衣張山と披露山
- GPS
- 04:58
- 距離
- 10.3km
- 登り
- 264m
- 下り
- 269m
コースタイム
天候 | 曇りときどき小雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
|
写真
感想
今回の職場の山行のテーマは、「海が見える鎌倉の山」だ。雨という予報にもかかわらず、金時山でごいっしょしたルミさんや若手同僚のIさん、ベテラン同僚Sさんの3名が参加してくれた。さらに、新人の同僚Yさんにも、なかば強制的な感じで参加していただいた。
■ 大船駅
鎌倉駅に朝8時の集合とはいえ、私はあいも変わらず始発の総武快速線で出発していた。実は大船駅で途中下車し、少し離れたデニーズで朝食をとり、時間をつぶしていた。経費節約のため、コーヒーはセルフサービスとなっていた。これでは、わざわざデニーズを選ぶ理由がなくなってしまうのだが、やむをえない。お客みんなが普通にドリンクコーナーを使ってくれればよいのだが、残念ながら自分さえよければよいというお客が何人もいる。元を取りたいのか、その心理はうかがい知れないが、お盆に何種類ものジュースやコーヒー、そして紅茶をいっぱい並べて、なかなか次の人へ順番を譲ろうとしない。そんな醜い風景を見るのがいやで、ジョナサンではなくデニーズを選んでいたのに。
さて、デニーズのゆったりとした座席で自分が注いだコーヒーを飲みながら、LINEをチェックする。若手同僚のIさんから人身事故で遅れそうだという連絡があり、すぐにリプライする。毎度のこと、何かしらの連絡があるので、LINEのチェックはかかせない。それにルミさんとはメール連絡だし、Sさんとはガラ携のショートメール連絡なので、それぞれのデバイスを順番にチェックする必要がある。他には、問題がなそうだが、各駅とはいえ総武本線に問題があるとすると、早めに大船から鎌倉へ移動したほうがよさそうだ。
■ 鎌倉観光
鎌倉駅の朝8時は、予想に反して人が少なかった。前回の金時山の集合場所であった小田原駅改札口は、とても賑わっていたが、今朝はそれほどでもない。しかも改札口の端っこに人の通行を妨げない絶好の待合スポットがあり、そこで皆を待つことにした。
すると、すぐに新人同僚Yさんと出会う。横浜に住んでいるので、特に問題はなかったようだ。横浜駅へも徒歩で行ける距離だともいう。そんな話を続けていると、Yさんの口から驚愕の事実が漏れる。
「鎌倉は初めてなんです。だから、楽しみなんです。」
今回は、ガイドブックにも載らないコース、しかも、ほとんど観光客のいないコースなので、間違った鎌倉の印象を彼に与えてしまいそうだ。そんな心配を頭の中でめぐらしていると、ルミさんとSさん、そして最後にIさんが合流してきた。
相変わらず、小雨が降っている。傘を差しながらの山行だ。小町通りを抜け、鶴岡八幡宮を目指す。みながYさんに、小町通りの説明をしながら賑やかに歩く。鶴岡八幡宮では、静御前が源義経のために舞ったという舞殿や、源実朝暗殺の待ち伏せに使われた銀杏の木などの話をし、プチ鎌倉観光は終了。いよいよ、マニアックなコースへと針路を変更する。
■ 衣張山
衣張山に向かう登山路は、最近の長雨で多少ぬかるんではいるが、それほどひどくはなさそうだ。もちろん、注意深く足を下ろす必要はあるが、傘を差しながらでも歩けそうだ。いきなりの登り坂に、みんなげんなりしている様子が伺えるが、標高が100mほどなので、すぐに山頂にたどり着く。鎌倉と江ノ島を見下ろす絶景に皆が驚きの声をもらす。もちろん、晴れていれば正面に富士山が見えるはずなのだが、厚い雲に遮られている。
尾根道に沿って下っていく。その尾根道ぎりぎりまで開発された住宅地「ハイランド」を左側にみながら、遊歩道を歩く。そういえば、今日は山道に入ってから、他のパーティーと出会っていない。そんな話をしていると、前から10名ほどのパーティーが現れ、挨拶をしつつ通り過ぎていった。とはいえ、他のパーティーと出会うのはこれが最後となる。自動車が通る道は別として、今日は本当に人気のないコースを歩くことになる。軽快に下山路をを下っていく。間もなく、巨大な岩を削って作った切り通しに到着。「名越切通」だ。近くには「曼陀羅堂」という心霊スポットがあるようで、皆その話をしている。ここからは、閑静な住宅地となり、そこを抜けていく。T字路にぶつかり、コーナーにあるファミリーマートで一休み。
■ 披露山庭園住宅と大崎公園
逗子マリーナと小坪漁港へ向かう道路を伝い、途中から川沿いにできた細い通学路を縫っていく。急な坂道を登っていくと、住宅の造りも次第にグレードアップしていくのが一目でわかる。丘の上には、監視カメラがすえつけられたゲートが見えてくる。披露山庭園住宅と呼ばれる高級住宅街だ。皆もネットで調べている。小田和正やみのもんだといった有名芸能人たちも住んでいるらしい。あまりの格の違う住宅に皆もあっけに取られている。どの家にも暖炉があるようだ。豪華なレンガ造りの煙突や、二階の広々としたテラス。敷地の広さもさることながら、ガレージの広さも消防署なみだ。「このでかいガレージから何が出てくるんだよ」といった感じ。円形にできた宅地を時計の反対方向に回りこみながら、大崎公園に向かう。
ようやく、逗子マリーナを見下ろす絶景ポイントに到着。雨はやんでいるが、少し風があるようだ。屋根付きの休憩場所を見つけ、さっそく昼飯とする。まったくの無人の公園を独占している感じだ。今日は、カップ麺を食べたいというメンバーが2人いるので、さっそく簡易ガスコンロでお湯を沸かし始める。2人のカップ麺にお湯を注いだあとは、全員分のコーヒーを沸かす。といっても、インスタントのカップコーヒーだ。紙製のカップは手で持てても、コーヒー自体は入れたてなので、熱くてすぐには飲めない。でも、風が少しある見晴らしの良い高地では、冷えるのも早い。各自思い思いに、岬の先端からの絶景を楽しんでもらう。先端からは逗子湾と葉山の海が見える。逗子湾では、ウインドサーフィンの大規模な講習会が開かれているようで、オレンジ色のセールが所狭しと翻っている。
■ 披露山
コーヒーで温まっていた体も少しずつ冷えてきたので、出発することにした。再び、高級住宅地のど真ん中を突き抜け、反対側にそびえる披露山を目指す。
舗装された坂道を登ればすぐに開けた山頂だ。山頂そのものが公園になっている。鳥や小動物たちの存在に気づいた皆は、すぐに檻に駆け寄る。モルモットたちがかわいらしい。鴨たちもお尻をふりながら餌を啄ばんでいる。
「酉年のイベントですか?」というIさんの質問に、私は後ろを指差す。
「えっ、猿?!」
そう、大きな円形の檻に猿たちが賑やかに暮らしているのだ。突端の広場からは、逗子湾が近くに見下ろせる。二階建ての展望台からは、先ほどの高級住宅地を見下ろせる。ということで、地元の小学校の鉄板の遠足の場所であることは間違いない。おそらく、そのような趣旨で造園されているのだろう。掲示板を読むと、かつては三基の高射砲陣地があったそうだ。一つは猿園、一つは展望台。残りは背後の円形花壇が陣地の名残りだそうだ。隅のレストハウスは、指揮所だったらしい。レストハウスの内部は広く、休憩用の椅子やテーブルも用意されているが、通路の扉やトイレの扉がすべて開きっ放しなので、部屋全体が臭気に包まれていた。
海を見下ろす絶景に、高級住宅地、さらには不思議な動物園と、皆の印象が混乱したまま山を後にすることにした。舗装されていない山道を下り、住宅街を抜ければ逗子駅だ。珠屋洋菓子店に寄り、家族へのお土産を買い、逗子駅で皆と解散した。鎌倉が始めてだったというYさんは、鎌倉駅で途中下車、もう少し鎌倉を堪能するとのこと。本当の鎌倉を味わってほしいものだ。
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