北又小屋-朝日岳-栂海新道-親不知
- GPS
- 20:18
- 距離
- 33.4km
- 登り
- 2,842m
- 下り
- 3,490m
コースタイム
北又小屋 0730-38
1合目840表示 0805
2合目940表示 0822-29
3合目1020表示 0845
4合目1140表示 0900
5合目下 0920-34
5合目1300表示 0939
6合目1390表示 0951
7合目1510表示 1009-16
8合目1630表示 1038
9合目1720表示 1051
イブリ山 1107-20
夕日ヶ原 1216-31
朝日小屋 1311
10/6
朝日小屋 0446
朝日岳 0533-47
吹上のコル 0615
長栂山 0643
アヤメ平 0700-11
黒岩平 0809-14
黒岩山 0832
文子ノ池 0851
文子ノ池北 0857-0906
さわがに山 0941
北又の水場 1008-29
犬ヶ岳 1102-11
栂海山荘 1117-24
黄蓮山 1205-16
黄蓮ノ水場 1230-43
菊石山 1257
下駒ヶ岳 1327-38
1165P 1423-34
白鳥小屋 1452
10/7
白鳥小屋 0640
山姥平 0701
シキ割水場 0733-47
金時坂 0813
坂田峠車道 0826-39
尻高山 0912
車道と交差 0938
二本松峠南 0946-58
二本松峠 1004
入道山 1020
415P 1042-57
送電線鉄塔 1118
親不知観光ホテル1132-37
親不知海岸 1144-49
親不知観光ホテル1157-1300
天候 | 10/5:曇りのち一時晴れ 10/6:曇り 10/7:雨。時々止むが、一時雷を伴い激しく降る |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
なお、黒部IC(徒歩)舌山(富山地鉄)電鉄黒部(徒歩)黒部駅、でも大体似たようなもの。 黒部ICからタクシーでも良い。 黒東タクシー(以下)他一社 http://asahimachi.com/taxi/ 下山後、親不知観光ホテルで親不知駅までの送迎付入浴を利用。(1500円) http://oyasirazu.net/ |
コース状況/ 危険箇所等 |
・北又小屋下の吊橋渡ってすぐの分岐は標識ない。右側の踏跡のほうが顕著だが、これは河原へ下りるもの。 ・イブリ山の合目標識は1〜4合目の標高が少々違っていると思う。 ・栂海新道は、全般的に下草刈りもバッチリで、標識等完備。道の状態はとても良い。 ・栂海山荘は大人数で無ければ必ずしも要予約というわけではないが、状況把握のためにも 小野さん宅へTELするのが良い。翌日は30名近く泊まるとかいう話でした。 ・白鳥小屋ではネズミに食料をかじられたと日誌に書き込みあり。出所は忘れたが、 栂海山荘でも同様の情報が以前にあったはず。 ・親不知観光ホテルに下りる前、最後の送電線鉄塔の分岐は標識が無いようだが、左。 ・このところ比較的雨が多かったせいか、黒岩平はもちろん、北又の水場、黄蓮の水場、シキ割共に 良く出ていたが、イブリ山五合目の水場は涸れている(北又小屋談)とのこと。 白鳥小屋の水場は、存在を失念しており(感想参照)、寄る必要がなかった為、不明。 ・朝日小屋は今年は10/8泊で営業終了です。念のため http://www.asahigoya.net/ |
写真
感想
10/5
夜行バスを降りた魚津ICから駅までは30分ほど歩く。途中で本降りに近い雨になったが、
始発電車で泊駅に着く頃にはおさまってきた。予約していたタクシーに乗り北又小屋へ。
出発する頃には丁度、雨が完全に上がり、青空さえもが見え始めて幸先が良い。
北又小屋によれば、五合目の水場が涸れているとのことなので、水を少し補充して歩き始める。
黒部川の最大支流、北又川を吊橋を渡る。北又小屋で注意された通り、右側の河原へ下りる
踏み跡のほうが顕著だ。何しろ今年は道路工事の関係で、9月まで登山道はほとんど使われて
いなかったからか?
それでも登山道は全く問題がない。イブリ山を10合目とする合目標識があり、標高も書いてある。
湿度が高いので発汗は激しいが、それなりのペースで登っており、高度計もそれを裏付けて
いるのに、標識の高度では上がっていない。よほど体調が悪く、かつ気圧が急下降しているのか
とも思ったが、5合目では大体高度計と一致した。1〜4合目の標高が少々違っているのだと思う。
時折小雨がぱらつくが、全般的には好天に向かっており、ガスの底と一緒に登っている感じ。
登るに従って木々が色づいてくる。先の期待が高まる。
イブリ山からは紅葉が本格化する。日差しはあまりないし、遠望も利かないが、時折ガスに
遮られたり、日の当たり方が変ったりと、刻々と変化する紅葉を見ながら緩く登っていくのも、
また楽しい。
夕日ヶ原を過ぎると朝日岳が見え始め、小屋の手前で3羽の雷鳥を見て13時過ぎに小屋着。
5年ぶり位だが、相変わらず、あらゆる面で気持ちが良い小屋。食事も良い。
状況によるが、粘ればメールはできた。(auガラケー)
天候は、翌日は夕方までは持ちそう。翌々日は後半は回復するらしいが、前半は不安定そうだ、
という以上の細かいことはちょっと判らない。
10/6
翌日の天気も考え、できれば白鳥小屋までというつもりで早発ちする。女主人に、北又から
小屋までのタイムを聞かれたのち、曰く、「遅くはないけど...。栂海山荘に正午までについて、
かつ疲れていないようなら良い。後半のアップダウンが激しいから無理しないように」。
ガスの中、ライトをつけて出発。途中でガスを抜け、丁度日の出の時間頃に朝日岳山頂に
着くが、東側は雲が多く、ご来光は見えず。それでも白馬、剱は良く見える。(写真はボケボケ
だったが)
吹上のコルまでの間、何度か家にメールしようとしたが、無理。見下ろす長栂山方面の
紅葉も素晴らしい。実際に降りていくとさらに素晴らしい。今まで見た中で唯一凌駕するのは
八甲田山と栗駒山だろうか?。日差しがないのが残念ではある。
長栂山で単独行の方とすれ違う。栂海山荘2時発とのこと。
次はアヤメ平へ下る。途中、日本海が見える。相変わらず紅葉は良い。
黒岩平で水を補給していると、また単独行者とすれ違う。この人は親不知を夜中に出てきた
とのこと。先ほどの人もそうだが、栂海新道を登りにとる人は人間離れしている。
黒岩山まできても、犬ヶ岳はまだ遠い。次のピークはさわがに山。栂海新道を拓いた
さわがに山岳会が会の名前を冠したのが頷ける、好展望の気持ちの良いピークだ。
この辺りからは、犬ヶ岳と共に、それとよく似た屋根型の山頂を持つ左手の初雪山の
存在感が大きい。
時間的には白鳥小屋まで行けそうだが、念のため一泊最小限の水を北又の水場で汲む。
往復10分はやや多めの見積もり。少し前は細いという話だったが、最近雨が多く、
良く出ていた。3〜4l/min位。
犬ヶ岳への登りはきつい上に、これでもかというほど登り返しがある。しかし、山頂から
その痩せた尾根を振り返ると涙が出そうな位素晴らしい。朝日岳方面は雲に隠れてしまったが
行く手の白鳥山への山稜は片側がガス。一応日本海まで見える。
さて、朝日小屋で課された条件をクリアしたし、まだ持ちそうではあるが、ゆっくり下り坂の
天候を考慮し、予定通り白鳥小屋まで進むことにする。
栂海山荘手前では草刈りをしている。これまで、下草がかぶっている所は全くなく、その
手入れの良さはどこの登山道にも負けない状態。不断の努力によるものとは思っていたが、
この季節に草を刈っているとは...。草刈りをしていた人に「会長が来てますよ」と教えられる。
小屋は冬支度で、さわがに山岳会メンバーが忙しそう。声をかけると小野さんが
出てこられたので、お礼を言って小屋を後にする。
黄蓮山を越えて黄蓮の水場。白鳥小屋まで水を背負う必要がある(と思っていた)
ので、水場まで往復。沢形であり、水量豊富。菊石山を越えてから下駒ヶ岳への登りが
非常にきつい。次は150m下って200m登れば小屋のある白鳥山だが、これは更にきつく、
1ピッチでは届かず、休みを入れる。
山頂手前で、分岐があって標識無し。首をひねって登山地図を見ると「水場」マークが...。
行動中は、1/25000地形図を見るほうが楽しいし詳しいので、「うおっちず」から
カシミール経由でプリントしたものと、注意書きや行程表、両者を両面コピーして
常用しているが、白鳥小屋の水場を書き忘れたようだ。やれやれ。
ともあれ、15時前。無事白鳥小屋着。
(なお、この日は北又水場と黄蓮水場付近で各一名とすれ違った)
数年前に全焼して新築したということで、ピカピカ。数日に一人しか利用はないらしく、
この日も貸切だった。
2Fではau携帯は不安定だが使用可能で、ネットにも繋がるので、2F北側に陣取る。
(外側の窓を開ければなお良いようだ)
10/7
夜半、豪雨となり、2Fではうるさいので耳栓をした程。5時過ぎに起きた時も雨降り。
天気予報では上越、富山東部共に昼前位まで雨の予報。雨雲レーダーでは7-8時頃が
ピークで、まだかなり降りそう。まあ、レーダーの予測は大したあてにならないが。
結局雨は次第に弱まり、出発した時にほぼやんだ。
朝一番でボケていたせいか、山姥の洞へ下る分岐は確認できず。
シキ割までの間に3名のグループとすれ違う。白鳥山往復らしい。
シキ割の水場は、降雨後のため、この日は4箇所位、水がとれそうな流れがあった。
2箇所目で汲んだが、微かに色があった。正解はコップがおいてある3箇所目だが
あまり太くはなかった。面倒なので、汲みなおしまではせず。
金時坂はかなりの急坂。既に上半身はTシャツ一枚となっており、坂田峠で雨具の下も
脱ごうかと思っていたが、峠に着くと同時に雨が降り出し、反対に上も着ることに。
尻高山の前後が一番ひどく、雷も鳴るし、打ち付ける雨は雨具の上からでも痛いほど。
少し経つと、雷は一旦収まったので、大木の下で休もうとした途端に、雷がまた
鳴り出したりで、山に嫌われたのかと思った。
それでも、やがて少しは小降りになったので休憩。
何か動くものが見えた。とりあえず、北海道でやっていたように叫んで見ると、猿で、
向こうも頭を上下左右して樹間からこちらをすかし見ているのがおかしい。
雨中お互いに大変だ。
二本松峠を過ぎて少し行くと雨がやんだ。入道山を越えて少し行ったところ、読図が
間違っていなければ416独標、最後のピークと思われる所で休憩を取る。
で、下りにかかった途端に派手に尻餅をつく。滑りやすい道にも関わらず、これまで
何とか転ばずに来たので、残念。続いて送電線鉄塔の分岐がある。標識は見あたらなかったが、
地図を見れば明らかに左。間もなく、登りの人とすれ違う。頑張ってください。
親不知観光ホテル11:32着。最後の条件が悪すぎたので、正直言って、感動よりもホッとした
思いが大きかった。
公衆トイレの軒先にザックをデポして海岸へ。11:45海岸着。これで日本海大平洋の間で
歩いていないのは、徳本峠越え(明神-島々)だけになった。
ホテルで風呂を借りている間にまたまた大雨。
(帰宅後調べたら、結局この日は、上越地方の西部のみは午後になっても雨だった模様)
風呂から出たら、栂海山荘から来た女性が到着。何時に出たのか聞きそびれたが、速い。
おしまい。以下は蛇足
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小野 健さんについて
著書「栂海新道を拓く」を読んだが、道を拓く多方面にわたる苦労が実に良く
描かれている。また、道を歩いてきただけでも、道の造り、標識、下草の刈り方、
どれ一つとっても非の打ち所がない。
なによりも、並の人ならば中途であきらめてしまうようなことを成し遂げてしまう、
その実行力、決して大きいとは言えないさわがに山岳会を率い、無から出発して、
第一級の登山道としてしまう、その統率力。全く、自分としては、その爪の垢を
せんじて飲みたいところである。
おこがましいが、実際に栂海新道を歩いた今、最大限の讃辞を送りたい。
ご高齢ではあるが、いつまでもお元気でいて欲しい。
栂海新道について
この栂海新道を歩くと決めたのは2008年頃の秋。暑さに弱い私は夏には歩けないから、
秋に行くしかない。翌年秋には日程的には絶好の機会があったが、決行できず。
これが、ケチのつきはじめだったのだろうか。
2010年は色々あってチャンス無し。
昨年は、休みは何とかなりそうだったが、9月に入ってから膝を痛めて断念。
今年こそはと思っていたら、北又への道が完全通行止で今年一杯は入山できないとのこと。
(蓮華温泉からの五輪尾根のきつさは一度下ってよく判っており、日程も非常に立てにくい)
またダメかと思っていたら、幸い工事が早く終わり9/21から入山できるとの情報。
早速、その初日に入山すべく、夜行バスで黒部まで行ったが、本降りの雨と悪化した予報に
断念。(黒部駅から諸所にキャンセルの連絡)
そして、今年の朝日小屋の営業は10/8までであり、今回が最後のチャンス。
私にとっては行程の長さだけでなく、さまざまな意味で長くて遠い道のりだった。
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