金時山〜明星ヶ岳+紅葉の長安寺
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- GPS
- 06:52
- 距離
- 17.5km
- 登り
- 1,289m
- 下り
- 1,513m
コースタイム
- 山行
- 5:52
- 休憩
- 1:01
- 合計
- 6:53
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年11月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
良好に整備された一般登山道 |
写真
感想
前夜に東京での大きな仕事が無事、終了する。家内と新横浜で待ち合わせて、翌朝は西丹沢に向かうことを考えていたが、仕事でお世話になったKT氏から車を出すので、是非、山行に同行したいとの申し出をうける。数年前までは夏の登山シーズンに複数回ずつ富士山に登っておられたらしいが、富士山以外の山には登った経験はないようだ。富士山好きのKT氏には富士山の好展望が期待できる箱根の金時山を選ぶ。
箱根では例年この時期が紅葉の最盛期であり、相当な混雑が予想されることもあり、新横浜のホテルを早朝の4時半に出発する。公時神社前の駐車場に着いたのは6時前であったが、既に多くの車が停められている。出発の準備をしている間にも続々と車がやってくる。まずは車道を歩いて乙女口を目指す。このルートが最も緩いのと乙女峠での眺望を期待してのことである。
しかし乙女口から檜の植林地を登り始めて早々にKT氏はペースダウンする。「乙女峠で待っていて下さい」とのことだったので、先に行かせてもらう。乙女峠にたどり着いたのは既に陽が登った後である。東の方向にかかる厚い雲の上から太陽が顔を出すところであった。乙女峠からは北西には富士山が望めるところであるが、生憎、富士山は山麓まで雲の中だ。
乙女峠にKT氏がたどり着いたのは我々の到着から10分以上経ってのことであった。とはいえ、何とか一般的なコースタイムの範囲内のようだ。
長尾山へは緩やかな登りである。尾根上では多くの広葉樹は既に落葉してしまっており、晩秋の山の雰囲気だ。落葉は果たして時期のせいなのか先日の台風による影響なのかはわからない。
尾根から突き出した矛(ホコ)のような形状の金時山は山頂直下は流石に急登となる。我々は山頂でKT氏を待つことする。金時山の山頂にはかなりの数の登山者がおられ、炊事しておられる方々が多い。いきなりニャーニャーと多数の猫の鳴き声が耳に飛び込んでくる。見ているとトラ猫が食事休憩をしている登山者にすり寄っていっては食餌をおねだりしているようだ。猫が多く棲んでいることを知っていたのだろうか、魚肉ソーセージを薄く切っては猫に与えている方もおられる。
山頂からは箱根山をはじめ、巨大な箱根のカルデラを見晴らすことができる。遠く芦ノ湖、その手前には大きなゴルフ場がジオラマのように広がっている。
KT氏の具合によっては金時山のみで下山することも考えてはいたが、金時山から明神ヶ岳にかけて尾根上に気持ちの良さそうな縦走路が刻まれた稜線はなんとも魅力的に思える。道標によるとここからおよそ2時間5分のコースタイムのようだ。
金時山からは最初はかなり急峻な下りからはじまる。下山し始めると数十mおきに登ってくる登山者とすれ違う。乙女峠から長尾山を越える登山コースと比べると、こちらの登山コースの方が遥かに人気が高いようだ。しかし、斜度のきつい登山道が続くように思われる。
矢倉沢峠が近づくと丈の高い笹薮の間の道となる。峠から振り返ると笹の中に点在する馬酔木と思われる常緑の樹が綺麗なコントラストを斜面に与えている。
矢倉沢峠から明神ヶ岳に向かう縦走路に入ると、当然のごとく、すれ違う登山客はいなくなり、急に静かな登山道となる。登山道の両脇は背丈を超える丈の高い竹笹が覆う。なだらかな尾根を登ってゆく。最初のピークへの登りから振り返ると、富士山が雲の上から綺麗に顔を出している。先程まで空を広く覆っていた雲はいつの間にか消散し、青空が広範囲に広がっていく。
小さなアップダウンを繰り返しながら尾根はなだらかに登ってゆく。登山道脇の密生する竹藪の中では陽光がキラキラと笹の葉と竹の表面で反射する。綺麗に刈り払われた登山道には多数のリンドウと白いキク科の花が目立つ。リュウノウギクのようだ。
しばらくするとちらほらと数名の登山客とすれ違う。多くはトレラン・スタイルの方だ。早朝に明神ヶ岳の山頂を踏んで来られたものと思われる。火打ち石岳にかけては斜面の北側をトラバースする道となる。それまで登山道の脇の笹薮は一転して広葉樹の林となり、鮮やかな紅葉が山道を彩る。雲が通り過ぎて光が林の中に落ちると、紅葉した葉がステンドグラスのように色鮮やかに輝く。
火打石岳を通過すると、今度はすすきの原が広がる。陽光がさすと満開のすすきの穂が銀色に輝くのであった。短い急登を経て尾根に上がると、これまでの縦走路が一望のもとだ。明神ヶ岳にかけてのラストスパートは笹原の中の快適な尾根道となる。
明神ヶ岳の山頂は再び多くの登山客で賑わっている。ここで私は家内とKT氏と訣れて、明星ヶ岳に寄り道してから宮城野へ下りることにする。
下山後、宮城野のバス停の前に到着すると向こうからタクシーが着たので早速つかまえる。家内に連絡すると、ようやく登山口にたどり着いたところだというので、住宅地を抜けて明神ヶ岳の登山口に迎えに行く。KT氏と家内を拾って、公時神社に向かうのだが、駐車場に戻る前に、その近くにある長安寺に寄り道することにした。
箱根には紅葉の美しい庭園を有する美術館が数多くあるというが、この寺の紅葉は何とも見事だ。そして美しい境内にはユニークな表情の五百羅漢の石仏が目を愉しませる。驚いたことに、見応えのある寺であるにもかかわらず拝観料を要しないのであった。
長安寺からはあるいて公時神社の駐車場に戻る。金時山の登山口は大勢の登山客が続々と下山してこられる。駐車場を後にすると、Pola美術館に寄り道をしてから帰路につく。国道1号線は大渋滞であり、小田原に到着するまで1時間半近く要するのだった。
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