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Yamareco

記録ID: 102513
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
箱根・湯河原

金時山・明神ヶ岳 → 奥和留沢みはらしコース

2009年11月21日(土) [日帰り]
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GPS
06:49
距離
24.2km
登り
1,384m
下り
1,779m

コースタイム

地蔵堂バス停     09:00
足柄峠        09:40-09:55
金時山        11:00-11:15
明神ヶ岳       13:05-13:25
明星登山道(※)分岐点 14:00
明星登山道(※)登山口 14:45
和留沢入口バス停   15:15
日本たばこ前バス停  15:50

(※)明星登山道 = 奥和留沢みはらしコース
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2009年11月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 バス
(行き)
新松田駅 08:10-(箱根登山バス)-08:50 地蔵堂バス停
(帰り)
日本たばこ前バス停 16:00-(伊豆箱根バス)-16:22 小田原駅
コース状況/
危険箇所等
地蔵堂バス停〜足柄峠〜金時山: 金時山の直下までは車道歩きが大半を占めます。金時山直下からは急登になり、道はしっかりしていますが、道幅が狭くて階段も多いなど、すれ違いには要注意です。

金時山〜明神ヶ岳〜明星ヶ岳手前の分岐点: 良く歩かれている道で問題ありません。

奥和留沢みはらしコース: 道は比較的明瞭でした(開通して間もなくだったということもあったと思います)。ロープの下がる急坂が1箇所あった以外、歩きにくい所もありませんでした。また登山口にはそこそこ広い駐車場がありました。
 ただし公共交通でのアクセスには難があります。小田原駅と小田原フラワーガーデンを結ぶ伊豆箱根バスを利用して、「和留沢入口」というバス停から小1時間程度歩くことになります。
 それから、コースの名称に「みはらしコース」という表現が入っていますが、一体どこにそう名付けるほどの見晴らしがあったのかについては、大いに謎でした。

※デジカメを持ち歩くようになる以前のため、写真はありません。

感想

今回、出掛けた時点での行先は伊豆半島の達磨山・金冠山でした。ところが小田急線のトラブルにより小田原到着が遅れて、予定していた東海道線に乗り遅れてしまいます。
同時に修善寺駅から乗る予定だったバスに間に合わないことも確定したのですが、交通機関の乱れを想定していなかったので、そのバスの運行間隔を全くインプットしていませんでした。
長いコースだけに、日の短いこの季節、次のバスがあまり遅いようだと明るいうちに下山できなくなるかもしれません。

そこで潔く当初の予定を破棄して、小田原で折り返して上り電車に乗り、その車中で思案した結果、代替の行先を金時山・明神ヶ岳に決めました。
どちらの山も別々には登ったことがあり、普段から馴染みのあるエリアでもあるので、周辺の登山地図もほぼ頭の中にイメージできています。
その脳内地図で、足柄峠→金時山→明神ヶ岳→金太郎芝刈り路という、歩いたことのない区間ばかりを繋げたルートが組めたので、まずは足柄峠へ向かいます。

次の停車駅である新松田駅で降りると、本数にやや不安を感じていた地蔵堂行きのバスは、幸いにもすぐに出る便があって、成りゆき任せにしては滑り出しはまずまずです。
終点の地蔵堂では、足柄万葉公園行きのバスに乗り継いて足柄峠まで行ってしまうことも可能でしたが、そこから歩き始めることにしました。 

地蔵堂バス停から、最初は舗装道路を歩いていきます。九十九折りの坂が始まって、カーブを2〜3回曲がったあたりで、「足柄古道」という標識が右手に分かれる小径を示していたので、そこを入ってみました。
するとしばらくは車道を串刺しにするような道で、たびたび車道に出たりしますし、車の走行音も間近に聞こえたりして、あまり落ち着いた雰囲気の道でもありません。
最後のほうで少しだけ、車道とは完全に離れた山道になる区間があったものの、そこも石畳がコンクリートで固められたりしているのが興醒めでした。そして再び車道に合流すると、そこはもう足柄峠のすぐ手前でした。

足柄峠で富士山を眺めるのは2度目ですが、これまでに見たほかのどこからの姿よりも、圧倒的に素晴らしいという印象を再確認します。
ここまで広く雄大に裾野を伸ばす様子が見られる地点を、ちょっとほかには思い出せません。左には愛鷹、右には西丹沢から三国山へ連なる稜線を、それぞれ従えた構図も抜群です。
しかも私以外には、車で来たと思われる家族連れの姿が1組あるだけでとても静かです。しばらくのんびりと、この最高の展望を楽しんでいきました。

足柄峠から金時山への道に入ると、そこからも長い車道歩きでした。途中で登山者用の駐車場を見たので、いよいよ山道が始まるのかと思ったら、実はその先もまだ当分は車道が続きます。
そして、ようやく山道に変わったと思ったら、今度は一転して壁のような急斜面が行く手に立ちはだかりました。
登山道はなかなか容赦のない急登で、鉄階段も頻繁に現れます。階段は全部で12本あり、それぞれに「ねずみ」から「いのしし」まで干支の順番通りに名前が付けられていました。
階段以外でも狭くて急な箇所がほとんどで、対向者が多い時にはすれ違い待ちで時間もかかりそうですが、まだ時間が早いためか下る人とはほとんど会わず、順調に登ることができました。

金時山の頂上ではたくさんの人が休憩中でした。富士山にだけ少し薄い雲がまとわり始めていることを除けば、全方向にスッキリとした展望が広がっています。箱根最高峰の神山や、箱根をぐるっと取り囲む外輪山、そして外輪山の上には愛鷹山も顔を出しています。
山の眺めだけでなく、仙石原や芦ノ湖、そして活発に噴気の上がる大湧谷といった、箱根を代表する景勝地を眼下に一望できるのも見事でした。

金時山の頂上を後にして、明神ヶ岳へと向かうと、はじめは岩混じりで急な箇所もある中をどんどん下っていきます。やがて岩場がなくなって歩きやすくなってからも、ぐんぐんと下るのは変わりません。
そして鞍部の矢倉沢峠で宮城野へ下る道を見送ると、その後はずっと笹原の中に伸びる道が続いていきます。その笹原はそこまで下ってきた道からもずっと見えていて、気持ち良さそうな道だろうなと思っていたのですが、実際は大違いでした。
人間の背丈よりもずっと高い笹が濃密に繁茂していて、道の左右にはそんな笹の壁が続くばかり。完全に視界を遮られてしまい、全然気持ちの良い道などではありません。
しかも小刻みなアップダウンが続き、そのどれもが、登ったらその分をすぐ下ってしまうような報われないものばかりで、そんな辛抱と忍耐の道が1時間近くは続いたでしょうか。

ようやく笹の稜線を抜けると、林の中に入ったり、等高線沿いにうねうねと沢を回ったりして、少しずつ道にも変化が付いてきます。
やがて道の右側にススキが広がって、視界が開けるようになると、いつの間にか明神ヶ岳が比較的近くに見えるようになっています。そして以降は下り返しもほとんどなくなって、登ればそれに見合っただけ明神ヶ岳が近付いていきました。

明神ヶ岳の頂上では、大湧谷をすぐ正面に捉えつつ、仙石原が眼下に広がるという、金時山とはまた違った展望が得られました。
ただし見えている山には雲が多く出始めつつあって、富士山はすでに大部分が隠れているほか、つい先程までいた金時山や、神山なども霞み気味。この日箱根の山からすっきりした展望を楽しめたのは、午前中までだったのかもしれません。

明神ヶ岳から南へ下り始めて、最乗寺・道了尊への分岐を2度見送ると、その後すぐにまた左への分岐があって、小さく頼りない道標に「塚原駅」と書かれていました。
実はこれが下るべき「金太郎芝刈り路」だったのですが、そんな別名がある道にしては道標がささやか過ぎて、登山地図に載らないようなマイナールートっぽく思われたので、そこは見送ってしまいます。
ところがその先ではもう、どこまで行っても左への分岐など現れません。宮城野への分岐点まで来る頃までには、間違いをほぼ確信していましたが、引き返すのも癪なので、いっそのこと明星ヶ岳まで行ってしまえと先へ進みます。
時間には余裕があったため、明星ヶ岳に着いてから先のことを決めれば良いという程度に考えていました。

明星ヶ岳への登り返しが始まり、明星ヶ岳にかなり近付いたと思える頃になって、すでに期待を捨てていた左への分岐が唐突に現れました。
「美しい久野里地里山協議会」の標識によれば、その道は「明星登山道 奥和留沢みはらしコース」となっています。地図では見覚えがないルートで、かなり標識が真新しくもあるので、最近拓かれて間もないように感じました(帰宅後の調査で、今年4月の開通だと分かりました)。
奥和留沢という地名に全く心当たりはなく、この道がどこへ通じているのかは完全に不明です。でも「起点まで65分」とあるので、少なくとも人里まで約1時間で出られそうですし、人家のある所まで出てしまえばどうにかなるだろうと楽観的に考えて、その道を下ることに決めました。

あまり知られてなさそうな道にしては、意外にも良く歩かれている模様で、道はしっかりしています。道標もきちんと要所に立っていて、整備も行き届いているようです。特に下り始めてしばらくの間は、とても歩きやすい道でした(開通直後という時期も良かったのでしょう)。
ところが林道を1度横断してからは、格段に道が細くなっていき、岩場や急斜面も出てくるようになります。滑りやすくなっている急坂の下りでは、付けられていたロープを使わざるを得なかったほどでした。
でも2度目の林道を横断すると、再び歩きやすい道に変わります。最後のほうで少しだけ沢に絡んだら、そのすぐ先がもう登山口でした。

登山口まで降りてきても、予想に反して、この先の見通しは全く立ちませんでした。というのも、周囲には人家が一切なくてまだ人里と言える雰囲気ではなく、単に道路が通じているという意味での登山口でしかない様子なのです。
周囲にも何の案内も出ていないので、以降はGPSの小さな画面だけを頼りに、大雄山線か小田急線の駅を目指して、道路をひたすら東へ東へと歩くことになりました。

登山口から東へ下っていく車道はほとんど1本道で、悩ましい分岐道もなく、道の選択で迷うことはありません。
全く人家を見ることのないまま、退屈な気分で淡々と下ること30分(かなりの早足です)。ようやく集落に入って二車線の道路に出た所には、「和留沢入口」というバス停があり、小田原駅行きのバスが来ることになっていました。
本数はそこそこありますが、でも次の便は40分後です。それだけ時間があれば、大雄山線か小田急線の駅に着いてしまう気もして、引き続き東へと歩き続けていくことにしました。

幸いにバスの経路も東へ向かっていて、次々とバス停を通過していくので、もし何かあった時には適当なバス停で次のバスを待てば良いので安心です。
それにしても、いくら歩いても駅に近付く雰囲気が全く出てきません。高度計を見ていると、どんどん海抜0mへと近付いていくのに、ただ道路が続いていくだけなのです。
そして、やっと市街地らしくなったと思ったら、それまでの道がT字路に突き当たって、南北に分かれてしまいました。南北どちらに進むのが適当かは不明で、もし選んだ方向がバス道路を外してしまうと、最後の安全保障を失ってしまいそうです。
この交差点にあった「日本たばこ前」というバス停の時刻表を見ると、あと10分でバスが来るというタイミングでしたので、駅まで歩くというこだわりはここで捨てて、そのバスを待つことにしました。

帰宅後に地図で確認すると、最後にバスに乗ったのは、もう小田急線の足柄駅がすぐそこまで迫っている地点だったと分かりました。直線的に歩ければ、10分程度で歩けそうな距離です。
バス停のある交差点は、車道はT字路になっていましたが、東へ直進する方向にも歩行者専用道路が延びていたので、その道が足柄駅まで続いていたのかもしれません。
とはいえ小田原駅に出たことで、ゆっくり食事ができたり、お決まりの「菜の花」で久しぶりに「箱根のお月さま」を買ったりもできたので、それはそれで良かったと考えることにしました。

詳細な記録のページ
http://cellist.my.coocan.jp/yama/mt2009_10_12/mt2009_10_12.html#20091121

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