嘘みたいにすいていた初夏の仙丈ヶ岳
- GPS
- 08:11
- 距離
- 10.5km
- 登り
- 1,210m
- 下り
- 1,197m
コースタイム
- 山行
- 7:27
- 休憩
- 0:36
- 合計
- 8:03
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
移動費: 芦安-広河原間 バス 1,130円(マイカー規制使用者協力金含),乗り合いタクシー 1,200円(マイカー規制使用者協力金含), 広河原-北沢峠 バス 750円(荷物券含) |
コース状況/ 危険箇所等 |
登山ポスト:広河原バス停建物内、北沢峠バス停横 注意事項: 雪渓を歩くのに私はチェーンアイゼンをつけませんでしたが、自信のない方は簡易アイゼンなど必要な箇所で使われると良いかも。ただし、かなり雪が緩んでいるのでアイゼンの効果は不明。一部雪渓周囲に凍っているところがあり注意。 |
その他周辺情報 | JAこま野 道の駅しらね 農産物直売所 山梨県 南アルプス市 在家塚 587-1 ももの時期だったので、産地で買おうと訪れましたが、午後三時を過ぎていたためほとんど売り切れ状態でした。 野なか園 山梨県笛吹市御坂町二階638 TEL/FAX 055-262-6092 空いている道を走り「フルーツ街道」(山梨県笛吹市御坂町上黒駒国道137号線)へ。午後4時を過ぎていたので残りは少なかったのですが、こちらの要望に合わせて桃を選んでくれたのでよかた。 |
予約できる山小屋 |
|
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
靴
ザック
テント
フライ
グランドシート
張り綱
サンダル
朝食
行動食
夕食
飲料
コンパス
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
ガイド地図(ブック)
携帯
時計
タオル
カメラ
帽子
水 2リットル
救急用品
着替え下着(上下)
着替え靴下
ボディペーパー
|
---|---|
備考 | テント場は北沢峠バス停から近いので、飲み物、食べ物は通常は持ち歩けない肉などの食料を持参しても大丈夫。 |
感想
山登りの前日GPVとかtenki.co.jpで千丈ヶ岳の天気予報を見ると午前の仙丈ヶ岳の天気は曇りまたは晴れ。当日の朝同じ天気予報を見ると雨の予報に変わっています。翌日となる土曜日の天気は晴れだったので、仙丈ヶ岳に行くことに決定。
車の前を走る甲府駅からのバスは登山客でいっぱい。車の駐車場はバス停の下の駐車場に止めることができました。
広河原から北沢峠までのバスは補助席全てを使うほど満員状態。ほとんどの人が10キロから20キロの荷物を持ち込んでいるので重量過多ではないだろうか?
広河原では軽い雨でしたが北沢峠に近づくにつれしっかりした雨。
北沢峠バス停から東へ500m戻り、長衛小屋のテント場を目指す。特に雨で落ち込み気味の気分の時には目印が小さくて見落としそう。
長衛小屋でテント場使用手続き。一泊500円で水使い放題でトイレは募金箱に使用料金を寄付する形で、テントに下げる札を渡される以外、水の使用、トイレの使用について説明なし。
テント設営しようと外に出ようとすると、滝のような雨が。一時間ほど待つと小ぶりになるので、この機会を逃してたまるかと、サッサとテント設営完了。テントご近所さんとお話をして時間を過ごし、午後5時位に夕飯を作っているとまたまた雲行きが怪しくなるので、急いで食べ終わると同時に、再び猛烈な雨が降りかかる。よかった。
まだ明るい午後5時から狭きテントの中で1人時間を潰すのはなかなか大変なもの。それでも、テントご近所さんと話していると、このあたりは釣りでも有名らしく、登山と釣りを楽しみに来ている方もいらっしゃる。それも良いかも。ただし、渓流靴など釣り用品が増えるのでそれはそれで大変かも。ウィスキーを飲みながら話していると飲み過ぎてしまう。
翌朝、気持ち悪くなりながらトイレに行きたくて2時頃起きる。星空を背景に月に照らされた雲が流れている良い感じ。できれば3時頃に出発するつもりだったので二度寝して寝過ごすよりはと、早起きして出発の準備することに。おかげで3時頃出発できました。
初めての夜中出発。月明かりがあるからヘッドランプがなくても道が見えるかと思っていたが、月明かりはうっそうとした林内には差し込まない。岩が出たり根が飛び出た森林内の道がよく見えないので、ヘッドランプのスイッチを入れる。ちょっと見にくい気がするが、電池容量減少を警戒し弱光を使う。
ヘッドランプの明かりで少し先と足下しか見えないので、道を間違えそうで心配。Yamareco.comでGPSデータをGPSに落とし込んでいたので問題なく登山口到着。暗くて汚い看板が読めなかったけれど沢渡る橋のたもとに看板があるので、登山口だろうと見当をつけ上り始める。看板の写真を写しているうちに後ろから2名の登山者が「おはようございます」と追い越してゆくので安心して、道を進むことができる。先行者となったその方たちのヘッドランプの光は、瞬く間に闇の先に消えてしまう。早い。
ほとんど足下しか見ていないので最初は急坂のようにも思えたが、ゆっくりゆっくり歩くようにしたのでよくわかりません。それでも、歩いた時間にしては着かれるなと思っていると尾根の二合目看板に到着。尾根を上ってると朝日が尾根道の木々を照らします。木々が金色に輝いて美しい。腕が良くないので写真を撮ってもこの美しさは表現できませんね。
あまり変化がなく北岳、甲斐駒ヶ岳などの山々が木々の間から見え隠れしながら、淡々と尾根道をのぼります。いつの間にか森林限界を超えてさらに淡々と進みます。このあたりに来ると直射日光からよけるところがないので、日差し対策と十分な水がないと厳しそう。幸い真横からの太陽光なのでそれほど強くないのですが、真横から当たる太陽光につばの広いハットも効果がありません。容赦なく後頭部を太陽光が直撃します。
何回かあそこまで行けば楽になるかなというピークが見えますが、そのたびに次のピークが現れるので心の準備がないと心折れそう。地図で全体工程の全容を確認したり、通過予定時間を確認しているので、用意した資料を確認することで心折れないですみました。Yamareco.comありがとう。
始発のバス到着前で、連休初日にもかかわらず前後に人の気配を感じない静かな山歩き。小仙丈ヶ岳標識に出て上ってきた緑の絨毯がひかれたような斜面と、これから進む岩だらけで所々に白い雪渓を残した優しく窪んだ山容を見るているとうれしくなります。ただし、この景色を見ても山頂まではまだ1時間以上歩くようなのが、少し落ち込みます。
富士山、北岳、間ノ岳の日本高山ワンツースリー、鳳凰三山、甲斐駒ヶ岳、八ヶ岳、槍ヶ岳を含む北アルプス全体、と知っている山だけでも見ることが出来るであろうすべての山が見えているような。
少し右に見えるピークに5人の人が立ってます。そこが山頂だからと、重い足をやっこら持ち上げながら進みました。山頂直下にはミニ雪渓。山頂からは南に続く尾根とところどころに白い雪を残した南アルプスの山々がしっかり見えます。中央アルプスや御嶽山、たぶん乗鞍岳、北アルプスまできれいに見えます。
日差しも強く風もないので、山頂でも半袖でも楽に過ごせます。昨日までの雨が大気中の細かいゴミを洗い流したようで、夏の景色なのに遠くの山々まではっきり見えるのはうれしい限り。
どんなにきれいな景色もしばらく見ていると当たり前のような贅沢気分がおこり、下山開始。山頂北側の道は名がわかりませんが、白、黄色、紫のちいさな花が一面に咲き誇っています。美しい。
仙丈小屋までに一回雪渓登場。しゃりしゃりした雪面はアイゼンがなくても大丈夫でしたが、逆にすべりそう。チェーンアイゼンをつけるほどではなくかかとでガッツリ食い込ませ転倒を防ぎながら渡ります。小屋周辺は黄色の花がたくさん咲いてます。ソーラーパネルと風力発電のプロペラがたくさんあるのが今風なんでしょうね。こちらでトイレをお借りしました。夏の連休初日の今日から満室とか。
小屋から沢沿いに降りる道は小さな雪渓を何回か渡りながら下ります。新緑の木漏れ陽をおりてゆくと、たぶん高山植物保護のためオレンジ色の網が道の左右に続きます。オレンジ色の網がなくなったと思ったら馬の背ヒュッテ到着。降りなので楽な気がして休憩せず通過。
馬の背ヒュッテからすぐに雪渓の残る沢に到着。ここから沢を渡り登ってきた尾根に出る道と、沢沿いを進む藪沢新道に分かれます。初めてなので躊躇なく藪沢新道を下りますが・・・、あとに反省することに。
しばらくは結構急斜面で雪渓が残っているこの道、雪渓に足を滑らせ手こずっている登山者が少なくないような。踏み抜きはないものの、登りで滑った後があちこち見られました。また、急斜面の岩も多いためか緑色のロープが何カ所か。私的には登りで藪沢新道を利用しなくて良かった。
前方に鋸山や甲斐駒ヶ岳、摩支利天の雄志を堪能しながら沢を下れたのは降り最大の魅力でした。これでもか、これでもかと現れる雪渓の沢を渡る橋を渡ってからの、樹林帯を下る道には参りました。急傾斜面を木根、大きな岩が作る大きな段差のある階段がこちらの忍耐力を試すように続きます。膝への衝撃が貯まらないうちに何回か休息が必要。反省。
大休憩時、後ろから来た夫婦が「あとどのくらいですか」と尋ねてきました。馬の背ヒュッテから予想を超えた急坂コースに私と同じように辟易したようす。GPSで現在地を確認すると、馬の背ヒュッテと北沢峠の中間付近の様子。同じような道が今までの倍の距離があると思うと、今日初めて気力が落ちてしまう。急坂を下りてもGPS表示の水平距離は体力を使うほどは伸びずつらさが光る。こんな降りでもたいへんな道を上るなんて。
幸いなんとか急坂を終わると緩やかな道に変わり、疲労が少ない割に地図上の距離が稼げ元気が出る。太平山荘にでるとそこには林道が。アレッ。北沢峠は標高約2000mなのに、ここは標高約1900m。これから100mも登るのかと想像すると急に足が重くなる。気力を振り絞り小さな歩幅で何も考えないようにして一歩一歩進みます。
なんとか北沢峠に到着。疲れているので、長衛小屋横のキャンプ場までの降りがきついこと。夏の連休初日とあって昨晩までは30張位のテント場に100を超えるテントが。北沢峠に到着するバスも同じ時間に3台位になっていたのでは。
早くに出発したおかげで、バスの時間に余裕があるので昼寝できたのはありがたい。なんとか疲労回復して、東京までのドライブが楽に安全になりました。
今回の収穫。一つ目は現場で早朝出発できるようテント泊もよい。二つ目は、しっかりした登山道ならばヘッドランプをつけても道を歩ける。三つ目は暗い山道を歩くにはできれば前任者のGPSルートを使うと、比較的安全。四つ目は、連休は前一日休みを取ると混雑しないので、行程に余裕が出て、大混雑の中帰宅する必要がない。最後に初夏の仙丈ヶ岳は花が美しい。
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