八ヶ岳 横岳西面 小同心クラック 単独
- GPS
- 12:40
- 距離
- 13.3km
- 登り
- 1,231m
- 下り
- 1,234m
コースタイム
15:00赤岩の頭〜16:00赤岳鉱泉16:10〜17:30美濃戸
天候 | 曇り時々晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
北沢の途中まで雪は全く無しです。 赤岳鉱泉から先には結構残っていました。 稜線上は1割程度しか残っていませんでした。 小同心クラックは完全に乾いた状態です。 1ピッチ目の基部には残置無し。その他の支点はボルト有り。 ランニングは残置ハーケンもいくつか有るが、スリングを岩に 巻くなどの自家製も必要。 |
写真
感想
ソロで登るのは随分久しぶりのように思う。もう少し早い時期に登るつもりで居たが諸々の都合で今になってしまった。
この時期なのでプレッシャーは殆ど無い。やはり山や自然との有り余る会話や自分の心との際限の無い会話は単独ならで
はのものだ。単独で登ることを直ぐに快く承諾していただいた代表には感謝です。
美濃戸の駐車場を明るくなってから直ぐに出発した。この時期の日の長さなら今日一日ライトを使うことは無いだろう。
土の露になった林道を淡々と歩いていく。ただし核心の岩稜帯は稜線のすぐ下なので、ここでは体力を消耗しないように
ペースを上げ過ぎずに登っていく。駐車場では気温が3度だった。流石にすぐに厚くなりアウターを脱いでザックへ結び
つける。スポーツタイツにTシャツだけでも汗を止めることができない。
赤岳鉱泉へたどり着くとゴールデンウィークの喧騒が過ぎ去ったあとの静けさか全く人気を感じない。少しの休憩を入れると
すぐに大同心ルンゼを目指し歩き始めた。昨年末にジョーゴ沢を訪れた際に一度通っているが、入り口が良く解らない。
テント場の奥だったような気がするが、どうも踏み跡が少ない。何となく1つ有る踏み後を追い、ルンゼを登っていくと
暫くしてすぐに本当の踏み跡があった。その踏み跡を越えてルンゼを詰めていく。トポによるとルンゼを詰めていくと
すぐに右岸の尾根の急斜面を登っていくと有るが、どうもそれらしいところが無い。そのまま雪渓を詰め上がって行くと
大同心が目の前まで現れたところで、途切れ途切れの踏み跡が一人分出てきた。そのまま大同心の基部まで詰めあがると
自分の登ってきたルンゼの左岸側の尾根に、はっきりとしたアプローチの道が有った。どうやら1本沢を間違えて裏同心
ルンゼを登ってしまったようだ。トポだと1時間半と有るが、どうりで2時間半もかかってしまったわけだ。
下から見た大同心から小同心へのトラバースは怖そうにも見えたが、実際に近づくと十分な幅の有る道になっていた。
此処までペースを上げずに来た上、アプローチを間違えた分ロスタイムしたので、余り休まずに直ぐにクライミングギアの
準備を始める。これだけのメジャールートなので1ピッチ目の取り付きには、間違いなくテカテカのペツルのボルトが打って
有ると思っていたのだが無い。確かに岩も脆そうでボルトが効きそうなところも無いように見える。とりあえず1段上がった
所に有る岩がよさそうなのでロープを回しブーリンで固定しバックアップもスリングで取る。ラインはガバにスタンスも
豊富で傾斜もそれ程無い。淡々と登っていくがここでアクシデントが。膝の裏辺りが攣る。。マジで。。やはりもう少し
休んでからの方が良かったのか。此処までのアプローチに4時間以上掛かっているのが結構効いているようだ。
ここまで特に無理なことはしていない。久しぶりのアイゼンでクラストした雪渓を詰めたからか?
岩に取り付いたまま1〜2分足を休め、ゆっくりと足を上げるが治っていない。ひょっとして敗退?
ただ時間はまだ十分に有る。とりあえずゆっくりと1ピッチだけ登ってまた考えようと、もう数分
そのまま休んだ後1ピッチ目の上部まで上がりきる。ザイルは50mのシングル1本だから懸垂するに
しても半分の25m。支点を自分で作り残置も残すことになる可能性が高い。しかしながらペースを
落とし休み休み登り、安定したテラスで残置された支点にロープをフィックスしたりしているうち
に足の方は回復したようだ。
このテラスからZ式で登り返した後もう10mも登ると、また新たな支点が現れた。確かに1つ目の支点
は30m位しか登らないうちに出てきたので近すぎるとは思った。2ピッチ目の上部に上っていくが、
トポに有るチムニーが無い。フェイスのようだ。おかしい?と右横を見ると、調度からだのすっぽり
入るくらいのチムニーになっている。今自分が登っている所よりはるかに楽そうだ。どうりで自分の
登っているラインには残置が全く出てこないわけだ。ここで目の前の岩にスリングを巻いてランニングを
とり、チムニーへトラバースしたのが一番の核心だったか?
3ピッチ目は15m位しか無いようだが、もうロープは15mを割っている。
ひょっとしたら2ピッチ目上部の支点を使えば2ピッチで登れるのかもしれない。3ピッチ目は
着膨れしているとつらいとトポに有ったが、なるほどザックを背負った登り返しでは身体が1度岩の
外に飛び出したような形になる。落ち着いて上まで上がりきると、目の前にはコルを越え岩稜帯が
現れる。ここを登りきると横だけの頂上に出ることが出来そうだ。ここで最小限のギアだけ残し
ロープ等をザックにしまう。アイゼンもいらなそうだが、練習も込みなのでそのまま最後の岩稜帯へ
歩いていく。
所々残置ハーケンが有るようなので、自分は今フリーだし疲れも出てきているだろうから一応手袋
だけ外し素手にアイゼンで頂上へと飛び出した。いきなり目の前に現れた横岳頂上の標識にゴールの
コールを告げられたようで、心地よい達成感と充実感を得ることが出来た。
数枚の写真を撮り横岳を下るまではいやらしく雪が残っているのでアイゼンを着けたまま下り、ここで
アイゼンを外すことにした。目の前に見える硫黄岳に向う稜線上には全く雪はない。
横風が強く吹き付けては居るが寒さは感じない、のんびりと赤岩の頭までたどり着くと、ここからは
意外と多くの残雪が残っているようだ。明瞭な踏み跡を辿り赤岳鉱泉経由で美濃戸の駐車場まで帰還した。
jazzyさん、こんにちは。
私も近い将来、大同心と小同心に行きたいなと思っており
ますが、今は実力がないので我慢です。
でも、単独とは凄いですねぇ。感想の続き、楽しみにしています。
tayukayuさん、こんにちは。
いつも楽しそうに登られているのを拝見させてもらっています。
小同心は乾いた状態でラバーソールに素手なら元蘢度なので、
tayukayuさんでも問題ないと思います。
ただ八ヶ岳は岩が脆く壊れやすいので、そういった怖さは有りました。
なので冬場の凍りついた時期が最適なのでは無いでしょうか?
また楽しんで登られている姿を期待しています
感想はできれば一度に出したいのですが中々難しく、旬な写真を
先に出すことを優先した方がと思い、いつも編集中になってしまい申し訳ないです。
ヤマレコで調べたら1969年11月に、大同心と小同心を
山岳会メンバーで登りに行き、私は小同心クラックを登った事を非常になつかしく思い出しました。
当時は単独という発想はありませんでしたので、単独と聞いて凄いなと思いました。
それとプロフィールでジャズが好きとありましたが、
私も酒とジャズが大好き人間です。
この年になり岩登りはしませんが、今後も岩登りの記録
楽しみに拝見させてもらいます。
kazuhi49さん、コメントありがとうございます。
以前に登られていた記録を、いくつか拝見させてもらいました。
山にのめり込まれている様子や、当時の時代背景など強く感じられ
険しい山に登るという、ともすれば不思議な行動にも、きっと何かが有り、
これからも連綿と続いていくものなのだと感じました。
ちなみに日登の渡辺篤夫さん、まだまだ現役です。諸先輩方は篤さん
がやっているんだからまだまだ大丈夫とがんばっています。
jazzや音楽にもじっくりのめり込みたいところですが、なにぶん時間が。。
また山に鉄道、温泉と楽しんでいるところを拝見させてください。
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