阿弥陀岳北西稜 ソロ
コースタイム
10日 行者小屋6:00-9:00小ピーク-11:00 4ピッチ終了点-14:00 7ピッチ終了点-14:30阿弥陀岳山頂-
15:20行者小屋16:10-18:20美濃戸口
天候 | 9日曇り時々晴れ 10日晴れ 夜中の行者小屋で-18℃位 風もそこそこ有り |
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過去天気図(気象庁) | 2012年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
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コース状況/ 危険箇所等 |
南沢から北西稜への分岐は幾つか取れるかもしれないが、 緑色の2m位の一般登山者立ち入り禁止のロープの張って有り、 赤いリボンが木に巻いてある所から入るのが間違いないと思う。 とにかく間違えたトレースが多かった。 |
写真
感想
いつ頃からだろう。阿弥陀岳北西稜をソロで登ってみたいと思い始めたのは。
アルパインに足を踏み入れた頃は、ソロでは中山尾根が最終目標になるだろうと
思っていたが、実際に登り終えると、おぼろげながらまた先が見えてきた。
9日の八ヶ岳の山頂は下から見上げるとガスで覆われていた。翌日も似たような
ハッキリとしない気圧配置だ。取り合えず阿弥陀岳は他のラインからは何度か
登り、下降ラインも解っている。視界が100m取れるようなら取り付こうと決め
シュラフの中に潜り込んだ。
夜中に目を覚ましテントから顔を覗かせると、赤岳や阿弥陀岳が真っ白く浮び
上がっている。満月の月光により辺りの景色が白銀に照らされ、深い紺色の
夜空には星々が煌いている。気持ちは高揚する。明日はやるしか無い。山ノ神も
後押ししてくれているのかもしれない。
緊張もあり、ゆっくりと準備しているとヘッデンが突然消えたりと、なんやかん
やで出発は予定より遅く6時になってしまった。暗い中を取り付きへと歩いていく。
他の記録を見るとアプローチが第一難関のようなので下見していたのだが、しっか
りと間違えたトレースに着いて行ってしまった。確かに南沢からの分岐が早すぎる
とは思ったのだが、余りにもしっかりとしたトレースだったので騙された。。
トレースは途中で消え、仕方なく沢筋から尾根へとラッセルを始める。また現れた
沢にもトレースありだが、これも間違え。そこから尾根へ上がり、次の沢筋で視界
が開けたところ、次の尾根の先に北西稜の鋭く立ち上がった岩塊が目に飛び込んで
きた。この先は一度ある程度まで詰めていたので脛程度のラッセルで登っていくと、
ようやく正解のトレースが現れてきた。間違えまくったとはいえ、やはり前回の
下見で大まかな地形はつかんでいたので、アプローチ敗退は流石に避けることが出来
た。
間近で見る北西稜の岩塊は鋭く立ち上がり威圧感すら感じる。もしトポを持っていない
としたら、とてもソロで取り付こう等とは思いもよらないだろう。
始めの3ピッチは教蕕覆里妊侫蝓爾捻曚┐討い。殆どがステップの有る雪稜歩きだ。
ただ気圧配置からして風は殆ど無いと予想していたが、下から吹き上げてくる北風が
意外と強く冷たい。
4ピッチ目卦40m。ここも出来ればフリーで抜けようと考えていたが、ハーケンが
打たれた支点から最初の出だしを見ると結構悪い。岩や土、草付、雪のミックスだが
それ程コンクリート化されている訳ではなく、脆い岩も有る。落ちると当然致命的だ。
ここは時間がかかるがロープを出すことにした。トポには40mとあるが実際はザイルピッ
チで25mも無かったように思う。残置されたハーケンで支点を取るとZ式で登り返す。
5ピッチ目と6ピッチ目はシステムの煩雑さを省くために繋げて登ろうと考えていたのだが、
下から見上げた5ピッチ目の終了点の直上に黄色い長いスリングが垂れているのが見える。
これを核心への最終ピッチと勘違いし、ここでピッチを切ってしまうが、トポのラインは
その先までトラバースした先に6ピッチ目の終了支点が有った。
7ピッチ目は下調べのとおり一段上がった上をトラバースすると、ハーケンの連打された
凹角が見える。代表は行こうと思えばフリーで行けると言っていたが、全然厳しそうなの
で残置されたスリングを掴んだりとA0で登っていく。核心部は垂直に立っていると思って
いたので、最初上に見える抜け口が核心とは思っていなかったが、どうも身体にかかる負
荷が大きい。足の置き場が無くアイゼンをスリップさせると、硝煙のような匂いが立ち上
がる。登っている途中でここが核心と気付き、一度セルフを取り手を十分レストさせてから
A0で上まで抜けた。
核心部最後にある残置スリングは古く、これを掴むとほぼ全体重をかけなければならず、
いつ切れてもおかしくないように見えた。よくここを訪れているガイドさんは架け替えた
方がよろしいかと。。
昨年に小同心クラックを単独で登った折、故日登前副代表の計らいにより代表の自宅を個人
的に訪れ、夫人も同席する中でソロのシステムを享受させていただくという光栄を得ること
が出来た。今回の山行を故副代表も少しは微笑みの瞳を浮かべ、安心して見てくれただろうか。
いいっすね〜
ソロでやるかどうかはわかりませんが、僕ももう一回やろうと思ってます。
北西稜は達成感ありますからね〜
ただ、あの草つきの出だしだけがちょっとですよね…
僕は最後はあぶみ使うと思います。
kanemaru
いえいえ。是非A0でどうぞ
やだ。
あぶみ使います。
kanemaru
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