硫黄岳(赤岳鉱泉から2日連続チャレンジするも敗退) 初めての3000m級山岳冬山山行
- GPS
- 14:58
- 距離
- 20.9km
- 登り
- 1,734m
- 下り
- 1,728m
コースタイム
10:25 茅野駅
↓ - 0:38(バス)
11:03 美濃戸口
↓ - 0:17
11:20 美濃戸口
↓ - 1:10
12:30 美濃戸
↓ - 2:00
14:30 堰堤広場
↓ - 1:30
16:10 赤岳鉱泉
幕営
■2012/01/27(金)
10:10 赤岳鉱泉
↓ - 2:00
12:50 赤岩ノ頭
↓ - 1:10
14:00 赤岳鉱泉
■2012/01/28(土)
7:50 赤岳鉱泉
↓ - 2:00
9:50 赤岩ノ頭
↓ - 1:00
10:50 赤岳鉱泉
↓ - 2:00(テント撤収他)
12:50 赤岳鉱泉出発
↓ - 1:20
14:10 美濃戸
↓ - 0:50
15:00 美濃戸口
天候 | 2012/1/26 曇り時々晴れ。稜線は暴風雪。 2012/1/26 晴れ時時曇り。稜線は暴風雪。 |
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過去天気図(気象庁) | 2012年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
■美濃戸口→赤岳鉱泉 特に危険箇所無し。 トレースも付いていて、迷う要素は無し。 ■赤岳鉱泉→赤岩ノ頭 概ねトレースが付いているが、降雪後は一部トレース不明瞭。 赤岩ノ頭の直下は、雪が深く降雪後に最初に入ると膝上のラッセルになる部分もある。 赤岩ノ頭の稜線に出ると、風が強くなるので、耐風装備の準備は赤岩ノ頭に出る前に行った方が良い。 |
写真
感想
厳冬期の冬山を始めるに当たって、八ヶ岳の硫黄岳から始める事にした。
装備は、主に海外通販で昨年の年末から揃え始め、1月の上旬には日本に到着。
その他モロモロの備品などを少しずつ買い、いざ出発。
●宿泊装備
<テント>
エスパースマキシムミニ+フライ
<シュラフ>
yasuyo: Feathered Friendsショート800FP+ 1300gのもの(ダウン量不明) に モンベルブリーズドライテックU.L.スリーピングバッグカバー
deep--blue:ナンガ450STD(650FP)+カモシカオリジナル860FP ダウン300g に に モンベルブリーズドライテックU.L.スリーピングバッグカバー
<マット>
RidgeRest SOLite スモール
●防寒装備
<上下>
yasuyo:上 Rab Inifinity Jacket Women's , 下 ナンガスーパーライトダウンパンツ
deep--blue:上 Millet 825FP 325g ダウンジャケット , 下 ユニクロ 暖パン
<ダウンブーツ>
Western Mountaineering down bootie
●雪山装備
<ピッケル>
yasuyo:GRIVEL Evolution
deep--blue:PETZL Sum'tec
<アイゼン>
yasuyo:GRIVEL G12 + アシンメトリックバー
deep--blue:GRIVEL G12 + アシンメトリックバー
<シューズ>
yasuyo:SCARPA Summit(Men's)
deep--blue:SCARPA Phamtom 6000(旧モデル)
<ゲイター>
yasuyo:Outdoor Research Crocodile Gator
deep--blue:無し
<グローブ>
メイン:こちらのサイトをそのままで、外側のウールグローブをイスカのシェトランドウールグローブに。
http://misawa7.exblog.jp/15365512/
サブ:Black Diamond Soloist
●ウェア
<ベースレイヤ>
yasuyo:上 MAMMUTの化繊、下Icebreakerの150
deep--blue:上下 Skin's snow + 上だけ化繊の光電子ジップシャツ
<シェル>
yasuyo:MAMMUT アンナプルナ ゴアシェル
deep--blue: Adidasゴアシェル(アウトレットでなんと6300円!)
<パンツ>
yasuyo:ファイントラック、ストームゴージュアルパインパンツ
deep--blue:モンベルのアウトレットで購入したサンプル品でゴアの物
<ミドルレイヤー>
yasuyo:Mountain Hardware Monkey women fleece jacket
deep--blue:CLOUDVEILの薄手のフリース
■2012/1/26
平日であった為、茅野発のバスは10:25が始発。
このため、この日は赤岳鉱泉まで行き幕営。
装備の検証や、グローブの付け替えなどをしてゆっくり歩いた為到着は夕方になってしまった。
幕営費用は一人あたり1000円、一泊2000円かかる計算になり、少々お高い。
とはいいつつ、水は山荘で無料で得られ、雪を溶かさないで済むメリットは大きいし、トイレもしっかりある。
初めてのまともな冬山に入ったが、想定していた以上に寒く到着し幕営した頃にはマイナス18度まで下がった。
この日の夕飯は、アルファ米とグリーンカレー。
心配していたガスはプリムスのハイパワーガス+P114ナノストーブで問題のない火力を得られた。
また、通常のガスライターは温めて置かないと着火しなかった。厳冬期の環境では出来ればオイルライターがいいだろう。
幕営装備は厳冬期に向けて揃えた物を使用したが、やはり床面からの冷え込みが厳しかった。
冬山のマットのR値の目安は5以上と言われているようだが、RidgeRest SOLiteのR値は2.8。
これに、三鷹のハイカーズデポで購入したアストロフォイルを重ねたが、それでも冷気は遮断出来なかった。
厳冬期の冬山で幕営するには、さらにR値2〜3程度のマットを重ねる必要があると感じた。
この日の晩は、厳冬期を控え購入しておいたZIPPOのハンディウォーマー(ハクキンカイロのOEM)を2つ使用して寝た。
■2012/1/27
朝目覚めると、テントの内側には霜がビッシリ。
内張りを張って居ないため、幕に身体が触れると濡れる為、コッヘルで雪かき。
また、シュラフカバーとシュラフの間にかなりの量の結露があり、シュラフの外側は濡れていた。
これは、寝ている間に身体から出た蒸気が、シュラフを通ってシュラフカバーに至った時点で寒気に触れ、そこで露点になり結露するためと思われる。
シュラフカバーがいくら透湿性のある素材で出来ていても、この結露は避けられないであろう。
朝食は1人あたり2袋のコーンスープをお湯で溶く特濃スープとパンとカルパス1人半分。
パンはちぎってコーンスープに入れて食べる。
最近このスタイルの朝食が定番だ。
6時過ぎに起きたが、テントの霜取りや、アタック用の準備、装備など慣れない作業をしていたら、結局10時過ぎの出発になってしまった。
最初は、アイゼンを付けずに出発。
この日の硫黄までのルートは、トレースが明瞭についており、迷う事は特に無かったが、deep--blueのアタックザックを90リットルのザックにしたため、登りの体力差が出てしまい、多少時間のかかる事に。
また、やたらと鼻が出るようになって、どうも風邪っぽい。
そう言えば、赤岳鉱泉の受け付けの兄ちゃんが風邪引いてたっけ・・・感染して昨晩の寒さでやられたかな。
やっとの事で中腹まで来ると、上部から3人の登山者が降りてきた。
その登山者によると、2人組みとソロの組み合わせで、赤岩ノ頭の稜線で出合い、一緒に降りてきたのだが、稜線は物凄い暴風雪で2人はなんとかピークを踏み、下山中にホワイトアウトし、ルートをロストしそうになった所でソロの人と合流したらしい。
その登山者とすれ違った辺りは、まだそれ程風も強くなく、稜線の気象状況が想像もできないくらいだと言っていた。
yasuyoと相談し、取り敢えず稜線の様子を見に行って、まずそうだったらそこで撤退しようと言うことで赤岩ノ頭に向かう。
暫く、登ると樹林帯がまばらになり、ガスが多めで視界も悪くなって来た。
道は折り返して、稜線に登るようになるが、その辺りでトレースが全く消えていて、稜線の道標部分までラッセル状態に。
膝上あたりのラッセルで10m位進み、稜線に出ると下山して来た登山者の言っていた通り、物凄い暴風雪で目も開けていられないような状態。
初めてのこのクラスの雪山で、この環境は過酷過ぎるという事で、硫黄岳の登頂は諦め、そこで撤退。
この日硫黄岳に登頂出来ていたら、翌日赤岳に登る予定だったが、翌日も硫黄岳のアタックに変更して下山する事に。
下山はずっとアイゼンを付けたまま歩き、赤岩ノ頭から赤岳鉱泉は1時間で到着してしまった。
この日は早々とテントに入り食事をして就寝。
夕食は、マルタイ棒ラーメン。
夜にはハラハラと雪が降り始めた。
■2012/1/28
3日目の朝。
起きて、テントの外を除くと、かなりの積雪があったようで、テントの周りに結構な雪が積もっていた。
前日の反省から、この日は二人とも20リットルの軽量サブザックをアタックザックにし、赤岳鉱泉からアイゼンを履いて出発。
予定より遅くなってしまったが、赤岳鉱泉から硫黄の取り付き部分にはトレースが付いて居たため、既に先行者が入った模様。
所が、少し進むと大同心の分岐の所でトレースは大同心方面に付いており、硫黄に向かうトレースは無くなっていた。。
朝、赤岳鉱泉でハーネスやガチャを大量に着けたパーティを見かけたが、彼らがこの分岐までトレースを付け、大同心に向かったようである。
いつか、冬山スキルが上がったら、大同心のコースも行って見たいと思ったが、下から見る稜線は岩の雪壁のようだった。
この日は、硫黄岳をアタックして下山しなければならないので、先を急ぐ。
大同心分岐より先のルートは、前日のトレースが薄くなっているがルートが解からなくなる程では無かった。
所々、風の通り道になっている部分は完全にトレースが消失しているが、ツボ足で歩けばそれ程苦労も無く進めた。
所が、赤岩ノ頭の手前の疎林帯に入ると、完全にトレースが消えており、また、どこがルートなのかも判然としない場所が出てきて、前日の記憶を頼りに膝下〜膝上のラッセルで進むこととなった。
赤岩ノ頭に到着すると、昨日と同様に凄い風と雪で顔に氷の粒が叩き付けられて痛いくらい。
一応、硫黄岳までの稜線を少し歩いてみようと言う事で、夏沢峠の分岐付近までラッセルしながら進む。
しかし、相変わらずすごい強風で立ち止まると、一気に身体が冷えて来るし、バラクラバをしていても顔の外に出ている部分が冷えて感覚が無くなってくる。
この環境で、硫黄岳まで40分歩くには、厳しいと判断してまたも撤退(笑)
稜線にはサングラスのまま登ってしまったが、赤岩ノ頭の下あたりで、一応フィールドテストという事でこの日初めてゴーグルを装着してみた。
ゴーグルはかなり快適で視界も良好。ゴーグルだったら硫黄まで行けたんでは無いか?と話ていたが、この日は下山しないとならないため時間切れという事で、後ろ髪を惹かれつつ撤退する事にした。
赤岳鉱泉まで、昨日と同様にすごい早さで下山すると、この日は土曜と言うこともあって、我が家の周りにテントが何張りも増えていた。
12時半過ぎには全て撤収し終わり、15時のバスに間に合うようにかなり飛ばして下山。
美濃戸口にはバスの出発1分半くらい前ギリギリに到着して、茅野に向かった。
初めての本格的冬山は天候にビビってピークを踏めずに終わってしまったが、マイナス20度近い強烈な寒さで全ての物が凍る感覚やどの程度の寒さや運動量でどれくらい着こめばいいか等、この環境に対応する為のいい経験になったと思う。
下山後、冬山熟練者と仙丈ヶ岳に行く予定になっていたので、買い揃えたギアのフィールドテストも行え、十分目的を果たせた山行となった。
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