小雲取越〜大雲取越 バスでいく熊野古道パート2 〔グレード○○〕
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- GPS
- 13:10
- 距離
- 23.8km
- 登り
- 1,526m
- 下り
- 1,498m
コースタイム
最高点の標高: 860m
最低点の標高: 55m
累積標高(上り): 1816m
累積標高(下り): 1462m
【1日目 5/3(木)】
三宮市役所前(9:58)==(バス)京橋IC(阪神・阪神湾岸・阪和経由)⇒⇒川湯温泉(15:30)民宿すみや(チェックイン16:00)
【2日目 5/4(金)】
すみや(7:40)-請川(8:20)-(小雲取越8:40)-松畑茶屋跡(10:05)-万才峠の分岐(10:45)-百間ぐら(10:55)-林道交差点(11:30)-石堂茶屋跡(12:00)昼食(12:25)-桜茶屋跡(13:30)-小和瀬渡し場跡(14:35)-小口自然の家(15:10)
【3日目 5/5(土)】
小口自然の家(6:00)-(大雲取越6:04)-円座石(6:30)-胴切坂(8:00)-越前峠(8:40)-地蔵茶屋跡(9:45)-舟見峠・昼食(11:45)-那智大社(13:20)-温泉・はま湯(15:00)-三宮(21:40)
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
|
写真
感想
【5/3(木)】三宮市役所前9:58)⇒(バス)京橋IC(阪神・阪神湾岸・阪和経由)⇒15:30川湯温泉⇒16:00民宿すみやチェックイン
心配された天気も、三宮を出て高速を進むうちに台風一過のような青空に変わった。高速から下りると時々片側走行になる。山の中腹からの大崩壊、倒木多数。昨年秋の台風12号の爪跡を垣間見た。自然は豊かな生活を私たちに与えてくれるが、ときとして牙も剥く。今も復旧工事は続いているようだ。
本日お世話になる「民宿すみや」に到着。さっそく名前の由来となった川の湯(河原に掘られた天然露天風呂)で殿方三人衆が入浴した模様。
夕ご飯は懇親会。運ばれてくる料理の美味しいこと。(YA)
【5/4(金)】民宿すみや7:40→8:20請川→8:40小雲取越→10:05松畑茶屋跡→10:45万才峠の分岐→10:55百間ぐら→11:30林道交差点→12:00石堂茶屋跡(昼食)12:25→13:30桜茶屋跡→14:35小和瀬渡し場跡→15:10小口自然の家
昨日はエメラルドグリーンだった大塔川も、今日は『我々の気持ちと一緒、無色透明』(字余り)川沿いの舗装された道を歩く。この川が熊野川に合流する地点が本日の小雲取越コースの始まり。民家の間を縫っていつの間にか登山道。落葉がフカフカして歩きやすい。今日はハイキング気分。
ギンリョウソウ、カンアオイ、マムシソウ等、熊野の植物を愛でながら、抹茶のようにきれいな緑の苔むした石垣にも感動しながら歩く。
ぐるっと山腹を巻くように緩やかな坂を抜けると急に景色が開けた。「百間ぐら」で大パノラマを楽しむ。伸ばした手の先にある新緑は黄色がかった黄緑色、近くの山が深い緑色、そのまた向こう、遙か彼方の山々は群青色。くっきりしたカラーグラデーション。目に優しい。ああ、そうか、自然本来の色だから。「熊野富士?」もしっかり見て、視力検査バッチリ。
石堂茶屋跡でしばしお昼休憩、ここでCLがマムシをハッケーン!それをYさんが・・・・(以下省略)、南無阿弥陀仏・・チーン!
桜茶屋跡からは緩やかに下っていく。静寂の中、鶯のさえずりのみを聞きながら、いにしえ人に思いを馳せて歩いた。聖地として巡礼者が絶えなかったという。なんだかスピリチュアルな山行だ。こんなことを考えながら小和瀬に着いた。(YA)
【5/5(土)】小口6:00→円座石→越前越→地蔵茶屋跡→舟見峠→13:30那智大社⇒14:15那智蓬莱の湯15:00⇒21:45三宮
4:30起床、5:00朝食、5:30ストレッチとミーティング、5:50小口自然の家(旧東牟婁郡小口中学校校舎の改造)を出立、6:00大雲取越登り口、上り坂を2時間半から3時間と事前に知らされていたが急登だった。6:25道標28で衣服調整、6:40円座石{ワロウダイシ}、中根のはたご跡を通過、6:50道標27、7:00道標26、道標25を経てさらに楠の久保旅籠跡を通過する。道の両側に雑草はなく、苔むした大石小石、ただただスギ林の中を行く。斎藤茂吉と同行した土屋文明の【せせらぎの詩】が心を休めてくれる。
さらに急登、8:00道標22で休憩、道標21、道標20を通過する。8:30今日の大部分の登りは一段落の891m越前峠。出発点の小口が65mだから一挙に800mを登ってきたことになり、この坂を称して胴切坂と云う。既に登りかけて2時間半だが、道標は未だ20を残している、しかも到着時間は13:00。休憩もデジタルにならざるを得ない。
途中、歌詞
「瑠璃鳴くや雲取山のいきいきと」
が気持ちを休めてくれる。道標20、道標19、道標18、9:25石倉峠に降り、9:40地蔵茶屋跡でトイレ休憩、外気は24度位暑くなってくる中、本道が未整備のためアスファルト林道を道標16、道標15、道標14と通過して古道に戻る。
登り下りをくり返し、色川辻からまた急登雲母を含んだ石英の砂粒が11時の陽に照り輝き、ダイヤモンドを散りばめた様な上り坂であつた。道標11、道標10、道標9を通過すると舟見峠(ここは883m)、新宮沖の黒潮を見ながら11:15舟見茶屋跡で昼食、朝が早かったため皆ガブつくも、めはりを含めた5ケのおにぎりの全消化は困難、11:45出発、1時到着を目指して長い下り坂、未だ8標識が残されているが皆健脚ぞろい、12:45には登り口着。
青岸渡寺(セイガントジ)いわゆる熊野那智大社本堂前にはピッタリの13:30着。朱印を頂く人、アイスクリームを所望する人あり、寺内駐車場前では熊野山詣の時代衣装の美人にも出会う。悠然たるお滝と観音霊場西国第一番札所、那智山青岸渡寺は熊野三山の一社でもある。以下は斎藤茂吉の句
「紀伊の国、大雲の峰越えは、一足毎にわが汗は落つ」
那智蓬莱の湯は弱アルカリでなめらかなり疲れも飛ぶ。3時に出発するが連休の最後の日、紀伊由良で既に22Kmの渋滞、神戸には9:45着。民宿すみやを拠点にした中辺路、小辺路、伊勢路、を例会に定着させたいとの声多し。(MA)
2010年05月14日(金) 〜 2010年05月16日(日)世界遺産 熊野古道を歩く 中辺路ルート はこちら
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-65629.html
2010年5月に続く第二弾、世界遺産・熊野古道、中辺路(なかへち)の旅 完結編である。
今回はなんと!熊野古道の中でも最大の難所といわれる雲取越(くもとりごえ)コース。合わせて約28.8辧∈嚢眦世任鷲弦870mにもなる行程に19人の強者が集まった。通常のコースを、今回は逆に北(小雲取越)から南(大雲取越)へ縦走した。
熊野詣の盛んな中世の時代においても、道中で命を落とす人が少なくなかったと聴く。そこここに小さなお地蔵さんが祀られているのは、道中行き倒れた人々を弔うためと知った。苔むした様相が時間の経過を物語るが、ともするとかつての時代にタイムスリップしてしまう錯覚を覚える、不思議な空間であった。
怪我もなく、天気にも恵まれ、大変有意義な旅となった。
みなさん、お疲れ様でした! (K.Y)
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