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Yamareco

記録ID: 1897852
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
関東

深山の岩壁に彼の花を探して

2019年06月17日(月) [日帰り]
 - 拍手
GPS
--:--
距離
14.0km
登り
1,219m
下り
1,221m

コースタイム

日帰り
山行
8:25
休憩
1:55
合計
10:20
6:15
3
銀山平(P)
6:18
6:18
17
第1ゲート
6:35
6:35
40
第2ゲート
7:15
7:30
65
8:35
8:45
30
9:15
9:15
95
最初の梯子
10:50
11:10
35
11:45
11:50
5
11:55
12:20
45
13:05
13:15
70
14:25
14:25
5
庚申山荘
14:30
14:40
40
15:20
15:40
55
16:35
銀山平(P)
コースタイムには休息と写真撮影時間を含んでいます。
天候 曇り後晴れ
過去天気図(気象庁) 2019年06月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
(北関東道) 太田神戸SA(ETC)→R122→足尾銀山平
(駐車場等) 2ケ所15〜20台、登山ポスト有り
コース状況/
危険箇所等
(アプローチ) 登山口(公式)まで林道4キロ(内半分は舗装)、
      更に本格的な登山路迄参拝道(旧跡)を 2.1キロの歩行。
      (計 往復 12.2キロ)
(登山路)   濡れ場・梯子・鎖場・ザレ場のへつり等緊張箇所多数。
      一部崩壊や進路不明箇所(下り要注意)有り。
(栃木県山のグレーディング) 
      体力度「4」 (厳しさ 県内4番目)
      難易度「C」(厳しさ 県内3番目)
       ( 「お山巡りコース」の評価は不明 )
その他周辺情報 駐車場下に国民宿舎有り。(入浴、宿泊可)
(入山)
駐車場から舗装された庚申林道に向かう。車両通行止の第1ゲートを潜る。
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(入山)
駐車場から舗装された庚申林道に向かう。車両通行止の第1ゲートを潜る。
(渓谷)
林道は渓谷を流れる庚申川左岸を進む。
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(渓谷)
林道は渓谷を流れる庚申川左岸を進む。
(落石)
林道山側からの落石が散乱。極力左手の谷側を歩く。(画像は振返り)
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(落石)
林道山側からの落石が散乱。極力左手の谷側を歩く。(画像は振返り)
(第2ゲート)
ここから砂利道に変わる。
1
(第2ゲート)
ここから砂利道に変わる。
(名勝1)
露岩のデブリが現れる。
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(名勝1)
露岩のデブリが現れる。
(不思議)
地中から噴出した様な岩石は何とも不思議。
2
(不思議)
地中から噴出した様な岩石は何とも不思議。
(登山口)
4キロを歩いて林道終点に到着。赤い鳥居が建ちここが公式の登山口。
2
(登山口)
4キロを歩いて林道終点に到着。赤い鳥居が建ちここが公式の登山口。
(登拝古道)
鳥居を潜って神域に進入。かって庚申講中登拝者が歩いた古道を進む。道程の標識。
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(登拝古道)
鳥居を潜って神域に進入。かって庚申講中登拝者が歩いた古道を進む。道程の標識。
(道程)
百丁目の石程。現代換算距離なら約10.9キロ。基点の「磐裂(いわさく)神社」からこの距離?
2
(道程)
百丁目の石程。現代換算距離なら約10.9キロ。基点の「磐裂(いわさく)神社」からこの距離?
(名勝2)
古道には「蛙岩」や「鏡岩」、「仁王門」等多数の奇岩怪石が出現する。
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(名勝2)
古道には「蛙岩」や「鏡岩」、「仁王門」等多数の奇岩怪石が出現する。
(夫婦蛙)
・・に見えなくもない。
3
(夫婦蛙)
・・に見えなくもない。
(最初花)
最初に出迎えてくれたのはミヤマクワガタソウ。(帰路再撮)
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(最初花)
最初に出迎えてくれたのはミヤマクワガタソウ。(帰路再撮)
(躑躅1)
ほぼ終盤。
2
(躑躅1)
ほぼ終盤。
(古道終点)
鳥居から2.1キロ登って古道終点。庚申山荘(左手)と「お山巡り」コース(右手)の分岐点だ。
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(古道終点)
鳥居から2.1キロ登って古道終点。庚申山荘(左手)と「お山巡り」コース(右手)の分岐点だ。
(旧跡)
かって庚申講の結すばれた「猿田彦神社」の跡地。(昭和21年焼失)
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(旧跡)
かって庚申講の結すばれた「猿田彦神社」の跡地。(昭和21年焼失)
(宇大山荘)
お山巡りコーに入って直に宇都宮大学ワンゲル部の嶺峯山荘が現れる。
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(宇大山荘)
お山巡りコーに入って直に宇都宮大学ワンゲル部の嶺峯山荘が現れる。
(ミヤマカラマツ)
葉形で同定。
6
(ミヤマカラマツ)
葉形で同定。
(急登)
山荘裏から九十九折で急登を登る。
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(急登)
山荘裏から九十九折で急登を登る。
(最初の階段)
当山に特徴的な“肋骨階段”。濡れている場合横滑りに要注意。
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(最初の階段)
当山に特徴的な“肋骨階段”。濡れている場合横滑りに要注意。
(躑躅2)
ヤシオツツジはほぼ終了。僅かに残った1本。
2
(躑躅2)
ヤシオツツジはほぼ終了。僅かに残った1本。
(巨岩)
1,670M付近で巨岩の下に入る。
2
(巨岩)
1,670M付近で巨岩の下に入る。
(コウシンコザクラ1)
当域固有の小振りなコザクラが登場。
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(コウシンコザクラ1)
当域固有の小振りなコザクラが登場。
(コウシンコザクラ2)
今が旬とばかりに群生。
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(コウシンコザクラ2)
今が旬とばかりに群生。
(コウシンソウ1)
コウシンコザクラと共生するコウシンソウ。岩壁を隈無く探し遂に花を発見。しかし余りに上部にあり、安カメラでは綺麗に捉えられない。
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(コウシンソウ1)
コウシンコザクラと共生するコウシンソウ。岩壁を隈無く探し遂に花を発見。しかし余りに上部にあり、安カメラでは綺麗に捉えられない。
(移動)
曇天は良かったが風振れが強く写真はどれもボケ。諦めて眼下の橋に降りて新たな場所を探す。
2
(移動)
曇天は良かったが風振れが強く写真はどれもボケ。諦めて眼下の橋に降りて新たな場所を探す。
(細尾根)
ザレ気味の細尾根を慎重に進む。
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(細尾根)
ザレ気味の細尾根を慎重に進む。
(岩頭)
須弥壇風の岩頭があちこちに現れる。
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(岩頭)
須弥壇風の岩頭があちこちに現れる。
(ヒメウツギ)
純白の小振りな花が可愛い。
2
(ヒメウツギ)
純白の小振りな花が可愛い。
(ウコンウツギ)
花冠が傷み最後の姿。
2
(ウコンウツギ)
花冠が傷み最後の姿。
(眼鏡岩)
トリプルメガネ?(笑)
2
(眼鏡岩)
トリプルメガネ?(笑)
(イワキンバイ)
厳しい岩上に逞しく咲く。
2
(イワキンバイ)
厳しい岩上に逞しく咲く。
(スダヤクシュ)
ピンボケの図(泣)
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(スダヤクシュ)
ピンボケの図(泣)
(ミヤマハンショウズル)
久々の再会。
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(ミヤマハンショウズル)
久々の再会。
(胎内分岐1)
お山巡りの岩壁を凝視しながら路傍の花に癒されつつ1時間半。疲れた頃に胎内分岐に到着。
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(胎内分岐1)
お山巡りの岩壁を凝視しながら路傍の花に癒されつつ1時間半。疲れた頃に胎内分岐に到着。
(コウシンソウ2)
胎内分岐で長めの休息後再度周辺を動き回ってコウシンソウを探索。そして遂に再会!
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(コウシンソウ2)
胎内分岐で長めの休息後再度周辺を動き回ってコウシンソウを探索。そして遂に再会!
(コウシンソウ3)
待望の花。素晴らしい。
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(コウシンソウ3)
待望の花。素晴らしい。
(コウシンソウ4)
ムシトリスミレの仲間。葉に虫が見える。
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(コウシンソウ4)
ムシトリスミレの仲間。葉に虫が見える。
(コウシンソウ5)
花冠にも虫。
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(コウシンソウ5)
花冠にも虫。
(山頂)
折角なので山頂へ。庚申山1,892M。先着の男性2名が居たが、花には関心が無さそう。
3
(山頂)
折角なので山頂へ。庚申山1,892M。先着の男性2名が居たが、花には関心が無さそう。
(展望地1)
山頂西側の展望地へ移動。山域の盟主皇海山(すかいさん、2,143.6M)が大きい。
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(展望地1)
山頂西側の展望地へ移動。山域の盟主皇海山(すかいさん、2,143.6M)が大きい。
(展望地2)
北方には日光連山、右端は男体山。
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(展望地2)
北方には日光連山、右端は男体山。
(胎内分岐2)
分岐まで戻った。帰路は分岐を右折し庚申山荘を目指す。
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(胎内分岐2)
分岐まで戻った。帰路は分岐を右折し庚申山荘を目指す。
(ミヤマタネツケバナ)
十字架状の4枚花弁が特徴的。
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(ミヤマタネツケバナ)
十字架状の4枚花弁が特徴的。
(垂壁)
断崖絶壁の下を降りる。
2
(垂壁)
断崖絶壁の下を降りる。
(湿潤の壁)
水が滴り落ちる岩壁にはびっしりとコウシンコザクラが張り付く。
2
(湿潤の壁)
水が滴り落ちる岩壁にはびっしりとコウシンコザクラが張り付く。
(コウシンコザクラ3)
お別れにもう1枚。
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(コウシンコザクラ3)
お別れにもう1枚。
(緩斜)
樹林帯が明るく変わって漸く緊張も緩む。
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(緩斜)
樹林帯が明るく変わって漸く緊張も緩む。
(クリンソウ)
山荘手前の湿地に群生。
4
(クリンソウ)
山荘手前の湿地に群生。
(庚申山荘)
ここまで下ったら天気回復。(笑)山荘背後の岩壁が険しい。上空には時折2日前の遭難者捜索ヘリが通過する。
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(庚申山荘)
ここまで下ったら天気回復。(笑)山荘背後の岩壁が険しい。上空には時折2日前の遭難者捜索ヘリが通過する。
(下山)
長い林道を歩いて無事車へ帰還。念願の秘花に出会えて大満足。有難う庚申山。(画像終了)
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(下山)
長い林道を歩いて無事車へ帰還。念願の秘花に出会えて大満足。有難う庚申山。(画像終了)

装備

個人装備
地形図(2.5万図) GPS ヘッドランプ 非常食

感想

(「彼の花」とは絶滅危惧種に指定されている国の天然記念物「コウシンソウ」です。)

東日本最高峰「日光白根山」(2,577.6M)から南方に延びる栃木・群馬県境稜線の東部には古くから山岳信仰の修験場ともなった深い渓谷と険しい断崖を持ち、今なお原始性を残す標高2,000M前後の山々が連なる。

今回国内この山域のみでこの時期にしか見ることの出来ない稀少な花「コウシンソウ」に出会うため足尾山地の「庚申山」(1,892M)に入った。庚申山はその名の通り「庚申信仰」の山で、断崖絶壁直下の山麓にはかって信仰の神を祀る猿田彦神社(昭和21年焼失)があった場所である。(ヤマレコメンバーの皆様が登山口へ向かう際等に現在でも道端で見掛ける「庚申塔」と表記された石碑は大昔その集落や地域で「庚申講」が開かれていたことを表しています。)

「コウシンソウ」は国内でも足尾・日光山域だけに自生するムシトリスミレ属の稀少種で、毎年6月頃湿潤な岩壁で2〜4センチ丈の細い花茎の先に0.7〜1センチ程の小さな1輪の唇弁花をつける食虫植物であるが、明治期に発見され近年盗掘✼等により絶滅が危惧されています。(✼それ故 人の手が届く岩壁の高さには滅多に残っていません。)その意味では自生地迄往復15キロ超に及ぶ長いアプローチが保全に奏功しているのかも知れません。

一方この山のコース難易度はグレーディングでも明らかな様に県内でも難しい方に位置しており、特にアスレチックなお山巡りコースは平易な評価もみられますが、個人的には重大事故に繋がりやすいやや危険なコースと思われた。

いにしえの拝道で往時に思いを馳せ、花に溢れる登山路を巡って待望の花に出会えた幸せいっぱいの一日だった。山はこれだから止められない。

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コメント

いつか
tonkaraさん おはようございます。
庚申山、いつか行ってみたいんですが、なかなか実現できません。行くならやっぱりコウシンソウに合わせて行きたいし、それがなかなか難しいんです。
行くとしても、コウシンソウに関係なく行くことになるでしょうね。多分。
ではまた。
2019/6/22 7:31
Re: いつか
myokohiutiさん、こんにちは

ご無沙汰しております。
コウシンソウは年により開花時期が前後するようです。(今年は1週間強遅い) 

アクセス✼はあまり良くありませんが、折角なら開花時期に合うといいですね。史跡もあり是非お訪ね下さい。(✼北関東道の太田神戸SAが最寄りで乗降可。施設も綺麗で充実しています。)
2019/6/22 16:07
何てタイムリー ワクワク💓
tonkara 様 即お気に登録頂きました。

素晴らしいです。中倉山下山後にお宿で、庚申山の情報を聞きコウシンソウに会いに行きたい💓更新山荘をお宿にして何とかならんかなぁ?でもお鉢巡りの様子がわからない、お宿情報では、毎年ヘリ搬送ありとか。来年の課題です。(義母の状態次第でいつになるかはわかりませんが、、、いつかきっとのあすなろ精神 は持ち続けます。)

足尾の魅力にズキュン💘です。
忘れた頃に個人メールでアドバイス頂く事あるかもです。
ペコリ m(_ _)m
2019/6/29 8:46
Re: 何てタイムリー ワクワク💓
obanyanさん、こんばんは  

拙レコご覧戴き有り難うございます。レス遅くなって失礼致しました。

コウシンソウは生息場所の発見と開花時期のタイミングが鍵で、更に日差しや風等撮影環境も現場次第なのですが、今回は幸運に恵まれ神に感謝でした。

介護は頑張っておられますね。
ご姉妹での月一登山は介護のエネルギーと思いますので是非お続け下さい。
2019/6/29 21:38
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

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利用交通機関: 車・バイク
技術レベル
3/5
体力レベル
3/5

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