Ultra Trail de México 100km(2017):16時間54分のトレイルラン
- GPS
- 10:22
- 距離
- 96.0km
- 登り
- 3,260m
- 下り
- 3,262m
コースタイム
- 山行
- 0:1014
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 0:00
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
所要時間:16時間54分(10/21午前5時出走開始、午後21時54分ゴール) 5:00am Start ⇒ 6:05am El Zembo (PC1, 9km) ⇒ 7:40am Peñas Cuatas (19km) ⇒ 9:02 Santa Elena (PC3, 28km) ⇒ 11:17 Agua Azul (PC4, 40.2km) ⇒ 12:50 Carretera a Huasca (50km) ⇒ 14:24 Peña del Aire (PC5, 60km) ⇒ 18:30 San Sebastian (PC6, 70km) ⇒ 20:35 Mirador (76km) ⇒ 19:16 Ahuacatitla (PC7, 80km) ⇒ 20:56 Santa Maria Regla (88km) ⇒ 21:54 Goal (99.2km) 備考:参加者500人中ぴったりの100位 大会プロモーションビデオ: https://vimeo.com/195395318 |
写真
感想
今年も待ちに待ったUTMX(Ultra Trail de Mexico)の季節です。この大会はメキシコでもとても有名なトレラン大会で年々エントリーが難しくなってきてます。メキシコのトレラン大会は日本と違ってクリック合戦のようなものはほとんど無いものの、今年のUTMXはエントリー開始から2週間もせず定員オーバーとなりました。ちなみに今年からUTMXを完走することによってUTMBやウェスタンステーツといった海外のメジャーな大会への参加資格ポイント(4ポイント)も獲得することができるようになりました。今年は、昨年よりも制限時間が1時間早く20時間となったことも特徴です。
今年は昨年ゴール後、ボロボロな状態でホテルに戻ってきたため、かなりトレーニングを積みました。毎年、サンルイスポトシ(6月)、メキシコシティー(8月)、レオン(9月)のフルマラソンを走ってコンディションを整えていきますが、特に今年のメキシコシティーマラソン(標高2,300m)では何とか4時間を切ることができ自信につながりました。10月に入ってからは一気に練習量を落として毎日6kmのみのランニングとして仕上げていきました。
* メキシコシティーマラソン直後の大地震で被災された皆さんについてはご無事をお祈りする限りです
スタートの号砲は朝5時。住んでいるグアナファト州よりも標高が高いのと(2,100m)、山に囲まれた環境なので冷え込みます。最初はランナーの姿はまばらでしたが、4時半を過ぎてくると少しずつ賑やかさを増してきます。今回は早朝にも関わらず家族がスタート地点まで見送りに来てくれました。
そして、会場が一気に盛り上がりを見せてスタート!コースが昨年とは若干異なるようです。後で気がついたのですが、スタートとゴール付近はこの小さな町の雰囲気維持のためかかなりコンパクトなコース設定となってました。しばらく進むと、記憶におぼしきコース構えになってきます。少々肌寒いものの、前回同様に走っていることで体を温めたかったので半そでで進んでいきます。細めのハイキング道から林道へ、そしてところどころ渡渉もあり、その度に冷たい川の水が気持ちを引き締めます。昨年同様に、とにかく日が昇り始める午前7時過ぎくらいまでは黙々とめげずに先を急ぐことに努めました。
9km地点のEl Zembo(PC1)には昨年より10分前倒しで到着。周辺はまだ暗く、自分自身の体調まで気持ちが回りませんが調子はよさそうです。その上部のPeñas Cuatasにも7:45と昨年より20分近く早く到着しました。今回は昨年の19時間40分というタイムではリスクが高いため、あらかじめゼッケンにプリントされた見取り図の上に昨年のタイムをマジックで記載して通過時間と比較しながら進みました。
やがて、空が明るくなり始めます。この大会の最高地点Vista Alegre(PC2)は序盤ですが、ここから見る太陽に照らされた山肌は美しいです。また麓の集落も遠く見下ろすことができます。このエリアは大会プロモーションビデオ用にも撮影されているのかドローンも飛んでます。山頂を後にして一気に下りに入ります。トレイルは先程の林道とは打って変わったような針葉樹林に囲まれたシングルトラックになります。空気がひんやりしてとても気持ちよく、まだ気持ちにも余裕もあり本当に来てよかったなぁ〜と感じながら進みます。そんな事を考えているうちにあっという間にSanta Elena(PC3)に到着です。
Santa Elena(PC3)から次なるエイドAgual Azul(PC4)は12.5kmあります。ここの距離は前回同様に長く感じました。何ていうのか、この辺りから陽が上り始め気温がグングン上がり始めます。それまでの針葉樹林のトレイルというよりも日差しの強い林道に変っていきます。周囲のメキシコ人は暑さに強いのか、どころどころ抜かされ始めます。気がつくと昼前11:22amにようやくAgua Azul(PC4)に到着です。
この辺からストックを積極的に活用しペースも無理しない程度に抑え始めます。昨年はAgual Azul以降は高度も下がり炎天下のランを強いられた辛い記憶があったため、ここは締めてかかりました。やがて、中間地点のCarretera a Huasca(49.63km)地点に到着。昨年同様に家族が待っている中継地点です。ホテルからもクルマで15分程度なので必要なアイテムをピックアップしたり、ドロップします。本来のドロップバックは40km地点もしくは70km地点なので、このサポート行為はNGなのかもしれません。
家族とは15分程度時間を過ごし次に進みます。たった15分ですが気持ちが高ぶっているのかあっという間です。既に午後1時を過ぎているので太陽の日差しは極限状態です。サンバイザーなので脳天を暑さが突き刺すようです。しかし、幸いにして気持ちはしっかりしていたので、ここから60km地点のPeña del Aire(PC5)までは比較的軽い気持ちでやり過ごすことができました。ここまで来た時点で昨年のタイムに対し1時間40分程の貯金ができてました。おかげで気持ち的にだいぶ楽になりました。
ただ、まだ40km残されてます。できる限り核心部を明るいうちに抜けられるように先を急ぎます。昨年よりもペースが良いのは安心材料ですが、一方でまだ明るい時間帯だったせいもあり、強い日差しのせいでPeña del Aireの谷底からの2度の上り返しは今年は逆にヘコタレそうにもなりました(去年はここで挽回の元気が発揮できたのです)。
Peña del Aireの谷底から2つのピークを抜け、2度目の渡渉を経て70km地点のSan Sebastian(PC6)に到着。まだ夕方の4時半で日が暮れるまでに時間があります。ここでは、渡渉時にトレランシューズに紛れ込んだ砂を取り除いたり15分たっぷり休憩して先を目指しました。
前回はSan Sebastian(PC6)から暗闇の中での行動でしたが、今回は更に10km先のAhuacatitla(PC7)まで陽が持ってくれました。これが気持ち的にどんなに救いになったことだろうか。昨年は昨年に暗闇の中での自分自身の気持ちとの葛藤と常に立ち向かい打ち克ってきた、そんな記憶がありましたが、今回はただただマイペースで走る、それだけを心に決めて抜けることができました。やはり、ルートを把握しているのとそうでない違いはデカいです。
さて、Ahuacatitla(PC7)からは一旦谷底に下り、そこから最後の上り返しです。体が落ち着いていたのか、昨年のような劇的な気持ちの高揚や追い込みといったシーンはここではありませんでした。体もまだ余裕があるような気がしました。一歩一歩着実に距離を伸ばしていきます。周囲のランナーを絶対に抜いてやるという強い気持ちよりも、去年よりもだいぶ早くなった自分自身を早く家族に見せてあげたいという気持ちで一杯だったというのが本音でしょう。
ラストのSanta Maria Reglaのエイドを抜けて、玄武岩で有名な公園の吊橋を抜けます。ここまでくると、ランナーはひたすら「おめでとう!」「よくがんばった!」という声援を受けながら進み始めます。やがて、宿泊先のホテルの前で家族の声援を受け、ゴールにひと足先に向かう家族と別れラストラン。住宅が散在するエリアに突入し、ランナーはねぎらいの声援を受けたり、クルマのクラクションが鳴り響きます。ここまでたどり着けば、ランナーは皆ヒーロー扱いです。気持ちが高ぶります。
最後は17時間前に出発したHuasca de Ocampoの集落に戻り、あらかじめゴール地点で待機してくれていた家族とそろってゴールゲートをくぐり抜けました。みんなで手と手を取り合って一緒にゴールし写真を撮ってもらいました。
遂に目標のトンネルを抜けきった、そんな風に感じてやり切った感が体中に染み渡った瞬間でした。
P.S. ゴール後の夜は前回同様に一睡もできず。空腹感もなく、とにかく6本消費したレッドブルとコカコーラで夜通し目が冴えてました。ちょっとアブナなかったかも。
コメント
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ainuさん、こんばんは!
メキシコにもUTMFみたいなレースがあるんですね 日本とは景色が違いサバンナみたいで解放感がハンパないですね
楽しそうなレースなのですが、簡単にエントリー出来る場所でもないのでainuさんの記録で出た気分を味わわせて頂きました
今後もメキシコのトレイル情報楽しみにしています!
Kaikaireiさん、こんばんは。
メキシコのUTMFみたいなものですよ。距離や累積獲得標高こそ規模は違いますが、ただ日本のUTMFより制限時間が厳しいと思います。日本人にとって一番のネックはやはり標高でしょうか?スタートから2,100mあります。メキシコ人は生まれ育ったので問題ないですけど。
大会参加費がメキシコ価格なので助かります。1万2,000円くらいでしたね。UTMB/ウェスタンッステーツの獲得ポイントは4でしたので信越五岳くらいのレベルだと思います。日本のメディアは山岳レースというとアメリカ・ヨーロッパに目が行きますが、中南米でもパタゴニア等なかなかやってくれます。
メキシコではBORN-TO-RUNでも出てきますが、コッパーキャニオンで開催されるCABALLO BLANCOも有名ですね。
日本人のメキシコのイメージというと荒涼とした乾燥地帯ですが、メキシコは南に行けば行くほど自然豊かになります。
ainu
ナイスラン!!
高地での100km⤴️⤴️凄いです。
ご家族のサポート。
素晴らしい‼️ですねーー✨
yamayoさん、こんにちは。お元気でしたか?1年ぶりの本番トレイルです。これからも頑張ります。ainu
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