【三鎮作戦 朶篌蟷魁效歪炭鄒錙
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- GPS
- 05:06
- 距離
- 10.8km
- 登り
- 1,427m
- 下り
- 1,421m
コースタイム
天候 | ほぼ曇り。八合目以上強風。時折晴れ間。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
道の状況:旧道より新道の方が歩きやすいと思われる(特に下り)。石がごろごろ。御鉢は体が飛ばされることはないと思うが身につけているもの等が飛ばされないよう注意。 登山ポスト:登山道入口にあり。 下山後の温泉:遠刈田温泉等が近くにある。 |
写真
感想
以下、三日連続で山を歩き疲れたため、とりとめもなくなっていますがご容赦ください。
夏季休暇中に何をしようか考えた時にまず思い浮かんだのが東北の件である。マザーテレサの言うごとく、小さなことを大きな愛で行おうと。
そこで、岩手・宮城・福島の各県の代表的な山の頂から地鎮と鎮魂の祈りを捧げることとした。この思いつきは当初全く現実味を帯びておらず、いかなる手段で東北に行くのか、どの山に登るのか、登る順番等どういう予定で行くのかといったことを考えるのはずっと先送り。
岩手県だけは岩手山で即決だったので、とりあえず、岩手まで行って、その後のことは風の向くまま、気の向くままに臨機応変にやることにした。
ということで、決行直前に10日深夜東京発11日早朝盛岡着の高速バスと11日朝からのレンタカーを調達。東京発も10日にするか11日にするか、バスで行くか電車で行くか等々いろいろ悩んだのだが、遂に賽は投げられた。予約した以上やるしかない。
10日は仕事を早々に切り上げて家に帰り、身支度を整えて新宿へ。今回乗ったバスは足を伸ばせないのがつらい。
ろくに寝られないまま盛岡到着。駅前の松屋で朝食をとった後、岩手山麓の馬返しまで車をとばす。
隣が陸軍の駐屯地のため、兵隊さんが馬返し駐車場まで遠距離走している中を到着。他にも10台くらいとまっていただろうか。初日は天気が非常に危ぶまれ、行きの車中からも雲に覆われる山頂を確認していたのだが、他の登山者の装備や雲行きなどを勘案すると、雨具は念のため持ってきていたものの何とか持ちそうな感じがする。
もともと祈りを捧げる山行で雷雨でもなければ天気がどうだろうと決行する覚悟であったが、麓は晴れており最初から雨具を身に着けていくのも変なので、代わりにラッシュガードを着用。本来海の装備だが、使えるものは何でも使う。保温性を考慮して前日に買っておいたのだ。
駐車場から数分歩くとすぐに登山道入口に至る。最初は木段等が整備されており、また道も急でなく取り付きやすい。しかし、二合目辺りから傾斜が急になるとともに石や岩がごろごろした悪路になる。久しぶりの山歩ということもあり、なかなか骨が折れる。二合目以降、時折パラパラと雨が降ったようだが木々に守られて濡れることはない。また、降ってもすぐ止む。逆に太陽が時折顔を出す。空は雲に覆われているが開けた所からは直下の牧場や畑が見渡せる。
降れば晴れ 晴るれば雨の 山青し
雨で濡れている岩場を慎重に、山の花々や雲の下に何とか眺めることができる風景を楽しみながら歩く。
七合目辺りから風が強くなってきたためエネルギーを補給。しかし、この日は結局水分は多めに取ったが、あまり空腹感はなく固形物を口にしたのはこの時だけだった。風が強まると同時に視界も悪くなってきた。いよいよ雲の中だ。
私は基本的に天気が好い日しか山を歩かないので、途中で雲が出てきて、その中に入ってしまったということはあったが、雲がたちこめている中に自ら進んで入って行くというのは初めてである。感想としてはメルヒェン的で楽しかった。
八合目に避難小屋があり、その前に御成清水という山水がある。蛇口から常時水が出ているのだが、強風で時折30度〜40度程曲がる。本当に大丈夫かしらとも思ったのだが、岩手の大地を鎮めねばと思い歩を進めた。
天気が悪く平日であるにもかかわらず他にも登山者が子供連れも含めて三々五々と十数人は登っていた。不動平からの歩きにくい急な登りを先に行かせてもらって、ようやくお鉢に到達。
あれは雪か?と思ったものがあっという間に雲に覆われ見えなくなる。また風の強さが、それまでの比ではない。ビューではなく、ゴーッという感じだ。雨は降っていないのだが、サングラスには水滴が付き、服は濡れる。まるで空気のシャワーを浴びているが如し。しかし、ラッシュガードのおかげでそんなに寒くはなかった。風速がいったい何十mなのか皆目見当が付かないが慎重に腰を落としながら山頂を目指す。
時折陽光が雲を突き破って届き、目の前が灰色から真っ白に変わる。突風を時折止まってやり過ごし、お鉢に沿って安置されている石仏に挨拶しながら時間をかけて山頂に到達。山頂で岩手の大地が鎮まるよう祈る。
祈りを終えて、お鉢をぐるっと巡って帰ろうとしたのだが、雲が厚くて先の道がよくわからない。最初は山頂地蔵仏の右手側に行くのかと思ったが、GPSを確認すると地蔵仏の正面に進むのが正しい。下りは体が浮きそうな気がしたので登り以上に慎重に。岩陰に隠れて突風をやり過ごしながら下る。
途中、携帯を落とすというハプニングがあったものの、すぐに落としたことに気づき、取り戻すことができた。携帯が風で飛んでいったのではないかと思えるほどの強風だっただけに無いことに気が付いたときは血の気が若干引いてしまった。その苦難を乗り越えると、風のそんなに強くないポケット地帯に至る。ずっと稜線で緊張しっぱなしだったので、このような安らげる場所があるのはありがたい。
岩塊に矛の刺さっている箇所があるが、そこが岩手山神社奥社で、改めて祈りを捧げる。
再びお鉢の取り付きに戻ると、私の後からお鉢に登ってきた家族連れも稜線を降りてきていた。山頂まで行けたかどうかはわからないが、子供連れでお鉢巡りは危険だったと思う。引き返して正解だろう。
帰路は往路よりも雲が若干少なくなり、低い雲の合間から高層雲と青い空が垣間見える。眼下の景色もより明快だ。恐らく私の下山後は山頂にも晴れ間が生じたのではなかろうか。
往路が新道だったので復路は旧道を下る。この旧道は土砂崩れの後なんじゃないかと思えるようなガレ場下りで歩きにくく新道に比べると危険である。道を見つけるのに難儀する人もいるのではないかと思われる。七合目から三合目くらいまで辛い石ころの道。
二合目くらいから新道と旧道が合流。また歩きやすい道となる。
結局、幸いなことに雨に降られることも危難に遭うこともなく無事勤めを果たすことができた。初日がうまくいったことにより、後に続く宮城・福島における作戦の展望が開けたといえる。
都の東北 岩手の山に
聳ゆる頂 我らが故郷
我らが日頃の 抱負を知るや
進取の精神 人の独立
現世を忘れぬ 久遠の理想
輝く我らが 行く手を見よや
岩手 岩手 岩手 岩手
岩手 岩手 岩手
山行後、陸中一宮の駒形神社に参拝し、改めて祈りを捧げる。
〜とりとめもないが、おしまい〜
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