火の御子峰 リベンジ
- GPS
- --:--
- 距離
- 22.2km
- 登り
- 2,675m
- 下り
- 2,674m
コースタイム
- 山行
- 12:11
- 休憩
- 1:47
- 合計
- 13:58
23.35 1270m 別当出合着
23.45 1270m 別当出合発
0.57 2005m 甚の助小屋
1.56 2455m 室堂
3.00 2450m 御手水鉢
5.20 1750m 地獄谷
6.40 1950m 火の御子峰直下
8.00 1980m 火の御子峰
10.00 1750m 地獄谷
12.32 2450m 御手水鉢
13.22 2455m 室堂
14.00 2005m 甚の助小屋
14.34 1270m 別当出合
14.55 750m 市ノ瀬
天候 | 快晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2017年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
自転車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
地獄谷は崩壊雪渓 スノーブリッジ多数 地獄尾根はボロボロナイフリッジ |
その他周辺情報 | 大阪梅田駅前 なにわ君のお店 春日軒にて 火の御子ラーメン 好評発売中 |
写真
装備
備考 | ルートコースはGPS電波補足不良のため大雑把で不正確です。ごめんなさい。 |
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感想
今日は今年最大のイベント火の御子峰リベンジを果たした。今日はいつにもなく気合入れまくりで絶対御子神様にお参りに行く覚悟だった。火の御子峰に登らずして白山は語れない。1300年の今年絶対ピークに立つと誓った。実は大魔人も狙っていたようで僕たちが初挑戦した1週間前に敗退していた。その1週間後に僕たちも山頂直下まで迫りながらやはり敗退。そのまた1週間後に大魔人2度目の敗退。御子様は甘くはない。僕も大魔人も山ヤの意地でお互い密かに競っていた。もし先を越されたらもう挑戦するモチベーションは無くなってしまう。負けてはいけない!
でも仲間同士だからもう意地を張るのはよそう、大魔人の登攀力と僕のルート開拓力、そしてなにわ君の歩荷力の三本の矢を持ってすれば御子は落とせるはずだと確信した。と言うことで今日この三人で挑戦することにした。
深夜11時半に市ノ瀬をスタートする約束であった。いつものように僕は夜10時半には到着して30分のフライイングでチャリスタートとなった。MTBの大魔人が先に出たがロードの僕は途中で軽くかわして35分で別当出合に着いた。チャリをデポしていざスタート、今日のために必殺鉄筋棒、最大長のハーケンをたくさん持って来た。かなり重いがどんだけでも担ぐ歩荷男なにわ君には全く問題ないだろう。
皆それなりに重い登攀具を担ぐが僕を先頭にガシガシハイペースで登って行く。暗闇の中室堂まで2時間10分であった。ここで大休止、夜露に備えてカッパを着込んだ。さあ行くぜ、皆の衆。大汝を巻いて御手水鉢に来た。ここで暗闇の中崖マークを降りて行く。落石必発だが闇夜の中でも僕には全てのルートが入っている、大丈夫だ。お互い縦には並ばず常に横に並んで降りて行く。ここからも闇夜のアドベンチャー沢下り、滝あり、ガレ場のトラバースあり、崩壊雪渓あり、スノーブリッジ潜りとUSJ真っ青のアトラクションが続く。決して人にはオススメできない。
さて闇をついてあっという間に地獄谷に合流して火の御子峰基部に着いたがまだ暗かった。まずい早すぎた。ここで大休止して登攀具を身にまといロープを出す頃ようやく白んで来た。ここまでは僕の仕事、ここからは大魔人に頑張ってもらおう。ルートを確認しながら大魔人が軽やかにボロ壁を登って行く。やはり岩名人何かが違う。やばい場所ではロープが降りてくるので安心だ。
あっという間にルンゼを突破して地獄尾根に乗り上げた。まだ7時前なんですけど。さあここからが本当の核心で僕たちが敗退したボロ壁に着いた。ここは僕が尾根を馬乗りになりセルフビレイを取って大魔人を確保した。もう落ちても死ぬことはないので大魔人が鉄筋棒やハーケンをバチバチ打ち込みながら支点を作りどんどんボロ壁を攻略する。うん素晴らしい、なんとかボロ壁を抜けて固定ロープを垂らしてくれたので後続の僕たちはユマールで安心して突破した。
最大の難所直下ボロ壁を抜けるとやはりピークはすぐ先だった。もうロープは要らない。少し幅の広いナイフリッジを超えると待望の山頂に着いた。過去に一体何人がピークを踏んだだろうか?もう皆嬉しくて飛び上がる勢いだった。三人で固く握手して記念写真を撮る。
ただ山は生きて無事帰ってなんぼである。さて帰りはどうするか?あのボロボロ地獄尾根は勘弁してほしい。
なんと大魔人が山頂直下から懸垂して降りようと言う。下は絶壁です。まじですか?岩名人が言うなら大丈夫だろう、任せるしかない。山頂直下から絶壁を懸垂して素早く支点を作りまくる大魔人、さすがです。ロープを三本連結して一度に50mは降りただろうか、ガンガン行くが落石必発、散弾銃のように皆を落石が襲うが石の軌道を読んで皆かわしまくる。マジ心臓に悪かった。
7回ほど難儀な懸垂をしただろうか、無事地獄谷に降り立ちようやく生きた心地がした。しかしこの先も気は抜けない。いつ落ちてもおかしくないような雪渓群が行く手を遮る。最後まで気は抜けない。なんとか雪渓を抜けて沢を詰めて御手水鉢を目指す。稜線手前でまた大きな落石が出たが辛うじて直前でかわせてホッとした。御手水鉢でようやく安堵してメットも脱いだ。もう大丈夫だ。御子神様無事に帰れました。
帰りは暑かった。室堂では多くの登山者が、ここからの砂防新道は人が多すぎ、別当出合まで大変な渋滞でした。それでも市ノ瀬を出て16時間で無事帰還できました。
僕はもう2度と行くことはないです。本当に大満足です。山をやってて良かった。これが生きている実感!火の御子峰は本当に神の宿る山でした。
神に見捨てられなければ落石も避けて落ちてくれるようです。
岩名人、歩荷名人本当にお疲れ様でした。 火の御子 万歳!!
古い史書に火の御子峰の記述がありました。付け加えておきます。
乗龍十が祀っていた日御子大明神は、白山大汝峰の北東部にある火御子峰(二〇〇四m)に坐します神霊を祀ったと伝える。火御子峰は、名称のとうり山というよりは岩峰である。噴泉塔のある中の川源流の枝谷、仙人谷と地獄谷の間に位置する通称地獄尾根という府尾根の一角にある中尾根全体が赤褐色を呈し、桁外れの険しさの上風雨による侵食が激しく草木は根付かれず、人を寄せつけない。だから、別称「鳥とまらず」ともよばれている。岩峰は、焼きを入れた赤色で灼熟の剣を天に向けたような形が”火”を想起させ、それが火御子峰の呼称になったものと思う。日御子大明神は、加賀馬場下七社の第七御子、垂述は天子力雄命とされる時もある(『加賀志微』)。火の御子峰は、加賀禅定道からは容易に見えるが、越前・美濃禅定道からは見えない。火御子峰を神体とする日御子明神信仰は、岩峰を見ながら登り降りする加賀禅定道から生まれたもので、土着性の色濃い性格のものである。
素晴らしい
読んでくれて有難うございます。
初めてコメントさせて頂きます。
火の御子峰、登頂おめでとうございました。素晴らしい世界をお伝え下さり、とても感動しました。
是非一人でも多くの方にこんな素晴らしい山があることを知って頂きたかったです。
登れるまで通う! 見習いたいこのガッツ!!
人生諦めない!挑戦してこそなんぼです。
かなり読ませていただいてますが、はじめてコメさせていただきます。山初級者の私には冒険物語として読ませてもらってます。でも今回はいつもながら美しい写真の中にも緊迫感のあるレコで、自分も緊張してしまいました。これからも完全燃焼な山行が続けられることを祈念いたします。
火の御子峰は稀に見るアドベンチャーランドでした。ほとんど情報がないこの山を知恵と勘を働かせて攻略するのはこれこそまさに山登りという感じでワクワクしっぱなしでした。この山はファーストアタックで登らせてくれるほど甘くはなくリベンジできて本当に幸せでした。
YSHR先生、はじめまして
独り言、毎日読ませていただいてます。
今日、梅田にある「なにわ君」のお店「春日軒」に行って、
ラーメンと餃子を食べてきました。
手間暇かけた「火の御子ラーメン」はとても美味しく、身体も温もりました。
何人かの山屋の友人も「なにわ君」のお店に興味があるようなので、
次は何名か連れだって行かせてもらいますね。
先生もご安全に、先鋭的な登山と山スキーにチャレンジしてください。
独り言の更新、楽しみにしております。
火の御子ラーメンお召し上がり有難うございます。なにわ君も厨房で飛び上がって喜んだそうです。なにわの老舗春日軒をこれからも宜しくお願い申し上げます。
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