樹レコ。〈京都 貴船山〉 コバンノキ、カツラなど

2018年06月16日(土) [日帰り]

• GPS: --:--
• 距離: 10.4km
• 登り: 654m
• 下り: 607m

コースタイム

日帰り

• 山行: 6:29
• 休憩: 1:58
• 合計: 8:27

8:29 二ノ瀬駅
8:39 8:46 富士神社
10:46 10:54 樋ノ水峠への分岐
11:28 0:00 樋ノ水峠
11:42 11:56 貴船山 三角点
12:17 13:03 貴船山716ピーク
13:45 14:07 滝谷峠
15:31 15:41 奥貴船橋
15:51 16:02 貴船神社 奥宮
16:56 ゴール地点

天候

晴

アクセス

利用交通機関：

電車

叡電/鞍馬線　「二ノ瀬」「貴船口」

コース状況／危険箇所等

貴船山の三角点と716�奪圈璽�の間は道が不明瞭です。

写真

叡電に乗ります。（出町柳駅）

二ノ瀬で降りました。

駅に進入する通路はやや草深い、でした。

ムラサキシキブ。

この踏切を渡ります。
ここにもいましたよ、撮り鉄さん。あっ、自分もそうなんや。

小さな葉が1字削除しました。なるほどそんなに出なくなったということですか！ 小さな植物が教えてくれました。
(削除されていた字は「多」でした)

そうですね。
山と植物、大切にしてほしいです。

神社の下を通ります。

杉の植林帯を登ること1時間。観察できそうな場所が現れました。

ネジキです。
幹はしばしば捩じれるので【捩じ木】

モミの若枝。
葉は枝に羽状についています。モミの若い葉や陰葉は先端が二又で鋭く尖っています。(写真はトリミングしました)

ナツハゼ。
実は球形です。赤から黒色に変ってゆき熟す。

ナツハゼ。
実が付く軸、若枝には軟毛がありまた腺毛もあります。葉の上面にあらい毛があります。【夏櫨】

コバンノキ。
小さな葉が小枝の左右に並んでいて一見すると羽状複葉のように見えます。(次の写真を参照してください)　
小枝は一所から2本ずつ出ることが多いです。これはコバンノキの同定の決め手になります。

コバンノキ。
葉の付け根に実が見られることから、これが羽状複葉でないことが分かります。
実は熟すと黒くなります。雌雄同株。【小判の木】

ヤブムラサキ。
萼に軟毛が密生している。(ムラサキシキブと区別)
ムラサキシキブとの間で雑種ができ、これをイヌムラサキシキブというそうです。【藪紫】

カラスザンショウ。
高さ10メートル位あるようでした。

カラスザンショウの樹皮。
幹は大きくなるとトゲの先が落ちて、トゲの基部がコブのような形で残っています。

カラスザンショウの葉。
上面が濃緑色をした大きな複葉です。初夏の日差しを浴びて光っていました。【烏山椒】

分岐。樋ノ水峠へ。

北山杉。

杉の植林帯が大部分ですがこのような場所もときどき通ります。やや雑然とした二次林ですね。

モミの木が所どころに立っています。このあたりは斧が入らなければ中間温帯の植生になっていただろうと思われます。

(樋ノ水峠直下)　シラキ。
花は黄色(雄花)です。花序の基部に雌花もあるらしいが写真では見えません。【白木】

貴船山に到着です。
二等三角点あり。

716�奪圈璽�との鞍部です。
ササ類がなく低木も少なく遠くまで見通せます。道が見つかりませんがどこでも歩けました。

鞍部にイヌシデの大木がありました。

これもイヌシデです。【犬四手】

モミの大木もありました。

716�奪圈璽�に着きました。ここも展望なし。
お弁当を食べました。

観察用グッズです。
小さい物差し(折り畳み式)、ルーペ2個。
ルーペはふつう学童用ルーペ(2倍)で事足ります。葉の微細な毛を見たいとき10倍ルーペの出動を要請します。

林の様子です。
京都北山は笹が多いと思っていましたが、どの写真にも笹のようなものは写っていません。無くなってしまったのでしょうか？

モミの樹皮。
若いモミの樹皮はなめらかですが、老木になると裂け目が多くなり鱗片状にはがれやすくなります。

タンナサワフタギ。
タンナ(耽羅)とは済州島の古名だそうです。【耽羅沢蓋木】

スギ林をゆくハイカー。

イヌブナ。
幹の根元付近が雑然としています。ブナとの違いが表れています。樹皮の色もイヌブナは黒っぽくてブナと異なります。【犬橅】

滝谷峠に着きました。
狭い峠です。

クマシデ。
縦に浅く裂け目が走る樹皮(老木)の様子はイヌシデのそれと似ています。結局葉の大きさ・長さと側脈の本数でクマシデとしました。【熊四手】

バイカウツギ。
花弁は4個です。【梅花空木】

いっとき頭上が開けました。見上げるとちぎれ雲。

左＝イタヤカエデ、右＝オニグルミ。
【板屋楓、鬼胡桃】

ウリノキ。
【瓜木】

ヤマグワでしょうか。
【山桑】

滝。(シャー撮影)

キブシ。
【木五倍子】

フサザクラ。
【総桜】

ニセアカシア（ハリエンジュ）。
【針槐】

道標。（奥貴船橋付近）

貴船神社（奥宮）。

貴船神社の由緒が書かれています。

社殿の前にカツラの木があり、注連縄がはられていました。
※感想欄に記述あり〼。

貴船口駅まで歩きました。
叡電→京阪→阪急で帰ります。

出町柳駅で京阪の準急に乗ると、こんな車両です。
誰も乗っていなかったので写真に収めました。

四条大橋を渡って乗り換えです。お疲れさんどした。

感想

Happa64

樹木を見ましたを断続的に連載してきましたが、タイトルを＜樹レコ＞に変更することにしました。
理由はいつもタイトルが長かったからです。ハミ出タイトルになることもしばしば。改変したら少しはスッキリになるかもです。写真や記述のスタイルは以前のやり方を踏襲します。
私のレコは葉っぱばかり出てきますから、ご覧になる方に忍耐を強いているのではないかと思います。これからは少しでも分かりやすく簡潔にと心がけていくつもりです。力量不足でなかなか思うにまかせないところでありますが、とりあえずは写真枚数を極力抑え簡素化を目指そうと思っています。


※カツラ〜貴船の神木について
　水源の神(水神)＝神木＝カツラ＝沢の湿潤を好む木
という図式です。
カツラは、ときに樹高30メートルになる高木であるということ、生命力を感じさせる姿であること、また芳香を出す特徴もあるので神木になりやすいのであろうと思います。
一般的に、社殿が造営される以前から、人々は巨樹により（あるいはまた巨岩等により）神を祭っていたものと考えられます。