行場巡りは昔のテーマパーク? 飯道山
- GPS
- 06:58
- 距離
- 11.1km
- 登り
- 768m
- 下り
- 637m
コースタイム
8:21杖の権現休憩所8:35 - 8:43飯道山頂8:52 - 9:12飯道神社9:55 -
10:36白髭神社 - 11:04中井出古窯跡 - 11:45461mピーク - 12:16新名神出合 -
12:35昼食ポイント12:55 - 13:19紫香楽宮跡駅(電車) - 13:48JR貴生川駅
天候 | 朝のうちは薄曇り、午後から雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 自家用車
下山後は信楽高原鉄道紫香楽宮跡駅から貴生川まで電車で移動(390円) 昼間の時間帯はほぼ1時間に1本なので要注意です。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
JR貴生川駅からは道標がほぼ完備されており、ほとんど迷うことはないでしょう。 白髭神社に下る道も問題なしです。 中井出古窯跡から461mピークを経て新名神を潜るまでは道標・赤テープ等一切なく、踏み跡も判別がほとんどできない状況です。 地図読みの実地訓練には最適な舞台です。 等高線と実際の地形を一致させながらルートを探して歩く、私のレベルではぎりぎりの集中力が必要でした。 |
写真
感想
今回も行き先がなかなか決まらなくて・・・
前夜ザックに荷物を詰め込んで準備が整い、さあどこに行こうかと地図を広げたような次第でなんとものんびりした話です。
飯道山(はんどうさん)は春に初めて買ったザックをデビューさせた山です。
登りは同じルートでしたが、そのとき道連れになった女性のベテラン登山者2人、いろいろ山の話を伺いながら歩きました。
その女性が漏らした一言が、「この山にはもう来ることはない」でした。
まだ山をよく知らなかった私は「そんなものか・・・」と聞くだけでした。
あれから季節が過ぎ、いくらか私も経験する中で思うようになったのが、「つまらない山なんてない」ってこと。
じゃ、あの山をもう一度ゆっくり味わってみよう。
前回と印象が変わっているんだろうか?
それは受け取る自分が変わったってこと。
私自身の変化を確かめる山行になりそうで楽しみが出てきましたよ!
天気予報は「午前中はくもり、午後は雨模様」
だったら早朝出発の午前中勝負だと決めます。
とはいえ、自宅から朝だと30分ほどで行けるところです。
5時過ぎに出発して当然6時前には貴生川に着き、少し明るくなるまで待って歩き始めたのが6:20。
街道の宿場町だったような雰囲気の町並みを抜け、田園風景の中を歩きます。
小学校の脇を通り、日吉神社の鳥居から真っすぐ・・・
まったく地図を見なくてもスムーズに歩けるくらい道標が完備しています。
動物よけのゲートを抜けると登山道です。
国道や県道が近いのでしばらくは車の音が響いています。
歩いているうちに車の音は遠くなり、代って賑やかに聞こえてくるのが朝の鳥のさえずりです。
立ち止まって目を閉じると前後左右高低遠近・・・素晴らしい5.1ch(?)サラウンド効果で鳥の声の空間の中に立つ快感を味わえます!
ところどころに色鮮やかな紅葉の木がまだ残っていますし、視界の開けるところからは広く秋色の森を見渡せます。
実は毎日この近辺を朝走るので、山や森の色がいい具合なのを見ていたんです。
車で走っている時と歩いているときの景色を見るベストポイントは違いますね。
車窓を流れていく景色のほうがよい印象を残しやすいようです。
それでもそこに立っている実感を伴って見る景色は何倍もの価値を感じます。
飯道山頂から少し下って飯道神社へ。
建立時には神仏混合の飯道寺であったものが、明治の神仏分離によって仏教関連施設が破壊されたようです。
昔は神様仏様は仲良くしていたんですね。
そのほうが日本らしくてよかったのに・・・
左に回りこむと甲賀忍者が修行にも使ったという行場巡り。
今では鎖などの補助具が付いて私でも軽くクリアできましたが、昔はきっとかなりの難易度だったと想像します。
ついでにもう少し空想すれば、当時のフィールドアスレチックのようなものだった気がします。
修行の意味もありながら、子供はきっと大好きですよ!
私も楽しんでしまいました(汗)
今日の予定はこのあと下山し、電車の時間待ちをかねて紫香楽宮跡を見に行こうかと考えていました。
ゴルフ場の横を通って広い道に出ると、まだ駅までかなりの距離が残る道を歩いていきます。
何気なく広げた地形図に「いいもの」を見つけました!
今歩いている道から左の山に入り、そのまま山越えをして駅まで抜ける道があったんです。
高圧線の保守作業用の道なのか林業関連の道なのかわかりませんが、このまま車道を歩くよりおもしろいはず!
何か忘れていませんか・・・?
道の入り口には室町時代の信楽焼の登り窯跡がありました。
すぐに高圧線の鉄塔があって、そこまでは比較的道ははっきりしていました。
しかし鉄塔を過ぎるととたんに道は不明瞭になり、登山道でもないその道に赤テープなどあるはずもなく、頼りは地形図のみです。
谷から右の尾根に登り、ひとつピークを越えて左の尾根へ・・・距離は短いのに等高線が入り組んでいて歩きながらのチラ見では判別できません。
一度立ち止まってルートを確定し、かすかな踏み跡を頼りに進みます。
ここから引き返してももう歩いてきた道の判別は無理です。
下りで迷う確立が圧倒的に高い以上、引き返すことは避けるべきなので、最大限集中してルートを辿ります。
幸いそう大きなルート間違いもなく新名神を潜ることができました。
ようできたやないか! と自分を褒めてやります♪
もう一度山に入りますが、ここからは東海自然歩道なので整備・案内は完璧です。
思いがけなく今回最大の山場になったこの名もない道も過ぎ、リラックスした気分で昼飯場所を探します。
何か忘れていませんか・・・?
誰も通りそうもないのを見越して道端に弁当(おにぎりだけですが)を広げ、湯を沸かしてのんびりムードに切り替えます。
何か忘れていませんか・・・?
汗が引いて少し冷えた体を温めようとコーヒーの準備を・・・
湯が沸き始めたとき、頬にポツッと・・・雨です。
忘れてました!
今日の計画はすべて「昼から雨」に合わせていたことに!
この寄り道ものんびり過ぎた昼食もよけいなことでした!
お湯も捨て、あわてて広げた荷物をまとめて撤収します。
忘れ物のチェックだけは念入りにして、レインウェアを一番上に詰め直し、駅に向けて下り始めます。
雨脚はそう強くはないのですが、足元の笹の葉が雨に濡れて喜んでいるように見えたのを撮ったり、急いではいないのかと自分で突っ込みながら駅に到着しました。
信楽高原鉄道のローカル線で一駅だけのプチ旅行を体験し、やっぱりよかった今日の山行です。
でも考えてみるとこの山だからではないんですよね。
どこの山でも面白いことやいいものは絶対あることにあらためて自信を持ちましたよ。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
何を忘れてるのだろうと思いながらレコを読んでいくと、
なんと、「昼から雨」であることを忘れていたんですね
大慌てで monsieurさんが、下山するお姿が目に浮かびます。
行場巡りは、自然のアスレチックですね〜。
きっと昔の人たち、キャーキャー言って登りながら、楽しんでましたね
「つまらない山なんてない」← 本当に同感です〜!
最近、私もそう思うようになりました
先日の仏像めぐりで、さらに山の見方の幅が広がりつつあるのを感じます。
この近くの金勝寺も訪れたことや、また、岳人や、今読んでいる白洲正子の本にもこの辺りの山が出てくることから、飯道山にも興味があります。
行場が多くて、さすが修験の山ですね。
テーマパーク、アスレチック・・・意外とそういう場でもあったのではないかと思います。
どんな山でも「つまらない山」という人の気持ち、私にはどうにもわかりませんねー。
こういうセリフを吐く人、「自称」ベテランに多いようで。
価値観の違いと言われればそれまですが、楽しみ方の幅が狭いというか、知らなさすぎると思います。
山の楽しみ方をどう広げるのかは、その人次第。
山歴の長さや経験は全く関係ないのが、こういう山の面白さかも。
鉄道利用でのループの紹介、ありがとうございます。
いつか参考にさせていただきます。
slowlifeさん、コメントありがとうございます
感想を書きながら、脱線して遊びだすようになってしまいました
何でも擬人化してみたり、シナリオのようなト書きもどきに遊んでみたり・・・
普段マンションの高層階だと廊下も壁際を歩くほど高さは苦手なのですが、岩に取り付いているときは高さを感じません。
(つり橋で下が見えてたりするともうムリ ですが )
山の評価をしなくなりました。
山に歓迎してもらえる自分でいるほうが大切に思えます。
ただ、近所の里山に入る楽しみ と、でかい山、高い山に入るときの「さあ 」という気合は確かに違います。
山に何かを求めるのは人情ですが、それがあったから、なかったからという感情も邪魔に思えます。
紅葉がきれいだと感動して「今来てよかった 」と思います。
でも紅葉がなくても他にいいものはいくらでもあるので、感動の量は変わりません。
その「いいもの」を見つける自分を準備しなければなりません。
自分にとってのいい修行にはなっていますよ
todokitiさん、コメントありがとうございます
登山口の日吉神社の隣に飯道寺がありますが、その「旧」飯道寺とどういう関係なのかはわかりません。
そのあたりの経緯なども興味のあるところです。
信楽高原鉄道は一日の 運行本数が少ないので、できれば下山地に駐車し、行きに電車を利用したほうが時間に追われることもないだろうと思います。
(私は前回同様の行程ですが、前回は電車に乗り遅れ、貴生川駅までヒッチハイクでした )
自動車と公共交通機関の併用に魅力を感じ始めています
小学校のときに遠足で登った地元の山です。
その当時、地元では飯道寺山(はんどじさん)と呼んでましたよ。
ここは鈴鹿の展望台。油日岳から御在所岳、さらに雨乞岳から綿向山までの南部鈴鹿が一望できます。
(26枚目の写真の中央の尖った山が鎌ヶ岳です)
鈴鹿ファンの皆さん。是非登ってください。
今年の春、山に登り始めの私は近場の山から歩き始め、この山に至りました。
飯道神社から大納言に登ろうとして初めての道迷い を経験した山です。
鈴ヶ嶽でも迷いましたし、この辺の山にはいろいろと教育 された思い出があります。
(迷った山はすべて後日登り直しています )
がつがつ歩くのではなく、じっくり味わってみたい山域ですね
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する