桑ノ木山〜ネコブ山
- GPS
- --:--
- 距離
- 21.5km
- 登り
- 1,739m
- 下り
- 1,735m
コースタイム
- 山行
- 11:40
- 休憩
- 1:20
- 合計
- 13:00
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
ダムから十字峡へは冬季閉鎖のゲートがある。 しゃくなげ湖南岸の県道は日陰で融雪が遅く、デブリもあり、通常は北岸路を歩く。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
標高 三国川ダム管理事務所=440m 桑ノ木山=1495.5m ネコブ山(三角点)=1774.1m ネコブ山(最高点)=1794m ☆ 五十沢第一発電所導水管沿いはコンクリ製433段、鉄製215段、 手摺りの設置された標高差約160mの階段 ☆ 標高915m付近は舟窪地形。ここまでは雪の消えたやや急な尾根だが、踏み跡は 非常に多く、木の根や枝につかまって登降するが、危険性はない。 ☆ 舟窪地形より上で、一ヶ所しゃくなげの密薮があるが、これを搔き分けて尾根上 を進む。左下に雪が残るが、非常に急なうえ、雪はつながっていない。 ☆ 標高約1120mで灌木薮を漕いで雪面へ出る。以後は1518m南側コルまで雪上歩 き。尾根には木が全くなく、展望が一気に開ける。 ☆ 1518m南側コルからネコブ山三角点直下までが大変。雪の重みで手前に倒れた 笹と灌木の激藪で、左下の残雪はつながってはいるが、クレパスだらけ。 ☆ ネコブ山最高点は、地形図では1790m等高線のコブの位置。コブに雪がなく、 コブの南に雪があった為か、コブの南が高いようにも感じた。 |
写真
感想
【山行記録投稿=2017年04月12日】
ネコブ山は、山岳雑誌『岳人』が選定した ”マイナー12名山” の一峰であるが、12座の中では最も登り易いと思う。
”マイナー12名山” の定義に、「四季を問わず、創造的登山をしなければ登頂できない名山」 とあるが、ネコブ山の場合、五十沢第一発電所から銅倉沢左岸尾根を辿るか、下津川沿いに遡行して枝沢を遡上するかの何れかである。大半は桑ノ木山経由となる左岸尾根からだろう。
登山口からの標高差は1360mほどで、越後山脈への登路としては標準的なもの。
下津川山や小沢岳までの日帰りは困難でも、ネコブ山はテン泊より日帰りが多い。
前年、本谷山や丹後山に立った時、上越国境稜線から北へ延びる大きな支尾根の山が見え、次回はあの山へ登りたいと思った。
ネットで色んな情報を収集している中で、ネコブ山が ”マイナー12名山” の一つであることを知り、益々行きたくなる。
”マイナー12名山” の毛猛山は何とか日帰りで登ったので、ネットの記録から、ネコブ山も日帰りで計画する。テン泊はしたことがなく、今後もする予定はない。
しゃくなげ湖北岸の車道は雪解けが進み、乾いたアスファルトが広く出ている一方、デブリの跡かどうか路上の雪山を超える所もあった。
雪が自然に消え、雪崩で押し流された石や枯れ木が撤去され、十字峡まで車で入れるのは当分先になりそう。
五十沢第一発電所(発電設備は地下)の導水管に沿って階段を上がる。
導水管上端には何かの建屋があり、そこから尾根道となるが、とてもよく踏まれている。整備されることはなく、無雪期にこの尾根を登る人もいないだろうから、それなりの注意を要する急斜面である。
忠実に尾根を辿り高度を上げると、自然と雪尾根へ上がるようになる。
標高1120m付近で灌木から抜け、足元には全く木のない雪尾根となり、北側と東側の眺望が素晴らしい。それまで八海山で見えていたのは入道岳だけだったが、標高が上がるにつれ、鋸歯状の頂稜も見え始める。
日向山の真っ白で丸みのある女性的な山に対し、南側に黒々とした急斜面を持つ男性的な御月山。東側から二つの大きな尾根を収斂する中ノ岳は、越後駒ヶ岳より‛格下′だが、標高と言い、品格と言い、越後駒を凌ぐ王者の風格である。
桑ノ木山は広々とした台地状の頂上で、三角点があると思われる付近は雪が解け、矮小な灌木の密薮となっていた。
三角点の南に1518m標高点があり、こちらを桑ノ木山本峰とするのが妥当だろう。
1518mピークからネコブ山を眺めると、尾根の雪はほとんど消え、冬季の風下となる東側はクレパスが目立ち、ずたずたに切れている。
実際に、この鞍部からネコブ山三角点直下までの標高差約200mが、本山行の最難関であった。急斜面の登りでも直立した藪ならまだしも、ここでは斜面はそれほど急ではないが、圧雪で手前に倒れた濃い藪で、掻き分けるのが容易ではなかった。
藪を嫌って東側の雪稜に出ると、足元の小さなクレパスがいつ崩れるか予測できず、ひやひやドキドキの連続だった。
雪面の緩んだ午後では危険過ぎて、ずっと藪を漕ぎながらの下りとなる。
南西から北東に長くて幅広のネコブ山は、三角点標石の周辺とコブの部分だけ雪が解けていた。風が非常に強くて、厳冬期でもコブには雪が付かないと思われる。
コブからの展望は360度の絶景で、無雪期でもここに立てば素晴らしい眺めは確実。
写真を撮っただけでコブから降り、標高がコブより高いように見える南側の広い雪原で食事をしながら雲の全くない快晴下、山岳展望を満喫かつ堪能する。
それは山好き冥利に尽きる至福のひと時であった。
ネコブ山は ”マイナー12名山” に選ばれるだけあって、山岳展望は完璧である。
南北に連なる主脈を西側から眺める名峰として、越中富山の初雪山に似ている。
私が上越国境から「創造的登山をしなければ登頂できない山」として一座を挙げるならば、奥利根の刃物ヶ崎山(1607.0m)である。
秘峰中の秘峰にして知られざる名峰だが、私にはもう行けない山となってしまった。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する