上高地(はじめの一歩)
- GPS
- 32:00
- 距離
- 17.4km
- 登り
- 83m
- 下り
- 74m
コースタイム
天候 | 晴れときどき曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2008年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
トイレ有り、足湯有り、お店有り <バス> 沢渡-上高地 |
コース状況/ 危険箇所等 |
<温泉> 白骨温泉 泡の湯外湯 800円 白く濁った炭酸泉。森林浴しながらお風呂に入れます。 ※白骨温泉は、「三日入れば三年風をひかぬ」といわれる。 本当か嘘か、私はこの日以来、風邪というほどの風邪をひいていない。 |
写真
感想
夏の期間中、だんなさんと息子は3週間ほど実家に里帰り。
独りで自由に時間が使えるという贅沢、普段は時間がなくてトライできないことにチャレンジ。
そんな時に、2008年7月、カーネルVOL.1“これが私の車中泊”という雑誌を書店で手に取った。
車で寝泊まりするなんて、なんだか楽しそう〜。
そしてその雑誌の特集が“上高地乗鞍の旅”だったこともあり、この年の夏休みはいざ上高地へ一泊二日の独り旅に決定!
■課題
・一人で長距離運転して目的地まで辿り着く
・車中泊をしてみる
・自然の中をハイキング
まだ、山というものがどういうものかわかっていない頃の回想記。
≪一日目 ・・・移動のみで終わる≫
バタバタしてお昼すぎの出発となった。一つ目の課題、長距離運転して上高地まで。ペーパー免許歴10年、運転歴5年、高速道路を独りで走行するのは怖し、、、、。なんでだろ。助手席に人がいないと車の運転が不安。ハンドルを握る手にすごい汗。全走行距離約200km、この時はまだ高速料金が割安ではなかったので、高速道路半分、下道半分にして車をとばす。マイカーは、軽自動車タント。エコでお気に入り、その上、車内も広々♪、、、なんて言ってる場合じゃない、、、、高速道路の上り坂続きの道ではどんなにがんばっても速度60kmしかスピードがだせないないようだ(泣)ちなみにカーエアコンをOFFにすると、10kmスピードアップした。これでスピードをかせぎ、速度70kmとなるので、ここぞというところでは、ターボ使用(と呼んでおく)でカーエアコンをOFF!!(暑い〜) カーナビもなかった。道路地図で道を確認しながら進む。高速をおりて、国道19号線(木曽のあたりの一車線の道)で時速の通りに車を運転していたら、後ろのトラックドライバーに思い切り派手にクラクションを鳴らされて登板斜線から抜かれてしまった。大型車恐怖症のトラウマ。その先、ここからはのんびり山道だと思ったルートは、実は険しい峠越え。地図上で最短距離と思えると思える道を通ったがそれが間違いのもと。どうしようもない急な上り坂と、狭路。対向車線とすれ違うのがまず無理な急な斜面にさしかかったその時、後ろから快走してきた4駆の車にぴったりつけられ、ものすごく焦る〜。信じられないかもしれないけれど、アクセルを一杯に踏んでも、20kmしか速度がでない、軽自動車には上り坂きつし(泣)タントはもうヨレヨレだった。この状況、後ろから来た体格の良いガキ大将に「どけどけ〜」と言われているような気分(汗)途中でようやく道幅が広くなって、ガキ大将の後続車に抜いてもらったときはホッとした。
上高地にたどり着くまでの道程は、私にとっては冒険三昧。ドキドキ、ハラハラを繰り返した峠も越え、美しい川沿いの道を進む。そしてようやく沢渡市営第二駐車場まで到着した。お疲れ様、自分!
沢渡の駐車場は足湯もあるし、駐車場の前にお店(夜は早く閉まるけれど)もあり、車中泊にはなにかと便利。お店で買った温泉卵もおいしかった。近くの沢渡温泉に入って疲れをいやし、お食事処で夕食を済ませた。今日は冷や汗をたくさんかいたなぁ。夜は静まり返った沢渡駐車場泊で、車の中で眠ることに。私の宿泊施設となってくれる軽自動車タントの中はなかなか広い。前のシートと後ろのシートをぺったんこにすると寝床ができる。家からもってきたマットレスを敷いて寝転がってみる。ん、なかなかいいんじゃないの。山中といえども真夏の夜は暑くて湿度が高いのに、防犯のため窓はほとんど開けれない。ちょっぴり蒸し蒸しするのはがまんしなくちゃ。しかし、窓をほとんどしめ切っていたのでだんだん汗だくに、、、。なにはともあれ昼間の気疲れでウトウト眠くなってきた。ZZzzzz〜。
駐車場は闇に包まれて静寂。意外と自分は小心者。周りで車のエンジン音がするとドキッとして目が覚めてしまう。起きるたびに、どぉ〜っと重たい暑さを感じながら、、、。
≪二日目≫
危なくないかな、大丈夫かな、、と心配したが何事もなく夜明けを迎えた。窓を開ければ大自然。ぐっすりとは言えないけれどもまあ睡眠よし。今日の課題は、自然の中を歩いてみること。沢渡駐車場から朝2番目のバスにのり上高地を目指す。観光も兼ねているので一応ガイドブック“上高地”を持参するが下調べも大してしていない。とにかくハイキングできたらいいや、、ぐらいの軽い気持ち。
あっという間に、バスが大正池に到着する。朝の空気が澄んでいて気持ち良い。ウォーキング開始だ。とりあえず、道路から池のほうに向かう、、、、、、なんとそこには見たこともない幻想的な世界が。霧のかかった山並みと池の美しさに息を呑む。これが噂の大正池。大正時代に焼岳の噴火によってできた池。格別の美しさだった。 ここから上高地の河童橋を目指して歩くこと1時間。距離にして3.7km。湿原帯が続く道を通る。梓川のエメラルドグリーンの澄んだ水の色が印象的。マイナスイオンをたっぷり吸って心の中まで晴れ晴れする。途中、上高地帝国ホテルやウェストンレリーフを見学しながらキョロキョロして歩くうちに、あっという間に、河童橋到着。標高1500m。あの有名な山の景色を目の前に「とうとう上高地〜」と満足する。橋の近くのカフェで朝食をとった後、さらに明神橋まで行って戻ってくるコースを歩いてみる。明神橋までは、約3.5km 1時間。散策路は木々の緑と鳥のさえずりが心地よい。なんといってもこのハイキングルートの良さは高低差がほとんど無いこと。私にはもってこいの道だ。やがて空間が広がってきて大きな川沿いに出た。明神橋まで辿り着いたようだ。ここでちょっぴり休憩してから戻ろうと思っていたが、時計を見るとまだ10時前。もうちょっと先まで歩いてみようかという気持ちになる。この先にはどんな景色が待っているだろう。それを見たくてしかたがない。好奇心がくすぐられる。気がつくと、もう一歩一歩歩きだしていた。明神館の目の前を通る。売っているリンゴが高くて驚いた覚えがある。そこからさらに奥の“徳沢”を目指す。そこから徳沢は3.4km 1時間ぐらい。このあたりから、だんだん足が疲れてきて進み方が遅くなってきた。でも、この先にはどんな景色が、、と思うと止まれない。 徳沢への道は上高地の河童橋周辺と比較して、ひっそりとしている。梓川の向こうに見える雄大な山並みを見ながら、自然の中をひたすら歩く。ほぼ平坦な道だし、道幅も広くて歩きやすい。もうそろそろ体力限界かな、、と思える頃、徳沢に到着〜。広々とした緑の草の絨毯。キャンプ場があっていくつかテントが張られていた。寝転がったら気持ちよさそう。昔は放牧場だったとのこと、徳沢園という素敵なお宿もあった。
さて、普通ならここから戻ろう、、、とならなければいけないに、どうしてもこの先がどうなっているか気になってしまう。疲れているのに、さらに絵になる景色があるんじゃないかという期待で、もうあと少し進んで見ることに、、。「そういえば、、、。」私とは反対方面から、上高地方面にもどって来る方が何人もいる。さらに奥に素晴らしい景色があることは確かだった。でも、どんな? 人に話しかけることが苦手な私はずっと無言で歩いていたが、とうとう自分の疲れのリミットが来たのを察し、前から来るスポーティな格好をした登山家風のご婦人に聞いてみることにした。
私: 「あの、すみません。この先はどこにつながっているのですか?」
ご婦人:「どこって言われたってね、、あなたが、どこに行きたいかによるわよ〜、
この先は山だけど、その山もずっとつながってるから行こうと思えば海までいけるんだよ」
私: 「えぇ〜、そうなんですか、、、海?(@_@;) そ、そうですよね、山つながってますもんね。行き先決めてこないとだめですね。」
ご婦人:「そりゃ、そうよ〜(笑) あのね、私、今、ヤリいってきたよ、良かったよ〜、あなたも行けるわよ。
でもその恰好じゃ無理だよ。それじゃあね。気をつけてね。」
私: 「ハ、ハイ、、(ヤリって何だろ〜?)」
30秒足らずのこのやりとりが、私にとっては忘れられない出来事になる。えっと、この道は山につながっていて、その山はまたその先の山につながっていて、ずっと先が海(日本海)だなんて、、。地図でみたら当たり前のこと。なのに私には山をつたって歩いていくということ自体のイメージがどうしてもできなかった。衝撃的!
観光客の軽装で山装備はほぼ無かった。この先は、今の自分には行ける所じゃないな。そう思って潔くUターン。徳沢を背にしてトボトボ上高地バスターミナルまで長い長い道を歩いて戻った。ずっと徳沢より先がどうなっているのか考え続けながら。また来れるかな? 上高地。
(2009年夏に続く)
その一年後の夏休みに再びこの道を歩くことになるとは、、。
コメント
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slowlifeさん、こんばんは。
沢渡までの運転は大変だったけど、徳沢まで歩いて、とてもいい場所が
山旅の原点になりましたね 。すばらしい紀行文で、思わず読み入って
しまいました。2009年夏はどんな話かなぁ〜 。
pokopenさん、私の未熟な文章、読んでくださってありがとうございました
続き、2009年夏・・・5泊6日の山行でした。
只今編集中。長期なだけに記録したいことがたくさんで長編になりつつあります。
(皆さんに、うんざりされちゃうかもですよ)
近いうちに、そそっ〜と、レコ公開目指します
>この先にはどんな景色が待っているだろう。それを見たくてしかたがない。
って、好奇心の塊ですよね。
こういう人いますよね。
.
.
.
子供(それも小さい)
slowlifeさん、少し足りないのか純真なのか...
>ずっと先が海(日本海)だなんて、、。
それを見たくてとうとう海まで逝っちゃったんですね。
単純というかわかりやすいというか、、、
slowlifeさんの、ワクワクドキドキキラキラな心情が伝わってきます。
大自然って感動ですよね。
山に手も足も出せなかった頃の記録です〜
あれから早くも5年。
海まで行けるなんて、当時はこれっぽっちも思ってなかったなぁ
もちろん、純真なるがゆえに、ですよ
それにしても、ハマりましたね〜、山。
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