阿多野からの乗鞍岳:九死に一生を得た
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- GPS
- 10:30
- 距離
- 21.6km
- 登り
- 1,810m
- 下り
- 1,813m
コースタイム
- 山行
- 9:39
- 休憩
- 0:51
- 合計
- 10:30
天候 | 曇りのちホワイトアウト |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
森林限界上部はアイスバーンにはなってなかった。 雪が舞っていたので、意外にもグリップは良かった。 但し、このような条件では潔く撤退が必要。 |
その他周辺情報 | 温泉は離れていますが、下呂市萩原にある「しみずの湯」 700円のところJAFカード提示で100円引き |
写真
装備
個人装備 |
ザック(mhmパウダーケグ32)
スキー板(ディナフィットバルトロ 158cm)
ビンディング(G3タルガアッセント)
クトー(G3アッセントクランポン)
テレマークブーツ(スカルパT2ECO)
セルフアレストピック(BDウィペット×2)
ヘルメット(ベアールアトランティス)
ビーコン(マムートエレメントバリーボックス)
プローブ(オルトボックス320cm)
スコップ(BDディプロイ)
ヘッドランプ(ペツルアクティック)
クランポン(BDセラッククリップ)
サングラス(オークリーレーダーパス)
ゴーグル(スワンズRUSH-XED)
日焼け止め
リップクリーム
ビーニー(BD)
ヘルメットビーニー(BD)
ヘルメットビーニー(テルヌア)
ヘッドバンド(マムート)
バラクラバ(ホグロフス)
テムレス
インナーグローブ
予備グローブ(BDガイドロブスター)
スキーシール(BDグライドライトモヘアミックスカスタムSTS)
シールワックス
スキーワックス
カメラ(CANON IXY32S)
GPS(ガーミンeTrex20J)
スマホ
予備電池(単3
単4
モバイル用)
ドライバー(+
-)
コンパス
笛
ナイフ(ビクトリノックススイスチャンプ)
飲料
行動食
非常食
防寒着(ユニクロウルトラライトダウンジャケット)
ファーストエイドキット
ココヘリ
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感想
休日出勤の代わりに働き方改革のおかげで臨時の休日ができたので、因縁の阿多野からの乗鞍を目指した。
天気はおもわしくなさそうだが、必ずピークに立ってやるとスタート。
今シーズンの貧雪ならばキャンプ場まで車で入れるかなと期待していたが、県道39号からキャンプ場へ進入すると200mぐらい先で除雪の雪が塞いでいたので県道の駐車スペースからスタート。
その先からすぐにスキーで歩くことが出来たが、1ヵ所20mぐらい板を担いだのみだった。
林道のショートカットも概ね問題なし。
林道から尾根への取り付きも笹が出てるものの気にならない程度であった。
この尾根は意外に歩きやすく、1ヵ所の小さな沢横断もそれなりに雪が付いており、問題なかった。
明るくなってから山頂方面を見るとガスの中。思いやられる。
森林限界まで達すると徐々に視界がなくなってくる。
この先は元々露岩とオープンバーンなので、GPSがないと全く行動できない。
今回はこれのみが頼りであった。電池切れやフリーズでもしたら即遭難である。
ある程度地形は分かっているつもりだが、ホワイトアウトではそんな余裕は出てこない。クトーを装着して慎重に進むが、雪面の食いつきが良かったのが救いであった。
視界があれば大日岳と思っていたが、視界がないので、GPSの夏道に沿って剣ヶ峰を目指すことにした。
風雪もどんどん強くなり、火口縁に辿り着くと爆風。
風下の南面から乗り上げることにした。
最後の50mはクトーから靴アイゼンにチェンジ。山頂小屋が見えた時はほっとした。
山頂に立つとじっとしていられない状況。
とにかく地獄から抜け出そう。
来た道を引き返すが、傾斜が強く滑落の危険をひしひしと感じた。
そこでやらかしてしまった。
アイゼンの爪が抜けて横倒しになり、本当に滑落してしまったのである。
ログを見るとおよそ30mほど落ちたようだ。奇跡的に止まったのは正に偶然である。
シートラの状態であったので、板とかがブレーキになってくれたのか?雪面も新雪が多少積もっていたのも助かった。
滑落中2〜3回岩にヒットした記憶があり、停止から立ち上がると重大な怪我はなさそうであった。ダブルウィペットがなくなっていたので、それだけが心配であったが、少し登り返すと2本とも発見!これで生きて帰れると思った。
しかし、両腿、左膝を打撲したようで、いまいちふんばりが利かず。
全く視界もないので、アイゼンのまま2850ぐらいまで歩いて下り、傾斜が若干緩くなったところで板にチェンジした。
しかし、足が痛み、ふんばりが利かない。ボーゲンと斜滑降ならゆるゆるで下っていけた。
但し、視界不良はまだまだ続き、GPSとにらめっこしながら雪酔い状態で森林限界付近まで来た所で一安心できた。でも尾根滑走は細かいターンが要求されるので非常に辛い。なるべくターンしないように大きなトラバース気味に斜面を横切っていった。
時間はかかるものの、間違いなく暗くなる前には戻れる状況で林道まで着くと本当に安堵した。
今回の失敗は、
.好ーからアイゼンにチェンジした際、余裕を持って地獄ゴーグルをはめれば心に余裕ができ、冷静な判断ができたかもしれない。⇒気温は高めだったのでサングラスでも特に問題ないと思ってた。
∋劃困ら下る際、南面は元々急傾斜と分かっているので、下りでは慎重にバックステップで下降すべきだった。⇒急いで逃げ帰ろうとばかり考えていた。
K寨茲覆蕕發辰帆瓩っ奮で撤退すべき条件であった。⇒油断。
以上のことから一番重要な要因は冷静な判断ができずに、油断していたことだろうと考える。
恥ずかしながら戒めとして、これは何度も言い聞かせるが、何とかしなければならない。こんな山行してたらまた同じ轍を踏むことになる。猛省。
コメント
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maoyukiです。ログ見ました。
滑落、山頂の南ほんのすぐ下ですね。僕も何度か歩いてます。
一直線に滑落してる。さらに30m位落ちていたらヤバかったと思います。その先は沢筋近くまで雪付き薄い露岩地帯になってるはず。
そこまで加速したら岩岩に弾かれアウトだったと思います。九死に一生、まさにそうだね。
あの長い道のりの中、下り歩行不能にならず、何とか帰還できて、ヒヤリハット?で済んで良かったです。
対策を考えて次に生かしましょう。
私の方はほぼ治りました、今週末から復帰予定です。
一緒に行きましょう。
心配おかけしました。
いつもながらヒヤッとした後に思うことは、どうしてもっと冷静な判断ができなかったのだろうと思うことばかりです。
こんなんではダメだなぁ・・・
次の山行までには痛みをそれなりに直したいです。
大変でしたね。無事、自力下山できて本当に良かった!
もし止まらなかったらと思うと、怖くていられなかったと思います。単独で不安だったでしょう。でも、気丈に冷静に下山をできたのは、さすがです。
昨日は晴れ予報だったけど、3千級の山は違うものですね。実は、今日、スキー場から登り、滑り台を滑ってきました。視界も良く、風もなく、雪質もベストでした。
今日だったら良かったんですね。
ktn92さん、今晩は。
photoNo.16からphotoNo.17まで写真がないので、いかに大変だったか想像できます。アイゼンの爪が抜けて横倒しになって30m滑落し頭を打たずまた骨折がなかったのは幸運でした。とにかく命があり、ソロで帰還できる余裕があって良かったです。
自分も昨シーズンの金山岩BCの滑落を思うと決して他人事とは思えません。今回の滑落を今後に生かせれば、無駄にはならないかと思います。
hareharawaiより
ご心配していただいてありがとうございます🙇本当に運が良かったとしか言えません😵まだまだ甘いなとしか言い様がないです😓一番大事なのは同じ過ちを起こさないことだと思いますので今後も精進していく所存です。昨日、今日の山行で何とか普通に登って滑れると確認できました。
久しぶりに記録を拝見したらなんと、滑落❗僕も2ー3回ありますが初期制動でスローな滑落で済んでますが、やはり危ない時はバックステップの方が良かったですね。昔sと山頂から滑走したとき怖いもの知らずで、アイスの岩の間を滑りました。滑落したログの辺りです。今なら絶対出来ないな。慎重には慎重を、、ですね。でも、次へのステップアップにはなったのかな。
ご心配おけけしました。
まだまだ素人です・・・
油断大敵とはこのことです・・・
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