綿向山(過去レコです)。


- GPS
- --:--
- 距離
- 9.8km
- 登り
- 865m
- 下り
- 872m
天候 | 晴れ。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2009年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
下りの水無山北尾根コースは崩壊個所あり。 |
その他周辺情報 | 永源寺の近く、「八風の湯」で汗を流しました。 |
写真
感想
2009年のゴールデンウイークは6連休、こんな時に出掛けたら大渋滞に巻き込まれると思ったが、一日だけ日帰りで近くの山に登ることにし、鈴鹿の綿向山を選んだ。鈴鹿といっても綿向山は滋賀県の山である。滋賀県の県境の山には登ったことはあるが、滋賀県の山に登るのは始めてのことである。5月2日、連休の2日目、名神高速は数珠つなぎの混雑であるが、渋滞には巻き込まれることなく八日市ICで下りる。ナビを西明寺に合わせ、あとはナビまかせ。少々回り道をしたが、無事登山口の駐車場に到着。広い駐車場には結構車が駐まっているが、まだまだ余裕はある。雲ひとつない青空の下、登山口に向かって林道を歩く。棚田には水が引かれ、もう田植は終わっている。棚田を過ぎ林の中に入ると、「綿向山の接触変質地帯」と書いてある。なんだこれは? 妙なことを考えてしまうが、それにしても怪しげな地帯に紛れ込んだもんだ。「この地帯の岩石はジュラ紀に堆積したもので、主に泥岩と砂岩からなり、より古い時代のチャートや石灰岩を伴っている。この石灰岩が高温のマグマの貫入により熱変性を受けて珪灰石・ベスブ石・ヘデンベルグ輝石・ザクロ石などを生んだ。ここ綿向山麓はそjの代表的な地域とされ、昭和17年に国の天然記念物に指定された」と、どうやら大理石があるらしく、わたしの考えが怪しかっただけ。25分程で表参道登山口に到着。真新しい小屋があり、傍らに「ここは標高460m、頂上まで4300m」との立て札が立っている。スギの植林地の中の結構急な山道をジグザグをに登る。立て札が見えるので何が書いてあるのかと見ると、「一合目、ここは標高545m、頂上まで3720m」とある。「え〜、まだ一合目」、疲れがどっと来る。長いジグザグの繰り返し、15分程で二合目の印が現れる。変わりばえのしない登山道を登ると小屋が現れる。「11月10日は綿向山の日」と書いてあるのを見ると、綿向山の標高は1110mだと思われる。林道に出て、そこは三合目。すぐにヒノキ林の中の登山道に入り、相変わらずのジグザグを登る。山肌から登山道に崩れ落ちてきた小石が道の谷側の端に綺麗に除けられている。本当に良く手入れがされていると感心させられる。五合目にはこれまた真新しい小屋が建ち、入口にはカネ(鐘)が吊らされている。ん?この山はなかなかカネ(金)がかかっているぞ。ゆるやかなジグザグ道、六合目の標識はあったのかな? 小さな広場に登り着くとそこは七合目。青銅の仁王さんと行者像に挟まれて小さな祠が建っている。ブナの木が立ち並ぶ尾根道を進むと水無山への分岐があり、帰りはこちらの道を下山することにする。しばらくすると「金明水」と書かれている。下を見ると、枯れ葉の積もった地面から、水が結構な勢いで流れ出している。ここがヒミズ谷の源流である。九合目も過ぎ、もう少しだなと気持ちも安らかに登っていると、重そうなザックを背負った男がいる。見ると、男は大きな石、いや岩を背負っているではないか。頂上を整備するために、金明水の所から石を運び上げているのだと云う。「どこから来たんですか?」、「岐阜からです」、「綿向山は始めてですか?」、「そうです」、「綿向山を愛する会のHPは見られましたか?」。色々話し掛けてくる。「会員は128名いるんだが、ただ登るだけでわたし一人で整備しているんだ」と嬉しそうに話す。「ラリー・ベル、藤澤茂男」と云う名刺を渡し、HPに今日の話しを書き込んでくれと云う。どんな仕事をしているのか知らないが、この人にとっては綿向山はまさに生き甲斐。重そうな石を背負って一緒に歩きながら話しているが、最後に長い急な階段を登り始めると、さすがに立ち止まる。11時10分、鳥居をくぐって頂上に到着、駐車場からおよそ2時間半の行程であった。山頂広場には大勢の人が休んでいる。ベンチに腰をおろし、鈴鹿の山々を眺めながらオムスビを頬張る。鎌ヶ岳はその特異な山容からすぐにわかるが他の山は分からない。羅針盤で見ると正面の穏やかな山は雨乞岳のようだ。伊勢湾やアルプスなど、遠くの地名も刻んであるが、この春霞みに遮られて見る事は出来ない。ゆっくり休んでいると続々と人が上がってくるので席を譲るため立ち上がり、まだ12時前ではあるが下山することにする。急な階段を下り、九合目も過ぎるとラリー・ベルさんがまた重そうな石を二個背負って登ってくるのに会い、御苦労さんと声を掛ける。金明水の辺りはなるほど大きな石がゴロゴロしている。しばらくすると分岐に至る。「水無山北尾根コース」の標識があり、入口には滑べりやすいので注意せよと表示がある。急な山腹のトラバース道は狭く、おまけにヒミズ谷側に傾斜がついている。ヒミズ谷は深い。所々道は湿っていて、ここで滑り落ちてはやばいぞ。おっかなびっくり左山で下る。雑木林の中から出ると視界が開け、崩壊場が現れる。表示は無いが、ここが「文三ハゲ」だろうという事は容易に想像出来る。ここから右下に下る道も狭く、やはり谷側に傾いて、木まで斜めに生えている。気を緩める事が出来ない。水無山からの道を合わせ、北尾根の山腹を下る。下り始めて一時間ほどしたところでひと休み、緊張をほぐす。相変わらずの細い道が続く。ヒノキの林はそろそろ伐採時期なのだろう、ヒノキの苗がシカに食べられないように保護されている。イワカガミの群落、こんなに沢山咲いているのも珍しい。下を向いている花を手にとって見ると、紫がかったピンク色の花弁が釣鐘状に細裂し、その中に小さな小さな蝶の形をした白いものが5個、これは雄しべ、それとも雌しべ。やがて林道に降り立つも、すぐにまた登山道に入る。ヒノキ林の中、急な斜面をジグザグに下り、登山口に降り立った。ちょっと緊張した2時間弱の下りであった。ここからはのんびりと林道を歩き、帰りついた駐車場は車で溢れていた。5時間15分の山歩き、天気にも恵まれ、久し振りに頂上まで登ったことに満足満足。
永源寺の近く、「八風の湯」で汗を流し、帰途についた。
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