記録ID: 146230
全員に公開
沢登り
奥秩父
笛吹川東沢釜ノ沢東俣
2011年10月27日(木) ~
2011年10月29日(土)


- GPS
- 46:00
- 距離
- 17.2km
- 登り
- 1,460m
- 下り
- 1,459m
コースタイム
【1日目】
10:00 西沢渓谷入口
↓-0:25
10:25 鶏冠山方面標識
↓-0:05
10:30 東沢河原
↓-0:45(入渓準備等)
11:15 入渓
↓-0:40
11:55 ホラの貝のゴルジュ巻き道
↓-0:45
13:40 山ノ神付近
↓-0:40
14:20 乙女の滝
↓-0:25
14:45 東のナメ沢
↓-0:35
15:20 西のナメ沢
↓-0:30
15:50 幕営地点
幕営
【2日目】
7:00 起床
↓-2:00 焚火、朝食、撤収など
9:00 幕営地点
↓-0:08
9:08 大釜
↓-0:07
9:15 大岩
↓-0:20
9:35 魚留の滝
↓-1:50(ロープワークの検証など)
11:25 千丈ナメ
↓-1:15
12:35 両門の滝
↓-0:30
13:05 ヤゲンの滝
↓-2:15
15:20 水師沢出合い:「甲武信ヶ岳⇔ナレイ沢」標識
↓-0:15
15:35 丸い看板
↓-0:25
16:00 木賊沢出合い
↓-1:40(懸垂下降など)
17:40 ポンプ小屋
↓-0:15
17:55 甲武信小屋
装備解除など
幕営 21:00 就寝
【3日目】
1:30 起動
↓-撤収
3:00 甲武信小屋
↓-0:25
3:25 木賊山分岐
↓-1:30
4:55 徳ちゃん新道・近丸新道分岐
↓-1:30
6:25 西沢山荘
↓-0:35(装備解除など)
7:00 西沢渓谷バス停
10:00 西沢渓谷入口
↓-0:25
10:25 鶏冠山方面標識
↓-0:05
10:30 東沢河原
↓-0:45(入渓準備等)
11:15 入渓
↓-0:40
11:55 ホラの貝のゴルジュ巻き道
↓-0:45
13:40 山ノ神付近
↓-0:40
14:20 乙女の滝
↓-0:25
14:45 東のナメ沢
↓-0:35
15:20 西のナメ沢
↓-0:30
15:50 幕営地点
幕営
【2日目】
7:00 起床
↓-2:00 焚火、朝食、撤収など
9:00 幕営地点
↓-0:08
9:08 大釜
↓-0:07
9:15 大岩
↓-0:20
9:35 魚留の滝
↓-1:50(ロープワークの検証など)
11:25 千丈ナメ
↓-1:15
12:35 両門の滝
↓-0:30
13:05 ヤゲンの滝
↓-2:15
15:20 水師沢出合い:「甲武信ヶ岳⇔ナレイ沢」標識
↓-0:15
15:35 丸い看板
↓-0:25
16:00 木賊沢出合い
↓-1:40(懸垂下降など)
17:40 ポンプ小屋
↓-0:15
17:55 甲武信小屋
装備解除など
幕営 21:00 就寝
【3日目】
1:30 起動
↓-撤収
3:00 甲武信小屋
↓-0:25
3:25 木賊山分岐
↓-1:30
4:55 徳ちゃん新道・近丸新道分岐
↓-1:30
6:25 西沢山荘
↓-0:35(装備解除など)
7:00 西沢渓谷バス停
天候 | 10/27 晴 10/28 晴 10/29 晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
計画を立てるに当たり以下の情報を参考にした。いずれも遡行図を印刷して持参。 ●西沢渓谷→魚止めの滝 白山書房「ウォーターウォーキング」:笛吹川東沢中流 P124 ●魚留の滝→甲武信小屋 中央大学探検部:釜ノ沢東俣遡行 活動記録 http://chutanken.ikidane.com/report/kama-e/report.htm ■西沢渓谷→東沢入渓地点 二俣吊橋を渡り終わり、西沢渓谷の看板手前にある手書きの「鶏冠山」の標識から入る。 「進入禁止」をそのまま入って行くと、程々に踏み跡もあり、すぐに河原への下降箇所に出る。 河原までのルートは特に迷う要素は無し。 河原の渡渉地点は、水量が多いと靴を濡らすため、今回はこの河原で入渓準備を行った。 危険情報:特になし。 ■入渓地点→ホラの貝のゴルジュの高巻き道→山ノ神 河原を歩いて行くと鶏冠尾根の取付きと思われるテープがある。 河原沿いにそのまま進むと、左岸斜面にある岩に赤ペンキで、矢印が書いてあるが、知らないと見逃す。 そのまま、突っ込むといきなり水に浸からないと厳しいルートになり、岩の上にへばり付きながらでないと進めない状況になり、その先に5m程の滝が出現。(今回は高巻き取付きまで戻る) 高巻き道は渓の左岸斜面にあり、踏跡は比較的明瞭で所々金属ネットで養生してあり、ルートを見失う事は無いが、所々かなり崩れやすくなっており、慎重に進まないと滑落の危険あり。 また、斜面側の岩に所々リングボルトやワイヤーが設置してあるが、あまり信用できないので、体重を預けない方が良さそう。 高巻き道はアップダウンを繰り返し、時々河原に降りる。 途中、一カ所の下り部分でホールドもスタンスも微妙な部分に残置ロープがかけてありそれを利用した。 ゴルジュ状の地形が下に見える部分を通過すると、人工物と看板のような物があり、近くに朽ちた道標がある。 その先を進むと、ホラの貝沢のルンゼにぶつかるので、ルンゼの右岸を慎重に沢に下る。 沢から再び巻き道に登るとホラの貝のゴルジュと思われる箇所を上部から覗ける部分を通過し、すぐに「山ノ神まで0.5km」の朽ちた標識が出現。 暫く、踏跡を辿って行くと、テープマークが二手に別れ、ピンクのテープは河原に、オレンジのテープは上部に向かって付いているが、オレンジのテープは行き止まりとなっていた。 ピンクのテープを追って河原に降りるが、最後の2〜3m程の下降がホールドもスタンスも無いので、練習も兼ねて懸垂。 河原から再び高巻きに入る。こちらが高巻き道の最後の部分で、金属ネットで岩が固定してある旧道の名残部分をよじ登る。 河原に再び降りると、山ノ神付近と思われる場所に出るが、この日は山ノ神は見つけられなかった。 他の記録には、高巻き道を山ノ神まではアプローチシューズなどでアクセスし、山ノ神から入渓装備を着用するケースも多く見受けられた。 鶏冠尾根の取付き前の渡渉時に水量が多くなければ、飛び石伝いに行けるので、高巻きを沢靴で歩きたくなければ、それもありだと思う。 危険情報:高巻き道全般に渡って気が抜けない箇所が出現する。 河原に下降する際、手がかりが無い部分があり、沢に慣れていない人は補助ロープ程度があった方が安心。 ■山ノ神付近河原→乙女の滝 山ノ神付近から快適な沢歩き。 何度か細かい渡渉を繰り返し、渓相にナメの部分が出て来る。 暫く行くと、右岸に細い水流の乙女の滝が現れる。 危険情報:この区間は特に危険な部分無し ■乙女の滝→東ノ滑滝・西ノ滑滝 乙女の滝を左に見て、沢を遡行を続けると、大きな岩壁が現れる。 岩壁は緑色の物体が付着しており、岩壁を過ぎるとすぐに大規模なスラブが現れ、そのスラブが東ノ滑滝。 こちらの滑滝は、秩父最大のナメで、上部まで300m程続いているらしい。グレードは3級程度。 東ノ滑滝は途中まで、フェルトソールのフリクションだけで登れ、滝の上部が見渡せるようになる。 東ノ滑滝を通過するとすぐに、長いスラブ状の地形に曲がった沢が見えてくる。 水深はそこそこ深いので、この日はスラブ状の縁をフェルトソールのフリクションで進むが、岩肌が磨かれていて、かなり滑りやすい。 スラブ地帯を抜けると、左岸に幕営適地がチラホラ見受けられる部分を通過し、右岸に西ノ滑滝が現れる。 この日は、西ノ滑滝を過ぎた辺りにある左岸の平場に幕営。 危険情報:特に無いが、スラブは滑るので、落水覚悟で望んだ方が良い。 ■西ノ滑滝→魚止めの滝 西ノ滑滝を過ぎると、大釜に差し掛かる。 大釜は、縁を回りこめば膝下程度の水深で通過可能。 渓相は、段々ナメが多くなり、少し進むと大岩。 大岩の左側をよじ登っても良さそうだったが、この日は左岸(岩の右側)を大きく巻いて通過した。こちらからの巻きは倒木が多く、岩に苔も多く付着していたので、通過する人は少ないのかも知れない。 その先、広い河原を進むと、魚留の滝が出現。 危険情報:特に無し。白山書房が出版しているウォーターウォーキングによると、日帰りの場合、大岩で引き返すように書かれている。 ■魚止めの滝→両門の滝 魚留の滝は、手がかりが乏しく、最初の核心部。 過去の遡行者の記録によると、右岸に倒木が立てかけてあり、そちらを足がかりにして滝を巻いている模様。 または、左岸の岩壁を登り巻いている記録もあったが、初心者にはそこそこ難しいと思われる。 今回、右岸の倒木は見当たらず、岩壁はツルツルで直登も困難だったため、yasuyoが空身で右岸の手前部分から滝の上部に向かって斜めに上がり、立木の横を慎重に辿り、直登面の上部に出、立木を支点にロープを固定。 ロープによって荷揚げし、またdeep--blueはロープにプルジックを効かせ斜面を直登した。 魚止めの滝を高巻くと、見事な釜の上に出るが、そのまま右岸を高巻きしようとすると、進めなくなるので一度釜の上流部分に下降する。 そこから先の、ナメを上がると、千丈滑の見事な景観が現れる。 千丈滑の最後の滝は、右岸を高巻き、すぐに沢に下降し、左岸に高巻き。 この辺りからの高巻きルートは少々荒れている場合が多く、慎重に進む。 ゴーロ帯の河原を遡行して行くと、両門の滝が現れる。 危険情報:魚止めの滝の高巻きは、登攀的要素あり。 魚留の滝から先は、これまでの沢の雰囲気が一変して、渓相もダイナミックになり、グレードが上がる。 ■両門の滝→水師沢出合い 両門の滝は左岸を巻き、その後沢に下る際に滑りそうな岩場で安全を期して10m補助ロープを使い、この日二度目の懸垂下降。 遡行を進めると、すぐにヤゲンの滝と迷い沢の出合いに到着。 こちらは、中央カンテに取り付く。 事前に第二の核心と聞かされていたが、立木など手がかりも多くそれ程困難では無かった。 その後、流れは大分細くなり、軽い高巻きを繰り返すと五段状の滑滝が現れ、こちらは左岸から高巻く。 こちらの高巻きは滝壺に近い部分から登ってしまったが、かなりホールドが乏しく滑るので、実際は手前あたりから斜めに登る方が正解の模様。 高巻き上部にトラロープが張ってあった。 滝を通過するとすぐに水師沢出合いに到達。 危険情報:両門の滝の高巻きからの下降は少し危険。 また、五段状の滑滝の高巻きは、少し手前付近から取り付く。 ■水師沢出合い→木賊沢出合い 水師沢出合いを右に進むと、すぐに「甲武信ヶ岳⇔ナレイ沢」と書かれた標識が木に括りつけてある。 その後、沢の出合いをいくつか経ると、丸い看板が括りつけてある木が見え、右の沢を遡行する。 ピンクのルートサインは所々忘れた頃に現れ位の頻度で付いている。 その後、倒木帯を通過し、木賊沢の出合いに至る。 危険情報:特になし。 ■木賊沢出合い→甲武信小屋 木賊沢の出合いは出合いの中央カンテ部分に取り付くが、下から見るととても登れそうに見えない。 ルートを検討した結果、木賊沢の左岸から高巻いて、木賊沢に下降し木賊沢を渡って中央部に進む事にした。 高巻き部分に付けられたピンクのテープを追うと、かなりの急斜面を登ることになり木賊沢の上部に至るが、そこから木賊沢に下降してトラバースしようにも、かなり斜度が急でガレている為、どう見ても危険な状況。 ここで、この日初めて40mのロープを使い、高巻き部分から木賊沢の懸垂下降を行う。 ロープは、30mでも足りる程度の高さだった。 懸垂下降地点から、木賊沢を渡り中央カンテに取り付いた頃には、日が沈んでしまった。 この後ヘッデンを点灯し、沢を詰め上がるが、沢筋はそれ程迷う要素は無く、所々赤いペンキマークが付けてあり、なんとかポンプ小屋に到着。 ポンプ小屋から先は、通常の登山道のような道を辿り、トラロープが渡してある箇所を通過すると、すぐに甲武信小屋が見える。 危険情報:木賊沢出合いの高巻き。(高巻き過ぎないよう、すぐに木賊沢に降りる事) ■甲武信小屋→西沢渓谷 甲武信小屋から西沢渓谷は徳ちゃん新道を下山。 危険情報:特になし。 |
写真
タープは、Integral Desings の Siltarp 2を使用。
今回初めて使ったが、なかなか張り易い。
中央に10mロープを渡し、ポールは枯れ枝を利用。
ガイラインはビニール紐で簡単に。
今回初めて使ったが、なかなか張り易い。
中央に10mロープを渡し、ポールは枯れ枝を利用。
ガイラインはビニール紐で簡単に。
翌朝。あまりにも寒いので、やはり焚火を起こす。
朝食は、前日道の駅で買ったほうとう。
前日ゴハンがこびり付いたビリー缶に水を張っておき、それにほうとうを入れ火にかける。
ビリー缶のゴハンもキレイに取れ一石二鳥。
朝食は、前日道の駅で買ったほうとう。
前日ゴハンがこびり付いたビリー缶に水を張っておき、それにほうとうを入れ火にかける。
ビリー缶のゴハンもキレイに取れ一石二鳥。
結局安代が滝の手前から空身で、斜めに上がり、林の中を通って、取付き点上部に。
ここでロープワークの練習を兼ねて、上部からロープを垂らしてもらい、ビレイやプルージックでの登りを色々試す。
慣れていないせいで、ここで1時間程使ってしまったが、後のロープワークの心構えも出来たので、いい練習や検証になったと思う。
ここでロープワークの練習を兼ねて、上部からロープを垂らしてもらい、ビレイやプルージックでの登りを色々試す。
慣れていないせいで、ここで1時間程使ってしまったが、後のロープワークの心構えも出来たので、いい練習や検証になったと思う。
上部にピンクテープが見えたので、岩場の弱点を狙って登って行ったが、もう少し手前の斜面から上がったと思われる残置ロープが斜面に並行に設置してあった。
岩場のホールドと、植物を掴めばなんとか登れる。
岩場のホールドと、植物を掴めばなんとか登れる。
ピンクのテープを追ってさらに高巻くが、途中でテープが無くなる。
木賊沢に下降しないと、出合い中央のルートサインには行けないため、コースを何度か確認する。
このまま高巻きで詰めても、木賊沢の斜面草付きはかなり急なため、トラバースが危険と判断。
木賊沢に下降しないと、出合い中央のルートサインには行けないため、コースを何度か確認する。
このまま高巻きで詰めても、木賊沢の斜面草付きはかなり急なため、トラバースが危険と判断。
さらに沢を詰める。
たまに赤ペンキの矢印やピンクテープのルートサインがある。
詰めている途中で完全に暗くなり、ヘッドライトを点灯。
ここで詰め間違えると致命的なので、GPSで現在地を確認しながら、慎重に進む。
たまに赤ペンキの矢印やピンクテープのルートサインがある。
詰めている途中で完全に暗くなり、ヘッドライトを点灯。
ここで詰め間違えると致命的なので、GPSで現在地を確認しながら、慎重に進む。
道標の前で撮影。
この後、小屋で暫く休ませてもらいました。
下山予定が伸びたので、カップラーメンを1つ買って、アルファ米とお味噌汁を二人で分けて夕食。
小屋番さんにはとても良くして頂き、とても助かりました。
この後、小屋で暫く休ませてもらいました。
下山予定が伸びたので、カップラーメンを1つ買って、アルファ米とお味噌汁を二人で分けて夕食。
小屋番さんにはとても良くして頂き、とても助かりました。
感想
三回目の沢登り。
今年最後の沢登りとなる予定だったので、少し骨のある場所に行こうという事で、以前から気になっていた、笛吹川東沢を遡行する事に。
まだ、ロープワークやルートファインディング等が慣れていないため、想像以上に時間がかかってしまったが、初めて沢でしっかりタープを張り、自分達だけで焚火を起こしたりして、非常に充実した沢になった。
笛吹川東沢は、非常に特徴的な地形で美しい景観が多い割に、グレートも一級上とそれ程高くなく、距離もそこそこあるので、初級者には丁度良いチャンジになる沢だと思う。
ただし、熟練者であればロープを出す機会は無いと思われるが、初級者の場合ロープが無いと怖いと思う場面が所々あるので、基本的な沢登りの装備とロープワークは最低限身に着けて行った方が良いだろう。
また、地形図や遡行図及び読図の技術は必須なので、その辺りに自信の無い人だけのパーティでの入渓は避けた方が良いと思う。
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