記録ID: 21305
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積雪期ピークハント/縦走
谷川・武尊
武尊山(2158m)
1997年02月05日(水) ~
1997年02月06日(木)
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- GPS
- 32:00
- 距離
- 9.8km
- 登り
- 500m
- 下り
- 1,458m
コースタイム
2月5日大久保(5:30)→上野(7:00)→高崎→沼田→武尊オリンピアスキー場→武尊国設スキー場最高点1830m(13:00)→前武尊山(13:50)→家串山頂C1(15:50)雪洞堀りは40分
2月6日家串(9:00)→武尊山(9:50〜10:20)→川場小屋(11:20〜11:40)尾根上滑降開始点(12:00〜12:30)→スキー場(14:00)→水上→高崎→大宮→新宿
2月6日家串(9:00)→武尊山(9:50〜10:20)→川場小屋(11:20〜11:40)尾根上滑降開始点(12:00〜12:30)→スキー場(14:00)→水上→高崎→大宮→新宿
天候 | 晴れ |
---|---|
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
武尊オリンピアスキー場→武尊山→宝台樹スキー場 上州武尊は地形図で見てもいい山で、四方に力強い尾根をのばしている。どの尾根にルートをとろうか迷ったが、電車を使ってアプローチして、久しぶりにのっこしをやろうとなった。 上野発のあさまに乗り上越を目指す。東京居住者らしいアプローチだが、いまどき列車で入山などは優雅かもしれない。朝7時の電車で、特急、鈍行、バス、リフトと乗り継ぎ、スキー場の最高点を出発したのが13時。天気は快晴。昨日は冬型で雪がばんばん降ったらしい。今日は雪崩の判断を迫られそうだと思う。 前武尊まではそこそこのラッセル。主稜線に出ると、剣が峰の高まりが目の前で凄い。左手には川場尾根が雪をこんもり載せて迫力だ。さすが上越、雪の量はなかなかのものだろう。僕にはなじみの無かった北関東の山が軒並み並んでいて見物した。背後には黒きたかまり、深田久彌氏のお気に入り、百名山の皇海山を初めて見た。たしかにオヤ、と思う山だ。日光白根は圧倒的な存在感があるのに、雪の足りないのが惜しい。あそこまでは日本海からの雪雲が届かないようだ。東側には尾瀬の燧ヶ岳、至仏、平ヶ岳。位置関係を把握できる場所に来たのは初めてだ。川場尾根の先、谷川連峰はどっぷりと雪雲が張り付いている。 もうどこで泊まっても良いが、剣ヶ峰のいやなトラバースを今日中に終わらせようと言うことになった。雪は深いが接着力があり雪崩の気配は薄い。踏み込んでみたものの意外と長いトラバースで途中で嫌になってきた。右側の斜面はもしなだれたら長距離を流されそうなところだった。トラバースを終えて日向に出て、雪庇に気を付けながら、家の串というポコに登り詰める。西向きに良い雪洞の掘れそうな吹き溜まりがあり、天場をここに決める。枯れ木も多く、焚き火にも良い。雪はまだ柔らかく、穴はスコップだけで40分で掘れた。暮れゆく関東平野を見おろしながら、火を焚き、肉を焼いた。あまりに寒くなって穴の中に隠れると、外気と遮断され、暖かい。ローソク一本で中を明るく照らす。納豆ご飯にネギ辛し味噌汁。一泊二日の山行なら、普段通りの献立が一番だ。冷蔵庫のあまりで十分だ。わざわざ買い出しに行く用も無し。南岸に低気圧が近づいていた。冬型は崩れるのでいいだろう、だが朝早くよりも後半の方がいいだろう。 翌朝はゆっくり7時に起きた。ガスしかし青空がかいま見える、山の表面だけに雲が張り付いているのだろう。中ノ岳という分岐点で、磁石と地図で、見えかくれする尾根の同定をしていると、突然全てのガスが吹き払われ行く手の稜線が見えた。風景は天気の変わり目こそがいい。広い風景の中をあちらでもこちらでも雲が敗走して行き、光条が差し込む。武尊岳までの稜線を進み山頂に至る。北方の白い山々は初めて見る美しい山岳地帯だ。早く山頂でゆっくり地図を見よう。山頂では風の当たらないところで、利根川源流の山々の名を確認し、シールをはがしてワックスを塗る。下りの沢と尾根がよく見えるのでリラックスしている。これでさっきまでのように視界が効かないと、気分は大違いだ。厳冬の新雪は、僕たちだけのために降った新品だった。深い雪に体重を押し込み、ブッシュを避けて愉快な滑降。沢から尾根に乗り移る地点も判りやすかった。尾根上にどこかのハイキングクラブのワカンのトレースがあった。大人数で来たようだがどうもこの日前半のガスでアタックをあきらめたようだった。せっかくここまでラッセルしてきてもったいない。後半はさすがに残雪季のようにすいすいとは滑らなかったが、気持ちの良い樹林の中を下っていった。下山も又スキー場脇にでた。バスを待ち、水上からよく止まる特急で東京へ帰る。初登頂、初滑降。ほかの尾根でもまったく違う計画が作れそうだ。近くて、良き山だった。天気の運も最高に恵まれた。 |
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