6歳児とゆくすっきり冬晴れの倉岳山
- GPS
- 06:02
- 距離
- 10.1km
- 登り
- 832m
- 下り
- 821m
コースタイム
天候 | 快晴→晴れ 富士山は残念 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
かえり:JR鳥沢駅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
【梁川駅→立野峠】 台風の影響をかなり受けた様子だが、ていねいに修復されている。非常に歩きやすい登山道。 【立野峠→倉岳山→穴路峠】 台風の影響はいくつかの倒木程度。整備がゆきとどいているが、倉岳山頂直下は急角度。乾燥しているときは砂っぽく、やや滑るので注意。 【穴路峠→登山道分岐点(お地蔵さま)】 台風の影響がまだ強く残っている。トラバースのところは埋まっていて滑落しそう。沢から岩が流入してコースが不明瞭なところも多く、ピンクテープを見ながらのコース取りが必要。手こずる箇所がおおく、コースタイムはまったくあてにならない。高畑山を目指す場合はこちらは選ばないほうがいいかも。 【お地蔵さま→鳥沢駅方面】 台風の影響は強いが、再整備がゆきとどいている。 |
その他周辺情報 | 鳥沢駅からなら都留市の「より道の湯」がいちばんアクセスよさそう |
写真
感想
おやすみ。あしたはおやまにいこうね。
そう言ってふとんに向かった息子だが、時刻はすでに22時をまわっていた。彼にとって花の金曜日とは「よふかしオッケーデー」を意味する。
そんなんじゃ早起きできないじゃないのよ!
そんなに山、行きたくないのかな? とも思ったけれど、この土曜は近くの公民館に移動動物園が来る日だった。それを「どうぶつにあいたいけどまたきっとくるから」とパスしてまで息子はおやまを選んでいたのだ。
雪の装備はもっていないので高すぎない山、でも冒険感のある山。
早起きできたら権現山、だめなら倉岳山か高柄山あたりかな。
はたして翌朝、8時ぐらいにやっと起きてきた息子だった。おにぎりできてるよ、昨日のカレーの残りを流し込んだら出発だ!
いつも通り京王線から高尾駅で山梨方面に乗り換え。10:19高尾発の列車は大月ゆき……残念ながら中央線のオレンジ車両。これには息子もがっかりである。
さて、今日は梁川駅で降りて、倉岳山に向かうことにしよう。そして早く登れたら、無生野におりて秋山温泉に向かおう。
初めて降りた梁川駅はどこまでもシンプルなつくり、トイレと自販機がある程度。ここからすぐ橋で桂川を渡り山に向かう。4人くらいのベテランハイカーさんたちが先に向かっていた。
冬枯れの草のたねをバサバサ飛ばしたり、ガードレールのコケをカタツムリが食べた跡を観察したり、いつも通りマイペースな息子。よし快調だ、でも温泉行けるように進もうな?
登山口まで少し車道を行くのだが、山崩れのため通行止めとの看板が立っている。なるほど、でかい木がひっくり返っていたり、山肌が崩落していたりと、台風直後はすごいことになっていたのだろうという感じ。登山口も土砂崩れに少し埋まっていた。
倉岳山への登山道は、立野峠を経て無生野方面に向かう古道。それゆえとても歩きやすくできている。沢にそってゆるやかに高度を上げてゆく、心地よい道。息子のエンジンは早くも起動、平らな道を走ったりして進む。
ところどころ、台風のダメージが残っている。しかし修復や回避などの再整備がかなりていねいに行われていて、少しでもルートが不明瞭だと赤ペンキで岩に印が付けてある。
ほぼスギの林、昼前なので北斜面のこの登り道にも木々のあいだから陽が当たる。息子はキラキラ輝く霜柱を見つけて満面の笑み。ほかにも沢水が岩の上で凍っているのを見つけ(て息子がひたすら掘)るなど、あたたかいけれど気温は低いことがわかる。
12時きっかりに息子は腹をすかせた。なんて正確な腹時計! 何のおやすみポイントでもないけどおにぎり食べようか。でもあったかいスープとかは山頂でいただこうね。
このあと、アポロ(チョコ)とみみじゃーがーき(ミミガージャーキーを息子はそう呼ぶ)を交互に口に入れながら、いいペースで進む。思い出したようにヤッホーと叫ぶと、こだまがけっこう帰ってくる。
沢の左右を縫うように上がっていくから、渡渉が繰り返される。でも岩を踏めばすぐ渡れるものばかりで、息子は「またかわわたりたい」なんて言い出す始末。そういうからには絶対の絶対に水没しないでくださいね!!
水場と思われるポイントがあり、ベンチを横目に進んでいくと、道は沢から離れてトラバース。ジグザグに高度を上げていくと、青空が見えた。立野峠だ。
ここで息子はみかん&チーズタイム。父は無生野に降りられるかどうか時間をみている。なにせ無生野からはバスが1本しかない。逃すとゲームオーバーどころの騒ぎではないから、別ルートも考えている。でもまずはしっかり進むことだ。息子は3つ目のベビーチーズを食べた。進んでもよろしゅうございましょうか?
峠からの道は完全なる稜線歩き。小ピークに向かって急に高度を上げたり、ゆるやかにくだったり。大月方面も、無生野方面もクリアに見える。このぶんなら富士山も!
気持ちいい稜線歩きも、最後の最後だけは急な登り道に。乾燥しているので土が砂のようになっていて、急角度ゆえにすべる。すれ違ったハイカーさんも転びそうになっていた。
このペースで登り切って、頂上での休憩を最小限にすれば無生野におりて秋山温泉に行ける! さあ最後頑張ろう!
と言った瞬間、息子は鼻血をだしていた。鼻のかみすぎかもしれないが、ぽたぽたと岩の上に鼻血がおちる。もしかしてこれほかのひとびっくりするんじゃない? と息子がワクワクして言う。いや、これどう見ても岩でザックリやっちゃったように見えるよ、これダメダメ! 葉っぱと砂で目立たなくして進もうか。
このアクシデントで15分ほどロスした結果、無生野→秋山温泉コースは晴れて無理となりました! ガッデムだね! でもしかたないね。
ほどなく、倉岳山山頂に到着! さすがの景色、大月方面、無生野方面どちらもよく見える。唯一見えないものは雲に隠れた富士山! ガッデムだよね! でも別にいいね。
追い抜いていった方々がいたけど、すくわ高畑山に向かっていったのか、山頂には誰もいない。ここはさすがにみごとなけしきだねすごいね、と息子がいう、そんな山頂をふたりじめできた。
あたたかいスープを飲み、大好物のさけるチーズとうがらし味をいただく息子。このさけるチーズは1年前に扇山に登ったときも山頂で食べ、辛くて大きくムセた思い出の食べ物である。山も辛さもあれからずいぶんいけるようになったね。「きょうはのぼりづらいところのないおやまだったね」なんて言っている。
ちょっとだけかくれんぼして遊んだら、暗くなる前に山をおりよう。お隣の高畑山に登ったときは完全にミスってブラックアウト、あれを繰り返さないように。
穴路峠方面も、山頂直下はかなり急。滑らないように慎重に進む。
穴路峠からは急斜面を大きくトラバース……が、このトラバース道がかなり埋まっていて怖い。滑り落ちたらそうとう下まで止まらなさそうな急斜面だ。そこにガンガン倒木が横たわる。いきなりとても進みにくい。こういうコースを選ぶのはあまり感心しないぞ、的なことを言う息子。いや、実はこのコースはね……。
トラバースを何度か折り返して、道は沢と並行して進むように……が、台風のときなのだろう、沢が道を破壊しまくっている。明瞭な踏み跡はなく、ピンクテープが頼りになる。
ピンクテープ、間隔が短いところは乱発状態。こんなになくてもいいよねえ、と息子に言ったところ、テープの間隔が粗かったらショートカットしちゃう人がでるやろあかんやろ、的なことを言われた。ごもっともー
岩で覆い尽くされた道も渡渉も、ピンクテープを頼りに歩けるところを行く感じ。従来地図に載っている所要時間はこのコースについてはまったくあてにならない。
夫婦杉はなんでこんなふうにはえたんだろうねえ、夫婦っていうより双子だよねえ、なんて話をしながらおりていく。道がいったん沢を離れ、急カーブで戻ってきたあたりにお地蔵さま、ここで高畑山からの道と合流する。
こんな荒れ荒れのところを、ブラックアウトしながらよく降りられたものだ……去年11月に完全日没の中、充電の切れそうな携帯の光だけで歩くという地獄体験をした、それがまさにこのルートだった。
お地蔵さまのあとは、(※ブラックアウトしていなければ)荒れも気にならない歩きやすい道。沢の中のような岩だらけのところを進むのがやや大変といったくらい。貯水池を左手にみるころ、道は林道に。
ここで皮がザキザキにめくれた木を発見。さらに近くにはクマ出没注意の看板も。クマよけの鈴もってきてないの? と聞く息子。いや持ってきてるけどこんな人の多いところに出やしないよ。
クマへの恐れをほどきながら、なぜ用水路のうえには金属の棒を等間隔でつけてあるのか、などという話をしていたらゲートにたどりついた。本日の登山道終点、高畑山登山口に到着である。
この道は前に真っ暗になっちゃたとこだよ、と息子に言うと、そうだねここでバッタにがしたのおぼえてるよ、と。ほんとお前強いやつだな。
あとは鳥沢駅までのんびり歩こう。草の実を使ってウサギの真似をする息子が存外かわいい。
踏切で東京方面の普通列車を見送った、ということは少し時間ができたからコンビニで好きなものを買おう。パパはおさけ! 息子はとろけるピーチのジュースと、あとなぜか辛〜イカというおつまみをゲットしていた。どうやらダジャレな商品名に惹かれたようだ。
温泉なしのおやまはひさしぶりだね、と息子。そうな、今日は残念。鼻血がなければね、でもすごく頑張って早く登ってくれたよ。またひとつ成長したね。今度はいい温泉行こうね、もう少しだけ早起きして。
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