穂高岳
- GPS
- 53:55
- 距離
- 32.2km
- 登り
- 2,185m
- 下り
- 2,181m
コースタイム
9/18 4:30涸沢−6:20穂高岳山荘−7:10奧穂高岳−8:00穂高岳山荘9:30−12:37北穂高岳−15:00涸沢
9/19 6:45涸沢−7:45屏風のコル−10:30徳沢−11:45上高地
天候 | 9/17 晴のち曇、9/18 晴時々曇、9/19 雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2005年09月の天気図 |
アクセス |
写真
感想
9/17
朝靄の中、上高地着。夏山と紅葉の間の比較的人の少ない季節ではあるが、相変わらずの人の多さである。この三連休は晴れるという予報通り、まずまずの天気。横尾まで二本程度でさくさくと進んでいく。横尾からは槍沢へ行く登山客がいなくなり、急に人が少なくなった。本谷橋まで一本、さらにもう一本半で涸沢着。心配していた安岡の膝の様子も問題ないようだ。昼前に着いたので、小屋でソフトクリームやおでんを頬張り、まったりとした時間を過ごす。穂高の稜線は曇っているが、明日は晴れるのだろうか。晩飯のキムチスープが辛すぎて、安岡が苦しむ。食袋作りは池田だったが、勢いでかなり辛いものを持って来ていたようだ。最近のワンゲルでは様々な差し入れなどにより、一部で激辛嗜好の者が増えているようだが、通常の味覚を主張する部員との共存が危惧される。
9/18
345。Lが適当に薦めたマロニー入りワカメスープに皆ハマリ気味。自分が新人の頃よくメニューに入れていたが、そう言えばハマらなかったためしがない。まあ一番の原因はラードにあるのだが。4:30、まだ外が暗い中、エレキ行動で穂高を目指す。個人的にはこの時間が、人も少なく、空気が清々しくて一番好きな時間だ。薄暗い稜線の向こうに朝日の昇るのを待ちながら、今日一日の行動に胸をときめかす。調度一本ぐらいで御来光がゆっくりと姿をあらわしたきた。一見冗談のような太陽の赤さが強く瞼に残る。出発から二時間弱で穂高岳山荘に到着。
山荘にL以外は荷物を置いて、空身で穂高岳ピストン開始。小屋からのいきなりの急騰で大渋滞しているのに、少々面食らう。少し高度を上げると荘厳な笠ヶ岳の姿が目に飛び込んでくる。そして稜線の向こうには槍ヶ岳。運良く天気が晴れ、抜群の展望が広がり、最高に楽しい気分。もうすぐ山頂というところで、不意に右手側(新穂高温泉方面)のガスの上に、なんと御来迎が出現!!黎明の清々しい空の下、笠ヶ岳の斜面に映し出される虹の輪は、場合によっては三重にもなり、北アルプスの山々と共に織り成される風景は、まさに神秘的としか言いようがない。メンバー全員が興奮しながら、そのまま奥穂高岳山頂着。手を振れば虹の中のブロッケンの妖怪が手を振り返してくれる。
しばしこの最高の展望を楽しんだ後、登山客でごった返すピークで記念撮影。池田は北岳でもブロッケンは見たことがあるらしいので、残るは富士山の頂上か。ガスに覆われたジャンダルムの上には、三人の人が立っているのが幽かに見えた。だんだんガスも濃くなってきたのでサクッと穂高岳山荘に戻る。しかし、ここから北穂高岳までは危険箇所が続き不安なので、しばらくガスと風の様子を見て、行くかどうか判断することにする。結局一時間ほど小屋でゆっくりした後、あまりにも危なそうなら戻るということにして、予定通り涸沢岳へ向けて出発。頂上まではあっという間だが、本番はここから先。ピークを少し過ぎるといきなり垂直の下りが始まる。安岡に行けるかどうか再確認すると、引きつった表情で「行きます」と一言。非常に心配なリアクションだったが、ザックもピストン装備で軽いので、頑張って進むことにする。
ここから北穂高岳までは、コースタイムで2時間半の行程だが、鎖の付いた切れた斜面をトラバースしたり、ほぼ垂直の斜面を登り降りしたりと、なかなかスリル満点の道が続く。しかも三連休ということで、すれ違う登山客の数も半端なく多く、すぐに渋滞を起こすので、危険箇所の緊張と相まって精神的にかなり消耗させられる。そうこうしていると、事故があったのかヘリが飛んできて、せわしなく空を舞っている。前穂〜明神岳のあたりで滑落があったらしく(但しソースは通行人の会話)そのあたりをホバリングしていた。そして緊張を強いられる稜線をひたすら進み、渋滞の待ち時間も含め、ほぼコースタイム通りになんとか北穂高岳への分岐に到着。しかし、ここの下りで池田が膝を亜脱臼したらしく、少し痛がっている。本人曰くよくあることで、サポーターをしていればひどい外れ方もしないので大丈夫ということだが、これからの下りを考えるとやはり心配である。
分岐から北穂高岳までは、僅かな登り。池田も普通に歩けるようなので、とりあえず頂上へ向かう。ピークからはキレットから西側がガスって、槍ヶ岳が見えなかったのが少々残念であるが、常念の展望は相変わらず良い。危険箇所を越えた安心感からか、比較的長い休憩を取ってしまった。展望を楽しみ、写真を撮って、いよいよ涸沢のベースへ下山開始。池田の膝のこともあり、2時間ほどのややスローペースでテン場に到着する。晩飯はハッシュドビーフ。途中でとなりのV8のおじさんが間違ってうちのV6にやってきて、「おいおい、みんな(勢いが)死んでるよ」と言われたのが衝撃的だった。むしろあなた達の方が、騒ぎ過ぎですから・・・。そして今宵はなんと言っても中秋の名月。静寂の中、前穂の上に懸かる満月は、とても風流かつ幻想的だった。
9/19
5:00起床。朝起きると、昨日小屋でやっていた天気予報に反して外は雨。接近していた高気圧が西側に戻るという変な動き方をしていたことも関係あるのだろうか。今日は登りとは別の、屏風岩のコルを経由するパノラマコースで下山する。しかしこのコルまでは絶壁のトラバースをいくらか通過しなければならず、予想以上に危険な道だった。エアリアにも書いてあるが、こんな道を雪のあるときに通れば間違いなく滑落するだろう。コルの少し手前では、涸沢に虹が懸かっているのが見えた。今回の山行はなかなか運が良い。
コルからは二時間ほど黙々と下り、新村橋を経由して徳沢へ。徳沢−明神−上高地の道は相変わらず人が多く、少々げんなりさせられる。サクサクと一時間半ほど歩き、河童橋に着いたころには、天気もだいぶ回復していた。アルペンホテルで入浴し、近くの食堂で昼飯を食べて軽く打上げ。こうして二泊三日の快適山行は終了した。
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