コイカクシュサツナイ岳(鬼の急登)
- GPS
- 11:24
- 距離
- 22.7km
- 登り
- 1,503m
- 下り
- 1,465m
コースタイム
- 山行
- 9:53
- 休憩
- 1:31
- 合計
- 11:24
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
上二股からの平坦地は踏み跡が不明瞭で若干迷いました。よく見ると笹や木にピンテがあります。急登が始まれば踏み跡は明瞭ですがとにかく急登がずっと続きます(標高差約1000m)。最後の岩陵部は右が切れ落ちておりとても危険です。久々に恐怖を感じました。下山時、あと僅かで橋の登山口に到着するという所で茂みの中に熊が居ました。姿は見えませんでしたがしばらく威嚇されてとても怖かったです。日帰りにせよ、テン泊にせよ相当な覚悟をもって臨むべき山だと思いました。 |
写真
感想
この夏のチャレンジとしてコイカクとペテガリを考えていました。7日、8日と二日間の自由時間を確保しましたが8日の予報が悪かったので日帰りできるコイカクを選択しました。
前日夜のうちにビジターセンターで車中泊をしようと思いましたが到着が遅れてしまったので大樹町の道の駅に切り替えました。
翌朝は4時に道の駅を出発して5時過ぎに札内ダムのゲートを自転車でスタートしました。天気も良く気持ち良く広い河原を歩き、途中の函は巻き道があるとガイドブックにもありましたがうまくみつけられなかったのでそのままジャブジャブと進みました。やがてこれから挑む夏尾根が見えてその急登ぶりにやや恐れおののきました。
1時間半ほどで上二股に到着して登山靴に履き替えます。ピンテから踏み跡がありましたがすぐに背丈を超える笹に加え踏み跡が不明瞭で少し迷いましたが何とかルートに復帰できました。さ、ここから標高差1000mの戦いが始まるぞと気合いを入れ直します。登りながら神威岳の急登を思い出しましたがあれより標高差があります。息を整えながらゆっくりと登り続けました。夏の日差しはありますが涼しいくらいの気温にも助けられました。1305mの平坦地は休憩にとてもいい場所でしたがはえが多かったのが難点でした。大休止を終えて更に急登を登っていると二人組の若者とスライドしました。ヤオロマップの沢から上がってきたという強者でした。ほどなくして岩陵帯に入ると斜度が更に増し、右はすっぱりと切れ落ちた崖です。恐怖心と戦いながら必死に登りました。
やっとの思いで夏尾根頭に到着すると360°の絶景が迎えてくれました。3年前にカムエク山頂から見た景色をさらに近くで見ることができて感無量です。夏尾根頭とコイカク山頂は高低差もなくすぐそこでした。コイカク山頂からも絶景を楽しんで1839峰への思いを巡らせました。こんな素晴らしい天気の中、日高の懐に包まれている幸せを全身で感じることができました。
さて、下山のことを考えるといつまでものんびりとはできません。夏尾根頭で絶景に別れを告げ、気合いを入れ直して下山します。ここまでの急登で足にも疲労がある中、しっかりと3点支持をしながらクライムダウンで難所をひとつひとつクリアするようにしました。約2時間で上二股に到着し冷たい沢水で顔を洗って休憩しました。あとは2時間ほど河原を歩いて帰るだけです。全身に疲労はありましたが充実感を感じながらの歩きは心地よかったです。ところがもうすぐ橋のたもとに着くという頃、左岸の茂みからうなり声が聞こえます。茂みまでの距離は20mほどだったでしょうか。茂みの中を見ても姿は見えませんが明らかにこちらを威嚇しています。邪魔はしないからそっと見逃してくれ〜と念じながら足早に立ち去ります。うなり声が後方から聞こえるようになって何とか危機を脱したと思えました。これまで熊との遭遇はなかったのですがやはり緊張しますね。丸腰では日高は歩けないと実感しました。橋から札内ダムまでの約5kmは自転車で楽々でした。
ずっと思い焦がれていた日高の懐に久しぶりに入ることができてとても充実した山行でした。いつかは1839峰へという思いも強くなりましたが同時にその過酷さも理解できました。3日分の水と食料を背負ってあの夏尾根を登り切ることができるのだろうか。コイカクから1839峰へのピストンもかなり大変そう。うまくピークを踏んでコイカクに戻れたとしても20kgザックを背負いながら疲労した体で安全に下りられるのか。不安材料の方が多くなった気もします。9月にチャンスがあればと思っていますがしばらく自問自答していこうと思います。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
私の幌尻岳レコに拍手をくださりありがとうございます!
このレコ拝見して幌尻岳、戸蔦別岳なんてかわいいもんだと思いました。北海道の峰々、ほんとうに登りがいがありますね!北海道在住のみなさんはうらやましいです!これからも事故のないよう楽しんでください!
Murphyさんコメントありがとうございます。
幌尻岳は4年前に登りましたが幌尻山荘と戸蔦別を結ぶルートは歩いたことがないのでとても興味深く拝見しました。幌尻岳はいずれ再訪したいと思っています。私は北海道から出ることが難しいのでアルプスなどの3000m級の山々に憧れます。いつかはこの目で見てみたいです。
札内川ヒュッテまで車で行けないのですね
良い展望です
akadake5さんこんばんは。
今はヒュッテの手前5kmほどで通行止めになっています。歩くと結構負担ですが自転車を利用しましたので楽ちんでした。
この上ない天候に恵まれて素晴らしい展望でした。日高への思いがまた強くなりました。
ポジさん、こんにちは!
ご無沙汰しております。
コイカク登頂おめでとうございます。
話にだけは聞くコイカクの急登。
標高差1000mを黙々と登り続けなきゃならない笹の急登。
これを登り切った体力と精神力はすごいです。
しかも疲れた身体で切れ落ちた岩稜地帯は想像しただけでもゾッとします。
さらに下りではここをクライムダウンとか怖すぎますね。
クライムダウンは足元が見えないだけに超怖いです。
それにしても1839の遠いこと。
コイカク単体でも超上級者向けなのに、
1839を目指すためにはそれさえも通過点に過ぎない。
1839は本当に限られたエキスパートだけの山だと思います。
でも天候の条件に恵まれたら、ポジさんなら行けると思います。
その日を楽しみにしております。
yahさんコメントありがとうございます。
お二人のレコも楽しく拝見しています。yahさんの鳥、花、ナッキーなどの写真の美しさはプロ並みですね。また、十勝岳のナイトハイクの写真の数々はとても刺激を受けました。
さて、これまでたくさんの1839峰レコを拝見してきましたが「百聞は一見にしかず」でした。噂に聞く急登は本当にはんぱないという感じでした。今回は日帰り荷物だったので何とかなりましたが重装備であれをクリアし、更にハイマツの海を漕ぐとしたら並大抵のことではないことが分かりました。もっと精進したり研究したりしていつかは攻略したいと思っています。実は1839峰にかける思いは「オジロワシの空の下で」のタカさんが書かれている内容にとても刺激を受けております。自分も同じ心境であの頂を目指したいと思っています。
タカさんの山行記は熱いですよね。
1839に登られたのは10年前。
10年前と言ってもタカさんはかなりの年齢だったんじゃないかと思います。
奥さまと登られる以外はだいたいソロで登るってところもカッコいいですよね。
比較的近所(隣の町内)に住んでいらっしゃるんですが、
未だにお会いしたことはないです。
お会いしたら山の話を色々聞かせて欲しいのですが。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する