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Yamareco

記録ID: 1772066
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無雪期ピークハント/縦走
十和田湖・八甲田

東岳

2005年05月22日(日) [日帰り]
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GPS
--:--
距離
3.9km
登り
466m
下り
466m
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2005年05月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車

感想

 2005年5月22日、今年初めての登山はここ「東岳」にした。ガイドブックによると「標高もそれほど高くなく、ハイキング感覚で登ることができる」とのことなので足慣らしにはちょうど良いだろう、というのがこの山を選んだ理由である。(私はヘタレ登山家なので険しい山には登れないのだ♪)

 登山口までの道のりは周辺道路が整備されたこともあり迷うようなことはないだろうが、主要道路から登山口までは未舗装の細道を2劼△泙蠢らねばならない。普通乗用車でも走れる道であるが、車同士がすれ違えない場所もあるため運転に自信がない人にはお勧めしない。実際、私も途中でバック運転を余儀なくされて難渋している。

 さてこの細道を抜けることができれば、登山者用の駐車場がある。車が走れそうな道はまだ先へと続いているが、この先は私有地やら何やらなので入っていかない方が無難である。
 この駐車場には10台くらいは楽に駐車することができるが花の盛りのシーズンなどは混雑が予想される。水場は無いが、簡易トイレはある。

 12時30分、登山口を出発する。薄暗い木立の中を進む。まだ車道が終わらないうちに「頂上まで2辧廚領て札がある。平地の2劼覆30分もかからないが…ま、一時間強くらいで頂上に着くのを目標としよう。

 少し歩くと視界が開けてちょっとした広場のようなところに出る。ベンチが設置してあったりするのだが、どこまでが公用地でどこからが私有地なのかよくわからないような場所である。鎖が巡らしてある小屋は私有地なのだろうか? 立派な山桜が満開に咲いていたので、しばし足を止める。

 広場のベンチを過ぎると、いよいよ登山道らしくなる。まだ始まったばかりの登山道だが、いきなり結構な急坂で身体が有酸素運動に切り替わってくれるまでの間、少々辛い時間が続く。昨夜の酒が汗となって吹き出してくる。うーむ、五月の登山でこんな大汗をかいていてはいかんな〜。

 ダラダラとした登りが続く。200メートル刻みで立て札があるので、自分がいまどのあたりを進んでいるのか一目瞭然である。残り1.4卉賄世任蓮▲灰鵐リート製の立て札や木が折れたり倒れたりと、なかなか大変なことになっていた。倒木の断面はまだ新しく最近折れて倒れたようだ。「青森は今年の冬は記録的な大雪だったので、そのせいではないか?」というのは、すれ違った地元のハイカーの言葉である。なるほど、青森市内に向かって西側の斜面であるし、雪は多そうだ。

 さらにしばらく進むと、山の中だというのに人工的な石垣があった。そのまわりを見ると鉄パイプやレール、トロッコの車輪などが無造作に放置されている。東岳には昔石灰石の鉱山があり、ケーブルを使って野内駅や野内港に石灰石を積み出していたということで、これはその積み出し基地の跡であるらしい。なんだか得体の知れない機械も錆びるにまかせて放置してあったりして少々不気味である。私は好きなんですけどね、廃墟とか。

 そこからさらに進むとちょうど中間点である残り1.0卉賄世謀達する。ここはちょっとした展望台になっていてベンチも設置してあるので一休みするには良い場所である。体力に自信がない人はここまで登るだけでも、それなりに楽しめるのでは無かろうか。水分を補給して残り半分の行程に備える。

 展望台を出発すると前方に石灰岩の露頭が見える。もとからそういう地形だったのか、はたまた鉱山の掘削の果てにこういう姿になったのかは定かではないが、なかなか迫力のある景色だ。歩いている道も山の中にしてはやけに平坦で、おそらくかつてのトロッコの線路跡と思われる。

 しばらく歩くと「通行止め」の看板が。「土砂崩れのため迂回せよ」ということらしい。なるほど、左側に迂回用の新道ができている。こちらはいかにも最近啓いた道ですよという感じ。

 道を付け替えなくてはならないほどの土砂崩れとはどんなものなのか、ちょっと興味があったので通行止めの看板の先まで少しだけ歩いてみる。危険がないように足下がしっかりしているところまでしか行っていないが、台地状になっていた山の斜面が20〜30メートルにわたってごっそりと消えているのが確認できた。写真では見づらいかもしれないが、トロッコのレールも路盤ごと消失しており、残ったレールもかろうじてぶら下がっている。いきなり足下が崩れたりしたらシャレにならないので、とっとと引き返すことにした。

 迂回路を進むと、今まで登り一辺倒だった道が下りに転じる。沢を渡るためだ。橋などは架かっていないが、水量も少なく難なく渡れる。沢の少し上流には、なにやら古い煉瓦造りの建物がある。沢にある建物なので、鉱山時代の水道施設か何かかと思ったのだが、帰ってきたあとに調べたところ火薬庫だったとの情報を得た。

 沢を渡りきった所で旧道と合流する。この合流点が残り0.8卉賄世砲覆辰討い襦ここから登山道は険しくなる。植生がいつの間にか白樺などの広葉樹に変わっており、高度が上がってきたことが実感出来る。

 残り0.6劼ら先は急坂が続く。200m進む間に高度を200m近くかせがなくてはならないため、道はつづら折りになっていて、見上げるとジグザグに続く道がはるか上方まで見えて少々うんざりする。前を歩いていた初老のハイカーはこの急坂に音を上げて「だめだ、オラはここで戻るじゃ…ハハハ…」と力無い笑いを残して下山していった。目の前でギブアップされてしまったが、急坂ながらも浮き石などもなく道はしっかり整備されているので地道に登れば大丈夫である。

 残り0.2卉賄世泙罵茲襪函∈笋侶梗亞僂緩くなってくる。ここまで来れれば頂上まではもう一息である。歩くのが楽になったので周りを見る余裕がでてくる。季節がちょうど良かったのか、登山道の周りにはたくさんの花が咲いていた。残念ながら植物にはあまり詳しくないのでたいしたコメントは出来ないが、心和む光景である。下山途中におばさん達数人のグループに「お花は見れましたか?」と声をかけられたので、この花を目当てにこの山を訪れる人も多いのだろう。

 花の群生地を抜け、もうひとふんばりすると尾根に出る。尾根といっても木に遮られて視界はあまりよくないが、山の裏側が見えるようになり今までとはひと味違う景色になる。尾根には未だ残雪が残っていた。ちょっとした残雪期の登山を楽しみながら少し歩くと頂上はすぐそこである。

 木が途切れ視界が開けるとそこが頂上である。時間は二時近くになっており、当初の予定より遅いペースであった。ううむ、体力の衰えを感じる…。頂上にはベンチと三角点の標石、電波反射塔などがある。この電波反射塔を設置するために切り開いた場所のようであり、おそらくこれが建設されていなければ頂上からの眺望が得られたかどうかは疑問である。この反射塔のおかげで陸奥湾を臨むすばらしい景色を堪能できるというわけだ。

 余談だがこの電波反射塔、北海道電力が建設したもののようだ。本州で「北海道電力」の名前を見ることになるとは思わなんだ。青森が北海道の隣県である、という当たり前だがなんとなく忘れがちな事実を改めて認識させられた。

 私の後ろから来た中年のハイカーと「いい景色ですね〜」とか「帰ったあとのビールがまた美味いのなんの…」とか「山はやめられませんな〜」などと一通り雑談したあと下山を開始する。復路は往路と同じ道を辿る。急坂の所と、小さな石灰岩が浮き石になっているところにさえ気を付ければ、とくに問題なく下山出来るはずである。

…はずであったが、途中残雪により尾根から下る道を見落として、まっすぐ進んでしまった。
どうも山菜採りなどに入っている人も多いらしく、そこここに足跡があるのも紛らわしい。
「こんなに残雪区間が長いはずはない」と思い至りすぐに引き返したので何事もなかったが
おおこわ。油断大敵。

 東岳は青森市内からも近く標高もあまり高くない山であるが、鉱山の遺物あり、お花畑ありと予想外に登って楽しい山であった。
 また個人的な思い出であるが、幼い頃、親戚や従兄弟達とともに登った山であり(まだ幼稚園くらいだった私は途中でリタイアしていて頂上は見ていない)おぼろげながら当時の思い出が蘇り懐かしかった。またいつか、何年か後に再訪したいと思う。

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