青松葉山
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- GPS
- --:--
- 距離
- 7.6km
- 登り
- 387m
- 下り
- 370m
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
2011年4月17日、残雪期限定の山、青松葉山に行ってきました!
この山の存在はだいぶ以前から知っていたのですが、登山適期が県道171号の冬季閉鎖が解除されて10日くらいという極めて限定された期間であるため、今まで登る機会に恵まれず、2年越しくらいでのチャレンジとなったのでした。
国道106号を宮古方面へ向かって進みます。
被災地救援の自衛隊の車両や、資材運搬のトラックなどと頻繁にすれ違います。
なんかこう、これから山に遊びに行くのが申し訳ないような気になってきますが今日は気分転換と割り切って気持ちを切り替えました。
区界を過ぎ、松草で県道171号線に。(直前に170号線があってまぎらわしい…)
くねくねとした山道を登り、岩泉町との境が登山口となります。
登山口には特に看板などがあるわけではありませんが、岩泉町との境界標識が立っているので、これが目印となります。
駐車場などは特にありませんが、路側帯に数台の駐車が可能です。
我々が到着したときには2台ほど先客がいたのですが準備をしている間にも1台、また1台と登山者の車が到着します。
人気の程が伺えます。
準備を整え、いざ出発!!
…したのはいいのですが、ものすごい強風!
そして気温も低い! 寒い! めっちゃ寒い!
下界は天気も良くポカポカ陽気だったので、今日の装備は暑さ対策重視でした。
これは大きな誤算です。出発して5分で装備変更。
あわてて防寒グローブやパーカーなどを装着しました。
最初の登りにかかりますが、ここでも大きな誤算が…。
昨日の雨と、昨夜の冷え込みで雪の表面がガチガチに凍り付いていて完全にアイスバーンになっているではありませんか。
キックステップなんてできるはずもなく、登らないわ転けそうだわ…。
出発して7分で「念のため」持ってきた軽アイゼンを装着するハメになりました。
このところ暖かい日が続き、今日もかなり気温が上がる予報だったので凍結よりはむしろ腐れ雪に対応するべく装備を調えたのですが完全に裏をかかれた格好になってしまいました。
この時期、装備品のチョイスはなかなか難しいですね。
もたもたしている間に、後続の2パーティに抜かれました(^^;
いきなり強風と凍結した斜面に手こずり、先行きが不安になりましたが最初の小ピークを過ぎ、幅広の尾根道に入ると風はぱったりと止み静かで穏やかな世界になりました。
トレースもいっぱい残っており、しかもそれがカチコチに固まっているので当分消えそうになく、これなら迷わないな〜と一安心。もちろん、自分で地図とコンパスはチェックしながら登りますが。
二つ目の小ピークまでは登山口からほぼ真東に進みますが、この小ピークを目印に北へと進路を変更します。
天気が良ければ青松葉山の山容が見えるのでそちらへ向かいます。
たぶん尾根伝いに進むのが最短距離だと思うのですが諸般の事情から本日は尾根を少し左にはずれて歩きます。
西風なので東側斜面では風が遮られ静かな世界が広がっていました。
歩きながらふと右手を見ると、東側の視界が大きく開けていました。
青い空、白い雲。平和そのものの風景ですが、あの山向こうには海が…。
いやいや、考えるのはよそう。
二つ目の小ピークと青松葉山本体の間にある鞍部。
その直前付近から青松葉山の山容が見渡せました。
すそ野をなだらかに広げた、北上山地の山らしい山容です。
青松葉山と手前の小ピークの鞍部で小休止。
青空を眺めながら一息つきます。
…静かだ…。
ほーっと息を吐くと、体から悪いモノが抜けていくような気がします。
鞍部からの登りが、今コースの最大の難所となります。
…とはいっても、全体的になだらかなコースの中で、ここだけが顕著な登り坂で、なおかつ距離もそれなりにあるっていうだけなのですが。
平坦部を歩いているときは、私の方がツートンよりもはるかに速く歩けるのですが、どうにもこうにも急坂になるとあっと言う間に逆転されてしまいます。
ツートンに着いていこうとがんばりますが、心臓が破裂しそう!
やっとの事で急坂ゾーンを登り切ると、素晴らしい景色が眼前に広がりました。
青空をバックに霧氷を付けた木々が立ち並んでいます。
はぁぁぁ〜、癒される〜。
数年前まで「雪山にわざわざ登りに行く人の気が知れない」と思っていましたが、いや〜、こんな景色を見ることができるならハマるの分かりますわ〜。
霧氷の回廊を進みます。
風で枝が揺れるたびに、日の光が乱反射し光の粒が乱舞します。
それはそれは美しい光景…。
たまに落ちてくる氷塊に当たると痛いんですけどね(^^;
ぽっかりと灌木帯が開けると、早池峰山が見事に見えていました。
朝方は雲に覆われていたのですが、ここに来て姿を見せてくれました♪
それにしても春先にしてはクッキリ見えますね。
昨日の強い雨が大気中の塵を落としてくれたのでしょうか。
そして、ついに山頂へ到着!
あれれ? 二時間かからないで山頂についてしまいました…。
ガイドブックのコースタイムは5時間になってたんでもっとかかるかと思ったんですが。
先に着いていたパーティの方にシャッターを押していただきました♪
ありがとうございました!
青松葉山の山頂は針葉樹の林に囲まれていて展望はありません。
その代わり、これでもかというくらい山頂プレートがあります(笑
ざっと確認しただけでも5種類くらいあったでしょうか?
もしかしたら雪の下にもっとあるのかもしれません(^^;
続々と登ってくる後続パーティのために、山頂を明け渡し、少し戻った眺めの良い場所で再び記念写真☆
やっぱり、こんなにキレイに早池峰山が見えているなら記念写真撮るべきでしょ。
今年こそ中岳・鶏頭の縦走をやりたいね〜なんて言いながら心ゆくまで北上山地の美姫の姿を拝みました。
さて、予想よりかなり早く山頂に着いてしまったおかげで全然お腹が減っていません。
もちろんランチの用意はしてきているのですが…。
ちょっと迷ったのですが、腹も減ってないのに昼食というのもアレなので
お楽しみは下山後にとっておくことにして下山の途につきます。
だんだんと気温が上がり、雪が腐り始めました。
スノーシューを履くほどでもない気がしますが、ときどきズボッと行きます。
最初は体重の重い私だけがズボズボ踏み抜きをして、ツートンはそれを笑っていましたが最後にはツートンもズボズボやりだして、二人して転がるようにして下山しました。
なんだか、登りより下りの方が足が重いような気がしました。
それだけ雪の状態で足下の安定度が左右されるってことですね。
登りでカチカチのアイスバーンになって我々を苦しめた坂道も帰る頃にはグザグザの腐れ雪になり、今度は突然踏み抜くトラップが随所にしかけられています。
何度かすっころびながらも無事に下りきり、下山完了!
8時半スタート、12時ジャスト下山!
おう、なかなかいいペースだったんじゃないですか?
青松葉山初登頂! 念願が叶いました。
登る前は夏道もない秘境の山ということで少なからず緊張したのですが天気にめぐまれ、また多数のトレースに助けられて無理なく山頂にたどり着きました。
ただ、視界が悪いときは怖そうだなと思いました。
慎重な地図読みとルートファインディングが必須です。
ピンクテープの類は、あるにはありますがあまりあてにしないほうが良さそうです。
なんにしても2年間チャンスをうかがって、ようやく登頂を果たした感慨は大きいです。その数少ないチャンスが、とても良いお天気の日に巡ってきたこともとても幸運でした。また来年も登りたい山になりました☆
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