能合白山(過去レコです)。


- GPS
- --:--
- 距離
- 4.5km
- 登り
- 596m
- 下り
- 581m
天候 | 雪のち雨。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2002年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
危険個所はありません。 |
写真
感想
毎朝の通勤時、金華橋の上から正面に見え、春になっても最後まで雪を冠っている高い山が能合白山である。9月の終わりに1泊2日で職場の管理者研修会がうすずみ温泉であった。陣中見舞いということで、わたしも夜の宴会に出席しホテルに泊まった。せっかくここ迄来たのだから能合白山に登ろうと、翌朝雨の降るなか温見峠まで行った。峠までの道は国道とは名ばかりのお粗末な道で、ところどころ枝分かれしている道の入り口には「熊出没注意」の看板が立てられてあった。そう云えば以前、簗谷山に登った時に会った人が、能合白山で熊を見たと云っていたし、何かの本に能合白山は日本でも有数のツキノワグマの生息地であると書いてあった。峠は暴風雨で車一台とまっておらず、心細くなってそのまま引き返した事がある。
平成14年10月26日、SさんとN君の3人で薄墨温泉のホテルに泊まり、夕食時に持ち込んだ四合瓶(久保田千寿)の持ち込み代が3000円というので、ホテルの支配人とおおもめにもめた後、早めに寝入った。翌日は今年始めての冬型の気候となり、奥美濃は雨であった。朝食をたっぷり食べ、N君の車に乗り込んで温見峠に向かった。晴れていれば綺麗に見えるのだろが、薄暗い雨の中の紅葉は今一つであった。登山口のある峠の道路脇には、すでに3台の車がとめられていた。雨具とスパッツをつけ準備万端、8時50分に登山道に入った。雨ではあるが、気持ちのよい落ち葉に被われた広い道をしばらく行くと、だんだん急坂となり雨足も強くなって来た。ジグザグの急登のあとは直登となり、岩と泥と根っ子の滑りやすい道を慎重に登った。雨はいつしかあられに変わり、福井県側から吹く強い風が林を騒がせていた。急坂の連続で、木の根っ子にしがみついて登っていると、あられは雪に変わってきた。3人組の男が下山して来て、両手で輪を作り、「こんな熊の足跡が雪の上にあったので、歌を歌いながら登った方良い」と云う。能合白山用にカウベルを購入したが、いまいち鳴り方が良くないので気になっていたところであった。半信半疑で雪の上の熊の足跡を探しながら登って行った。1時間程急坂を登ると、稜線上の平らな道となり、時には軽い下りもあったりして一息つく事が出来た。「標高1300m、頂上まであと400m」と書かれた札がぶらさげられていたが、とっくに1500mは過ぎているのに「こんなデタラメの標高を書いたのは誰だ」と思うかたわら「あと400mか」と気が楽になった。浅い溝状の道はぬかるんでおり、雪がうっすらと積もって足跡もない溝の脇を歩いて行った。平坦ではあるが、左下が絶壁になっている道を、一歩踏み外せば命取りになると慎重に歩いた。晴れていれば見晴らしもきく場所なのだろうが、雪が降る中、何も見えなかった。少し登って道が平坦となると笹に囲まれた広場があり、そこに三角点があった。標高差600m、所要時間1時間半であった。頂上という感じはせず、展望も全くなかったが、5冂積もった雪の中の三角点をバックに記念撮影した。じっとしていると寒いので、ザックに入れて運んで来た食べ物も食べずにそそくさと下山し始めた。急な坂道を下りる時は、登りよりも注意を要した。途中で登ってきた5人組が「頂上まであとどれくらいですか?」と聞くので、「もうすぐですが、雪の上に熊の足跡があった」と答えると、「さっき会った人も同じ事を云い、頂上は3mの積雪だったと云った」と笑っていた。もう1組のパーテイーには「頂上は5mの雪で、熊が暴れていた」と云っておいた。妻に頼まれていた、赤や黄色の葉っぱを拾いながら滑らないようにゆっくりと下りて、11時50分に峠に降り立った。雪はあられとなり、峠はやはり雨だった。Sさん、N君、わたしの3人で登った山は荒島岳に続いて2回目であるが、このコンビは雨に憑かれているようだ。
帰りに立ち寄った根尾川温泉は一杯の人であったが、気持ちよく汗を流した。岐阜に帰った時は爽やかな秋晴れで、妻が「天気が良くて良かったね」と云って呉れた。
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