試練と憧れの剱岳(富山百山 14座目)
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- GPS
- --:--
- 距離
- 15.2km
- 登り
- 2,342m
- 下り
- 2,342m
コースタイム
過去天気図(気象庁) | 2013年09月の天気図 |
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アクセス |
写真
感想
自分が思うに山歩きの最適期は9月、10月の秋晴れ日である。
頼みの綱だった今回の連休、連休前日を仕事休みにして五色ヶ原から薬師岳縦走を考えていたが、日曜日の天気予報が芳しくない。
天気予報をにらみながらうだうだ考えていたが薬師岳縦走は結局断念した(いろいろ買い込んだ行動食、どうしよう?)。
土曜日の天気はよさそうなので、年初に立てた目標の一つである剱岳早月尾根日帰りを実行することにした。
今回の予行演習として白馬三山日帰り縦走を7月にトライしている。
結果は体力不足で三山ならぬ二山で終わったが、その後それなりにハードな山行を幾つかやったのでなんとか行けるのではないかという感触はある。
早月尾根日帰りの山行記録はネットに多数ある。
いつもながら創楽さんのところにお世話になる。
http://www.tok2.com/home/pokopoko110/newpage36.html
「おやじの山歩き」さん(通常の山行スピードは自分より速い)は20時間かかったそうだ。
白馬二山をやった時、大雪渓で飛ばし過ぎて後が辛くなった教訓として「絶対に飛ばさない」を心がけることにした。
なので計画段階でゆったりしたペース配分にした。具体的には標高差200m上がるのに45分かける。下りは40分かける。休憩は余った貯金部分を充てるという感じである。クライムオン3:00、下山終了18:40の予定。
登山口の馬場島までは早朝なら1時間15分ぐらいでいけいるので自宅出発でも良いのだが、なるべく睡眠をとりたいので馬場島での車中泊も検討した。結局夜中の1時50分からの自宅出発となったのだがこれで良かったのかどうか。
馬場島の公共駐車場が満杯になっているのは火を見るより明らかだったので中山登山口の少し先にある駐車場に車を入れた。そこでは他のグループもヘッデンつけて登山準備をしているようだったのでちょうどよかったな。
真っ暗な中、登山口へ向けて歩き始めるのだがそれなりに距離があった。もう少し上にも駐車場があったので1分でも歩く距離を短くしたければそちらを選択ということになるかな。
登山口で「試練と憧れ」の石碑をヘッデンで照らして確認後登山道に入る。この時は「この石碑、運よく早めに下山できたら撮影しよう」などと思っていたが・・・。
気温が高く暑苦しい。これじゃ夏山だな。さらには後発の登山者に次々と抜かれる(この状態は下山に至るまで継続した)。みんないったいどんな脚をしているんだ。5時ぐらいにヘッデンの電池が切れるのと同時になんとか肉眼で登山道を視認できる明るさになったのでそのまま登る。
早月小屋から先は森林限界を超えて岩稜帯が主となる。
空気が薄くなってなんとなくぼーっとした感じに襲われる。
登るのに夢中だったのであまり印象がないのだが2400mから2800mまでの間が地味にしんどかったと思う。なんというかアスレチックのような登高がけっこうあったので。
獅子頭やカニのはさみの鎖場も切れ落ちた谷を見ずに通過したのであっけなかった。
山頂までのタイムスケジュールだが、前半に貯金(最大30分)ができて後半にそれを取り崩す感じだった。というわけでほぼ予定時刻に到着。
頂上はそれなりのにぎわい。時間に追われてほとんど写真をとっていなかったのでちょこちょこと撮影。
山頂を堪能し予定より20分遅れで下山開始。思うようにスピードがあがらないが無理せずにゆるゆると下る。
2600m地点でストック使用開始。バランス感覚を鍛える観点からあまり使用したくない道具だが使わないと足が持たないと判断した。
周囲はガスっているが涼しいのでかえって都合が良い。
早月小屋までは予定時間の遅れが30分以上になったりしたが早月小屋時点で20分遅れに挽回。1800mで25分に増えたが1400mで8分の貯金となる劇的な回復となった。これは自分が調子よくなったのではなく登山道の状態によるものかと思う。
早月小屋の時点で残りの飲料水をチェック。1.3〜1.4リットルほどあった。小屋で飲料か水を補給することを考えたが「多分大丈夫、それに無補給登山を成功させたいし(というよりは荷揚げ費用上乗せ価格のモノを買いたくないというケチンボ精神)」という思いで補給はなし。
ラスト20分ぐらいの所で水切れになったが想定内だったのでゼリーで対応。
最終盤ではヘッデンを点燈。なんとか登山口へたどり着く。「試練と憧れ」の石碑は撮影できずじまい・・・・。
自分が山歩きを始めたころは朝一番に上り始め、登山者らの一番最後に降りてくるがデフォだったが今回もそんな感じだった。早月尾根日帰りを目指す人たちがどのようなレベルにあるか如実にわかった山行だった。
帰路、道路脇からカモシカが飛び出してきて目の前にお尻を向けて停止。慌ててブレーキを踏むも間に合わず、ドン。停止寸前のスピードだったので尻を押されたカモシカはまた元気に駆けて行った。当たり屋カモシカか?
電波の通じるところで家に下山報告をして、上市の「アルプスの湯」に入浴。国道8号沿いのすき家で高菜マヨネーズ牛丼(食べ始めは美味しいと思ったがちょっと味がしつこかったかな)の健康セットで腹ごしらえをして帰宅。
備忘
・装備は白馬二山に準じて軽量化、ツェルトは入れておいた。スパッツは不装着だったが特に不具合なし(登山口に小石が入ったら脱いで出す、1回だけそういうことがあった)。
・食糧はおにぎり6つ、おおむね計画に従って少しずつ消費(終盤になるとなかなか喉に通らないが頑張って食べた)。飴は10個消費。ゼリー飲料を消費。
・水は5リットル全部消費。最終盤で水切れになったことからして早月小屋でスポーツドリンクなどを補給すべきだったかも。
・自分のような者がこの山を成功させる秘訣は「時間をかけても良いからとにかく足への負担をかけないようにする」を心がける事。最後まで脚は持ったが翌日の筋肉痛が強烈。立ったり座ったりがしんどい。
・不思議なことに「剱岳、日帰り。やったー」というような達成感が薄い。「オペレーションを策定し、実行した」感が強い。昨年からかなり山行資料を集めていたせいか?
・早月尾根は標高を稼ぐにつれて歩きにくくなる登山道。ゆったりしたペースで登山計画を立て、前半の貯金を後半で取り崩す感覚でいくと良い(下山は「後で必ず挽回できる」という感覚で高山帯をゆっくり降りて来ればよい)。
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