吾妻連峰縦走〜磐梯山
- GPS
- 14:39
- 距離
- 74.9km
- 登り
- 3,969m
- 下り
- 4,125m
コースタイム
- 山行
- 14:10
- 休憩
- 0:29
- 合計
- 14:39
天候 | 快晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2017年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
(福島駅からの送迎バスあり) 帰り:国民宿舎 さぎの湯 |
写真
装備
個人装備 |
Tシャツ
ズボン
靴下
防寒着
着替え
靴
ザック
行動食
飲料
ファーストエイドキット
携帯
タオル
ヘッデン
熊鈴
ポイズンリムーバー
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感想
折角の東北なので欲張りピークハント走にチャレンジ→無事達成しました!
磐梯山までの道のりが辛すぎて、磐梯山山頂に到達した時は人目をはばからず(誰もいませんでしたが…)感動で嗚咽をもらしてしまいました。
レポートでは、クマザサだらけで走れないとか、泥道で足がぐちゃぐちゃになって気持ち悪いとか不満ばかり申しておりますが、磐梯山山頂に到着した瞬間嗚咽とともに漏れた言葉は
ありがとうございます
でした。
それでは、以下長文レポします。
(誰が読むんだろ。。。^^;)
金曜日、宿泊した高湯温泉の露天風呂から吾妻山方面が見渡せました。ワクワクと不安で眠れるか心配だったので一人ハイボールで乾杯。22時就寝、3時起床でぐっすりと眠れました。
起床後、真っ暗闇の中の吾妻連峰と星空を眺めながら、硫黄臭が心地よい露天風呂で身を清め、おにぎりとバナナ2本でエネルギーチャージ。ハイドレーション代わりの1Lペットボトルに水を入れ、logosドリンキングチューブをセットして準備完了。
予定通り4時にスタートしました。いざ、出陣です。
ここから磐梯吾妻スカイライン約15kmの舗装路を登ります。早朝にも関わらずバイクがビュンビュン通り過ぎて行きますが、こちらも負けじとヘッデンで応酬します。まさかこんな時間に走ってるアホがいるとは思っていないライダー達はスピードを落として通り過ぎて行きます。お気遣いありがとうございました。
ここをしっかり走ってコースタイムを稼ぎたいところでしたが、トラブル発生。ハイドレーション代わりにしていたペットボトルとチューブが合っておらず大量の水漏れ。お尻もビチャビチャ。
仕方なく、予備で用意した500mlのペットボトルに入れ替え先に進みますが、次の水場まで40km以上あるはずなので、かなり不安でした。(そして不安は的中します)
不安を払拭するかのような素晴らしい朝焼けに励まされ浄土平に到着します。
まずは小富士を軽くお鉢巡り。ん、予想していたよりデカイ!というか、15kmの登りで足を消耗していまっていました。
小富士を巡りながら迷い発生。本来は東吾妻山を巡って縦走路に向かう予定でしたが、ショートカットして一切経山に向かうか悩みます。
折角だから欲張っちゃえよ!と、まだまだやる気のココロが圧勝して気づけば東吾妻山に向かっていました。
東吾妻山への登りで激しい後悔が襲います。この辺りは元々沼地なのでしょうか。ぐちゃぐちゃでズボッとハマるタイプのトレイルに、時折本気の水たまり(というかトレイル自体が川みたい)が出現します。
しかも、藪漕ぎに近いクマザサで足元が見えず既に足元は泥だらけ。かと思えば、大きめな石がゴロゴロしているガレ場が登場し、濡れたソールとの合わせ技でツルッと一本取られたように転びまくります。
よし!今日はとことん泥だらけになってやる!と、覚悟を決めたつもりが、泥だらけの靴で帰るのはイヤだな…と、乙女な心が顔を出し、思うように攻められません。
気持ちだけが焦り、水たまりを越えていこうとすると、木の根や道脇の石に、膝やスネをぶつけて外的ダメージが待ち受けます。
あかん。引き返そう。磐梯山とか絶対無理や。もうやめよう。
いつの間にか、そんなことばかり考えていました。
ただ、じぶん脳内会議の結果、どうせやめるなら行けるところまで行けば?という結論になったので、止まらず前には進んでいました。
東吾妻山を抜ければ極上の縦走路トレイルが待っている!と自分に言い聞かせ、何とか山頂へ。
そこで見たのは、遥か彼方に見えるラスボスの磐梯山。ラスボスに相応しいその雄大な姿に、絶対行ってやる!と、心に決めますが、後の縦走路でこの思いも消えていきます。
と、いうのもハイカーの方で賑わっていたのは、一切経山付近と西吾妻山付近だけ。その近辺はきっちりと木板のトレイルや明瞭な山道が整備されていますが、縦走路のほとんどは辛うじて踏み跡があるクマザサ藪漕ぎ水たまりルート。
縦走路はシングルトラックの走りやすいトレイルを勝手に予想していた自分が情けない。完全に予習不足でした。トレラン以前に登山者として失格です。
東吾妻山のようなクマザサで足元シークレットルートが何度も繰り返すルートを何とかかいくぐり、とにかく前へ進んでいくと、珍しくハイカーのおじさんとすれ違いました。
ビックリしたー。珍しくすれ違ったね。この先もクマザサが凄いけど、大丈夫、道はあるから。
と、いう言葉にチカラをもらい、磐梯山まで行ってきます!と、宣言して別れました。
縦走路は無我夢中であまり覚えていません。とにかく前へ、という気持ちだけで進んでいましたが、ここで痛恨のミスコース。何の疑いもなく進んでいたつもりが、完全に道が川に変わったところでようやく気づきました。
しかも、水分も底を尽きかけます。
水場まで行ったらガブガブ飲んで、思いっきり休んでやる!
と、かなり開き直っているとハイカーの方で賑わう人形石ゾーンへ突入しました。早く水場に行きたかったので木板トレイルをできるだけ走っていると、
スゴイねー。がんばって。
と、いろんな方から励ましのお言葉を頂いただきました。ありがとうございます。
この辺りは分岐が多かったので、水場を見落とさないように慎重に進んでいると、念願の水場発見!
水場付近では地元大学の登山部らしき団体さんが休憩されていましたが、水場は空いていたのでガブ飲み開始。ペットボトルにも給水して、さぁ、めっちゃ休憩するで!というところで大学生が始動し始めました。ようやくペースアップできると思った矢先に、たとえ大学生でも団体さんの後ろはイヤだ!と、塩分タブレットだけ補給して、大学生に混じって天狗岩方面への登りを開始します。最初は大学生のペースについて行くのがやっとでしたが、大学生の足が止まった隙に水分補給で元気になったパワーを振り絞り、大学生に道を譲っていただきました。学生さん失礼しました、ありがとうございます。
天狗岩に到着するとさらに大にぎわい。足元ドロドロで膝を擦りむいているような人は私以外見当たりません。お恥ずかしい。
吾妻神社で旅の無事を祈ったあとは大学生に追いつかれないように急いで西吾妻山に向かいました。
ここでまた、痛恨の一撃!ミスコースです。
天狗岩から西吾妻山山頂方面に向かっているつもりが、西吾妻小屋に到着していまいました。しまった!と左手側を見上げるとそこには西吾妻山が「ここだよー」と私を見下ろしています。山頂目指してダッシュ!しかけましたが、これ以上の時間ロスは出来ないと判断し、西吾妻山を諦めて先に進みました。
西吾妻山を諦めた借りは磐梯山制覇で取り返す!
そう決意して、次のピークである西大峰を目指した瞬間、素晴らしいトレイルルートが目の前に飛び込んできました。
これこれ、こんな感じの縦走路が走りたかったんです!
疲れているはずの足は高揚感で元気になり、大学生との勝負で食べ損なったおにぎりを貪りながら、一気に西大峰ピークへ
目の前にはドーンと磐梯山!のはずが、雲がかかって山頂の姿は見えず。
縦走路下りたらやめようかな。と考えていた自分の弱さを見透かされているようでした。
よっしゃ!絶対行ってやる!覚悟を決めて下山開始、スキー場付近では道に迷い、彷徨う変なオジサンになりながら、不動滝-小野川湖畔遊歩道を発見します。
下りで使い果たした足も、遊歩道の走りやすいトレイルと小鳥のさえずりで少し元気になりました。
湖畔に流れる小川の水がキレイだったので、「もう、泥だらけになることはないだろう」と、小川に足を突っ込み靴の泥を落としてスッキリしました。
さあ、走ろう。ここで走って時間を稼がないと、磐梯山には挑めない。ここを越えれば町中なので、自動販売機くらいはあるからそこまでがんばろう。
もしかしたらコンビニもあるかも。カップラーメンでも食べればココロもカラダも復活するはずだ。ムフフ。
人とすれ違わないことをいいことに、ニヤニヤ、ゴチャゴチャ考えていたら、再び「ズボッ」とぬかるみにはまりました。折角泥を洗い落とした靴が、再び泥だらけに。これも試練です。
心拍数を上げすぎない程度の気持ちいいペースで走っていると、遊歩道を抜け、林道へ、道を間違えないようにGPSをチェックし、いよいよ念願の一般道路へ。
ここでついに自販機発見!救世主コーラ様めがけてお金を投入。反応無し。故障中でした。
かなり凹みましたが、こんなところで立ち止まってはいられない。街に出ればコンビニが待っていると信じて信号のある交差点へ向かうと、ついにたどり着きました。オアシス神セブンイレブン!
ココロはガッツリ食べたがっていますが、カラダが求めるのはあっさり系
なめこそばとコーラとコンビニ限定670ml麦茶をゲットして、ガツガツゴクゴクいただきました。コンビニまで60kmの道のりの中で、ザックを下ろした初めての大休憩でした。
少し気持ちが切れかけましたが念願の塩分を得たカラダは、まだ行ける!と訴えますが宿のチェックイン時間のリミットは19時、時すでに15時半なので、残り10kmの磐梯山越えを3時間半でクリアする必要があります。2本目のコーラを飲みながらしばし考えて宿に連絡しました。
私「19時に間に合わないかもしれないので食事は諦めます。お風呂だけ入らせてくだい。
お宿「今から磐梯山越えるなんて絶対無理です。でも、来られるというなら食事はお部屋に用意していますので気をつけて。」
温かい言葉に背中を押され、絶対19時までに間に合わせる!と、ラスボス磐梯山に向けて走り出しました。
登山口に向かう林道で何組かすれ違い、今からですか!と驚かれましたが、無謀なチャレンジにしないように夜登山に向けて、再びヘッデンと熊鈴をセットしました。
磐梯山登山道はこれまでの藪漕ぎルートとは打って変わって歩きやすい登山道なので自然とペースが上がります。最後の登りを楽しみながら徐々に高度を上げて行くとこれまで通ってきた吾妻山縦走路の全貌が見えてきました。
しばらく足を止めて絶景を眺めながら、我ながらアホなことしてるなー。
と、感慨深く?感傷に浸りかけましたが、こんなことしている時間はありません。山頂に向けてさらにペースアップ。弘法清水を越えるといよいよ山頂への最後の登りです。そして、この先に見える景色を想像しながらついに登頂を果たしました。
そこから見えた景色は想像を絶する雄大な風景で、
ありがとうございます。という言葉でしか表現できませんでした。
日の出から一日中一緒に遊んだお天道様も、「付き合いきれんわ」と言わんばかりに沈んでいきます。今日一日晴天をありがとうございました。
下山に向けて、時は既に17時40分、コーラと弘法清水をカラダに投入すると一気に戦闘モードになりました。よし、19時には間に合う!と確信し暗くなった足元を照らしながら、速く慎重に進みます。そして、岩場を越えると緩斜面の下り極上トレイルが待っていました。最後のご褒美だー!と、極上下りトレイル目一杯楽しんでいると、ガサガサっと、茂みの中から、明らかに小動物ではない物音が聞こえます。
ビクッとして一瞬立ち止まり、熊鈴をいつもより多めに鳴らしながら、「通りますよ〜」と大声を出すと、ゴソゴソと茂みの奥に入っていきました。熊だったのでしょうか、言葉が通じて何よりです。
スキー場では案の定迷いながら一般道へ、そしてついにゴールのお宿へ到着しました。時計を見ると18時45分。よかった〜、19時に間に合った〜。
宿の方に、「遅くなりご心配をおかけしました。」と伝えると、「全然遅くないですよ!夜中になるのではと心配しました。ご無事で何よりでした。お食事もありますので、ゆっくりして下さい。」と声をかけていただきました。会津の方の優しさに触れて、枯れたはずの汗が目からホロリと。。。本当にありがとうございます。
14時間40分、距離76km、累計高低差3,892m
苦し楽しい最高の旅でした。
お天道様と山の神様、出会った全ての方々に感謝します。
ありがとうございました。
コメント
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レポート楽しく読ませていただきました。センス溢れる文章で羨ましいです。先日、東吾妻歩いた時ひどく後悔しました。そう!あの熊笹に・・・・。以前は藪払いされてたんですょ。あの熊笹道を歩いてる時、ある光景を思い出しました。そう!吾妻連峰の縦走路です!
久しぶりに縦走路歩きたいなと思ってましたが・・・止めとこうかな(笑)兎に角、お疲れ様でした。
hide4451さん
コメントありがとうございます!めっちゃ励みになります!
東吾妻山のクマザサには皆さん手こずっていたんですね。安心?しました 笑
でも、吾妻連山のピークを次々と制覇していく達成感は、何ものにも代え難い喜びですね。
また、縦走路に行かれたらレポートお聞かせ下さい。ありがとうございました。
vonさん、初めまして。
楽しく拝見させて頂きました。
素晴らしいコース。
素晴らしい景色。
素晴らしいレコ。
そして、挑戦すること、諦めないこと、それを楽しんでいることが素晴らしいです!
自分も見習いたいです!
ナイスランでした!!!
atatatataさん
コメントありがとうございます!色んな方から暖かい言葉をかけていただき、何とか目標達成することができました。
こうやってコメントをいただいたことも、次の目標に向けて凄く励みになります。ありがとうございます。
atatatataさんのレコも拝見いたしました。トレランにランチパックは必携装備ですね。今度から忘れず持参したいと思います。
ありがとうございました!
どエム隊長!お疲れ様でした。
素晴らしいレコ拝見しました。
苦楽が目に浮かび、感動しました。
また、詳しくお聞かせください。
次のレコも、楽しみにしてますよ。
師匠!ココロもカラダもギリッギリでしたが、何とか目標達成しましたよ♪
今回の縦走で、DMP(どエムポイント)とMP(メンタルポイント)が上がりました 笑。
大キレットに向けて、師匠のを復活お待ちしています!
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