様相となる。最初の小滝は右岸岩盤を微妙なトラバース。その奥に4m程の2条の滝があり、これは直登不能。少し手前から右岸の岩盤バンド上、滝の高さまで上がり、トラバースしていく。逆層で泥付き、ホールド乏しく外傾スタンスを拾うトラバースで結構緊張した。その後いくつか函滝を超えて、Co850付近に樋状の滝。泳いで取り付き突っ張って超えるとあとは簡単な滝が少しあるのみですぐに・897二股、ゴルジュは終了となる。
・Co897左股、39直登沢
出合は滝となっており、ここからCo1200付近まで滝が続く。概ね直登していき、4つ程の滝で後続にザイルを垂らした。Co1200付近でやや平坦となり、C2とする。夜は快晴、星がギラギラ2日目。
3日目:晴れ、上部ガス、後霧雨
C2(4:45)コル(6:30)1839峰(7:25-8:05)ヤオロマップ岳(10:40)コイカク(12:30)上二股(14:10)札内ヒュッテ(15:30)
C2より上は急なガレで滝という程の物はない。C2上に小さな雪渓の残骸があるがここだけだった。水量の多い方を詰めていくとやがてブッシュに突入し、39の南西コルに出る。ここからはハイマツの藪漕ぎだが比較的漕ぎやすく感じた。39ピークに出るとガスで展望はない。しばし休んで下山開始をすると徐々にガスが取れ晴れ渡る。ヤオロから先はまたガスに覆われての下山となった。札内ヒュッテにつくと小雨が降りだし、雨に当たらずにすんだ。
1日目:快晴、上部ガス
札内ヒュッテ(4:50)上二股(6:10-6:20)夏尾根頭(13:20)下降点(14:45)名無沢出合=C1(17:20)
・コイカク左股右沢
上二股までは広い河原を歩く。コイカク川左股に入る。Co680の二股で右股に入る。滝となって出合う。函状の中の滝をいくつか越えていくとCo770付近に20mのハングした滝。右岸から高捲く。立ったルンゼ状から立木までFトップで行き、後続にはザイルを垂らして確保。その後ブッシュ伝いに高捲いていき滝の落ち口へ出る。その後も連瀑帯となっており概ね直登していく。やや難しめの滝が多い。20-30mの滝を2つ程高捲いたような。Co1140に樋状の滝があり、奥には分厚い雪渓がある。この樋状の滝は泳いで取り付き、突っ張って登る。雪渓から流れる冷水で絶叫。雪渓には左岸末端から乗り、しばらく上を歩くが滝が現れる手前で雪渓が切れる。高さがあり下りられないため、少し戻ってジャンプで左岸の側壁テラス状に移る。左岸側壁をトラバースしていく。その後も滝が延々と続く。全体的に傾斜は強く、逆層。やや緊張する登りが多い。1か所後続にザイル垂らす。適当に詰めていくと徐々に沢型は小さくなり、藪漕ぎとなる。夏尾根頭直下の夏尾根上に出る。
・名無沢下降沢
稜上はガスっている。踏み跡を辿っていき、下降沢へ伸びる尾根への分岐で踏み跡を外れる。ハイマツを漕いで下降点まで。下降沢は上部ブッシュが濃い。徐々に沢型となり小滝が現れ始めるが容易にcdできる。その後も概ねcdできるが1つだけabした滝があった。名無沢には滝となって出合うが左岸を歩いて下りられる。名無沢出合いの河原でC1とする。増水不可。夜は快晴、星がギラギラ1日目。
2日目:快晴
C1(5:00)三の沢出合(6:00)・897二股(12:45)Co1200付近=C2(14:45)
・三の沢出合いまで
三の沢出合いまでは函がいくつかある。泳いだ所もあった。
・三の沢
三の沢に入ると函状となる。三の沢は大きく分けて3つのゴルジュ帯があるようだ。下部の1つ目は比較的小ぶりな函滝、ゴルジュが途切れ途切れに現れ、・720付近まで。これらを過ぎるとCo750屈曲付近から両岸が高くせりあがった2つ目のゴルジュ帯となりCo820の屈曲点、左岸から支流が20m程の滝となって合流するところで一旦開ける。すぐに3つ目のゴルジュ帯が始まり・897二股手前まで続く。
・1つ目のゴルジュ帯
出合いから少し歩くと15m程の滝が現れるが右岸を直登する。その後もゴルジュ状の中に小滝などが現れる。泳いでシャワークライムもする。Co680付近で窯をもった2m程の函滝。K氏、泳いで取り付き突破を試みるがツルツルに磨かれており諦める。F、左岸のバンド状をトラバースしてルンゼ状となったところを数歩cd。その後左岸を登り左岸の棚上へ。K氏は下から左岸ルンゼ状を登り合流する。その後も数mの小滝を持ったゴルジュが続く。概ね中を行ったが、1つ右岸の棚状を使って小さく捲く。棚に上がるところでK氏にお助け垂らす。Co710付近で2m程の斜滝が入口に持つゴルジュが現れる。右岸テラスから先を除くと奥にはもう1つ窯持ちのツルツルの斜滝があり、これは通過不能に見える。右岸のテラスから2つまとめて捲く。その後小ぶりな函滝が2つ3つ続く。容易に捲けるものもあるが水流突破などしてみる。右岸の岩盤状を捲いた滝もあったがちょっと気持ち悪い。
・2つ目のゴルジュ帯
Co750屈曲点付近から両岸が一気に高くせりあがり、いかにも険悪なゴルジュの様相となる。流木など越えていくと、出だしはCSが挟まった2m程の段差。泳いで取り付きのっこす。やや難。その奥で右に屈曲するのが見える。どんづまりには2段(3m+10mくらい)窯持ち、両岸の壁に囲まれた見た目ヤバそうな滝が現れる。これは無理かと思ったが、比較的容易に越えられた。1段目、Fは左岸、K氏は右岸をワンポイント、ザックを下ろして登る。1段目上は窯があり、左岸の壁は水流でえぐられて見事にハングしている。2段目は左岸のカンテ状を登る。その後泳ぎ、突っ張り等で越える比較的容易なゴルジュを2,3越えると、奥で再び沢は右に屈曲し、すごい勢いで水が流れるウォータースライダーのような滝が現れる。途中まで流木がかかっているとはいえ、水流で完全にツルツルに磨かれ、突っ張りができる幅でもなく、水流突破は厳しそうに見える。下の窯は洗濯機の様、滑ったらヤバそうだ。左岸のカンテ状側壁を2pで登ることにする。1p目、5mくらい。F、空身でザイル引っ張っていく。ここもツルツルでホールド皆無。わずかなリスにマイクロハーケンを叩きこむが先端が1cmも入らない。だましだましA0し、1歩上がるが次の一手が核心だった。両手2本指カチ、左足スメアで右足ハイステップの際どいムーブで、吼えた。テラスで一旦ピッチを切り、ザックつり上げ、ザイルを垂らして後続はゴボウで登る。2p目はバンドを伝って3m程斜上、テラスまで。比較的容易だがザックつり上げ、後続は確保。このテラスからab3m3弱で滝の落口に出る。すぐにCo820二股でようやく日が差し込みしばし休む。
・3つ目のゴルジュ帯
すぐにまたゴルジュ帯となる。入口には狭いゴルジュの中にかかる2m程の滝。K氏、泳いで取り付き全身シャワー突っ張りの水流突破を試みる。左岸にアングルを打ち込みA0するも突破ならず。F、アングルでA0、アブミをかけて体を上げ、突っ張りで抜ける。後続にはお助けを垂らし突破。これを超えるとすぐにまた両岸高くせりあがり険悪なゴルジュの様相となる。最初の小滝は右岸岩盤を微妙なトラバース。その奥に4m程の2条の滝があり、これは直登不能。少し手前から右岸の岩盤バンド上、滝の高さまで上がり、トラバースしていく。逆層で泥付き、ホールド乏しく外傾スタンスを拾うトラバースで結構緊張した。その後いくつか函滝を超えて、Co850付近に樋状の滝。泳いで取り付き突っ張って超えるとあとは簡単な滝が少しあるのみですぐに・897二股、ゴルジュは終了となる。
・Co897左股、39直登沢
出合は滝となっており、ここからCo1200付近まで滝が続く。概ね直登していき、4つ程の滝で後続にザイルを垂らした。Co1200付近でやや平坦となり、C2とする。夜は快晴、星がギラギラ2日目。
3日目:晴れ、上部ガス、後霧雨
C2(4:45)コル(6:30)1839峰(7:25-8:05)ヤオロマップ岳(10:40)コイカク(12:30)上二股(14:10)札内ヒュッテ(15:30)
C2より上は急なガレで滝という程の物はない。C2上に小さな雪渓の残骸があるがここだけだった。水量の多い方を詰めていくとやがてブッシュに突入し、39の南西コルに出る。ここからはハイマツの藪漕ぎだが比較的漕ぎやすく感じた。39ピークに出るとガスで展望はない。しばし休んで下山開始をすると徐々にガスが取れ晴れ渡る。ヤオロから先はまたガスに覆われての下山となった。札内ヒュッテにつくと小雨が降りだし、雨に当たらずにすんだ。
天候 | 1日目:快晴 上部ガス 2日目:快晴 3日目:晴れ 上部ガス 下山時霧雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
ナナシ沢を下部から行く予定だったが、諸理由でコイカク側からのアプローチ。
夏尾根からでは納得がいかず、コイカク左沢からナナシにつなげることとした。
コイカク左沢も十分すぎるほど痺れる沢だった。
名無沢三の沢はほとんど記録が見られず、山谷曰くものすごい函があり高捲くとのこと。ゴルジュの内部突破を、と意気込んでやってきた。予想以上のゴルジュだった。
キムクシュと続いて天気に恵まれた。
目標の1つ、ナナシ沢を遡行できて良い山行だった。
お気に入りした人
人
拍手で応援
拍手した人
拍手
訪問者数:3019人
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いやあ、あそこのゴルジュを突破したんですね。自分は山谷の記述を鵜呑みにして中身も見ずに高巻いて後悔していたのですが、やはり単独では通過できそうもありませんね。中の様子を知れて良かったです。
それにしても楽しそうです。こんな楽しい沢はもっと登られてもいいのに、やはり遠いですね。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する