2020.2.1 武奈ヶ岳スノーハイク
- GPS
- 04:48
- 距離
- 11.3km
- 登り
- 1,089m
- 下り
- 1,087m
コースタイム
- 山行
- 4:03
- 休憩
- 0:45
- 合計
- 4:48
過去天気図(気象庁) | 2020年02月の天気図 |
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アクセス |
感想
2016年から雪山に興味を持ち、こつこつと道具を揃えてきた。翌2017年、念願叶って雪の比良山系にちょくちょく出かけるようになった。
今季は例年になく暖冬で、もう雪を踏む機会はないかと思っていたが、前日の金曜日、通勤途中に電車の車窓から比良山系を眺めたところ、山域全体がガスのように山容が望めない。これは雪が降っているに違いないと、朝からテンションが上がる。
僕の比良の雪チェックは、専らびわ湖バレイのライブカメラだ。これでリアルタイムに比良山系の雪の状況がわかるので、大変便利だ。
今回の山行の内容に移るが、僕の比良でのスノーハイクは午前限定ということが多い。家族との関係で昼頃には帰宅するようにしている。
さて、この日は、予定ではイン谷口を5時にスタートし、青ガレ、金糞峠、中峠、コヤマノダケ、武奈ヶ岳、八雲ヶ原、金糞峠、青ガレ、イン谷口というルートだ。
しかし、予定は狂うものだが、ある意味「予定どおり」の寝坊により、スタートを5:30に変更。
もちろん駐車場には目立った車両はなかったが、カブのようなバイクが1台停まっていた。
雪山では自分がその日一番の登山者である場合、若干の緊張が生じる。
もちろん、ルートファインディングが必要なことが緊張する最大の理由だが、頓珍漢なトレースをつけて、他の登山者を惑わしたりしないか、という点も気になる。
ヘッドライトで照らされる雪混じりのトレイルを照らしながら大山口を過ぎて青ガレに向かって歩いていると、どうも先行者がいるようで、足跡が見える。
5時半出発の自分でも、一般的にはかなり早い時間のスタートなのに、先行者がいるのか?
足跡の淵が少し丸くなっているので、昨日のもの?いや、他のトレースは全て綺麗に雪に埋まっているのに、登りの足跡だけが残るなんて考えられない。
青ガレを過ぎて雪深くなってくると、その足跡は明確に姿を現し、先行者がいることが明らかになった。
どこかで追い付くだろうと思いながら歩を進めるが、追い付く気配はない。かなり前に通過しているようだ。
去年投入した冬履SCARPA Mont BlancGTX Proは、ソールが固くて歩きづらい。
というか、買ってから二回しか履いていないので、未だ慣れていないということだろう。
また、僕のスタイルはストックを使わないので、青ガレに入ってからは手を使わないといけない場面が多かったが、普段ランニングで使用しているANSWER4のフリース素材の手袋だったので、なるべく濡らさないよう、極力手を使わないように登るので、体幹だけでバランスを取らざるを得ず、かなり歩きづらかった。
金糞峠手前の急登は吹き溜まりになっており、太ももくらいまでの雪をラッセルして登る。トレーニング不足の今の僕にはキツイ。息を切らしながら金糞峠に到着した。
振り返ると琵琶湖が綺麗に見える。
僕はこの景色が好きだ。ここに辿り着くと、いつも写真を撮ってしまう。
歌川広重が描いた「比良暮雪」と同じ場所に立っているという事実が嬉しい。
さて、ここまでは登りが続いたが、ここからは少しの間、沢沿いの気持ちの良いトレイルが続く。あの辺を歩いたことがある人には直ぐに思い出せると思うが、沢の音と自分の足音が混じり合う、心地の良い時間だ。
しばらくすると、沢沿いのルートとコヤマノダケへの尾根をゆくルートの分岐がある。
僕の定番コースは尾根を登るルートだ。ここから、コヤマノダケへのダラダラした登りが始まる。
CTで50分の楽しくない登りだ。
しばらく我慢して登り、コヤマノダケへ到着。
コヤマノダケにはコヤマノクラウン?と呼ばれるブナの大木があり、樹氷となっている場合は特に美しい。
また、このピークは少し開けているので、ここからも琵琶湖が望める。
余談だが、先行者もここからの眺望を楽しんだようだ。
ここから武奈ヶ岳へは一旦コルへ下る必要があるが、この区間は雪が深くスノーハイクという意味ではとても楽しい区間だ。
深いところでは膝くらいまであるので、埋まらないように慎重に、しかし雪を踏む感触を楽しむという意味では大胆に踏み込む。
この辺は敢えて先行者のトレースを無視して歩きたいところを歩かせてもらった。
コルまで降りると、本日の目的地である武奈ヶ岳を目視できる。注意深く確認するが、ピークには誰もいないようだ。
先行者とはどれくらいの距離があるのだろうか。レースでもないのに、見えない先行者のことが気になる。
さて、ここからは武奈ヶ岳への最後の登りだ。
武奈ヶ岳へは掘れたトンネルのような道を通る必要があるが、冬山の場合はそこは通らず、トンネルの直ぐ隣の夏場はヤブヤブの斜面を登る。
そこを登り切れば西南陵との合流点で、ピークまでは目と鼻の先だ。
かなり風が強いが、歩行が困難になる程ではない。
ガスが出ているので、眺望は望めないものの、時折ガスが晴れる瞬間がある。
ピークには誰もおらず、数枚写真を撮り、動画で周囲を撮影して下山を開始する。
この様な日は吹きっ晒しのピークでは長居は禁物だ。
ほんの少し歩くと、ガスが晴れて太陽が顔を覗かせる。ガスの合間から射す陽光が美しい。
しかし、強い風の稜線で過ごせる時間は短く、改めて下山を開始する。
先行者のトレースは西南陵へ向かっている。ワサビ峠から金糞峠へ向かうのか。
北稜をゆく選択肢もあるが、帰宅時間との関係で遠回りはできないので、来た道を戻り八雲ヶ原を経由して下山することとした。
コヤマノダケへの道から東に進路を変え、八雲ケ原を目指す。
この道はまだ誰も通っていないため、ルートファインディングをしながらの下山となる。
やはり人の後を歩くより、ルートファインディングしながら歩く方が楽しいし緊張感がある。
途中、テープを見つけられない場面もあったが、大きなトラブルなくゲレンデ跡へ到着。しかしここからが難所だった。雪面はなだらかだが、その下の地面は凸凹で、踏み抜くと足を取られて転倒しそうになる。事実、何度か転倒した。それが何度も続くのだから始末が悪い。
漸く難所?を乗り切り、八雲ヶ原に到着した。
ここは初めて一人でテン泊した思い出の地だ。
今年はヤクモ池が凍結していないと少し前に友人のSNSで見たところだったが、この日はしっかりと凍結しており安堵?した。
ここからのイン谷口までの下山は、以前はダケ道を使っていたが、以前に山で出会った人(早朝に登山していたが、ヘッデンの調子が悪いと下山していたところ、僕と出会ってライトをサポートしてご一緒した)から、「あそこは面白くないので、下山も青ガレ経由で降りる」という話を聞いてからは、そのルートを使用している。
その人に教えてもらったルートがもう一つある。
八雲ヶ原からは北比良峠方面へ進むのが一般的だと思うが、そちらではなく、八雲ケ原から流れ出る沢沿いを通るルートが抜群に良く、今では大のお気に入りだ。ノートレースでごきげんなスノートレイルを歩くも、途中でハイカーとすれ違い、それ以降はトレースありで少し残念な気持ちに。(その方を批判するような主旨ではありません、念のため)
金糞峠からの下山時には、既に続々と登山者が登ってくる。数時間前に僕が登った時とは違い、舗装路のようにトレースがバッチリついている。
すれ違う登山者には、どのルートを通ったか何人にも訊かれた。
その中には、ノートレースを期待していた人もいるようで、僕が通ったルートを告げると大変残念がっていた。
(ノートレースを期待するならもっと早く出発しないとね笑)
また、他の登山者からの情報によれば、先行車は登山口近所の方だそう。
何時に出発したのか知らないが、やっぱり一番乗りを楽しみにしてる人はいるんだなと。
結局、その先行者と出会うことなくイン谷口まで下山。
下山したのは出発から4時間48分後。時刻は10:18。着替などしても12時までには帰宅できそう。寝坊しても正午までには帰宅できるのは嬉しい。
トイレに立ち寄った際に目に止まったのがこのアイテム。
どうやら、側溝に流れる水で靴等を洗うためのアイテムのようだが、洗う際に水が自分側に飛散しないように衝立のように板が縦に立てている。
実際、靴を履いたまま洗ってみたが、大変良好で素晴らしいアイテムと感じた。
面白いことを考える人はいるもんだなぁと感心。
着替えをして自宅へ帰宅し、結局正午少し前に帰宅。
久し振りのスノーハイクは体力の消耗が激しく、午後からの家族サービスは困難を極めたことを記録しておきたい。
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