伊予富士谷
- GPS
- 32:00
- 距離
- 19.7km
- 登り
- 1,394m
- 下り
- 1,394m
過去天気図(気象庁) | 2019年10月の天気図 |
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アクセス |
写真
感想
10/19(土)10:15 駐車地点−11:00 伊予富士谷二俣−14:20 東黒森沢西沢出合−16:40 50m滝上C1
10/20(日)7:00 C1−10:00 稜線−10:10 伊予富士 10:40−12:10 寒風山トンネル東口 12:50−15:40 駐車地点
10/19(土)
四国という事でアプローチに時間がかかり、10:15に行動開始。新寒風山トンネルの脇の道を少し進んで入渓する。小雨が降っているが増水はしておらず行動に問題はなさそう。沢中は緑の岩が広がる中に赤い岩が点在しており美しい渓相。一度この沢を遡行したことのあるパートナーは、晴れていたらもっと綺麗だよと言っている。
二俣を右に進んで主谷に入るとゴルジュ状地形になるが、しばらくは歩き。淵は深い緑を湛えており気持ちの良い遡行が続く。両岸の岩壁が特に狭まった行合は素晴らしい景観。序盤の一時間は癒しの遡行となるが、主谷本谷を分けて伊予富士谷に入ったところから、美しさよりも厳しさの割合が増してくる。
ゴルジュの最初は登れない7m滝からスタート。右岸のルンゼを登って高巻きに入るが、上部はCSが詰まっているのでロープを出す。少しトラバースして沢に戻り、軽い泳ぎなども交えて小滝を突破すると、再び取り付けなさそうな6m滝が出てくる。こちらも右岸のルンゼから登るが、大きく巻かずに滝身に近づくと、懸垂下降で滝上部に降り立って直登することが可能。斜め懸垂からV字状に登り返すことになる為、ロープの流れをうまく制御する必要がある。
ゴルジュは一度切れて河原状になり、流木に輪投げの様に引っかかったタイヤなども見られるが、その先で再び厳しいゴルジュとなり20mクラスの滝なども出てくる。左岸から巻いて懸垂下降するが、落ち口がギリギリ過ぎた為、巻くはずの滝の方に流れてしまい、危うくキャニオニングに移行するところだった。
やがて前方に巨大な滝が見えてくると、標高830mの二俣である。進行方向の8m滝は登れないが、中間リッジも厳しい登攀になりそうなので、合流してくる東黒森西沢を巻くのが楽そうである。しかしこちらは35m滝と20m滝が連なっており、かなり威圧的な雰囲気。「滝を巻く為に、より高度のある別の滝を巻かなければいけない」という直感的に理解しづらい状況となる。高度感のあるトラバースで35m滝の上に出て中間リッジに取り付くが、谷は厳しい滝が続くのでそのまま左岸の巻きを続ける。登ることもできるらしい直瀑18m滝もそのまま巻いてしまい懸垂下降で沢に戻ると、今度は東黒森東沢が出合う。右岸は100mのクラが広がり、より濃さを増すガスの所為もあって、谷は幽玄さを増している。時間も16時なのでそろそろ泊まりたいが、最後に2段50m滝の大物が登場するので、本日の仕上げとする。下段15mはカムを決めながら水流沿いを快適に登る。上段35mは直登できなので右岸のリッジに取り付く。リッジに出ると赤テープなどもあり意外と踏まれている。滝上部は快適なスペースがいくつかあるので迷わず幕営。小雨もようやく収まってきたので、濡れた巻きを一生懸命乾かして、今シーズンラストであろう焚き火を満喫する。
10/20(日)
翌日は7時出発。晴れ予報だが相変わらずガスが濃い。出発して1分でシャワークライミング。本日は伊予富士山頂まで標高差800mを一気に登っていく。奥ノ二俣を左に進んだところからナメ滝が出てきて、なんてことのない小滝だと思っていたら、これが途切れることなく標高差約300mは続く。その後も直漠が続き、一気に標高差を詰めていく。この沢の最後は伊予富士の北尾根に抜けて藪漕ぎをすることが多い様だが、遡行していると水流が多いのは地形図上では伊予富士に直接詰める薄い沢状地形の方である。ダメなら戻るつもりでこちらに進んでみると、意外と歩きやすい沢型となってそのまま稜線直下に繋ぐことができた。藪漕ぎもほとんどないので、こちらのルートの方が良いのではないかという気がする。
笹薮と少し戯れて10時前に登山道に到着。稜線直下に迫った車道(通称:UFOライン)を横目に伊予富士山頂に向かう。山頂は依然ガスが濃かったが、強風で時折視界が大きく広がり、石鎚山や高知方面の山々の展望を楽しむことができた。愛媛県側は厚い雲海に覆われており、ここが瀬戸内海からの季節風を受け止めている稜線であろうことが推測される。寒風山という名前も分かりやすい。しかし小学生の頃からこの辺の山に登っていたこともあり、ずっと高知側のおだやかな山容の印象しかなかったのだが、愛媛県側がこんなに切れているとは驚きであった。
伊予富士は人気の山で登山者がどんどん登ってくる。気持ち良い笹の稜線を辿って、12時過ぎに旧寒風山トンネル東口に下山。駐車場の横にはなんとカフェがある。休憩用の東屋から見る高知側の優しい山並みは、小学生頃にこの辺の山登りによく連れてこられていた記憶を思い出させてくれ、懐かしい気持ちになった。
このまま風呂にでも入ってゆっくりしたいが、残念ながら車まで12kmの林道歩きが待っている。カフェにはサイクルステーションがあり、UFOラインはサイクリングで楽しむツアーなどもある様だが、さすがにここで自転車レンタルができる訳もなく、だらだら歩いて3時間弱で車に戻る。
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