三方崩山 ホワイトアウトでスリリング尾根
- GPS
- 09:58
- 距離
- 13.4km
- 登り
- 1,609m
- 下り
- 1,609m
コースタイム
天候 | 小雨のち曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
800mまでの林道は雪が切れ切れ。何度も脱着した。 1050mまでの登山道も切れ切れで、東面に変わる尾根から雪は安定してきた。 1244mから1624mまでは藪が多いが、広い斜面で歩きやすい。 1624m以降はヤセ尾根が続く。 2000mのポコはカニで下ったが、カリカリなので前後の谷に落ちないように注意。 山頂手前のポコは左から巻く。 滑走は基本的に来たルートを戻る。2000mのポコはカニで登り返す。エッジがしっかりしていないと危ない。 1000mまでスキーで滑走。それ以下はシートラで下山。 |
写真
感想
今日は水曜友の会、コーエーと差しでどこへ行こうか?近場でハードでスリリングな山行を楽しめるとググったら三方崩山と出た。この山スキーでは通常は弓ヶ洞右俣を詰めることが多いが、今年は雪不足で谷は厳しいと判断してナイフリッジが連続する夏尾根を利用することにした。このコースのスキー滑走は自分以外はほとんど記録はない。
コーエーと深夜2時半道の駅発と約束した。2時前に着いたがしばらくしてコーエーもやってきた。少しフライイングで2時20分小雨の中スタート、今日はビーコン、ヒトココによる捜索訓練も行う、林道は雪が切れまくっていて難儀した。林道終点から雪は繋がるかと思ったがやはり途切れはあった。1000mからようやく雪は繋がった。もうすでに汗だくである。
新雪は重くてポンに湿雪がまとわりつき重いこと、重いこと、Jリーグ養成ギブスかと思った。一人休憩して一人が先を行きビーコンを隠して後続が探し当てて持ってくるというのを交互に行った。コーエーはビーコン捜索は初めてであった。コーエーのビーコンは25m以内に近づかないと反応しないと判明、これはまずい、焼岳級の雪崩ならまず単独捜索は難しい、15分以内に掘り出すなんて至難の業だろう。自分の機種でも40mから初めて探知可能であった。二人ともびっくりポンであった。
さてここでヒトココの出番、ヒトココはビーコンに比べて近接してからの捜索はムズイが先日の大日のように500m以上離れていても反応した。10m単位で近接していくのがわかるのでビーコンの捜索可能距離まではヒトココ、最後はビーコンでピンポイント捜索するのが一番合理的であった。2つあればかなり捜索は楽で安心できると納得した。
またヒトココは暗闇の中でもパートナーがどれだけ離れていてちゃんと追随してきているかどうかがはっきりわかるのではぐれても安心感がある。早速コーエーもヒトココを購入すると言っていた。たまにはビーコン捜索テストを行って自分のビーコンの特性を知っておこう。飾りじゃなくて使用してなんぼである。
さて小雨は続きガスは濃い、核心部分が始まる1625m辺りで予定通りようやく明るくなったがガスで視界はなかった。ここからのナイフリッジ尾根はYSHRが先頭でルートを切り開く。左右とも奈落の底である。全く油断できない、緊張の連続であった。雪庇は右手左手とあらゆる場所にできているから注意、おまけに落とし穴、さらにホワイトアウトと難易度はかなり高い。コーエーは白山より遥かにムズいとビビっていた。
問題は表層雪崩だがこれが起きれば谷底までボブスレー、しかし今日を選択したのは新雪は湿雪で結合はとても良いと判断したからである。かなり急な斜面でストレスをかけてみたが雪面は全く割れることはなく安心してナイフリッジも歩けた。
ナイフリッジの右左と雪庇を避けながらルートを伸ばしていく。難所を次々にクリアーして山頂手前でコーエーに先頭をタッチ、しかしガスの中うまくルートが取れず即交代、最後仲良くピークに到達した。スタートから7時間のスリリングであった。
山頂で記念写真を撮ったらナイフリッジ帰還、板を履けばもう全く問題なく右に左にコースを取ってガンガン滑走していく。1625mまで厳しい尾根をクリアーすれば後は藪滑降。まあぶっ飛ばした。コーエーは藪滑走も少しマシになったが、まだまだ遅い、先にガンガン降りて1000m地点で板を傷つけないように担ぐことにした。休憩後ヒトココでその差400m、コーエードンドン降りているのがわかるので安心して先に下れた。
山頂から2時間かからず無事道の駅へ、待つこと20分コーエーも無事帰還、お疲れ様でした。コーエーにはとってもスリリングだったがとっても勉強になったと思う。
今回の水曜友の会は三方崩山と決まった。2月初めにも候補に挙がっていたが、諸事情により別案となった。その時に昨年の記録を見たら、かなりスリリングな山行だったので、その時は正直ホッとしていた。今回また三方崩山と決まり、緊張はしていたが、2月にいろいろハードな山を体験してきたので、頑張ってみようと思った。
今回はビーコンや、ココヘリの動作確認もするので、2時30分スタートとなった。道の駅には2時に着くと、もう先生はスタンバイされていた。僕も急いで支度をして道の駅向かいの林道から出発。
林道にはしばらく歩くと雪が出だしたのでスキーハイク。しかし日当りのいいところはすっかり融けているので脱いで歩く。こんなことを何回も繰り返し、結局林道最終地点まで到着し、夏の登山口からスタート。ここでも日当りのいいところは登山道が露出していた。1000mを超え、東面の斜面から雪は安定してきたので、ここからビーコン訓練。
雪山に入るようになって5年くらいたったと思うが、これまで一度もビーコンの操作をしたことがなかった。先日焼岳で雪崩に遭遇し、真剣に考えなければいけないと感じていたところ、先生から提案があったので、いい機会だった。
先生がビーコンを隠し、僕が後から探す。25mから反応し、近くなると周辺を捜し、見つけることが出来た。先生からヒトココをお借りし、自分のココヘリを捜してみたところ、遠距離から発見は出来ているが、近くなると見つけにくい。今回の感想としては併用するのが一番効果的で効率が良いと感じた。自分の機器を知るいい機会となった。
明るくなり、1624mを超えると、いよいよ核心になっていく。まだ視界がある標高では僕が先頭で行くが、視界がなくなり始めると、先生と先頭交代。雪の状態は湿っていて結合が良く、雪崩の危険性は少なかったが、場所によっては5センチくらいのカリカリモナカや、着雪がもろいトラバースなどは警戒し離れて行動した。山頂手前の1950mのポコが核心で、登りも下りも慎重に足を運んだ。ナイフリッジのためどちらに落ちても急な谷で失敗は許されないので、なかなかスリルがあった。
最後はまた僕が先頭になって進むが、小ピークの通過でどちらにルートを取ろうかという判断の時、地形図では右からのほうが斜度が緩そうに見えたので、そちらから行こうとしたが、実際は左が安全に行けるルートだった。少し登り返しは出来るが、安全な方を行けなければいけない。わざわざ危ないことをする必要はないと教えていただいた。このあたりの判断が出来ないと、いつまでたっても着いていくだけである。
癒やしの森を過ぎると山頂に着いた。ここまででも十分だけど、先生はさらに奥三方から間名古まで行かれたこともある。かなり気合が入っていないと行けないと感じた…下山も油断できないので、緊張を保ちつつ確実にこなした。絶対に無茶はせず、安全優先で滑走した。時折青空ものぞくが、ホワイトアウトにもなるので、スリル満点の滑走だったが、樹林まで来ると一安心。少し藪いが、重い新雪でまだコントロール出来た。さらに下は板が走る雪質だったのでスピードが出過ぎないよう気をつけた。
1000mで滑走終了し、シートラで下る。行きは暗くて見えなかったが、下山時よく見てみると、山肌には雪は全くないところもあった。林道ではスキーが使えるかと思ったが、雪切れが酷く、石も転がっているのですぐに担いで下山した。道の駅に戻ると先生はすっかり帰り支度が済んでいた。当面の目標は、同じタイミングで下山することだ。今回は色んな発見や、経験を積むことが出来て有意義な山行となった。白山は体力があればなんとかなるが、今回のような山は体力はもちろん、技術、判断力が必要なので緊張度は全く違った。ありがとうございます!
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