塩見岳、間ノ岳縦走 (鳥倉〜広河原)
- GPS
- 21:41
- 距離
- 33.4km
- 登り
- 3,012m
- 下り
- 3,244m
コースタイム
- 山行
- 2:00
- 休憩
- 0:17
- 合計
- 2:17
- 山行
- 7:53
- 休憩
- 0:56
- 合計
- 8:49
天候 | 8/3 晴れのち曇り、小屋到着後雷雨 8/4 曇りのち晴れ、小屋到着後雨 8/5 晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2018年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
松川インターから鳥倉登山口まで伊那バス 鳥倉林道線 12:00発 14:00着 運賃は1750円ですが登山用リュックを持っていると2630円になります。 |
写真
感想
昨年から始めた職場の仲間3人での登山。
昨年は赤岳一泊でしたが、お互いに技量もわかったところで、今年は少しロングなコースを二泊でということで、塩見岳から間ノ岳に向かうルートを行ってみました。
鳥倉登山口までの公共交通機関は松川ICを12時発のバス。都内からでも朝早くの高速バスに乗れば間に合います。
ゆっくり走るバスは14時に登山口に到着し、やっと登山開始。朝早く起きたのに午後2時に歩き始めるというのもなかなかない経験です。
とはいえ宿泊地の三伏峠小屋まではコースタイムで3時間の行程。マルバダケブキの群生の中を歩き始め、1/10ごとに設置してある標識を探しながら歩いていきます。
小屋には16:30くらいには到着しましたが、小屋に着いたとたんに夕立の雷雨が降り始めました。濡れずに済んで本当にラッキーで、今回の山旅はなかなかついている、と思いました。
三伏峠小屋では3人で個室を予約していました。個室は新しく建てられた別棟にあり、その棟に宿泊したのは我々3人だけでしたので、まるでホテルに泊まっているかのように快適でした。
翌朝はいよいよ塩見岳に向かって出発です。ガスがかかって塩見岳の姿は見えませんでしたが、南アルプスらしい深い森の中を徐々に歩みを進めていきます。本谷山を超えたあたりから陽が差し込み始めガスの切れ目から谷の向こうに「漆黒の鉄兜」、塩見岳の山容が見えてきました。
沢を北側に巻いて塩見小屋に到着。少し休憩して、いよいよ塩見岳の岩稜に取り付きます。
昨年はak10kさんからyoshiyanの課題と指摘されていた岩登りですが、この1年の間にはモンベルの岩登り講習も受け、岩登りに適した靴も買い、クライミングの本なども読み学習してきましたから今年は万全です。楽しんで岩登りをこなし、塩見岳の山頂に到着です。
山頂からはこれから行く熊ノ平への尾根が見え、稜線歩きに期待が高まります。遠くは雲がかかっていたので富士山は見えないかと思っていましたら、その場にいらした登山者に見えますよと教えてもらいました。よく見ると確かに山頂部分がうっすらと見えていました。
塩見岳の山頂でこの日の行程の約半分で、熊ノ平まではまだ5時間近く歩かねばなりません。下界は相当な猛暑なのでしょう。天候が回復したおかげで気温もあがり、2500m以上の稜線を歩いているはずなのに涼しさを感じることはまったくありませんでした。
樹林帯と開けた稜線を交互に通過していくのですが、北荒川岳までがとても遠く感じました。暑さと疲労で固形物がのどを通らなくなり、小屋で買った弁当のおにぎりもほとんど食べられずゼリー飲料でなんとかごまかしていましたが徐々に私がペースダウン。見かねたak10kさんがアミノ酸5000mgのスペシャルゼリーを手渡してくれました。
するとどうでしょう。この「ドーピング」でyoshiyanは完全復活。竜尾見晴の岩場を越え、小屋に近づくとまた天候が悪化し、小雨が降りだしましたが、その時点では先陣を切って走り出すほどに回復していました。
この日も小屋到着後に時折激しい雨が降ったりやんだり。猛暑のため夕方には決まって夕立になるというパターンのようです。
熊ノ平小屋は静岡市営の小屋ということらしく、こんな奥まったところまで静岡市なのには驚きますが、何より水が豊富であることが快適で、夕食・朝食も手を抜かず、若いスタッフがきびきび働いているのが好印象でした。
小屋到着後は時間がありましたのでまったりと過ごしましたが、夜になっても雨は止まず、早々に就寝しました。
三日目。朝食前に早立ちしていく登山者の「星がきれいに見えている」というささやきで希望が湧いてきます。
小屋のある熊ノ平から思った以上の坂を上り、三国平へ登っていくと、右手に大きな富士山のシルエットが見えてきて、思わず歓声を上げます。そしてその次の瞬間にはなんと雷鳥の群れが! これだけたくさんいると公園の鳩みたいでありがみがないねえなどど冗談は言うものの、見たかった雷鳥に出会えて3人ともテンションMAX。山にいることの幸福感を味わいます。
次は三峰岳の岩稜へ。ここも予想以上の岩稜で、まるで北岳〜間ノ岳のポピュラールートと塩見岳に至る渋いルートを分け隔てる守衛すなわちジャンダルムのようないで立ちです。ここからの眺めは素晴らしく、仙丈ケ岳、甲斐駒ヶ岳、北岳ももちろん素晴らしいのですが、こちらから見る間ノ岳は本当にどっしりとして風格があります。間ノ岳という名前でなにか北岳のおまけのように扱われることが多いように思いますが、真に百名山に値する山だと思いました。
そして間ノ岳山頂へ。ここまで来るとカラフルないで立ちの若者が増え、登山者の雰囲気が全く変わります。
ここから先は登山者も多いメインルート。ただそれが油断になって北岳山荘までの間に3回もコースロストしそうになったのは反省点です。
北岳山荘に到着したのは9時半前であり、目の前に見える北岳山頂を目指さないのはもったいない気もしましたが、私としては塩見岳と間ノ岳で景色も満喫しましたし、この先コースタイム5時間の下山を考えて山頂は取らずにまき道から八本場のコル経由で下山することにしました。
北岳山荘からのまき道はまさにお花畑。タカネナデシコ、トウヤクリンドウ、タカネビランジ(?)など私は花の写真を撮りまくっていたのですが、他の男子ふたりはあまり関心がないようでした。
八本歯のコルからは木のはしご地獄。それが終わって左俣コースは急なザレ場下り地獄。これに灼熱地獄が加わってペースがあがりません。大樺沢に入って沢の水で頭を頻繁に冷やしながらひーこら下山しました。
3時のバスには間に合わなかったのですが、うまい具合にちょうど3人分空きのあるタクシーに乗り合いをすることができたため、早めに甲府に戻ることができました。甲府で焼肉とビールで旅の打ち上げ、最高に美味でした。
天候もよく、南アルプス深部の奥深さに触れ、雷鳥や花々も見ることができ、万事良好の山行でした。
さて、来年はどこに行こうかな
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