【過去レコ】赤岳・横岳・硫黄岳縦走 台風接近で人生最大の強風 今から思えば正常性バイアスの連続で反省しきり…
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- GPS
- 32:00
- 距離
- 14.5km
- 登り
- 1,423m
- 下り
- 1,423m
コースタイム
天候 | 2015年台風11号直撃 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
その他周辺情報 | 赤岳天望荘に宿泊 http://www.yatsugatake.gr.jp/tenbou.html 下山後は信州原村八ヶ岳温泉 もみの湯で入浴 http://www.lcv.ne.jp/~mominoki/hotspa.html |
写真
感想
この年の会社登山部一泊は八ヶ岳の中でも人気の赤岳・横岳・硫黄岳縦走コース
7月だというのに台風11号が近づいていて天気予報もめまぐるしく変わる
この時に初めて利用した<てんきとくらす>の山頂予報では風速20m/sとなっている
18日よりも19日は台風が遠ざかり、天気が回復しそうなので、とりあえず予定通り現地に向かい、風雨がひどい場合は美濃戸の山荘に宿泊し、19日に赤岳のみをピストンするプランとする
長野県までの道中の雨・風は大したことはない
深夜の運転のため、約1時間毎に道の駅等で休憩をはさみ、7時30分過ぎには登山口の美濃戸に到着
美濃戸は無風で、レインウェアを着ようか迷うほどの小雨しか降っていないため、当初の予定通り、赤岳天望荘を目指して出発する
往路は南沢コース、寝不足のためか、汗が吹き出し、ペースがなかなか上がらない
この辺りは花も展望もなく、ひたすら行者小屋を目標とする
2時間半あまりで行者小屋に到着、少し時間が早いが、昼食とする
食べている間に風雨がやや強まってくるが、行者小屋泊と赤岳天望荘泊では2日目の行程もかなり変わってしまうので、赤岳天望荘まで行くことに決定
行者小屋からは文三郎尾根をたどる、やがて阿弥陀岳方面からの道と合流し、稜線に出ると、もの凄い強風だ
天気予報の通り、20〜25m/sくらいはありそうで、近くでメンバーと話をしても風の音で会話が成立しない
停滞していてもよくなる気配はなく、行者小屋まで戻るのも憚られるので、意を決して赤岳山頂へのアタックを開始する
小学校高学年の男の子を連れたファミリーが近くにいたので、私たちの間にはさんで、一緒に行動する格好となる
風は強いが、転落しそうな場所はないので、恐怖を感じることはない
山頂直下にハシゴやクサリがあるが、短く、安定しているので大丈夫だ
13時10分,赤岳南峰に立つが、もちろん何も見えない
写真だけ撮って赤岳頂上小屋の前まで進む、先ほどのファミリーも赤岳天望荘宿泊の予定だったが、変更して頂上小屋に泊まるというので、ここで別れる
風はさらに強まっているように感じる、なるべくメンバーが離れないようにくっついて進む
天望荘直前の箇所が最も風が強く、吹き飛ばされそうなほどで、一時身動きできなくなるが、手をつないで何とか前進、這う這うの体で赤岳天望荘に入る
まず,濡れたレインウェアを乾燥室に干してから、小屋の受付をする
「つくもぐさ」という部屋を案内される、布団&寝袋が15人分用意してあるが、今日はこの部屋を私たちのみ7人で使用できるとのこと、悪天候万歳!
山頂に建つ小屋にも関わらず、この山荘には風呂(五右衛門風呂)がある
熱々のきれいな風呂に大満足だ、強風に冷えた体が芯から温まる
その後は,食堂で宴会
夕食は17時15分からこの小屋名物のバイキング、この日は宿泊者が少ないこともあり、食事も食べ放題だ、悪天候万歳!!
2日目、朝4時起床、外の天候は全く前日と変わらず、20m/sは吹いていそうだ
三々五々、メンバーが起きてくるので、今日の予定を相談
この日のコースは難所の横岳を通過するので、この強風では危険だ
このまま地蔵尾根から下山するのであれば、美濃戸まで3時間ほどしかかからないし、天気は回復の予報(風速10m/s)なので、8時頃まで小屋に滞在し、天候の回復具合で「横岳・硫黄岳縦走」か「地蔵尾根経由下山」かを判断することに決定
5時15分からゆっくり朝食を食べ、身支度を整え、部屋でしゃべって時間をつぶす
7時30分頃、少し風がおさまってきた、体感的には予報の10m/sくらいだろうか?
KM先輩が小屋番さんに相談に行くと、「この風はここではましなほう」と言われたとのことで、当初の予定通り、横岳・硫黄岳を縦走するコースを歩くことにする
小屋の外に出ると、富士山が顔を出し、「お見送り」してくれる
まずは横岳を目指す、いくつかクサリ場やはしごがあるが特に困難を感じることはない
あれっという感じで天望荘からちょうど1時間で横岳山頂に到着、相変わらずガスで展望はない
ガイドブックでは、横岳山頂から硫黄岳方面が最も危険と書いてあるので、ここからは要注意で慎重に進む
ところがあっという間に両側にコマクサが咲き誇る歩きやすい道に変わる
どうやら難所は過ぎたようだ、ガイドブックには、「横岳南稜と北稜の岩稜も危険箇所が続く」「登るほどに急峻さが増し」「ここから横岳北陵の核心部がはじまる」「カニの横ばい」「ここは足元がすぱっと切れ落ち,横岳北陵の中では最も恐怖感を感じる場所」「ナイフリッジ上で滑落には要注意」等と、恐怖心をあおる表現がたくさんあったが、実際には高所恐怖症の自分でも一度も怖いと感じることなく、難なく通過
念のためにヘルメットを持ってきたし、ヘルメットをかぶっている人も非常に多かったが、この程度の岩場はそんなに珍しくないのでは?と思うほどであった.
横岳山頂から30分で硫黄岳山荘、緊張もほぐれ、メンバーにも笑顔が見られる
この後は特に危険箇所はないので、ひと安心
硫黄岳から先は樹林帯に入り、結局、赤岳・横岳・硫黄岳そのものは2日間一切見えず、展望は小屋を出る際に見えた富士山だけであった
森林帯を黙々と下ると、やがて昼食予定地の赤岳鉱泉に着く
ここの名物であるカレー800円(6種類あり、インドカレーを選択)を注文
さあ,出発しようかという時に雨が降り出し、レインウェアを装着
ここからは北沢を行く、30分余りで林道に出る
車が走れる道まで来たとなると、美濃戸は近い
13時45分、車へと戻る
もみの湯で2日間の汗を流した後に帰路に着く、帰りも眠くならず、順調に富山へ
大沢野のガストで夕食をとってから高岡へと戻る
2020年4月、5年ぶりに八ヶ岳の記録を振り返ると、要所要所の判断の際、思いっきり「正常性バイアス」が働いていることに気づきます
・長野県までの道中の雨・風は大したことはない
・美濃戸は無風
・天気は回復の予報
・小屋番さんに相談に行くと、「この風はここではましなほう」と言われた
【台風が接近しているため、八ヶ岳は中止にした】
これが正解だったと思います、反省しております
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