阿部館山
- GPS
- --:--
- 距離
- 12.0km
- 登り
- 561m
- 下り
- 542m
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
2012年4月15日、阿部館山に行ってきました。
阿部館山には夏道がなく、しかも奥深い場所にあるので残雪期の今頃くらいしかアプローチできないといいます。
しかもその残雪を利用しても移動距離が長く、なかなかに体力が要る山ということで
楽しみ半分、不安半分で当日に臨みました。
登山口…というか入山ポイントに車を止めます。
まずは牧野の斜面を登っていきます。
予想以上に雪解けが進んでおり、すでにところどころ地面が顔を見せています。
これはスキー部隊にとっては誤算だったのではないでしょうか。
牧野を登り切ると樹林帯へと入っていきます。
夏は鬱蒼とした森になるのでしょうが、落葉している今は青空をバックにどこまでも明るく開放的です。
このあたりで全員が上着を脱ぎ捨てました。
いやはや、暑くて暑くて…。
ものすごく良い天気で絶好の登山日よりではあるのですが、4月中旬とは思えないほどの気温の上がり方で雪がみるみる腐っていきます。
やがて「夫婦岩」と呼ばれているらしい巨岩が見えてきます。
なぜ「夫婦岩」と呼ばれているのか…誰も知りませんでした(^^;
岩が二つ並んでいたりすると「夫婦岩」と名付けられたりしますがここの岩はそういうわけでもなさそうですし…。
いずれ、このランドマークを確認できれば、正しく目標の尾根筋に登りついたことになります。
雪の中にうさぎの耳を発見しました。
…とは言っても本物のうさぎではなく「オオカメノキ」の冬芽です。
景色はまだ雪景色ですが、春の準備は静かに進んでいるようです。
もともと開放的だった林が、いっそう疎らになり遠望がきくようになると第一のピーク「獅子ケ沢ノ頭」に到着です。
ここのピークは地形図には名前が載っていませんが「獅子ケ沢ノ頭」というらしいです。
実はこのピーク、目指す阿部館山よりも高い場所にあります。
ですので、本日の山行の最高地点と言うことになります。
とはいえ、ここから下るだけ…というわけにいかないところが今回のコースの醍醐味でもあり、大変なところでもあり…。
移動距離としては全体の3分の1も来ていません。
この辺りまで来るとぐっと見晴らしが良くなり、遠くの山々の姿を見ることができるようになります。
まだ木々の枝越しですが、岩手山の姿も見えました。
俄然、阿部館山山頂からの眺望に期待が膨らみます。
獅子ケ沢ノ頭をあとにして先へと進みます。
やまめさんにこれからの行程を示してもらいましたが写真正面のピークは阿部館山ではなく、途中に通過していくところ。
見通しが良く幅広の尾根筋を散歩気分で歩きます。
とても平和で静かな世界。癒されますなぁ。
ところが、先を進んでいたメンバーが「足跡がある!」と叫んで立ち止まりました。
私はなにがおきたのかよくわからず、別の登山者の足跡でもあったのかと思っていました。
しかし、実際にあった足跡とは…
…これは、黒くて大きなアレですか?
しかも、まったく形が崩れていないところを見ると、ついさっき付けられたもののようです。
事態が飲み込めた瞬間、背筋にぞわっと冷たいモノが…。
それは私だけでなく他の人たちも同じ思いだったようで、さっきまでみんな好き勝手に歩きたい場所を歩いていたのに、急に密集形態になり綺麗に一列にそろって歩き出しました(^^;
出発から2時間半、ようやく阿部館山を正面に見る位置までやってきました。
ここで大きく休みます。
振り返ると我々が歩いてきた尾根筋が、獅子ケ沢ノ頭から延々と続いています。
こんなに歩いたんだなぁという感慨が湧いてきましたが、帰りもまたこれを歩いて戻るのか〜と思い至り、密かに意気消沈(笑
休憩後、阿部館山へ向けて最後の登りを攻略にかかります。
とはいえ、この最後の傾斜も「急」が付くようなものではなく山頂に向けてゆるゆるっと高度を稼ぐような感じです。
朝、出発してから3時間以上の時間が経過していますが未だ空は真っ青なまま、雲がかかる兆候すら見せません。
変わりやすい山の天気で、ここまで晴れっぱなしというのも珍しいですね。
これも日頃の(ry
さくさく登っていくと、空が広くなってきました。
ピーク近し!
だいたい、いつも最後尾で山頂にたどり着くのですが今日はえらく調子がよく、超〜めずらしいことに一番乗りを果たしました。
なんだか気分がよいので記念品を埋めておきます。
山頂からの眺めはすばらしいと聞いていましたが、まさに聞きしに勝る絶景!
岩手山がばばん!
振り返れば早池峰山がどどん!
そのほか姫神山などなど、県央の主要な山々をほぼすべて一望の下にすることができます。
これだけ遮るモノのない山頂もなかなか無いような気がします。
すばらしい!
すばらしい景色を独り占めにして楽しんでいると後続組が登ってきました。
全員そろったところで、今度は絶景を分かち合います。
なんだか一粒で二度美味しい感じがします(笑
すばらしい景色を堪能したあとは、お楽しみのランチタイムに突入。
山頂付近の見晴らしのいい場所に移動してお昼を広げます。
みごとなまでの快晴無風で、じっとしていても寒くありません。
とても四月中旬の残雪の山とは思えない陽気です。
ゆっくりと休憩したあと、当たり前ですが下山するときがやってきました。
…ふぅ…、またあの長い道のりを帰るのか〜(笑
ちょっと腰が重くなってしまって、立ち上がるのがおっくうに感じます(笑
スキー組の機動力に対抗するべく、我々ヘロヘロ隊は「ケツソリー」という飛び道具を持参してきたのですが、見事なまでに腐れた雪のためにまったく役に立ちませんでした(^^;
残念。
ケツソリーは役に立たなかったのですが、トラバースに弱いスノーシュー組は腐れ雪に足をとられ、あちこちに滑落痕を刻みながらの帰途となりました。
スキー組は颯爽と滑っていきます…。
帰りもたっぷり3時間歩き、ようやくスタート地点の牧野に戻ってきました。
朝よりもさらに雪が少なくなっているのがはっきりわかります。
一日ですごい量の雪が溶けたようです。
これでは、今期の阿部館山は今週が最初で最後の入山機会ということになりそうです。
あの絶景は来年まで封印されるわけですね。
絶好のタイミングで登ることができました♪
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