徳本峠から穂高岳(新島々―徳本峠―岳沢―前穂高―奥穂高―涸沢―屏風ノ耳―上高地)

- GPS
- 56:00
- 距離
- 50.1km
- 登り
- 3,970m
- 下り
- 3,158m
コースタイム
8/10: 嘉門次小屋4:05――4:42岳沢入口4:45――6:24岳沢小屋6:32――8:49紀美子平8:55――9:15前穂高岳9:40――9:55紀美子平10:00――11:40奥穂高岳12:40――13:10穂高岳山荘(泊)
8/11: 穂高岳山荘5:35――5:55涸沢岳――6:05穂高岳山荘6:10――7:30涸沢ヒュッテ7:42――8:40屏風のコル8:47――9:05屏風の耳9:30――9:45屏風のコル9:47――10:27慶応尾根10:35――11:05中畠新道分岐11:15――11:50梓川畔――12:03徳沢12:08――12:35嘉門次小屋12:50――13:45ホテルアルペン(入浴)14:20――14:30上高地バスターミナル
| 天候 | 8/9:晴れのち一時霧 8/10:晴れのち一時霧 8/11:朝ガス、後晴れ一時小雨 |
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2012年08月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
復路は上高地からバスで松本へ出た。 |
| コース状況/ 危険箇所等 |
新島々駅から島々宿(徳本峠入口)までは交通量の多い車道沿いだが、大体片側に歩道があり、歩道のないところは交通量の少ない下り(右側)を歩いた。 島々から二俣までは緩やかな林道歩き。島々を出てすぐゲートがあって車は入れないので静かだ。 二俣からの道は基本的には良く整備されているが、ところどころ小さな崩落を巻く箇所がある。沢を渡る個所にはすべて橋があり、渡渉の必要はない。 一旦島々谷南沢本谷に入ってから、戻るように山腹を登って峠沢沿いの山腹を登って徳本峠に出る。途中の力水は水量も少なく、特に水質がよいわけでもなさそうなので、水を汲むなら本谷を最後に渡る個所で汲んだ方がよい。 徳本峠から明神への道は島々からの道に比べると人通りもずっと多く、よく整備された道だ。 明神から岳沢入口までは治山運搬路の歩行が禁止されているため自然歩道を歩いた。まだ暗い4時に歩き出したが、よく整備された歩道なのでヘッドランプをつければ問題なく歩けた。 岳沢入口から岳沢小屋までの道には8番から1番までの標識が設置されているようだが、間隔は必ずしも一定せず、気づかず通り過ぎてしまったものもあった。1番小屋見峠までくれば岳沢小屋はすぐ先だ。 岳沢小屋からは急登になるが、その分高度は着実に稼げる。鎖、梯子もあるが数は多くない。早朝の時間ならばこの道(重太郎新道)にはあまり日が照りつけることもなく、快適に登れる。昼間ならば照りつけられて暑いだろう。 紀美子平から前穂高の往復は岩につけられたペンキ印を目標に歩いたが、下りでは先行者の後を歩いていたら途中で右側にそれてしまい、紀美子平から僅かに奥穂寄りに下りついた。自分でペンキ印を確認することが大切だ。 奥穂高への吊尾根コースは岳沢側の山腹をからんで細かい上下を繰り返して高度を上げていく。使用した「山と高原地図」の2010年版では、鎖場の場所が実際より前穂寄り(標高3000m付近)になっているが、鎖場があるのは南稜の頭の直下で、これを登りきれば山頂まではそう遠くない。 奥穂高から穂高岳山荘までは緩やかな下りで、最後の部分が梯子・鎖を交えた急降下になる。大きな問題はないが、小屋が見えたといって気を抜くと怪我のもとだ。 最終日、穂高岳山荘から北穂高まで行くことも考えて涸沢岳に登ったが、ガスで視界がなく、風もあって寒いのであっさり中止して涸沢へ下った。 ザイテングラートの道は問題なく下れるが、人が多いコースなのですれ違いや追い越しには時間がかかる。途中雪渓上部から右側の涸沢ヒュッテに直接向かう道に入った。雪渓を横切り、涸沢岳を正面に見るお花畑を通ったりする楽しい道だが、時間的には涸沢小屋に出てからヒュッテに向かった方が早いかもしれない。 涸沢ヒュッテからは、横尾経由の一般的な道でなく、屏風のコルを経由する「パノラマコース」を歩いた。時期が早いと残雪の急斜面のトラバースなどがあって面倒な道だというが、コース上の雪はほぼ完全に消えていた。ただ、ヒュッテから屏風のコル手前までの道は、細かい上下が多いので重荷や疲労している際には厳しいだろう。 屏風のコル手前で前穂高北尾根から続く稜線に出ると右下に梓川が見え、間もなく屏風のコルに到着する。コルから屏風の耳までは標高差120-130m位あるが、屏風の耳からの眺めは素晴らしい。西穂高を除く槍・穂高連峰全体が間近に、圧倒的な迫力と高度感を持って眺められる。パノラマコースを歩く人は是非立ち寄るべきだろう。 屏風のコルからの下りはやや足場が悪いところ、歩きにくいところはあるが、困難な道ではない。慶応尾根を乗越してしばらく石がゴロゴロしたところを下ると、一旦歩きやすい道になり、もう一度石のゴロゴロした道を歩いてがれ沢を越していくと中畠新道(といっても道というよりはペンキ印があるだけ)と合流し、そこでは水が得られる。その先しばらくで非常に歩きやすい道となり、あとは簡単に梓川沿いの林道に出る。 その先上高地までは平坦だが、明神の少し手前には林道が川岸から20mほど登る個所がある。なんということもない個所だが、疲れて下山してきた登山者には意外とこたえる。私は勝手に明徳峠(明神と徳沢の間にあるので)と呼ぶことにした。 明神で穂高神社の奥宮にお礼参りをしてから、自然研究路伝いに河童橋まで歩いたが、思ったより距離があった。先を急ぐ人は梓川左岸の林道が早道だ。 河童橋付近で日帰り入浴を受け付けているのは河童橋から梓川右岸を300mほど下った個所にあるアルペンホテルだけだ。入浴料金は500円。登山者にとってはまことにかけがえのない施設だが、最近日帰り入浴の登山者が、自分のゴミをホテルに残していく事例が多く、こうした事例があまり続く場合は、ホテルとしても外来入浴を中止せざるを得ないとの貼り紙があった。そうした事態にならないように、自分のごみは自分で持ち帰るという基本を忘れないようにしたいものだ。 |
写真
感想
今回は、新島々から徳本峠、上高地を経由して穂高岳を目指しました。
穂高には2年前、2010年の夏に笠ヶ岳から槍ヶ岳を経由して登っていますが、北穂・涸沢を越えて穂高岳山荘に宿泊した翌日、悪天候のため涸沢から下山してしまい、奥穂・前穂には登り損ねていました。(http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-77205.html)
改めて穂高を目指すということで、多少勿体をつけて(?)島々から徳本峠越えのルートを選びました。昭和8年、上高地への車道が開通するまで穂高へのメイン・ルートだった道です。徳本峠の歴史については http://www.geocities.jp/tokugogoya/CCP011.html
島々谷沿いのコースでは美しい森林と渓流に癒され、登りついた徳本峠では前穂・奥穂・西穂高と対面。明神に下って明治13(1880)年にできた歴史ある嘉門次小屋に宿泊。明神池の畔にある嘉門次小屋は、お昼間の食堂・休憩所としての営業が流行っている割に、場所がやや中途半端なせいか宿泊客は少なめで、ゆっくりと泊まれました。
翌日は岳沢から念願の前穂・奥穂に登り、穂高岳山荘泊。最終日は、北穂高岳まで行って涸沢へ下る予定でしたが、立ち込めるガスと寒風のため断念。その代わりに涸沢からパノラマコースを歩き、屏風の耳を経て徳沢へ下山しました。
天気図上ではあまりすっきりした晴れは期待できないように見えましたが、初日・二日目は素晴らしい天気でした。三日目も朝こそガスでしたが9時までには晴れ、予報に反して午後も大きくは崩れませんでした。前穂・奥穂の頂上で最高の天気に恵まれ、屏風の耳では、槍・穂高連峰の壮大な眺めをただ一人満喫。最高の山に最高の時期に登れて大満足の山行でした。
他にも山小屋でよい小説を読んだり、帰りのバスで元気なドイツ人留学生二人組に会ったり、いろいろ面白いことがありましたが、それについてはまた日記で書くことにしたいと思います。















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