【妙義山中央突破作戦】御岳・丁須の頭・国民宿舎裏妙義・相馬岳・妙義神社
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- GPS
- 09:41
- 距離
- 16.7km
- 登り
- 1,861m
- 下り
- 1,982m
コースタイム
天候 | 晴れ(薄雲あり) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
復:JR信越線松井田駅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
危険箇所等: 概して尾根は痩せていて細いが、漫画のようなズッコケ方でもしない限り滑落することは無い。 落葉が堆積して時折ズボッとなる。それだけなら良いが木の根や岩が隠れていると漫画のようにズッコけるかもしれない。 鎖のある所より鎖の無い岩場を慎重に。 丁須の頭から国民宿舎裏妙義への下りで道にやや不明瞭な所あり。 登山ポスト:麻苧登山口、国民宿舎裏妙義、妙義神社 商業施設等:横川駅前峠の釜飯おぎのや、妙義神社前土産物店、道の駅妙義、もみじの湯 |
写真
感想
秋の空澄み菊の香高き
霜降る朝に山へ詣でん
11月の晴れ渡った週末。しかし26日は飲み会。飲み会はいつも楽しく、宅飲みとなれば翌朝までのんべんだらりんと過ごすのだが、北関東の紅葉の進捗具合は待ったなしであり、この機を逃せば同様のコンディションの山行機会はなかなか訪れないだろうと日の替わる前に帰ることとした。
紅葉は観に行きたい所があり過ぎて、よく見頃を逃す。週末の天候に恵まれずヤキモキしているうちに紅葉が進み、北から行かないとと行った頃には色褪せているのだ。今年は裏妙義、名栗・武甲、御岳山等々考えていたが、山の紅葉はもはや南関東でも褪せてきている状況である。街中でも落葉が増えている頃合、11月も終わりとなれば当然といえば当然か。
昨秋、表妙義を巡った時(「結作戦」参照)に、丁須の頭に興味を持ち、遠からず訪れようと思っていたところ、一年が経ってしまい、紅葉が残っているうちに行かざるべからずと考え、今回訪れた次第である。
0730時横川駅到着。朝早く都内を出れば、高崎発の信越線始発に乗ることができる。駅前には峠の釜飯おぎのや。初めて食しに某店に入ったときは釜飯弁当がそのまま出されて若干興醒めしたものだ。味は悪くないのだが。
麻苧の吊橋を渡ると道が左右に分かれる。どちらを選んでも丁須の頭の方に行くようだ。右側の道沿いにはいくつか滝があるようだが、今回は御岳経由で行こうと左側の道をとる。
紅葉は明らかに盛りは過ぎているが、雲のせいか陽光が薄い中でも所々赤や黄の木の葉が存在を主張している。安産岩をくぐる。私自身には何ともならないが、兄夫婦に無事女の子が産まれた。ありがたいことだ。
(たくさんの拍手を頂きありがとうございます。)
安産岩をくぐると吊り橋があり、そこから麻苧の滝を眺めることができる。結構大きな滝だが、やや奥にあるので威圧感は無く、流れ落ちる水の音も静かなものだ。
滝見の吊り橋を渡ると裏妙義の玄関とも言うべき鎖場がある。概ね出っ張っている岩を横に巻いていく感じだ。足下が若干濡れているので慎重に渡る。
以降は、急な登りと鎖場が所々あるが、概ね関東近郊で見られる雑木林の低山といった感じだ。
稜線までは道を歩いているといきなり右側を直登するようなところがあり、下ばかり向いて歩いていると道を誤ることは必至である。稜線上は落葉していることもあり、近くは横川駅から遠くは浅間山、上州の大地を見渡すことができる。
丁須の頭のハンマーには登れたら登ろうと思っていたのだが、他の山行記に9時台で人多しと書いてあったので、7時半出発では望み薄だった。案の定、到着時には数名が既に登っており、彼らが下りた後も続々と登攀を試みる者が列をなす。ザイルを使う人達が準備している間にさくっと登ってしまえば良かったと思うが、時機を阿失した。40分ほど待つも見切りをつけて下山することとした。今回は裏妙義を一通り歩いたことでよしとしよう。
国民宿舎裏妙義への下りは鎖もついた急な下りから始まる。続々と上ってくるパーティとすれ違いつつ下りていくと石がゴロゴロ転がった中を延々下りていくことになる。同じような道は今までも歩いてきたような気がするのだが、今回は何だか心もとない。概ね、そのゴロゴロした中をおりて行けばよいのだが、皆が歩く所を歩いているつもりが、油断をすると地面の柔らかい未踏箇所に足を踏み入れてしまう。不安に思い、オレゴンの地図を見ると登山道は尾根上を走っている。今歩いているのは沢だ。山を歩き始めた頃に御前山付近で誤って沢に下りてしまったプチ遭難事件が頭を過ぎる。しかし、どないしょ〜と思って後ろを振り返ると、大きな岩に黄色のペンキで○と↑が描かれており、道が正しいことを示していた。安心しつつも、気を抜かずよく注意して降りることとする。
林道に出て暫く下ると国民宿舎裏妙義に至る。その勢いで相馬岳を目指す。山に入って暫くは岩峰とは思えないほどの穏やかな登りである。老夫婦とすれ違って暫く歩くと前方で黒い影がさっと現れる。もしやこれはと思い、来た道をかけ戻って様子を窺う。すると黒いものが道に沿ってこちらに向かってきているようだ。驚いてまた道を駆け下り様子を窺うと、やはり黒いものが姿を現した。これはもう間違いないと思うや否や一目散に道を駆け出す。先ほどの老夫婦に「熊が接近中」と言い残してどんどん下る。しかしながら、その後老夫婦の笑い声が聞こえたので、どうも自分の誤認だったらしい。お騒がせして真に申し訳なく思う。恥ずかしかったので国民宿舎裏妙義まで戻り、ついでに一休みする。
一休み後、再度登山道に入る。先ほどのことを総括しながら熊のことを考える。考えながらちょっとした視界の開ける尾根に出てきたところで前方よりがさがさっと草叢を掻き分ける音。今度こそ間違いないと思って、よく見ると画像にあるように黒い熊が沢を下りていくところだった。熊は基本臆病な動物と聞く。恐らく、私が立てるガサガサ音に驚き退避行動中だったのだろう。私が歩いてさらにガサガサ音を立てると反対側の尾根へ駆け上っていった。熊に対処するには、まず早期発見が第一である。彼我の距離があるうちに発見できれば、対応にも余裕が持てる。
完全に落葉した木立の中を歩いていくと、表妙義の尾根に出る。右手に看板で注意書きがあり、私は左手に進む。そこにちょうど男性二人組が下りてきた。そしてその二人が妙義で出会った最後の人で、後はただ独り静かな山行となる。
落ち着いた山行という点では良いのだが、早くも傾きかけた太陽の下、危険な(といっても最も危険とされる部分は今回歩いていないが)道を一人で行くというのは恐ろしいことである。
急な登りを難なく超えて相馬岳山頂に到達する。前回歩いた時とは逆方向だ。一度歩いたことがあるといってもまた難度も違うことだろう。距離的には大したことないが、尾根をずっと歩くわけではなく、時折沢に下り、また上り返す。そうやって大のぞきや玉石と歩いているうちに日はどんどんくれる。見晴まで到達したところでようやく一息。だが、最後の難関、奥の院横の数十mの垂直の下りを経ないことにはまだまだ安心できない。焦る気持ちをを抑えつつ、垂直に近い下りをぐんぐん降りる。奥の院横の箇所はこれが最後と声を出しながら慎重に一歩ずつ下降。
これで現世に帰ってきたような気持ちになってくるが、まだまだ油断は禁物。鎖の付いた急な坂はしばらく続く。こんな所で日が暮れてしまったら進退窮まる。最後は急ぎ目に下り、最後の鎖場から解放されたのは日没二十分ほど前だったろうか。
何とか日没1分前に妙技神社に至ることができた。
今回は生きて帰って来られたが、丁須の頭でやり残したことや熊の一件、時間のロス等考慮すべき事項も多々あった。来年はそのあたりを踏まえて新たな気持ちで妙義に臨みたい。
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