岩手山


- GPS
- 32:00
- 距離
- 9.5km
- 登り
- 1,373m
- 下り
- 1,361m
コースタイム
過去天気図(気象庁) | 2012年06月の天気図 |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
飛行機
|
写真
感想
登山口の「焼走国際交流村」の駐車場から見える岩手山の頂上にはスッポリと笠雲がかかり、雲の形は刻々と姿を変えている。ここは良い天気だが、どうやら頂上は荒れ模様。今日、7月1日は岩手山の山開きで、岩手山の登山道がある八幡平市、雫石町、鳴沢村の3市町村が、それぞれの登山口で神事を執り行い、山頂でピッケル交換をし交歓を深めるという。その神事が6時から行われ、今日は大勢の人が登るそうだ。今、丁度6時、テレビ局のカメラに送られながらひと足先に登山口に入る。森の中、木漏れ日を浴びながら平らな道を歩く。道は登りにさしかかり、直に汗が噴出し、動悸が打つ。干からびたギンリョウソウが哀れを誘うが、生き生きとしたササバギンラン、マイズルソウ、ベニバナイチヤクソウに出迎えられ、1時間程で第2噴出口に到着。ザックを下ろして坐り込む。立ち木は無く、左手遠くに八甲田山、右手遠くに早池峰まで見渡せる。眼下には陸上自衛隊東北方面隊の岩手山中演習場が青々と、その横には「焼走り溶岩流」が黒々と並んでいる。振り向けば目指す岩手山、山頂はまだ雲で覆われている。ひと休みして出発。15分程で第1噴火口を通り過ぎると木々は無くなり、砂礫の道をトラバース気味に登る。岩だらけの山肌にコマクサが現れ、次第にその数を増し、斜面はコマクサだらけ、天下に名立たるコマクサの大群生地である。礫地に咲くコマクサには競争相手がいない。誰が呼んだか、高山植物の女王といわれるが、家来がいなくっては女王様とは云えない。コマクサの名は、その花が馬(駒)の顔に似ている事からついたと云う。ピンク色のどこか下品な姿は、女王と云う名に相応しくない花であると思う。コマクサと別れ、再び樹林の中へ。ツルハシで上坊神社からの道を分けると、シラネアオイが現れる。登るにつれその数を増し、先日の高妻山よりもっと多く、おまけにシャキッとしている。ミヤマカラマツ、ウコンウツギ、サンカヨウ、急な登りであることを忘れさせて呉れる。下山して来る人が、「強風のため、避難小屋から引き返して来た」と口々に云う。10時過ぎ、平笠不動避難小屋に到着。風が吹きすさぶ中、外でカッパを着込む。暫らく休んだ後、出発。低木ではあるが風は遮られ、道もなだらかで、どうっていう事は無い。が、樹林帯を過ぎると、上から風が吹き下りて来る。風と共に勾配も強まり、溶岩の道を登る事50分。ガスの中に外輪山がボーっと見えたところで休憩。風が吹きすさぶ中、どうしたものかと思案する。外輪山を辿る人の姿がボーッと見え、行ってみようと決断。休憩場所からすぐに外輪山に登り着くと、さら勢いを増した風の直撃、目を開けていられない。一歩一歩吹き飛ばされないよう歩を進める。目に砂が入りジャリジャリするので、手で擦ると、その手もジャリジャリ。でも今、目のジャリジャリなんて構っていられない。霧雨が真横に飛び、ここkら引き返す人もある。通常なら山頂まであと5分もかからないが、11時15分、わたしも撤退する事にする。避難小屋までの戻り、一般人に混じって迷彩服に迷彩背嚢を背負った自衛官が、列をなして登って来る。頂上で掲げるつもりであろう、隊旗を持って登っているものもいる。さすが自衛官。しばらく下ると、活動服姿の警察官も3人登って来る。みんな山開きに合わせて借り出されたのに違いない。小屋に戻って水て目を洗うが、ジャリジャリは取れない。小屋の外で風を避けながらザックを下ろして坐り込む。ん?何だか変、あれ!ザックカバーが無い。いつ飛ばされたのか知らないが、こんな時にザックカバーを着けるのがいかん。小屋の外で風を避け、弁当を食べる。目のジャリジャリが取れないまま下山開始。コマクサロードは、富士山の砂走りとまではいかないが、よく似た状態の道を駈け下る。樹林帯に入り、第2噴出口でひと休み。雨も風もすっかり止んだ別世界。気がつくと、いつの間にか目のジャリジャリは取れていた。ここからさらに1時間下って、登山口に帰り着いたのは15時7分、9時間少々の行程であった。焼け走り溶岩流から見た岩手山、頂上の雲は朝よりも低くかぶさり、今も大荒れに違いない。
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