晴天を期待して新緑の高島トレイルへ☆武奈ヶ嶽〜三重嶽周回
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- GPS
- 08:10
- 距離
- 19.6km
- 登り
- 1,453m
- 下り
- 1,447m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
全般的に踏み跡は明瞭、テープも頻繁にあり 赤岩山を経て武奈ヶ嶽へ登るルートは倒木多数 三重嶽から南東に入る尾根は分岐に注意、直進して河内谷に下りルートに入る可能性あり(感想参照) |
写真
感想
この日はYamaneko0922さんにお誘いいただいての山行です。
当初は峰床山、八丁平方面ということでしたが、天気予報でこの日は京都近辺より北の若狭方面の方が天気が良いということで、いくつか候補をあげていただきました。いずれも私は初めてでありどこでも楽しみでしたのでお任せでした。朝が遅めの私の時間に合わせて駅まで迎えにきていただき、時間や天候、アクセスなどから今回の山域へ行くことに。
yamaneko0922さんは前回は別の季節に来られたということです。
登山口からしばらく登り、時折見晴らしのきく尾根を歩くと、まさに天気予報通り、琵琶湖方面側は曇っていたものの、稜線上の登山道と若狭方面の空はおおむね晴れており景色を眺めながら歩けました。yamaneko0922さんが予報と空模様を見て的確に登山地を決められたお陰でした。
風が強めでしたがお陰で涼しく気持ちの良い山歩きでした。私のくせで、気になる草や木があると止まってしまうお陰でペースが遅くなったのではないかと思いますが..。
先日の台高の山行でばったりと偶然に邂逅したmichikusaさんと「久しぶりに一緒に八丁平でも訪れましょうか」と、この日に八丁平への山行を約束していた。天気予報では関西一円は天気が曇天ではあり、南の方では天気も悪いようだが、日本海側は晴れの予報であり、北に行けば行くほど天気が良さそうだ。ということで江若国境か若丹国境の山はどうでしょうか提案させて頂くことにする。青葉山、若狭駒ヶ岳、大御影山、武奈ヶ嶽~三重嶽、その他にもいくつかの山が候補に考えられたが、結局、登山口へのアプローチの近さで武奈ヶ嶽を選ぶことにした。
R367を北上すると道路脇の電光標示板の温度は常に20℃以下を示している。昨日と同様、気温があまり上がらないようだ。
R303へと入り、石田川ダムに向かう途中、一瞬、三十三間山の青々とした稜線が視界に入る。天増川林道を北上することを考え、天増川の集落に向かうが、残念ながら林道の入り口でチェーンがかけらており、林道に入れない。諦めて、石田ダムに向かうことにする。
石田ダムからは角川林道を奥へと入り、武奈ヶ嶽の登山口があるワサ谷橋を越えたあたりで、林道脇の広地に駐車する。武奈ヶ嶽に登るにはこのワサ谷橋から北尾根を経由するルートと少し手前の尾根から赤岩山を経由するルートがあるのだが、後者を選択する。植林地の急登を登ると、早速にも尾根上には多くの倒木がみられる。倒木がしばし本来の登山道を塞いでいるが、倒木を迂回する踏み跡がついている。
尾根上はしばしば樹林の切れ目から展望が大きく開ける。三重嶽のあたりは雲ひとつない青空が広がっているが、わずかに南の比良や函館山のあたりは重苦しく雲がかかっている。丁度この高島トレイルを境にして雲の切れ目になっているよだ。
尾根を登ると、かなり強い風が吹いており、風鳴りの音が大きい。風のせいでカメラを構える手が安定しないほどだ。急登で汗ばむどころか肌寒く感じられる。
赤岩山の山頂が近づくにつれ、登りは緩やかになり、再び植林地の中へと入ってゆく。山頂は植林の樹林に囲まれた地味な場所だ。植林地はこの山頂までで、鞍部を越えると自然林の林となる。登り返して高島トレイルと合流すると南側に好展望が広がる。標識も何もないが、このあたりが赤岩山西峰らしい。
武奈ヶ嶽へは緩やかに尾根を登ってゆく。尾根上には白い花を咲かせた様々な樹々が見られる。マルバアオダモ、アズキナシ、ガマズミ、ウワミズサクラなどなど・・・ヤマボウシ、エゴノキといったこれから花を咲かせる樹も含めて、michikusaさんが花の咲く樹を片っ端から同定して下さる。
山頂の手前からは西にコースを辿り、草原の好展望地の鹿が原へと向かう。低木の樹林を抜けると、忽然と草原が広がり、目の前に比良から百里ヶ岳を中心とする若丹国境の山々、小浜方面の眺望が広がる。足元の草原をかきわけ、尾根をわずかに右手に登ると、今度は三十三間山が、その山頂へと至るなだらかな草原の南稜と共に大きく展開する。
しばしこの草原の壮大な光景を堪能した後、山頂に戻る。しかし相変わらずかなりの強風である。ランチを調理するのに山頂手前の樹林の中に避難し、大きな山毛欅の木陰でガスストーブに火をつけるが、強風のせいで火力が十分に伝わらない。それでもベーコンとえのき茸を炒めたところに炒飯を投入して、なんとかそれらしい料理になった。
丁度、我々が料理をしている最中に山頂の方から声が聞こえ、四人組のパーティーがやってきた。マキノ高原から入って前夜は抜土でテン泊され、今日はこれから車をデポしてある水坂峠に向かわれるご予定らしい。
湯を沸かしてスープを作るつもりであったがこの強風では時間がかかりそうなので諦める。かわりにmichikusaさんがご用意して下さった緑茶をありがたく頂戴し、温かい水分を摂取することが出来た。山頂を辞し、北に向かうとこちらでも好展望が広がり、先程の鹿ヶ原の草原からは死角となっていた北東の方角の眺望を堪能することが出来る。
北尾根を辿ると武奈ヶ嶽の山名の通り、樹高の高い山毛欅の林が現われる。尾根の樹林の合間からは随所で三重嶽の大きな山容が目に入る。
標高点674mの地点は広いザレ地となっており、一気に展望が広がった。ここから下って鞍部を過ぎると、三重嶽への長い登りが始まる。尾根が広くなり、高島トレイルの地図には池があると記載されているが、残念ながら池らしいものは見当たらない。
ひとしきり登ると水谷分れのピークである。分岐には水谷まで1.8kmと記されているので、水谷とはここから天増川の谷に下った地点のことを云うのだろう。
ピークから東に向かうと低い樹林となる。尾根が広がり、二重尾根となるとカエルの鳴き声が聞こえ、尾根の間に池が出現した。「楓の樹が多いから秋の紅葉が綺麗でしょう」とmichikusaさんが仰る。確かに、秋にも訪れてみたいところだ。
尾根を先に進むと、広い尾根の右手から再びカエルの声が聞こえる。カエルがいるということは池があるのでしょう」とmichikusaさんが仰るので、声の聞こえる方を注意深く見てみると、樹間に小さな池が現われる。
池から先は風衝草原の中に樹々が疎らに生えている。相変わらず風が強いが、季節によっては風がなければ照りつける陽光が暑く感じられて仕方がないところだろう。風衝草原を過ぎると再び山毛欅の林となった。
山頂の手前で高島トレイルとの分岐に至ると、左に進むと大日尾根を経て大御影山に至るルートである。トレイルが進む北の方角を見ると風衝草原を有するピークca970m峰が目に入る。ピークまでは10分弱、往復20分というところか。Michikusaさんが行きましょうかとお誘い頂くので、寄り道することにする。トレイルを北に辿るとすぐに西側の展望が開ける。草原の小さな登り返しを登り切ると、途端に大御影山の彼方に、庄部谷山、芦谷山の間に野坂岳、その左手には雲谷山と壮大な光景が広がるのだった。
再びトレイルを戻り三重嶽の山頂に至るが、灌木に囲まれた山頂は展望はきかない。三重嶽からは高島トレイルを戻り、南に伸びる尾根を下ると早いのだが、前回登りに使った落合からの長くなだらかな尾根が快適であり、山毛欅の樹林も綺麗だった憶えがあるので、この尾根を下ることにする。山頂から少し東に下ると、ここでも風衝草原となり、東に大きく展望が開ける。前回は10m先も見えないような濃霧の中だったので、こんなところには気が付かなかったと思いながら、尾根を下るのだが、その印象は正しかった。前回はここは通らなかったのである。
まもなく見事な山毛欅の林の中を下るようになる。しかし、歩きやすい山毛欅の林が終わるとすぐにも植林の急下降がはじまる。そんな筈はない。尾根は延々と山毛欅の林が続くはずであり、植林は尾根をかなり下ったところの筈である。樹間からは正面に大御影山の山容が見える。ここでGPSを取り出すと三重嶽から東の河内谷へ下るルートを辿っていたのだった。このルートに入る可能性を危惧すべきところだったが、完全に油断していたようだ。目指す尾根に入るには山頂近くまで戻らねばならない。おそらく20分程度の登りだろうか。しかし、このまま下ると延々と長い林道歩きをする羽目になる。
南東へ下るもう一つの尾根があるので、尾根を少し戻ると、確かに尾根上には細い踏み跡がある。しかし、道はかなり藪化しているようで、このルートを辿るのも容易ではなさそうである。再び三重嶽に登ることにする。高島トレイルの地図でもわざわざブナと記入されているように、尾根に山毛欅の美林が続いているのがせめてもの救いである。下山後、この河内谷の南東へ下る尾根を最近、辿られた方のレコが最近、上がっていることに気がつくが、どうやらかなりの難路のようである。
先程の展望地を過ぎて、今度は南東の尾根との分岐を慎重に探す。標示も何もなく、何ともわかりにくい分岐であった。尾根を下り始めるとやはり、すぐにも山毛欅の林となる。こちらの尾根にも地図ではブナと記入されている通り、やはり見事な山毛欅の樹林が続く。まもなく尾根上には掘割式の古道が現われる。場所によっては驚くほど深く掘り込まれてこり、道の両側からのびるコアジサイでトンネルのようになっている。倒木などで通過が困難な箇所もあるが、頻繁につけられた赤テープが迂回路に誘導してくれる。
ふと気がつくと右手の樹林の合間から垣間見る武奈ヶ嶽がかなり高くなっている。尾根のアップダウンがほとんどないようでありながら、いつの間に高度が下がっていたのだろう。杉の植林地が始まると尾根が広くなり、二重山稜の間を下る。このあたりは昨年の初夏に辿った時も広々とした尾根が印象的であった。昨年の台風で杉の植林地がどうなっているか心配であったが、最初に登った赤谷山の尾根とは対照的に通行の妨げとなるような倒木はこの尾根では見当たらない。最後は植林地の中をジグザグと下って登山口に降り立った。
明るい林道に出ると、空はすっかりと晴れている。谷間に下ったせいか風はかなり弱まったものの、それでも谷間を吹き渡る風の勢いはそれなりに強い。林道の路傍の満開のタニウツギ、フジの花々に癒やされながら黙々と林道を辿る。すぐにも二台の単車とすれ違う。以前は工事中であり、夕方になると林道の途中が土嚢で封鎖されていたのだが、今は林道は封鎖されていないようだ。結局、前回と同じく、45分ほどかかって駐車地に戻る。
ルート間違いでご迷惑をおかけしたが、お陰様で楽しい山行であった。Michikusaさんと一緒でなければ、三重嶽の北側のピークを訪ねることをしなかったであろうし、尾根上に咲くいろいろな花の名前を気にすることもなかったかもしれない。厳冬の八丁平での出遭いに感謝である。
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