記録ID: 1048048
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積雪期ピークハント/縦走
八幡平・岩手山・秋田駒
岩手山 屏風尾根から焼走滑降
2015年02月14日(土) ~
2015年02月15日(日)
bito
その他4人
- GPS
- 32:00
- 距離
- 12.0km
- 登り
- 1,411m
- 下り
- 1,452m
コースタイム
2月14日
前日の烈風は高速道路を通行止めにして弘前組は深夜2時頃に弘前を出発したが、いつの間にか閉鎖が解除されて予定時間よりも2時間も早く着いてしまった。仕方なく岩手山SAで不味いじゃじゃ麺を食べて仮眠。
つまりは朝6時に予定通りに雫石組と西根ICで合流して、下山地点となる焼走の「いわていこいの村」に尾の車をデポ。過去の経験から、一筆書いた紙片を自動ドアの隙間に挟んでおいた。
そのまま5人で一台に乗り込み、岩手山七滝コースの入山口まで移動。
ここも車をデポしづらいため、荷物を置いた後、500mばかり下にある「県民の森ふれあい学習館」の駐車場へ向かう。たまたま除雪車中の人に許可を求めると「ここはそういう場所だから、なんぼでも」と言ってくれる。冬山で駐車場で苦労することの多い昨今、ありがたいことだ。
8:00県民の森を出発。曇天。
樹林帯の中を焼切沢沿いに地味に標高を上げていき、標高950m付近の屏風尾根末端から尾根に取り付く。さらには焼切沢側が切り立ちはじめてくると、樹林帯にも関わらず、冷たい強風が激しく打ち付けてくるようになる。
やがて、森林限界が近づくとともに尾根筋の雪が吹き飛ばされ、岩礫やシャクナゲの隙間に雪が詰まっている急な稜線になる。そんな痩せた稜線の中で味わう季節風は、絶品。
ここは普通はアイゼン場だろうが、誰も気にせずにスキー登行。
もっとも、久しぶりな山スキーの育子とスキーが上手な利憲は、枝に引っかけ四苦八苦。
14時頃、赤倉岳。
少し行くと断崖絶壁の突端に出て、空中懸垂を強いられることとなり、
じわじわと夕暮れの気配が襲いつつあるなか、お得意のスキーを背負った懸垂下降。
後の記録でいっこが
>しかし初日最後の懸垂下降は垂直壁でブ〜ラブラ。
>途中スキーやザックが木にからまり、空中エビ反りで半泣き状態。
・・・と、懸垂中に遊んでいた。
この痩せ尾根にどこで泊まろうかと思案しながら懸垂していくと、
先に懸垂した黒たちが、ちょうど良いポイントを見つけて作業をしていた。
岩場と岩場の狭間で樹林が生えている吹きだまりに新タイプのルンペン小屋「サーカス小屋」を作ることとなる。
何のことはない、縦穴雪洞にかぶせるシートの中央を、上部から吊す構造。
数メートル頭上の切り立った稜線からは、強風による轟音が響いてくるものの、
これがまた快適すぎ。
黒から山海の珍味、いっこから煮卵が飛び出し、利憲飲み過ぎて意識を飛ばしたあげく、
15も年下の後輩にシュラフに入れて貰う体たらく。
2月15日
安眠から目覚めてサーカス小屋から出ると、−15度、風速20m弱、ガスによる視界20m。とてつもなく寒いが、風上に顔を向けると久しぶりに冬山にいる手応えを感じ、否が応にも気合いが入る。
東へ向けて稜線をたどる。
小さな岩ピークをスキーを履いたままいくつか越え、やがて大同心(黒木命名)が真っ正面に立ちはだかる。
先頭を歩いていた黒が基部を少し登り、見上げながら弱点を探る。
しかしスキーを伴うフル装備に加え、ハンマーもハーケンも持ち合わせてない我々には迂回する他はなく、泣く泣く大同心の右側をアイゼンに履き替えて巻く。
やがてコンパスに指名されたように、真っ白になった避難小屋がひょっこり現れとんでもない地吹雪に疲れ果てた身体を、二階入口から小屋に投げ込み小休止。
確かに極端に寒いし、暴風としか言えない風が地吹雪をヤッケに打ち付けてしんどいが、空気がそれほど暗くないので悲壮感がない。
しばし休んだ後、計画通りに頂上経由で焼走滑降の方角へコンパスを合わせ、小屋を出る。
頂上まで標高差約300m急斜面は、強風と地吹雪に打ち付けられながら、スキーのエッジをアイスバーンに打ち付けるようにして登る。
一歩一歩がスキーの上に載せる体重のバランス取りがきわどい。しかし、頂上に近づくにつれ、地吹雪の勢いが増すにつけ、傾斜が強くなって来るにつれ、我々の気持ちも舞い上がっていく。
11:40ごろ 岩手山頂上。
数分休んだ後、磁東にある第一噴火口へ進路を合わせ、ここまで履いてきたスキーをザックにつける。
これから下ろうというのに、スキーを脱ぐあたりまったく我々らしい。
視界は10m足らずで、時々のホワイトアウトに緊張し、特にもアイゼン歩行に馴れていない育子の足元がフラフラになっていく。
やっと樹林帯が手に取るように近づいたあたりでアイゼンをスキーに履き替えて、ザックにくくりつけたピッケルを小枝に引っかけながら、夕風が肌寒く感じる16時、いこいの村岩手に到着。
終わりに・・・。いこいの村岩手に駐車を無断でしたお詫びを言ったところ、まったく意に介していないようすで対応され、まだまだ北東北は捨てたモノじゃないと思い知る。
前日の烈風は高速道路を通行止めにして弘前組は深夜2時頃に弘前を出発したが、いつの間にか閉鎖が解除されて予定時間よりも2時間も早く着いてしまった。仕方なく岩手山SAで不味いじゃじゃ麺を食べて仮眠。
つまりは朝6時に予定通りに雫石組と西根ICで合流して、下山地点となる焼走の「いわていこいの村」に尾の車をデポ。過去の経験から、一筆書いた紙片を自動ドアの隙間に挟んでおいた。
そのまま5人で一台に乗り込み、岩手山七滝コースの入山口まで移動。
ここも車をデポしづらいため、荷物を置いた後、500mばかり下にある「県民の森ふれあい学習館」の駐車場へ向かう。たまたま除雪車中の人に許可を求めると「ここはそういう場所だから、なんぼでも」と言ってくれる。冬山で駐車場で苦労することの多い昨今、ありがたいことだ。
8:00県民の森を出発。曇天。
樹林帯の中を焼切沢沿いに地味に標高を上げていき、標高950m付近の屏風尾根末端から尾根に取り付く。さらには焼切沢側が切り立ちはじめてくると、樹林帯にも関わらず、冷たい強風が激しく打ち付けてくるようになる。
やがて、森林限界が近づくとともに尾根筋の雪が吹き飛ばされ、岩礫やシャクナゲの隙間に雪が詰まっている急な稜線になる。そんな痩せた稜線の中で味わう季節風は、絶品。
ここは普通はアイゼン場だろうが、誰も気にせずにスキー登行。
もっとも、久しぶりな山スキーの育子とスキーが上手な利憲は、枝に引っかけ四苦八苦。
14時頃、赤倉岳。
少し行くと断崖絶壁の突端に出て、空中懸垂を強いられることとなり、
じわじわと夕暮れの気配が襲いつつあるなか、お得意のスキーを背負った懸垂下降。
後の記録でいっこが
>しかし初日最後の懸垂下降は垂直壁でブ〜ラブラ。
>途中スキーやザックが木にからまり、空中エビ反りで半泣き状態。
・・・と、懸垂中に遊んでいた。
この痩せ尾根にどこで泊まろうかと思案しながら懸垂していくと、
先に懸垂した黒たちが、ちょうど良いポイントを見つけて作業をしていた。
岩場と岩場の狭間で樹林が生えている吹きだまりに新タイプのルンペン小屋「サーカス小屋」を作ることとなる。
何のことはない、縦穴雪洞にかぶせるシートの中央を、上部から吊す構造。
数メートル頭上の切り立った稜線からは、強風による轟音が響いてくるものの、
これがまた快適すぎ。
黒から山海の珍味、いっこから煮卵が飛び出し、利憲飲み過ぎて意識を飛ばしたあげく、
15も年下の後輩にシュラフに入れて貰う体たらく。
2月15日
安眠から目覚めてサーカス小屋から出ると、−15度、風速20m弱、ガスによる視界20m。とてつもなく寒いが、風上に顔を向けると久しぶりに冬山にいる手応えを感じ、否が応にも気合いが入る。
東へ向けて稜線をたどる。
小さな岩ピークをスキーを履いたままいくつか越え、やがて大同心(黒木命名)が真っ正面に立ちはだかる。
先頭を歩いていた黒が基部を少し登り、見上げながら弱点を探る。
しかしスキーを伴うフル装備に加え、ハンマーもハーケンも持ち合わせてない我々には迂回する他はなく、泣く泣く大同心の右側をアイゼンに履き替えて巻く。
やがてコンパスに指名されたように、真っ白になった避難小屋がひょっこり現れとんでもない地吹雪に疲れ果てた身体を、二階入口から小屋に投げ込み小休止。
確かに極端に寒いし、暴風としか言えない風が地吹雪をヤッケに打ち付けてしんどいが、空気がそれほど暗くないので悲壮感がない。
しばし休んだ後、計画通りに頂上経由で焼走滑降の方角へコンパスを合わせ、小屋を出る。
頂上まで標高差約300m急斜面は、強風と地吹雪に打ち付けられながら、スキーのエッジをアイスバーンに打ち付けるようにして登る。
一歩一歩がスキーの上に載せる体重のバランス取りがきわどい。しかし、頂上に近づくにつれ、地吹雪の勢いが増すにつけ、傾斜が強くなって来るにつれ、我々の気持ちも舞い上がっていく。
11:40ごろ 岩手山頂上。
数分休んだ後、磁東にある第一噴火口へ進路を合わせ、ここまで履いてきたスキーをザックにつける。
これから下ろうというのに、スキーを脱ぐあたりまったく我々らしい。
視界は10m足らずで、時々のホワイトアウトに緊張し、特にもアイゼン歩行に馴れていない育子の足元がフラフラになっていく。
やっと樹林帯が手に取るように近づいたあたりでアイゼンをスキーに履き替えて、ザックにくくりつけたピッケルを小枝に引っかけながら、夕風が肌寒く感じる16時、いこいの村岩手に到着。
終わりに・・・。いこいの村岩手に駐車を無断でしたお詫びを言ったところ、まったく意に介していないようすで対応され、まだまだ北東北は捨てたモノじゃないと思い知る。
天候 | 曇天 〜 猛吹雪 |
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過去天気図(気象庁) | 2015年02月の天気図 |
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感想
岩手山を北から望むと、恐ろしいばかりの岩稜帯が広がる。
屏風尾根と言う。
ここを冬に踏破したい。
6年前、糸野とチャレンジしたときは、尾の不手際により時間切れの幕切れを迎え、なんとも後味の悪い終わり方をした。
今年、そのリベンジ・・というわけでもないが、黒をはじめとして、いっこ・利・泉と濃いメンバーがそろってくれたおかげで、完全踏破を成し遂げることが出来た。
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