日尊の倉山(会越国境線上の山)
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- GPS
- --:--
- 距離
- 2.6km
- 登り
- 139m
- 下り
- 126m
コースタイム
- 山行
- 2:30
- 休憩
- 0:40
- 合計
- 3:10
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
日尊の倉山と狢ヶ森山は会越(峰越)林道を挟んで相対する。どちらも峠から一時間程度なので一回の山行で登りたい山だ。しかし、二座を一度で登る人はそう多くは無いようだ。狢ヶ森は一等三角点、日尊の倉は三等三角点。その違いがそうさせるのかもしれない。狢ヶ森山に登ったのは2003年の秋、15年も前のことだ。私は一日で二座を登ろうとしていた。ところがそれは叶わなかった。登山口まで6.3km手前で橋が流出していて、そこから往復歩くことになったからだ。
神さんと一緒だったし、日尊の倉山は見晴らしもあまり良くないと聞いていた。二座登頂は難しくなったので狢ヶ森山だけに絞って林道を歩く。すると後方から車がやってきた。どこへ行くのかと聞かれたので事情を話すと登山口まで乗せてくれた。福島県側からは通行可能で、キノコ採りの帰り道だという。車があるのは気付かなかったが枝道が有ったのでそちらに入っていたのであろう。それで難なく狢ヶ森山には登ることが出来た。帰りの6.3kmを歩くのには変わりはないが、これはどうしょうも無い。下り坂だという事だけが救いである。
狢ヶ森山の登山口はテープが下がっていて直ぐにわかった。踏み跡もしっかりしていて難なく山頂に着いた。これなら日尊の倉山も行けるかなどと考えながら休んでいると年配の男性がやって来た。彼は、栃木県那須の別荘地に定住して、全国の山を登り歩いているのだという。別荘というと避暑というのが一般的だが、最近は「定年後定住」というのがはやりらしい。若い時から勤務先の山岳会で活躍し、今は、家に帰るのは、登山の疲れを取る時だけ、という生活を送っているらしい。
狢ヶ森山は、過去2回トライしているが、林道が閉鎖されていたり、大雨だったりで、今回ようやく山頂に立てたとのことだった。私は、帰りの時間が気になったが、これも多生の縁、しばらく山談義に花を咲かせた。彼の人なつっこそうな笑顔がそうさせたのである。彼は「津川に抜けるので、送りますよ」と言ってくれた。有り難いが「橋がない」と言うと、「道路の状況も見たいので」と、橋の手前まで、わざわざ送ってくれた。まったく思いもかけないことで、本当に有り難かった。
私が、狢ヶ森山のような展望は期待できない日尊の倉山にこだわるのは「越後山脈森林生物遺伝資源保存自然林」に日尊の倉山の名前があると知ったからだ。それに日尊の倉山という固有名詞が無ければ狢ヶ森山だけで満足し、日尊の倉山には登らなかったと思う。気にはしていたのだが、それからもたびたび林道の通行止めは続いた。たまたま阿賀町のホームページを開くと、9月26日に新潟県側だけだが開通したことを知る。この機会を逃したら一生登ることは出来ないかもしれない。そう思うと何としても登りたくなって決行となる。
朝5時出発。天気予報は快晴。絶好の登山日和だ。峰越(会越)林道は一か所段差が出来ていて、エー!ここを行くの、と思ったが何とかスルー出来た。やっぱり一筋縄とはいかない山域である。峠には駒止めがあり、そこから先は通行止めである。誰もいないだろうと思っていたら、ワゴン車と軽自動車の先客あり。ワゴン車の人の姿は無かったが、軽自動車の方は2人組で写真撮影行とのことだった。
朝露を嫌って長靴で登るが、それは殆ど無かった。あまり歩かれていないようで笹竹は背丈ほどもある。まあ、しかし、良く見れば踏み跡だ、というのは分かる。ところどころピンクのテープ有り。ナタメ・テープ・踏み跡など雰囲気で“登山道”と判断して進むような感じである。藪に戻ったといってもいいような状態だ。年季の入ったブナの木が目立つ。それが越後山脈森林生物遺伝資源保存自然林に選ばれた由縁であろうか。
県境線上を辿って行き最高点に着いたらそこが日尊の倉山だ。しかし、あるはずの三角点が無い。地図を見るまでもなく、三角点は山頂に記載されていることが多い。山頂といっても点では無くある程度の広さは持っている。草も生えているし岩塊や灌木もあって簡単に見つけられないことも有る、と思っては見るが、一発で見つけることが出来ないのは、やっぱり情けない。
前方には、豪雪によって削り取られた御神楽岳の山肌が露わである。雪蝕崖(アバランチシュート)は川内の山々の特徴的な山肌だ。その右方向に笠倉山。鉾のような形の笠倉山は直ぐにわかる。御神楽岳の向こうには安達太良山が連なっている。沼の平の赤茶けた爆裂火口からそれとすぐに分かる。右上がりの会津の明神ヶ岳。磐梯山は見えていれば分かるが確認できず。全体にぼんやりした天候で日光の山とか大雑把にしか断定できないのだ。それにしても山が多い。日本は山だらけである。
帰りは、三角点を探しながら進む。三角点は、測量の基準になる点だから他の三角点から見えることが基本である。だから高いところで測量標などの設置作業がしやすいところだ。そんなところを辿って行くと三角点は有った。刻まれた文字ははっきりとは読めないが「三」と刻まれているのは分かる。おっ、ヤッター!! プチ、歓喜。写真に収めて一応山登りを趣味とする者の面目が立つ。やれやれ。
後は踏み跡を外したところもあるが問題なく進み登山口へ戻る。峠には誰もいなかった。山頂付近では気付かなかった磐梯山が見える。那須岳方面の山々が一望できるが固有の山名は特定できなかった。しばらく眺めていると軽トラックがやって来た。雑多な言葉を交わしたが、彼はちょっと先へ行ってみると言って車止めを動かして進んで行った。地元の人であろう。通り抜けは出来ないので途中で茸でも採って戻るつもりなのであろう。
朝は雲海で埋められていた谷間から雲海は消え、全山ブナの黄葉が陽に映えてまばゆいばかりである。いい秋の風景である。幾度となく車を停め、写真を撮りながら山を降りる。
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