八甲田 地獄沼周辺 上級生の雪上訓練
コースタイム
- 山行
- 4:50
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 4:50
天候 | 吹雪 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
・沖揚平ゲート(21:00〜7:30まで夜間閉鎖) |
コース状況/ 危険箇所等 |
腰まで埋まる積雪 |
写真
感想
冬の文登研で得た知識や技術を実地訓練で講習を行うべく、訓練山行を企画した。本番は12/22と12/23だが、本番は1年生が大勢参加するため、前もって上級生に講習を行う必要を感じた。そのために、今回の訓練山行を計画した。前日の内にプローブの組み立て方と、ビーコンの出発前の確認方法をレクチャーした。
【アプローチ】
自動車で酸ヶ湯まで行き、そこから訓練場所(地獄沼上部の斜面)を目指して歩き始めた。道路を外れて山に入ると驚いてしまった。想定以上に体が雪に埋まるのである。積雪が深いことは知っていたが、下部は固まっていると考えていた。実際はスキーでも膝まで埋まるほどの新雪深雪といった感じだった。訓練場所までも時間がかかり、訓練場所の整地にも時間がかかってしまった。この状況を鑑み、来週の訓練場所は阿闇羅山の麓にすると決定した。
【埋没者捜索(個人)】
やっと整地を終えて訓練に移行した。最初は3人1チームに分かれてもらい、1人でビーコンを探す訓練を実施した。フラッグでデブリの末端を指定し、その付近にビーコンを埋めて探してもらい、埋めたビーコンの上にコッヘルの蓋を被せて、プローブで刺した時にヒットが分かるようにした。最初はメンバーは苦戦していったが、回数を重ねていくうちに捜索時間は短くなっていった。
ポイント
・プライマリーサーチ:感度があるところまで早く動く
・セカンダリーサーチ:感度を得たらビーコンをまっすぐ持ち、矢印に従って動く
・ファイナルサーチ:できるだけ雪面にビーコンを近づけ、できるだけゆっくり動かす。最後は十字をきって最小値を割り出し、最小値の部分の周辺をプロービングする。ヒットしたらプローブを刺したままにし、そこをスコップでV字に掘り出す。
【埋没者捜索(パーティー)】
次に、パーティーで連携をとった埋没者捜索を実施した。4人1組で、リーダー、パトロール、捜索者で分かれてもらった。
ポイント
1.リーダーが状況を把握
2.リーダーが役割ぜんと安全地帯を支持
3.全員がビーコンをサーチモードにする
4.パトロールが末端を目指して走る。残留物とデブリ末端をリーダーに報告
5.捜索者がデブリ末端を目指して捜索をする。デブリ末端に到達したパトロールも捜索に加わる。
6.掘り出した要救助者を安全地帯まで運ぶ
※リーダーは安全地帯で上部を監視するとともに、メンバーへの指示と時間の管理を行う。
【ラインプロービング】
埋没者のビーコンが反応しない場合や、ビーコン未装備の埋没者捜索のために実施した。
ポイント
1.一列に並び、プローブを組み立てる
2.リーダーが掛け声をかけ、それに従い動く。リーダーの掛け声をメンバーも復唱する。
→「前へ(1歩)」→「右!(プローブを右足の前に刺す)」→「左!(同)」
【埋没体験】
埋没時にエアポケットを作る体験と、プローブでヒットした感覚を知ってもらうために実施した。
【まとめ】
時間の都合により、スタンディングアックスビレイと弱層テストはできなかった。それでも、上級生に埋没者捜索の流れを体で教え込むことができたのでよかった。こういったことは机上ですべてをモノにすることはできないので実地で反復することが重要だと思う。私が2年生のとき、当時の4年の先輩に「シーズン初めは訓練に徹するべき」と部会で言われたこと思い出す。冬の文登研を経て、ようやくその意味が分かった気がする(偉大な先輩に感謝)。地味ではあるが、冬山登山の基本中の基本である今回の訓練はとても有意義なものとなった。
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