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Yamareco

記録ID: 1455488
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
奥秩父

和名倉山(ヒルメシ尾根で下山)【吊り橋の動画付き】

2018年05月04日(金) ~ 2018年05月05日(土)
情報量の目安: S
都道府県 埼玉県 山梨県
 - 拍手
体力度
6
1~2泊以上が適当
GPS
28:40
距離
29.7km
登り
1,890m
下り
2,356m
歩くペース
標準
1.11.2
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
1:38
休憩
0:00
合計
1:38
距離 7.7km 登り 426m 下り 273m
13:36
50
14:26
4
14:30
44
2日目
山行
13:51
休憩
1:38
合計
15:29
距離 22.0km 登り 1,468m 下り 2,090m
2:47
1
3:07
3:21
80
4:47
4:58
32
5:30
21
5:51
6:02
16
6:18
51
7:09
13
7:22
7:23
11
7:53
8:20
13
8:43
50
11:07
416
18:03
18:16
0
18:16
ゴール地点
 ※川又分岐からのヒルメシ尾根ルートは,8割以上,がれ道と薄いトラバース路であり,大変歩き難い。私は,トラバース路の歩行が苦手なので,極めて慎重に歩いた。そして,その分,体力(身体的,精神的)を過分に消費してしまったので,コースタイムは極めて長い。他の方の記録では,登りで使っても,コースタイム6時間以内のものがあるが,計画は,ゆとりをもって検討した方が良い。
天候 晴れ(一時北風強い)
過去天気図(気象庁) 2018年05月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 バス 自家用車
 行き:
 JR新宿駅10:30発 → 【特急かいじ103号】 → 11:53着(JR塩山駅)12:40発 → 【山梨交通バス】 → 落合バス停13:40着 → 【徒歩】 → 民宿みはらし15:14着
 帰り:
 川又バス停(終バス逃す) → 【通りかかった方の御厚意により自家用車で送ってくれる】 → 西武秩父駅20:25発 → 【特急ちちぶ52号】 → 西武池袋駅 → JR新宿駅
コース状況/
危険箇所等
 1 登り(将監登山口から二瀬分岐まで)
 将監登山口(民宿みはらし付近)からの一般ルートは,細かいアップダウンはあるが,よく整備されており,歩き易い。なお,山ノ神土から笹薮地帯がある。

 2 和名倉山山頂手前
 緩い斜面を歩く。踏み跡は明瞭。ただし,山頂付近は,倒木と木々に覆われ,やや道が不明瞭。テープを目印にすれば問題ない。

 3 ヒルメシ尾根(川又分岐からの下山路)
 ※道標が皆無のバリエーションルートです。遭難事案も多いです。通行は,自己責任で。
 (1) 川又分岐から桃源郷まで
 テープが十分に付いているので,道迷いの心配はない。
 がれたトラバース路。大変歩き難い。序盤は踏み跡明瞭だが,しばらくすると,薄くなる。道幅も狭く,谷側に滑落しないように神経を使う。スピードが出ないので,時間がかかる。
 特に,沢の歩行は,テープがなく踏み跡が付いていないことにより,どこを歩けば良いのか,若干考えなければならない。
 (2) 桃源郷から北西に進路変更する下降路
 尾根筋を外して北西に下降する。道が付いており,テープがあるので,進路変更に迷いはない。
 下降路は,つづら折りのがれた狭い道である。踏み抜いて,片側の急斜面に滑落するリスクがある。ここも,スピードが出ない。
 (3) 北寄りに進路変更しトラバースする部分
 相変わらずの歩き難いトラバース路。巨岩を巻くようにできている。
 (4) 1173m峰手前まで
 尾根筋を少し外してトラバースする。比較的歩きやすい。テープも豊富。1173m峰手前で進路を東(右)寄りに進路変更するようにテープが付いている。
 (5) 沢沿いまで
 ここが最大の難路であった。疲れる。薄いトラバース路の上,ふんだんに落ち葉が堆積しており,スリップ,滑落のリスクが高い。基本的にはつづら折りで下降する。テープは,今までよりも少ない。よく注意する必要がある。谷を数回渡り,尾根を横切る。ルートファインディングが必要。
 しばらくすると,植林帯が出現。ここも基本的につづら折りで下降するが,多くの登山者は,800m以下で,東に進路変更している。テープは,西側についている。しばらく東(沢筋方面)に歩行を進めると,道型及びテープが出現。トラバースして下降。徐々に沢に近づき,あの吊り橋に出る。
 (6) 吊り橋
 ヒルメシ尾根最大の難関という者さえいる程の吊り橋。崩落が進み,一部の踏み板が欠けている。自己責任において通行可能である。なお,落下すると,15m程度下の岩石が豊富な川に落ちる。命の危険がある。その川の渡渉は,一部の登山者はしているようであるが,増水期は,とてもできない。
 吊り橋歩行の様子は,今回,動画撮影したので,御覧いただきたい。
その他周辺情報  将監(塩山)側:
 ・民宿みはらし 1泊2食付き約7000円(駐車場のみの利用も可能)
 ・将監小屋
 塩山→落合バス停以降は,自動販売機,売店はない。
 川又側:
 バス停,観光公衆トイレ(立派)及び東屋があるのみ。自動販売機はない。東屋でビバークする者もいるらしい。
JR新宿駅
特急かいじに乗って,JR塩山駅に向かう。
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JR新宿駅
特急かいじに乗って,JR塩山駅に向かう。
JR新宿駅
特急かいじに乗って,JR塩山駅に向かう。
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JR新宿駅
特急かいじに乗って,JR塩山駅に向かう。
JR塩山駅
JR塩山駅
※落合バス停行きのバスの運行日時に注意
1日2本(朝と昼)で期間限定かつ土日祝日限定
交通系ICカード(パスモなど。)使用可能。
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JR塩山駅
※落合バス停行きのバスの運行日時に注意
1日2本(朝と昼)で期間限定かつ土日祝日限定
交通系ICカード(パスモなど。)使用可能。
武田信玄の像
塩山駅からバスで約1時間。終点の落合。
ここから徒歩で約2時間の所にある民宿みはらし(一之瀬高橋)に向かう。
2
塩山駅からバスで約1時間。終点の落合。
ここから徒歩で約2時間の所にある民宿みはらし(一之瀬高橋)に向かう。
塩山駅からバスで約1時間。終点の落合。
ここから徒歩で約2時間の所にある民宿みはらし(一之瀬高橋)に向かう。
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塩山駅からバスで約1時間。終点の落合。
ここから徒歩で約2時間の所にある民宿みはらし(一之瀬高橋)に向かう。
ここを右に曲がる。
2
ここを右に曲がる。
まだ桜が咲いている。
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まだ桜が咲いている。
鶏冠神社のサワラ
鳥居左側の巨木が塩山市指定文化財
9
鶏冠神社のサワラ
鳥居左側の巨木が塩山市指定文化財
登り道をひたすら歩く。暑い。
2
登り道をひたすら歩く。暑い。
ここは直進。
直進すると遠回りになるので,ここは,右折する。犬切峠方面。
いったん,下り坂が続く。
1
直進すると遠回りになるので,ここは,右折する。犬切峠方面。
いったん,下り坂が続く。
ようやく集落が見えてきた。
7
ようやく集落が見えてきた。
集落の守り神か。
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集落の守り神か。
明日登る登山口。将監登山口。
1
明日登る登山口。将監登山口。
やっと,民宿みはらしに到着。
標高約1300m。じっとしていると,昼間でも寒い。
21
やっと,民宿みはらしに到着。
標高約1300m。じっとしていると,昼間でも寒い。
民宿みはらし
おばあちゃんが,お茶とラッキョウを出してくれた。
23
おばあちゃんが,お茶とラッキョウを出してくれた。
今回,瓶ビールはなく,発泡酒だった。
9
今回,瓶ビールはなく,発泡酒だった。
薪による風呂
到着早々,お風呂の準備をしてくれた。
8
薪による風呂
到着早々,お風呂の準備をしてくれた。
宿泊料金
2階の客間
今回は,私1名のみの宿泊。自由に使えた。
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2階の客間
今回は,私1名のみの宿泊。自由に使えた。
色んな人の寄せ書き等
7
色んな人の寄せ書き等
部屋から見た景色
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部屋から見た景色
駐車場のみの利用者の方が多いよう。この日は,満車だった。皆,ここから将監小屋を目指し,宿泊後,和名倉山を目指した模様。
4
駐車場のみの利用者の方が多いよう。この日は,満車だった。皆,ここから将監小屋を目指し,宿泊後,和名倉山を目指した模様。
娘さんが来ていて,その飼い犬。良く吠えるが,すぐになついた。人恋しいのだろう。
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娘さんが来ていて,その飼い犬。良く吠えるが,すぐになついた。人恋しいのだろう。
夜御飯
おばあちゃんの手打ちそばが有名。
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夜御飯
おばあちゃんの手打ちそばが有名。
【登山当日】
午前2時30分頃出発。ヘッドライトでの歩行。
10
【登山当日】
午前2時30分頃出発。ヘッドライトでの歩行。
本調子でない状態で長い登りを経て,ようやく平穏な道に出る。
4
本調子でない状態で長い登りを経て,ようやく平穏な道に出る。
山の神土
ここは,将監小屋からの登山者,笠取山方面に向かう登山者などで人通りが多い。といっても,数名程度だが。
付近でテント泊をしていたグループがいた。将監小屋は一杯か。
4
山の神土
ここは,将監小屋からの登山者,笠取山方面に向かう登山者などで人通りが多い。といっても,数名程度だが。
付近でテント泊をしていたグループがいた。将監小屋は一杯か。
しばらく,笹薮を歩く。踏み跡は分かる。
3
しばらく,笹薮を歩く。踏み跡は分かる。
西仙波手前のこの地点が,和名倉山の中で最も景色に優れた地点。大菩薩峠が見える。
今回は,富士山がかすんでいた。一番良い写真は,2015年の和名倉山記録を参照。
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西仙波手前のこの地点が,和名倉山の中で最も景色に優れた地点。大菩薩峠が見える。
今回は,富士山がかすんでいた。一番良い写真は,2015年の和名倉山記録を参照。
北風が強い。
ヒルメシ尾根方面
5
ヒルメシ尾根方面
この稜線を歩いていく。
24
この稜線を歩いていく。
清々しい。
この倒木感が和名倉山っぽくなってきた。
1
この倒木感が和名倉山っぽくなってきた。
川又分岐
左に行くと,ヒルメシ尾根登山道。和名倉山山頂を目指すので,いったんスルーする。
川又分岐
左に行くと,ヒルメシ尾根登山道。和名倉山山頂を目指すので,いったんスルーする。
地味な登りが疲れる。
2
地味な登りが疲れる。
二瀬分岐
左が二瀬尾根に続く。
1
二瀬分岐
左が二瀬尾根に続く。
何の木か分からないが,密生している。踏み跡部分は,スペースがある。
3
何の木か分からないが,密生している。踏み跡部分は,スペースがある。
和名倉山山頂直下
2
和名倉山山頂直下
この密林を歩くと・・・。
5
この密林を歩くと・・・。
和名倉山山頂1
和名倉山山頂2
何とも地味である。
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和名倉山山頂2
何とも地味である。
仁田小屋尾根ルートは,2015年12月20日に下山路として踏破。ここも,バリエーションルート。
2
仁田小屋尾根ルートは,2015年12月20日に下山路として踏破。ここも,バリエーションルート。
川又分岐に戻った。
いよいよヒルメシ尾根ルートに踏み出す。
2
川又分岐に戻った。
いよいよヒルメシ尾根ルートに踏み出す。
序盤は,踏み跡明瞭なトラバース路。
3
序盤は,踏み跡明瞭なトラバース路。
稜線をまたぐ。
木々が生い茂っていて歩き難いところもある。
2
木々が生い茂っていて歩き難いところもある。
色々歩き難い場所があったが,ようやく水場。ここで,ペットボトル1本分補給。
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色々歩き難い場所があったが,ようやく水場。ここで,ペットボトル1本分補給。
写真では分からない(平面に見える)が,急傾斜の谷を渡る。しかも,がれがれで,足を踏み外し,滑落しかけた。
5
写真では分からない(平面に見える)が,急傾斜の谷を渡る。しかも,がれがれで,足を踏み外し,滑落しかけた。
こんな荒れたトラバース路が永遠に続く。
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こんな荒れたトラバース路が永遠に続く。
珍しく眺望の良い場所。ヒルメシ尾根ルートは,眺望はほぼない。
6
珍しく眺望の良い場所。ヒルメシ尾根ルートは,眺望はほぼない。
三峰博物館による野生動物調査のためのセンサーカメラ
4
三峰博物館による野生動物調査のためのセンサーカメラ
桃源郷
ここまで,予想外に長かった。
5
桃源郷
ここまで,予想外に長かった。
昔の林業関係者の酒盛りがうかがえる。
4
昔の林業関係者の酒盛りがうかがえる。
桃源郷の印
有名なノコギリ
貴重な歩き易い道
1
貴重な歩き易い道
しかし,枯れ枝や倒木が行く手を阻む。
1
しかし,枯れ枝や倒木が行く手を阻む。
歩き易い。稜線歩きは楽である。
3
歩き易い。稜線歩きは楽である。
東京大学の演習林
8
東京大学の演習林
片側(写真左)は,切れているので,慎重に。
3
片側(写真左)は,切れているので,慎重に。
最近追加したのか,きれいなマーキングテープが目立つ。
2
最近追加したのか,きれいなマーキングテープが目立つ。
桃源郷を過ぎ,尾根を外して下降するつづら折り区間。
大変歩き難い。がれがれの上,道型不明瞭。テープを頼りに下降する。
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桃源郷を過ぎ,尾根を外して下降するつづら折り区間。
大変歩き難い。がれがれの上,道型不明瞭。テープを頼りに下降する。
トラバースして巨石を巻く。
3
トラバースして巨石を巻く。
1173m峰手前で進路を東(右)寄りに変えて,つづら折りトラバース路を下降する。
2
1173m峰手前で進路を東(右)寄りに変えて,つづら折りトラバース路を下降する。
落ち葉の堆積,狭いトラバース路で極めて歩き難い。山側に体重の8割を傾けて歩く。
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落ち葉の堆積,狭いトラバース路で極めて歩き難い。山側に体重の8割を傾けて歩く。
やじろべえ?
この辺は,テープが少なく(次のテープが見えない),谷や尾根を横断することがあるので,ルートファインディングが必要。
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やじろべえ?
この辺は,テープが少なく(次のテープが見えない),谷や尾根を横断することがあるので,ルートファインディングが必要。
植林帯に入る。またまたつづら折り下降。
4
植林帯に入る。またまたつづら折り下降。
沢に沿って沢の上部を歩く。徐々に高度を下げる。
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沢に沿って沢の上部を歩く。徐々に高度を下げる。
パイプに水が流れていた。
2
パイプに水が流れていた。
いよいよ難関,吊り橋である。
10
いよいよ難関,吊り橋である。
最後の敵
やっぱり崩壊が進んでいる。
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やっぱり崩壊が進んでいる。
試しに何度か踏んでみる。ミシミシ・・・。
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試しに何度か踏んでみる。ミシミシ・・・。
この高度だと,下に落ちたら,命の保障はない。
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この高度だと,下に落ちたら,命の保障はない。
意を決して渡り切り,階段を上る。
※この記録及び日記に吊り橋を渡っている動画を載せています。
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意を決して渡り切り,階段を上る。
※この記録及び日記に吊り橋を渡っている動画を載せています。
降りてきた山
川又バス停
立派な観光トイレ
7
川又バス停
立派な観光トイレ
川又バス停
最終バスは行ってしまった。どうしようか。
6
川又バス停
最終バスは行ってしまった。どうしようか。
たまたま,川又バス停に車で立ち寄られ,会話をした方の御厚意により,何と,西武秩父駅まで送っていただいた。助かった。感謝感激。
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たまたま,川又バス停に車で立ち寄られ,会話をした方の御厚意により,何と,西武秩父駅まで送っていただいた。助かった。感謝感激。
レッドアローに乗り帰路につく。
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レッドアローに乗り帰路につく。

装備

個人装備
長袖シャツ ズボン 靴下 雨具 ザック 昼ご飯 非常食 飲料 地図(地形図) 計画書 ヘッドランプ 予備電池 GPS 筆記用具 ガイド地図(ブック) ファーストエイドキット 保険証 携帯 時計 タオル カメラ 熊鈴 ビデオカメラ 着替え 充電器 防寒着
備考 水分は多めに持って行った方が良い。

感想







 1 序文
 今回は,奥秩父の名峰である和名倉山に行ってきた。和名倉山登山は,2015年5月,同年12月,2016年4月にしており,今回で4回目となる。過去3回とも1泊2日の行程で,宿泊地は「民宿みはらし」である。
 下山路部分以外は過去3回の山行と同様(前回は,ヒルメシ尾根ルート桃源郷手前まで歩行し,その後コース変更し,北ノタルまで直登している。)であることから,その部分については,説明を省略する。なお,過去3回の記録については,次のURLを参照いただければ幸いである。
 (1) 2015年5月の記録(二瀬尾根経由)
 http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-662312.html
 (2) 2015年12月の記録(仁田小屋尾根経由)
 http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-781988.html
 (3) 2016年4月の記録(ヒルメシ尾根撤退,二瀬尾根経由)
 https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-856696.html

 2 和名倉山について(所感)
 和名倉山は,私が一番好きな山である。なぜならば,あの秘境感,地味さ,奥秩父独特の雰囲気,一瞬広大な景色がある,歴史的魅力,ルートの険しさなどが渾然一体に備わっているからである。登山としてやりがいのある山である。その分,アクセスは悪く(遠く),遭難のリスクは高い。景色もほとんどなく,行楽気分で行けるような山ではない。こうした2つの性質は,裏表の関係として,魅力の陰影を形成し,立体化する。これが,私が魅力的な対象物として捉えている一つである。
 和名倉山は,独立峰であり,巨大である。雲取山ルートの霧藻が峰辺りから見ると,その山容に圧倒される。しかし,登ってみると,実にこじんまりとした山頂で,苔むした倒木と木々に覆われて,その山容と似つかわしくない光景がある。何というか,泰然自若にたたずみ,どっしり構えた素朴で地味な山といったところなのだろう。あまりこういう山はないと思われる。

 3 和名倉山まで(登り)
 民宿みはらしは,日の出前の午前2時30分に出た。下山路のヒルメシ尾根に時間をたっぷり使いたいためである。これは,結果的に正解であった。むしろ,もっと早くても良かったが。
 序盤は,エンジンがかからず,息切れをもよおし,ペースが上がらない。山の神土辺りからペースが安定し,山頂に向かう。このゴールデンウィークの最盛期において,3,4組しか登山者と会わなかった。
 山頂は,相変わらずのピークらしいピークのないなだらかな樹林帯の中に唐突に表れた。
 
 4 ヒルメシ尾根ルート(下り)
 川又分岐まで戻り,いよいよ今回のメインであるヒルメシ尾根ルートを歩くことになる。このルートの名称は,「ヒルメシ尾根ルート」と呼んでいるが,「川又道」のほうが正確なのかもしれない。登山道というより,昔の林業関係者の仕事道だったのだろう。
 さて,序盤からがれたトラバースが始まる。テープが頻出し,踏み跡もあるので,淡々と歩く。しかし,何度も渡る沢(枯れている)部分は,崩落しており,対岸にテープが見えなかったりするので,どこを歩けば良いか,やや悩む。そして,滑落のリスクがある。
 水場を通過し,予定よりも大幅に時間を超過して,桃源郷に入る。ここは,広場である。昔の林業関係者の憩いの場であったのだろうか。一升瓶が散乱していた。
 その後,尾根筋脇をトラバースしながら進み,尾根筋に合流する。倒木,枯れ枝が散乱しているが,比較的歩き易い。進路は,二瀬尾根から離れて西寄りに変わる。このエリアも,テープがしっかりとあるので,道迷いの心配はない。
 1762mピークをかすめて,概ね尾根道を歩く。1669mピークの手前で進路を更に西(左)に変えて,山腹を下降する。つづら折りの連続である。道はがれがれ,道型は薄く,テープが頼りである。強引に下降しようとしたが,この地面の質からして,転がり落ちてしまう。
 長いつづら折りをこなすと,またトラバース。巨石を巻く。谷を渡って,1173m峰付近まで明瞭な尾根脇を歩く。しかし,片側は谷なので,相変わらず神経を使う。疲れる。
 1173m峰の手前でテープが東(右)寄りに誘導する。一部の記録では,1173m峰の先から東に下降するものもあるが,私は,テープに従った。ここからが,最も歩き難いエリアであり,落ち葉の堆積,薄いトラバースのつづら折りである。もはや直立で歩行できず,山側に体をかなり傾け,一部山側に手を添えて,ゆっくりゆっくり下降する。こういう道をすたすた歩ける人がいたら,そのコツを教えてほしいものである。
 その後,進路は,やや西(左)に向かって歩く。何回か尾根と谷を横断する。この辺は,テープの数が減る。次のテープが見つからないことがあり,ルートファインディングを要する。といっても,多少のルート脱線をしながらも,地形図を見ながら落ち着いて下降していけば,正規の道と合流できる。ここは,がれ道ではない。
 800m台になると,植林帯に変わる。薄暗い。しばらくテープに従ってつづら折りであるく。川の音が大きくなる。800m未満になると進路を東(右)に変えるようであるが,テープは,西(左)方面に続いていた。少し悩んだが,道のない所を東に進み,強引に下降したら,テープが見えた。
 その後,薄い踏み跡を沢沿い(沢の上部)に緩やかに下降しながら進み,パイプに水が流れている所に着く。その後,最後の吊り橋に向かいたいが,高度が高過ぎてしたので,シリセードで急斜面を強引に下降した。急斜面は,慣れている。そうすると,前方に,あの「恐怖の吊り橋」が姿を現した。
 ある人は,ヒルメシ尾根ルート最大の難所という吊り橋である。詳しくは,動画を見ていただきたいが,崩壊が進んでいるといわれてから10数年が経っているボロボロの吊り橋である。吊り橋を渡らずに,川を渡渉する人のいるようであるが,今回の川の水量では,とても渡渉することはできない。この吊り橋を渡らなければ,下山できないのである。
 この吊り橋の状態を詳しく周知するために,私は,今回,ビデオカメラを持参した。動画撮影をしながら吊り橋を渡ることにしたのである。まず,吊り橋の端の踏み板を踏んでみる。「ミシミシ」「ぐらぐら」といった感じ。しかし,踏み抜くほど板がすかすかではない。硬さがある。意を決して,渡り始める。3,4つ先の板がぐらぐら波を打っている。怖い。しかし,渡らないことには下山できないので,進む。左側を歩き,左手は金属のフェンスをつかみながらとした。最悪,カメラを捨てて,フェンスで落下を防ぐ狙いである。
 下を見ると,15mはある高度で川が流れている。高度感がある。
 何とか渡り切り,川又バス停に到着。既に最終バスは行ってしまった。さて,ビバークするか,タクシー呼ぶか,付近で宿泊するか。思案していると,一台の車が停車した。観光トイレに立ち寄ろうとした方である。「どこに行ってきたのですか。」と声をかけられ,しばらく山談義。話は多方面に及び,すると,その方が「駅まで乗せて行っても良いよ。」と。感謝感激である。山では,不思議と良い人間関係に巡り合う。
 最終的に,一番都合の良い西武秩父駅まで乗せて行っていただき,すぐに発車するレッドアローで帰路についた。
 
 5 終わり
 ヒルメシ尾根ルートは,初級者は絶対に踏み入れてはならないところ,テープが多く道迷いのおそれはあまりなく,アップダウンもほぼない。しかし,落ち葉・がれ道,薄いトラバース,谷の横断といった部分において,滑落のリスクが高いので,十分注意した歩行と体力,時間を用意して臨まれたい。
 ともあれ,今回は,とても充実した山行であった。

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