新雪の神室連峰火打岳(砂利押沢口から)
- GPS
- 08:20
- 距離
- 9.8km
- 登り
- 979m
- 下り
- 975m
コースタイム
12:30出発〜15:15下山
天候 | 曇り後晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
砂利押沢口からのコースは、やや荒れている。所々赤テープがあるが、登り・下り共ルートの見極めは慎重に。 |
写真
感想
今年中にもう一度神室に行って、小又山の姿を拝みたいと強く願っていた。白くスッキリとした稜線の向こうに立つ小又山の姿はすばらしい。火打北峰と火打岳への登りは高度感抜群、腰まで埋まるラッセルも味わい、下山時は深い充実感でいっぱいになった。
前日まで吹き荒れた強風もおさまり、寒気も抜けつつあるとのことで、天気の良さそうな南へ向かって車を走らせる。山形県に入ると、明るくなってきた空の下、左手に神室連峰が見えてくる。山上からの展望に期待が高まる。
火打新道口に車を止めて出発。まずは林道を遡っていく。砂利押沢へのルートは、右手に下りて土内川を渡渉することから始まる。長靴の中がわずかに濡れた。
数年前にこのルートを歩いた時は、だいぶ荒れているなという印象を持った。火打新道口にある、神室連峰すべてをカバーした大きな案内板でも、このルートは消された跡があった。もう整備されずに廃道になっていくのかな・・と思ったが、どっこいロープは張られているし、今年付けたような赤テープも要所要所にある。沢を右に左に渡っていくが、テープには随分助けられた。
少し開けていて、同じぐらいの沢が二股に分かれている、その間の尾根に取りつく。かなりの急坂だ。両手で灌木を掴みながら登る。急坂を終えたあたりで、倒木帯によって夏道を見失う。どこを登っても稜線に立てると、できるだけ登りやすいところを登っていく。頭上の木に付いた雪も被り、上も下も雪まみれだ。だが上空には青空が広がってきて、稜線からの展望に確信が持てた。
ようやく稜線に立つ。期待通り、すばらしい眺めだ。小又・火打はもちろん、後から神室山や虎毛山なども見えてきた。だが稜線上は意外に雪が積もっていて、歩みはなかなか進まない。新雪だけで古い雪はなく、寒さも緩んでいたので滑り落ちる心配はなかったが、火打北峰の急峻な登りでは膝を斜面に押し付けて足場を作って登る。高度感バツグン、しびれるような登りだ。火打岳山頂だけはさすがに風が強く、雪がほとんど無い。写真を撮っただけで数メートル下り、パンを口に押し込む。
下山は火打新道を夏道伝いに辿る。ところが、腰まで埋まるラッセルとなり、すぐ近くの西火打岳になかなか辿り着くことができない。足をとられてひっくり返る。手袋をスペアと取り換えて、一息入れる。天気は良いのだから、暗くなってもいい、体力は消耗しないようにゆっくり行こうと自分に言い聞かせる。夏道はほとんどわかったが、西火打岳から下りていく際、沢沿いになっている所が100m程あり、そのまま下って行ったら大変だった。実際は脇に上がる所があり、ここはポイントだった。今年秋に登った時の感覚が生きたと思う。
後は不安無く、夏道を辿って下りてゆく。雪も膝上から膝下に減ってきた。いつの間にか、カモシカの足跡が先導してくれる。木の枝に着いた霧氷が青空を背景に美しい。充実感と共に、感謝の気持ちも湧いてくる。落葉の上に雪、時に滑るように、時に一歩一歩、気を引き締めて下りていく。次第に土が見えてきて、やがて雪の無い、車一台の駐車場へ着いた。
帰路も、夕日が照らす白い山々を眺めたくて何度も車を止めた。西の方角には鳥海山の姿も見えた。贅沢な一日だった。
コメント
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ちょっと感動しました。
言葉がないです。
勇気と元気いただいた気分です。
冬山のソロ、何があるかわからないので、気を付けて歩いてくださいね。
kiyoshiさんがどんなコメントをくださるかな・・なんて考えながら歩いてました。うれしいです
ヤマレコを教えてくれたkiyoshiさんと、出会わせてくれた神室連峰に改めて感謝しています
kamadamさん、こんばんは!
見た感じ神室の方がぜんぜん積雪ありそうですね。
翌日の日曜に僕は岩手側から和賀山塊を望みましたが、これほど白くはありませんでした。
kamadamさんはやっぱりスゴいや
こんな景色、羨ましいです!!
今回は南の方が天気良さそうだったので・・読みが当たりましたよ 写真だけ見ると冬山の雰囲気かもしれませんが、暖かくて稜線上では結構のんびりできました tooleさんだったら、霧氷の写真もっと良く撮れただろうな・・
tooleさんの和賀山塊は風が強かったみたいですね。
昨日kamadamさんをはじめ皆さんの記録を拝見していてずっと憧れていた神室連峰にいきました。
やせ尾根の稜線を歩きたくて火打岳へ。
想像以上でした。1000m前半とは思えぬ山々の連なり、まっすぐに潔く伸びた稜線。ボリューム感のある小又山に遥か遠い神室山…いつかこの道をはじからはじまで歩きたい。そんな山々ですね。
そして、登っている間ずっとkamadmさんの冬の火打岳の記録を思い出していました。初めて読んだときなんとストイックでロマンチックな記録なんだろうと大変印象的だったので。
帰宅後早速二人でまたじっくり拝見しました。雪の神室の山々、美しいです。
神室連峰の魅力、まだまだ全然分かってないね。何度も訪れなくてはね。と話しつつの車中。やはり何度も振り返り神室の山々を見つめてしまいました。
これからもお体気をつけて、色々な神室連峰をはじめとする魅力的な山の世界を見せてくださる事楽しみにしています。
かなり遅くのコメントと長文失礼しました。いつも簡潔にしようと思うのですが、無理のようです
こちらこそ、keen2さんからのメッセージに感動しております。自分が火打岳山頂に立って、神室の山々が今、目の前に広がっているようなイメージです 吹きわたる風と共に。
神室の魅力の一つは、遥かに続く細い稜線と切れ落ちた斜面にありますので、雪が付くと本当に美しいのです。神々しく感じた時もあります。写真の上手な人が撮れば、冬の北アルプスと間違えてしまうような写真も撮れてしまうのではないでしょうか。
いつもこちらに感動が伝わってくる文章を書かれておられるkeen2さんのレコ、本当に楽しみ、ワクワクして待ちますよ
改めて・・メッセージありがとう!
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