小辺路TRAIL JOURNEYin十津川村
- GPS
- 07:42
- 距離
- 55.6km
- 登り
- 3,968m
- 下り
- 3,968m
コースタイム
天候 | 雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
その他周辺情報 | 十津川温泉 庵の湯400円(JAFカード提示で割引) (向かいの十津川村 村営駐車場駐車で駐車券もらえます) |
写真
感想
小辺路 TRAIL JOURNEY in 十津川
小辺路 TRAIL JOURNEY in 十津川に行ってきました。
あいにくの雨でしたが、大会熱気で私も熱くなり、無事完走。なんと3位入賞いたしました!ビックリです!
人生初の表彰台。感無量です♪
雨の中大会運営して下さったスタッフの皆さん、十津川村の方々、本当にありがとうございました。
◇前日
「語り部と歩く果無峠」というイベントに参加しました。写真はほとんどその時のものです。
(当日写真は雨のためほとんど撮影できませんでした。防水スマホ欲しー)
◇スタート〜西中矢倉
前日から降りしきる雨は止む気配すらありません。体感気温はそれほど低くなかったため、アームカバーにランニングで挑みます。
名前がコールされ、スタートゲートに全集合して記念撮影。「スタートまで、あと10秒でーす」
ええっ、もうスタート!? バァーーン
号砲が鳴り、突如として始まった長い旅。前半は飛ばしすぎないようにと自分に言い聞かせます。
先頭から8番手くらいの位置でロードを淡々と進みます。少し速いかなと感じていましたが、これくらいならついて行ける。と先頭集団の熱気に引っ張られます。
ロードで3人をかわし、5番手で三浦峠の登りに突入です。(実際はこの時点で3位だった3位だったみたいです)
◇〜三浦口
世界遺産を走る贅沢を感じながら、登りで前との差を詰めたいところでしたが、後ろから抜かれます。
どちらかといえば、下りより登りの方が得意だと思っていただけにショックでしたが、「勝負は40km越えてから」と決めていたので、自分のペースを崩さないように淡々と登り続けます。
三浦峠エイドでコーラとチョコレートを補給し、すぐにスタート。
「そっちじゃないよーーー」
エイドの人が止めてくれなかったら思いっきりロストするところでした。アブナイアブナイ。ありがとうございました。
下りに入ると目の前には雲海に囲まれた幻想的な風景が拡がります。
おおぉー、写真撮りたい。でも大雨で断念。。。目に焼き付け先に進みます。
ここから三浦口までの下りは緩やかな緩斜面の極上トレイル。自然とペースが上がり、攻めまくります。「ここで飛ばしすぎたら後半きつくなるで。」頭では分かっていますが、足と気持ちは止まりません。
1人をかわして再び5位浮上!と、思った矢先に、後ろから猛スピードで抜かれます。自分ではかなりのハイペースで下っていたつもりでしたが、全くついて行けません。スゴイ!
一気に高度を下げ、体感温度が上がってくると三浦口のエイドに到着。
柿の葉寿司と梅干しをいただきました。
ハァァァァァー。うまぁーーい。
さすがは和歌山の梅干しと柿の葉寿司。エネルギーをしっかりと蓄え、伯母子岳へと向かいます
◇〜伯母子岳
登り初めてすぐに外国人ハイカーと遭遇。そういえば、外国人のツアー客とバッティングするから通行には注意して。と聞いていました。
ガンバッテクダサーイ
と、声をかけられ、「オー センキュー」と言えず、「アリガトウゴザイマス」と片言の日本語で応えて道を譲っていただきます。
外国人ハイカーにとっては折角のツアーが雨で残念だと思いますが、雨で幻想的な雰囲気の参詣道はワビサビを感じ、”日本らしさ”を味わっていただけるのではないでしょうか。
山頂目指し、黙々と登り続けていると後ろから足音が。
「足軽いですねー。遠慮無く先行ってください」「いやいや一杯です。雨で滑りますね」
などと声を掛け合いながらしばし併走しました。
高度を上げていくと、明らかに気温が下がっていると感じましたが、カラダはヒートアップしていたので「涼しくなってちょうどいい」などと楽観的に考えていました。
後にこれが間違った判断だと気づいたときには大変なことに。。。
そして、C2の伯母子峠に到着。簡単なエイドがありましたが、立ち止まると寒いレベルだったので、そのまま山頂を目指しました。
高度が上がるにつれて急激に気温が下がっていきました。事前にコースマップを確認した限りでは、三浦峠と300mしか高度が変わらないので、同じような気温かと考えていましたが、明らかに体感温度が違います。
山頂ではコース案内のスタッフが誘導されていました。寒い中何時間も立ちっぱなしだと思うと本当に感謝です。
◇〜三浦口
「ありがとうございます」と山頂のスタッフに声をかけ、下りトレイルへ向かいます。の、つもりが全く下っていません。
山頂から縦走するように踏み跡が不明瞭の稜線を進んでいます。完全に予習不足です。
前後には誰もいないので、テープを頼りに進みますが、一瞬でも立ち止まると凍えるような寒さが襲ってきます。
これはヤバイかも
そう感じたときには既に手遅れでした。
稜線に吹き荒れる雨と風で体感温度はどんどん下がります。メガネには水滴が付着してコースマークのテープを探すもの必死です。
走るしかないのですが、顔面に当たる雨が氷のように冷たく痛い。しかも、緩斜面と急斜面が交互に現れ、踏み跡が見えない森の中では走って感じる体温上昇よりも、雨風で感じる気温の低さが勝ってしまい、カラダが震え始めました。
この寒さは初めての体験です。これが低体温症かも。なんとか防寒着を着ないと。
足を止めずにザックを下ろし、中から防寒着を取り出そうとしますが、手がかじかんでホックが外せません。何とかホックを外し、ザックを下ろそうとしますが、背中とザックの間に風が吹き込みます。
ザックを下ろすということは、上着を一枚脱ぐようなもので、今脱いでしまうとカラダが止まってしまいそうな恐怖を感じました。
とにかく、走り続けて高度を下げていくしかない
防寒着を諦め、覚悟を決めて進もうとしますが、カラダがエネルギー不足のカラータイマーをピコピコ鳴らし始めました。
「お腹空いた・・・」すぐに取り出せる補給食は手作りジェルのみですが、粉飴の分量が多く、寒さで固まってなかなか出てきません。
テープを追いながら、固くなった自作ジェルをチューチュー吸いながら、寒さと風と顔面の刺さる雨とと戦いながら、体温を下げないようにとにかく走る
我ながらこのアホな光景が面白くなって、誰もいない森の中で笑うしかありませんでした。
一体どうなるんだろう。
とにかく迷わないことと、走り続けてカラダを冷やさないことだ。一瞬でもテープを見失ったら振り返り、確実に前に進みます。すると、前から人が現れました。
「えっ!」
一瞬ビックリしましたが、前の方もすぐに走り出しました。テープを見失い一瞬ロストされていたようです。前に人がいるのは、とても安心感があり助かりました。しかも登り下りとも速い!ついていくのがやっとです。
ひとりぼっちで笑うしかない過酷な状況が一変し、「とにかく前についていく」という目標ができただけで気持ちに余裕ができました。
「とりあえず薄皮粒あんパン補給しよっと♪」前の人に着いていくうちに高度が下がって少し気温が上がってきたのもあり、ザックを下ろしあんパン一つ補給。
「あぁ、助かった」
思わず声に出てしまうほどホッとしました。雨でズルズルの下りでも足は軽く、前の人が見える位置をキープしながら三浦口エイドに到着。
「あぁ、助かった」再び声に出てしまいました。
◇〜西中矢倉
三浦口エイドで、再び柿の葉寿司と梅干しをいただきます。ホントに美味い。気持ちが切れかけた森の中で引っ張っていただいた前の方から
「後ろ来てますか?」「いや、誰も見ませんでしたよ」と言葉を交わしていると、エイドの方が「結構バラバラですね。といっても、まだ4人しか通っていませんけど」
と、いうことは、5番目と6番目がココにいる!?このままいけば6位入賞やん。
お先っ!と前の方がスタートするのにつられて、柿の葉寿司もう一個欲しかったけど「ごちそうさまっ!」と言ってエイドを出発。
「前の人が見える位置でついていきたい」
後ろ姿を追いかけました。
◇〜ゴール
前に人がいる安心感で、完全に復活。絶好調の足は軽快に動きます。
お腹も空いたのであんパンをかじりながら前の人を追いかけていました。
ここから三浦峠の登りが始まりますが、2度目なので気持ちにも余裕あり、往路で撮り損なった小辺路名物(?)の大きな木を撮影することもできました。
「とにかく離されないように」前の人を追いかけます。
緩斜面の登り、走れそうで走れない微妙な斜度が続きます。その時、前の人が突如失速。順位を上げる絶好のチャンス。
「いける?」
自分の足に問いかけると、「美ヶ原ではこれくらいの傾斜走ってたんちゃうんか!行け!」と厳しいお言葉が。
これが最後の登りだし全部出し切ろう。覚悟を決めて走り始めました。
とにかく一気に。登りを終えると今度は下り。雨の中にも関わらず、世界遺産を楽しむ外国人ハイカーに後ろから「通りマース」と声をかけると、
「ヘイ!ゴーゴーゴー!!」と声援を受けながらハイタッチ。ノリノリで一気に下ります。
最終エイドもスルーしようと思いましたが、手作りパンと自家製はハチミツの魅力に負けていただきます。最高に美味い!元気をいただき、最後のロード区間へ。
何とか最後まで走り抜き、ゴールゲートを通過しました。
主催者の横山さんに迎えられ、「完走おめでとう!どうだった?」と聞かれたときは、「寒かったー」と返すのが精一杯でした。
完走証を受け取って、とにかくお風呂へ直行しようと思った時、スタッフの方から
「おめでとうございます。3位ですよ!」
と聞かされ、驚き「えっ、3位!?5位だと思ってました。。。」嬉しさと戸惑いで複雑な心境でしたが、
「とにかくお風呂に。。。」
冷たい雨のシャワーを浴び続けたカラダを温めました。
寒くて辛かった70km。その分だけ大きな達成感と楽しさ(?)に満たされました。
また来年!は少し考えます^^;
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